December 25, 2005
ローマの休日
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出演: オードリー・ヘプバーン
グレゴリー・ペック
エディ・アルバート
テュリオ・カルミナティ
パオロ・カルソーニ
監督: ウィリアム・ワイラー
1953年 アメリカ 118分
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何度も観ている映画はあるが、
たぶん、『オペラ座の怪人』を除けば、
いちばんたくさんの回数を観ているのは、きっとこれだろう。
何しろ、50年以上前の作品で、
テレビ放送だけでも、わたしが物心ついたときから、
今まで一体何回あったことか。
事情が許す限り、きっと毎回観ているだろう。
物語は、すっかり覚えている。
それでも、観てしまうのは何故だろう。
ローマに滞在中の、某国王女アンが、
息苦しい生活からひととき逃れたくて、
こっそり宮殿を抜け出す。
街で出会った、アメリカ人新聞記者、ジョー・ブラッドレーと
1日限りの恋に落ちる…
この人以上に清楚で可愛くて美しい女優さんがいるだろうか、と
今でも思うくらいの、オードリー・ヘプバーンと、
長身でハンサムなグレゴリー・ペック。
絵に描いたような美男美女が、
美しいローマの街で繰り広げる、
あり得ないけれど、もしもあったら何て素敵な、
ロマンチックで切ないラブロマンスの、名作中の名作。
今更何をどう書くまでもないだろう。
これは、わたしの母が高校時代に公開になったらしく、
その頃、余程憧れたのだろう。
テレビ放映があるたびに、
たぶん、まだ小学生だったわたしに、
解説までして見せたのだと思う。
記者会見のやりとりは、
子供心にもしっかりと焼きついたのだと思う。
『ローマの休日』と聞いてすぐに思い浮かぶのは、
ラストシーンである。
以来、何度目だろう?
昨夜、夫がまたテレビ放送を観ていて、
やはり、一緒に見入ってしまった。
ショートカットにした髪が、
彼女の気持ちを反映して、場面ごとに変わっていく。
着ていた白いシャツも然り。
王女の気品はそのままに、
キュートな女性に1日で変身していく。
アメリカ男とひとときの恋に落ちる、
その切ないアン王女は、何と美しいこと。
語り始めればキリがない。
何度観ても、いつも切ない想いが消えることはない。
ふと、気がつく。
長身でハンサムで、幅広のズボンに両手を突っ込み、
長い脚を持て余すようにゆっくりと歩く。
そんなグレゴリー・ペックに子供心にも憧れた。
ついでに、
新聞記者、という響きにも憧れた。
最初に観た時には、
何故出会って、何故別れるのかも解らないくらい、
小さかったのだと思うが。
たぶん、これからも放送されたら観るのだろう。
そのたびに、
アン王女と一緒に、
ひとりでゆっくりと立ち去るアメリカ男に、
ひとときの恋をするのだろう。
そしてその余韻は、
あの靴音のように、長く心に響くのだ。
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この記事へのコメント
「ローマの休日」本当に大好きな大好きな映画です。
50年以上も前のモノクロの映画にいつ観てもなぜこんなにも胸ときめくのでしょうか・・。
アン王女の笑顔の魅力はもちろんのことラストシーンのコツコツというあの足音が、私もいつまでも胸に響いています。ローマという町も歩いただけで何故か涙ぐみそうになる本当に深い魅力のある私も大好きな街。あのラストの二人が視線を合わすなんてせつない数秒・・。
それと前出の「ラブ・アクチュアリー」ハッピーな気持ちにさせてくれる映画なのにタイトル書こうとしただけで涙ぐみそうになるのは何故?私もやっぱり大好きだ〜!
忙しい年末、風邪などひかないようくれぐれもご自愛下さいね〜。来年も素敵な一年でありますように・・。
こんばんは〜
ありがとうございます。おかげさまで元気にしております。
ローマは、(というか、香港と韓国と中国のごくごく一部しか行ったことない…)
映像でしか観る機会がないのですが、
行ってみたい町のひとつです。
っていうのは、この作品の影響なのでしょうね。
もう2度と逢うこともない、住む世界が違うふたり。
特に、立場上、彼が王女の姿を見ることができても、
王女は彼を観る機会はないのよね・・・と思うと余計切ない幕切れなのですね。
『ラブ・アクチュアリー』、本当に人気がありますよね。
何度観ても飽きないのは、やっぱり脚本がいいんでしょうねぇ…
今年は、おかげさまでこの年で味わうことがあるとは思えなかった楽しい1年でした。
仲良くしてくださって、ありがとうございました。
来年も、再来年も、末永く、仲良くしてくださいませ。
『ローマの休日』はあらゆる映画の中でも必ずベスト10に入る名作だと思っています。
小学生のころ、テレビ放映で観て心の底からしびれました。
ヘップバーンは私の密かなあこがれの的だったのです。
『昼下がりの情事』にも感動しました。子供に分かるような映画ではないと思うのですが・・・(笑)。
ちなみに経済学者の野口悠紀雄教授によると、『ローマの休日』は英会話学習の教材に最適なのだとか。英語の発音が綺麗なのだそうです。
こんばんは〜寒い毎日ですねぇ。。
わたしが、グレゴリー・ペック(ジョー・ブラッドレーかも?)に憧れたように、
ヘプバーンに憧れた男性は多かったと想像します。
あんなに綺麗で可愛くて気品のある女性は少ないですもんね。
中学時代、吹奏楽部で『昼下がりの情事』のテーマを演奏して、
映画の主題歌と知って、偶然テレビで観れたときは嬉しかったですが、
確かに、「情事」の意味も知らない田舎の中学生に、どこまで理解できた内容だったのか…
そう思ったらまた観たくなりました。
>英会話学習の教材に最適なのだとか
あら、それなら、吹替えで観てはいけませんね。
やっぱりもう1回、字幕で観たほうが・・・
(また、行く先が広がる一方)
コメントありがとうございました。
コツコツと余韻が残っておりますよー。
検索してましたら、オードリーのカマトトぶりがいやだ!という説も出てきました。人それぞれで面白いですね。
あの、リンクさせていただきます。よろしくお願いします。
この作品は本当に名作中の名作。
オードリーの魅力が全編に散りばめられていて、ほぉ〜っと溜息が出てきてしまいます。。。(*^_^*)
こんにちは〜
こちらこそ、TB,コメントありがとうございます。
出会う時期が早くて、観るたびに心惹かれるシーンが違うこともあるけれど、
やっぱり切ないラストシーンと、ロマンチックで綺麗な印象が変わらない作品です。
こういう作品に、40年(ギャッ)近く前から出会えていたことに感謝したいです。
ま、人それぞれですから、いろんな感想があっていいのです。
わたしは、劇場全体が大爆笑の舞台作品を観ながら、
ひとり、ドン引きだった経験が何度かありました。
リンク、してくださるのですか。
中身に大幅な偏りがありますが、これからもどうぞよろしくお願いします。
こんにちは。
ようこそお越しくださり、コメントもいただき、ありがとうございます。
もともと綺麗な可愛い人を、より以上に見せてくれる名作。
50年以上経っても人気が衰えないことは、それなりの理由があるのですね。
もう1回観れてよかったです。
これからも、よろしくお願いしますね。
やっぱり良いモノはいつになっても良いってコトですね。観終ってしばらく余韻が残りますね。
新着記事を見つけたので、早速お邪魔しました。
こちらこそ、TB,コメントありがとうございます。
残った余韻が何十年も続いている気がします。
いいものはいい。
これこそまさに、そおういう作品だと思います。
TBありがとうございました。
ちょっと来るのが遅くなり...
でもコメントさせて下さい。
悠雅さんの↑の「ローマの休日」の
記事ですけれど、詩の様な素敵な文章
ですね!あと、この映画がとっても
好きなんですね...
私も素敵な映画で、好きです!
本当にヘップバーン、素敵ですよね...
はじめまして。
こちらこそ、ご訪問、TB,コメントありがとうございます。
この映画は、
物心ついた頃から、本当に何度となくTVで観てましたから、
すっかり筋も覚えてるんですが、やはり何度観ても、
同じところで笑い、同じところで切なくなり、
最後には、何とかハッピーエンドになる方法はないのか?と
真面目に考えたりします(笑)
感想の文体、あまり考えたことがないのですが、
お褒めいただいて、ありがとうございます。
(こんな時だけ、とっても素直なお調子者悠雅)
同じ作品でも、
いろんな方がいろんな書き方で、いろんな感想を書かれるので、
あちこちにお邪魔するのがとても楽しいです。
ブログをやっててよかった、と最近よく思います。
これからも、よろしくお願いしますね。
あのラストは良かったですね。
ペックの友人役も良いです。
最初、ペックが彼の口を封じる為に椅子を蹴って倒す場面は大笑いでした。
最後に渡す写真もちょっぴり笑えて、でもちょっぴり悲しくて・・・・・。
ヘップバーンが髪を切る場面。可憐です。
花屋さんがプレゼントで一本だけ花を渡すのも洒落てますよね。
さあ、子供をプールに連れて行こう。
昨日、ある女性のブログに数年前から書きこんでいる事を妻が初めて知って怒っていました。
はあ・・・・・。個人的な事を書いてすみません。
この映画の見所と魅力は数え上げればキリがないですが、
ラストシーンが特に印象的ですねぇ。
あの、長い手足といつまでも響く靴音、甘さと悲しみの混じった表情。
わたしはどうしても、ペックばかりを思い出してしまいますが(笑)
わたしはやっとバタバタした日が済んで、
いつもの日常に戻りつつあります。
奥様が、ご自分以外の女性に興味があるとか、語り合うとかすることを、
快しとしないというのは、まだまだ貴方様に興味も期待もあるからこそ。
「いつどこで誰とどんな話をしてもOKよ」と言われるほうが、
恐ろしいですわよ。
いつもアドバイスをありがとうございます。
>「いつどこで誰とどんな話をしてもOKよ」
それは大変恐ろしいですね。
オードリー・ヘップバーン。
晩年は自分が癌に蝕まれている事を知りながら、発展途上国に行って、様々な活動をした人。
立派な人です。
1970年代にショーン・コネリーと共演した「ロビンとマリアン」も中々良い作品です。
勝手なことばっかり言ってるだけです。
そうそう。そちらのほうが恐ろしいです。
ヘプバーンは、本当に可愛らしくて綺麗で上品で・・・
というだけでなく、人として、素晴らしい方だったのですね。
途上国での活動の様子も、TVなどで観た記憶があります。
あの方が亡くなった時は、世界中の人々が
彼女の死を悼み、悲しんだことだろうと想像します。