著者: 久保 博司
何事もそうだろうが、仕事に半身で向かってはいかん。
出世か仕事かと言われれば、仕事を取るプロでありたい。
背中を見られてあとを継がれる男でありたい。
女房孝行したい。
等とこの本を読んで思ったことである。
全国におよそ25万人近く警察官はいるのだろうか。最近、不祥事がニュースをにぎわすが、実は、多くの警察官は、公生活でも私生活でも苦労しながら生きているのである。
警察官に対する考えた方は、様々であろうが、まず、公務員であると言う前提から始まるわけだ。
しかし、普通の公務員だろうか。それが、違うことは、本書を読めば分かる。
まず、大卒であれば、半年の初任研修があり、徹底的に法的知識をたたき込まれ、また、身体的にも鍛えられる。
そのことはあたりまえのことだろう。
そして、一線署に出て、仕事でしごかれ、一丁前に育っていく。その過程を読むと、一種の職人の世界という感じもする。
交番勤務から始まって、その後、様々な職種に進むことになるが、そこのところが一般の方はわかりずらいようだ。
警視庁の場合、刑事部には、殺人事件などを扱う捜査一課から泥棒を扱う捜査三課、暴力団事件を扱う捜査四課等さまざまな所属がある。そこに所属する刑事に交通取締のこと、免許のことを聞くなんて事が実にナンセンスなことなのだが、一般的には、警察官いっぱひとからげで全部分かるだろうなという幻想に襲われる。
それはともかく、家庭孝行などとはほど遠いらしいが、どうも、警察一家と呼ばれるくらい二世も多いらしい。
子は親の背中を見て育つのだろうが、家庭を顧みない父を見てもなおかつあとを継ぐ形が出るというのは、子は、某かを親に見ているのだろうな。
この本を見れば、警察官の女房は、泣きに回るんじゃないかと思えるほど大変な気もする。
私は、女房は、大切にしたいと考える。
一線の警察官が、家庭的に苦しむようなことがないように祈るばかりだ。