冨田勲 追悼特別公演「ドクター・コッペリウス」の感想を書こうと思い始めてかれこれ1時間、自分でも驚くほど言葉が紡げないでいる。ドクター・コッペリウス第4楽章での胸締め付ける思いの理由を、第7楽章の途中から頬を濡らし始めた涙の理由を、ずっと考えている。

今はMacBook Airを持ち歩いているが、その前は15インチのMacBook Proを使っていた。その液晶裏面には冨田先生のサインが記されている。何年か前、ストリーミングの番組、DOMMUNEでご一緒したときに書いていただいたものだ。宝物であることは言うまでもない。そのとき、冨田先生と交わした言葉、ほんの二言三言だったけど、それを思い出しながらドクター・コッペリウスを聴いていた。あのサインをいただいたときに、喉まで出かかって聞けなかったひとつの質問を思い出した。

「先生にとって初音ミクはどんな存在なんですか?」

第4楽章「惑星イトカワにて」は、その答えであるように思えた。先生にまといついていた重力を解放をした存在。

第7楽章を終えて先生は旅立たれた。そのことの喪失感に襲われながら、それはとても幸せな旅立ちだったのだと確信した。永遠の存在であるミクと素敵なダンスをしながら、僕は十分楽しんだよ、と言っている気がした。別れの曲ーー自分にはそう思えた。

感想になりませんでした、すいません。



今回の公演に関わられたすべての皆様に心から感謝します。震えるほどの感動でした。

ドクター・コッペリウス