October 22, 2005

ウィンター・ゲスト

冬のスコットランド
海が凍ったある朝の物語

The Winter Guest

 

 




 



■・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
出演: エマ・トンプソン
    フィリーダ・ロー
    フイリー・ハリウッド
    アーレン・コックバーン
監督: アラン・リックマン
1997年 イギリス 110分
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・■


スコットランドの、海が凍ったある朝。
一人の小柄な老女が、
雪道をしっかりした足取りで歩いて来る。
凍った道に、うっすら積もった雪。

黒いコート、黒い帽子の老女がふたり、
バス停目指して歩いて来て、
彼女とすれ違う。

白いシーツに包まって後ろ姿を見せる中年の女。
高校生の息子が暖房を点けようとするが、
壊れたままで温まらない部屋。

彼が学校へ向う途中、
彼の姿を見て駆け出す少女。

学校へ向うはずの小学生ふたり。
だが彼らの行く先は凍った海辺。

この物語はこうして、淡々と始まる。


4組のペアの、お互いの葛藤や反発も交えながら、
ひとりでは生きていけない、頼りあい、寄り添いたいふたりの、
それぞれの1日を、静かに、繊細に、丁寧に、描いていく。

俳優・アラン・リックマンの初監督作品だが、
白を基調にした、静物画のようなきちんとした画面、
凍てつく海、岩場、道路は質感に溢れ、
痛いほどの冷気を体感させる。
そこに生きる、普通の生活をしている普通の人たち。
彼らに注ぐ控えめな愛情が心地良い。
端正で上質な、彼のセンスのよさが見て取れる。
こんな感性を持ち合わせる男に、中学生でハマったわが娘、
天晴れ、である。


主演のエマ・トンプソンとフィリーダ・ローは実の母娘。
CGで合成でもしているかのように、
年齢分の違いを差し引けば、同じ顔をしている。
それが、このふたりの関係の真実味を醸し出す。

初々しい少年と少女の性への目覚めと戸惑い、
死のイメージを背負い、葛藤を抱きつつも支えあう老女たち、
現実に押しつぶされそうになり、もがく小学生たち。
彼らはみな、
解消されない孤独と不安と不満に苛まれつつ、
共に歩むという、小さな希望を見つけてゆく。

ラストシーンは、冒頭のシーンに呼応して、
さらに印象深い。


冬の夜、暖かい飲み物と共に、
静かにナイーヴなお話を観たい人にぴったりの作品だ。

◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
小学生の男の子ふたりの会話を聞いていて
ふと気がつく。
もしかしたら、彼らの話し方がスコットランドの抑揚ではないのか。
今までどうしても、「英語だ」としか聞えなかったが、
たぶん、この発音やイントネーションが、
スコティッシュならでは、なのだろうと思う。
「Dear フランキー」や「ワン・モア・キス」や「猟人日記」を
見直したらわかるだろうか。
いや、「猟人日記」だけにしとくか。
本来の目的を忘れてしまうだろうから…

その小学生Tomを演じたショーン・ビガースタッフは
この後、
「ハリー・ポッターと賢者の石」「ハリー・ポッターと秘密の部屋」に
オリヴァー・ウッド役で出演している。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◇



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1. エマ・トンプソン Emma Thompson 女優特選  [ mayapapaのMAYA_tomato ]   February 13, 2006 18:35
Date of birth (location),15 April 1959,Paddington, London, England, UKStranger Than Fiction (2006) Nanny McPhee (2005) ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 Harry Potter and the Prisoner of Azkaban (2004) エンジェルス・イン・アメリカ "Angels in America"...
2. アラン・リックマン Alan Rickman 俳優特選  [ mayapapaのMAYA_tomato ]   February 13, 2006 19:15
Date of birth (location),21 February 1946,Hammersmith, London, England, UK 本名 Alan Sidney Patrick Rickmanハリー・ポッターと炎のゴブレット Harry Potter and the Goblet of Fire (2005) ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 Harry Potter and the Prisoner of ...
3. ウィンター・ゲスト  [ 終日暖気 ]   November 07, 2006 01:00
『THE WINTER GUEST』 1997年イギリス アラン・リックマン監督作品。

この記事へのコメント

1. Posted by ジェリマロ   October 25, 2005 23:23
今晩は!
チョット前に中古ビデオ(吹き替え)→DVDの順で購入しました。
初監督作品とあり、アランが出演しているかも?との想いから内容も知らずに見ました><
よく出来ている作品です^^この親子の演技から目が離せません(-д☆)キラッ
散歩?に行く時2人で暖かい上着を探している時のかわいいこと(≧∇≦)

>もしかしたら、彼らの話し方がスコットランドの抑揚ではないのか。
今までどうしても、「英語だ」としか聞えなかったが、
たぶん、この発音やイントネーションが、
スコティッシュならでは、なのだろうと思う。

とあり、確認する為近いうちにチェックします^^
舞台だと最後はどのように終わるのかしらと見るたびに思います。
2. Posted by ジェリマロ   October 25, 2005 23:26
又しても長くなり二部構成です。m(__)m
ところで、お嬢様は「銀河ヒッチハイク・ガイド」見に行かれましたか?
宇宙一ユウツな?ロボットの声のみでの出演ですが、アランが出て(?)います。「ギャラクシー・クエスト」で共演したサム・ロックウェルも出ています。
とても楽しい作品でしたよ^^
3. Posted by 悠雅   October 26, 2005 11:08
>ジェリマロさま
こんにちは(*^_^*)ようやく観れました。
わが家にあった(娘のモノだけど)のは中古字幕ビデオ。
そのパッケージは、アランの顔写真入り。わたしもカメオ出演などあるのかも?
と思いましたが、ハズレ。

>散歩?に行く時2人で暖かい上着を探している時のかわいいこと(≧∇≦)
階段の上から、ぽいぽい投げるなんてね。
おんなじ顔してる2人を観て、わたしと母の今、娘とわたしの将来を考えました。

スコティッシュのイントネーション、どうだと言われれば怪しいのですが、
聞いていると、これがそうなのかな?と思わないではないのです。
不確かですけど(^^ゞ
4. Posted by 悠雅   October 26, 2005 11:13
>ジェリマロさま
何部構成でも大歓迎です。
こちらも長くなりました。

『銀河ヒッチハイク・ガイド』、映画雑誌で知ってたんですけど、
上映館が限られているのと、彼女の仕事等の都合で見送ったようです。
声だけでも、やっぱり観たがってたんですけどね。
レンタルを待つか、購入…になるのかな。
わたしは、またミニシアター系の作品が多いレンタルショップへ行って、
たぶん1つしかないようなのを捜すことになるのでしょう。
5. Posted by ジェリマロ   October 27, 2005 00:20
「ウィンター・ゲスト」アランがほんのチラッとうつる所を何度も繰り返し観た記憶が・・・。
アランのこけ方?滑り方?が絶品です^^;
お嬢様と似ていらっしゃるですね^^
将来楽しみ??

『銀河ヒッチハイク・ガイド』は残念でしたね><
私はDVD購入します!!アランの声なしでも楽しい作品だったので^^
又、アラン作品楽しみにしています。

今度はGerryでカキコミをはたしとうございますm(__)m
6. Posted by 悠雅   October 27, 2005 01:18
>ジェリマロさま
あらっ!!アラン出てましたか。
あれまぁ。見落としたわ。
コケるんですか。えらいこっちゃ。もう1回観なくっちゃ・・・

母娘が似てて嬉しいのは母、迷惑そうなのは娘…

アランの作品、まだあるかな。今更「ロビンフッド」でもないし…
でも、あれって英国モノだわ。わ〜〜ん、もう1回観直す作品だらけ!!

Gerryの話題、最近減少傾向ですが、
いつか突然どっか〜〜〜んと書きますから(ほんまかいな)
またお越しくださいね。お待ちしてますから。
7. Posted by ジェリマロ   October 27, 2005 23:22
又お邪魔しますm(__)m
フィリーダ・ローがエマ・トンプソン(フランシス)の家に着き望遠鏡で町?を覗き込んでいると黒いコート、黒い帽子の老女がふたり(一人)にぶつかる人ですよ!多分^^;
思い込みだったらどうしましょう><
「いつか晴れた日に」のアランもいいですよね*^^*
8. Posted by 悠雅   October 28, 2005 21:23
>ジェリマロさま
観て見ましたよ、そのシーン。
ほとんど冒頭部分なので、捜すのも楽でしたが、シーンそのものも覚えていたので、
1回でわかりました。
まさか、あんなところに出てると思わなかったわ。うん、あれはアランですね。
わたしも何回か観ました。
でもそのまま続けて観そうになりました。

「いつか晴れた日に」のアラン、いいですねぇ。正攻法のよさっていうか・・・
どうして彼は姉じゃなく、妹なんだ!どうして姉を愛してやってくれない、って
本気で思いました。
エマとよく似合うでしょう。
ラブアクチュアリーの夫婦役(その時ヒューは弟で笑った)本当に夫婦じゃないかと思ったもの。
9. Posted by 武田   November 07, 2006 01:24
悠雅さま、こんばんは♪
ううう・・これはまたなんて素敵な物語でしょうか。
このさりげなさ。沁みました・・・。
アランの才能って、凄いのですね!!なんたるセンス。
まったく知らなかった作品でしたので、感激もひとしおです。ああ、ほんと良かったなぁ。(あ、アランは何処に?と思ったら、あの老婦人方にコケてぶつかるのがアランだったのですね〜♪)
いつも同じことばかり言ってますけれど、ほんと見ることができて良かったです。ありがとうございました!!
10. Posted by 悠雅   November 07, 2006 02:27
武田さま
こんばんは。
ああ、よかった。ほんとに武田さんにオススメして
本当によかったです♪
喜んでいただけて、わたしは武田さん以上に嬉しいです。

電子レンジで靴を温めながら撮影したという裏話があるくらい、
厳寒のスコットランドで撮影されたらしいけれど、
冷気を実感するような荒涼とした風景と、
4組の人間たちのさりげない1日なのに、
アランのセンスのよさを感じるのですよね。
これを観て、ますますアランのファンになったわたしです。

そう、あそこでコケるのがアランです。
観れば観るほどアランです。
なのに、最初はわかんなかった〜〜〜(>_<)
11. Posted by kei☆   November 09, 2006 13:11
こんにちは。

>電子レンジで靴を温めながら…
とは、すごいですね。スコットランドの冬は相当寒いんですね。確かに真夏に行った時も、Tシャツ重ね着+トレーナーと、持ってきた服を全部着ても寒く、とうとう変な安い上着を買ってしまいました。

ところで、スコットランド訛り。今『アイランド』をご覧になれば、よくわかるのではないでしょうか…?あの二人のシーンは、違いが聞けて本当に嬉しいです。
ところでこの映画、結構な人が巻き添えになったのです…ね?派手なアクションに気をとられていたのか、ユアンとブシェミとショーンに見惚れていたのか、すっかり印象に無いです(^^;。
12. Posted by 悠雅   November 09, 2006 21:47
kei☆さま
こんばんは。
真夏の襟裳岬や網走へ行った時もそんな感じでした。
ストーブ炊いてたもの。8月なのに。
それから想像すると、スコットランドって、やはり寒い国なのですね。

『アイランド』、特にユアンの台詞のところは違いを聞きたくて、
WOWOWの放送をもう1回観たのだけれど、
英語をよくわかってないから、この作品ほどの違いを感じられなかったの^^;

『アイランド』は、相当な数の人間が巻き添えで殺されてばっかり…
スティーヴ・ブシュミもかなり早いうちに殺されたし、
途中からうんざりしてしまいましたが・・・

お互い、観ることろが違うと、違う感想になりますね(笑)
13. Posted by aki   June 15, 2007 23:28
悠雅さん、こんばんは。
今日やっとこの作品観ました。
レンタル落ちビデオで100円。これと『スカートの翼ひろげて』。
前回購入の『クイズショウ』『アイス・ストーム』
DVDは品薄なのに、レンタル落ちビデオはなんだか凄く名作が探し出せるお店なんです(嬉)

監督の深く凛々しい人間への愛情が伝わるような物語ですね。
私はあの少年が髪を触るシーンがどこか清涼感すらあって好きでした。
その時のエマ・トンプソンの繊細な表情にもジーンとしました。
まだ幼さが残る少年が、とても孤独な事に何とも言えないやるせなさも残りました。
14. Posted by 悠雅   June 16, 2007 21:35
◆akiさま
こんばんは。すっかりお返事が遅くなってごめんなさい。
いつもながら、段取りが悪い時間の使い方をしててお恥ずかしいです。

ああ、これが見つかったのは本当にラッキー。
良質でも、人気の作品でないものって、
結構簡単に¥100で処分されちゃうんですよね。
akiさん、ホントにいい作品をたくさんGETされましたよね。

これ以上はないくらい、静かな映画なのだけれど、
映像全体が白いイメージであるせいか、
透明感があって、アラン・リックマンのセンスのよさを感じます。
それぞれの年代の人たちに向ける目の温かさといい、
俳優たちの好演といい、地味だけれど味わい深い作品なのですよね。
akiさんのコメントで、またこれが観たくなりました。

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