夢は持ち続けることで初めて叶う。
それが途方もないことであったとしても。

そのための努力、そして結果は必要。
では、それが伴ったら?

だから、彼女は全日本にいる。
野本梨佳選手、未完の大器。

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同期は言わずと知れた長岡望悠選手、そして石井優希選手。

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晴れて三人は再び、同じスタートラインに立った。
しかも、監督は恩師・中田久美監督。

これ以上ない条件を携えて、彼女は全日本に帰ってきた。
と言っても、野本選手の全日本を知る者は少ない。

かつて、久光には将来を嘱望された三人のアタッカーがいて、同じ時期に全日本に上がった。
勿論、長岡選手、石井選手、そして野本選手。

最高到達点は310cm。長岡選手を超える。
潜在能力は全日本級。
しかし、野本選手は故障で出遅れ、ライバルであり親友を見上げる日々が続いた。

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久光はVプレミアリーグで1、2を争う選手層の厚いチームであり、レギュラーの獲得は至難の業。

それでも野本選手は狭き門に挑み、チャンスを待ち、努力を続けた。

転機となった2016/17シーズン。
恩師・中田監督が全日本監督に就任。

野本選手は終盤の切り札、二枚換え要員として活躍。
セットの終盤、試合を決める場面でも長岡選手に代わり活躍する場面が多くなる。

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そして、運命の歯車が動き始める。

ファイナル6最終戦、NECレッドロケッツとの一戦にて第二セット終盤、エース長岡選手が負傷。
結局、この試合を落としたものの、久光はファイナル3を辛くも2位で通過。

陣営は躊躇なく野本選手を抜擢。
一世一代のチャンスが巡ってくる。

当初、日立有利が謳われたファイナル3。

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チームは新鍋選手をライトに配置し、野本選手をレフトに起用。
この作戦は的中し、新鍋、野本選手ともに活躍。
古藤選手のトスワークも冴えわたり、ミドルも機能。

それまで見せなかった全員バレーで活路を見い出し、久光は見事ファイナルに進出。

NECとの闘いは文字通り、死闘となる。

ファイナル第一戦、双方譲らぬ激しい激戦となる。
痛恨は第四セット、岩坂選手は肩を負傷し退場。
それでも久光は最終セットに持ち込み、水田選手のハッスルプレーで奮戦するも、20点を超える大激戦はNECに軍配。野本選手は石井選手に次ぐ19得点をあげるも及ばず。

野本選手①


続く第二戦、度重なるレギュラー選手の負傷にもめげず、果敢に攻め第一セットを先取した久光。
しかし、戦力充実するNECを前に第二、第三セットを奪われ苦戦。
それでも意地で第四セットを奪い、フルセットに持ち込むが気力にも限界があった。
この試合で野本選手は意地の23得点を奪い、レギュラーと遜色のない活躍を示した。

そして、この活躍がきっかけとなったかどうかは分からないが、野本選手は実に4年ぶりに全日本復帰を果たした。

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いよいよ、久光の三人娘が揃って顔を揃える時が来た。

勿論、まだスタートラインに立ったばかりだが、やれる自信も出来た。
チームは一新し、ライバルも多い。

ともあれ、目指すべき地点に立ったのは事実。
久光の三人娘から、全日本の三人娘へ。

さあ、頑張れ。
本当の勝負は、いよいよこれから。