January 21, 2007
不都合な真実
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出演: アル・ゴア
監督: デイヴィス・グッゲンハイム
2006年 アメリカ 96分
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地球温暖化、という言葉を知って久しい。
エコ、という言葉もよく使われている。
でも、それを充分に理解しているかと言うと、
ただ何となく知っているだけ…という人が
実は多いんじゃないだろうか。
元、アメリカ副大統領アル・ゴア氏の、
精力的な「スライド講演会」の模様と、
彼の主張を綴ったドキュメンタリー作品。
学生の頃に出会った恩師の影響で、
地球温暖化の兆候を知った彼は、
政治家としての活動と並行して、
長年、
地球環境に関するテーマで活動を行ってきた。
世界中の特徴的な場所の、現在の写真やフィルムと、
信頼性の高い膨大なデータと、
ユーモアも巧みな説得力のある講演は、
ただ、講義を聴いているのではなく、
自発的に考える材料を、
これでもか、これでもか、と目前に提示される。
その度に、
身も凍えるくらいに総毛立ち、
それが収まりきらない間にも鳥肌が立ち、
まるで、酷い風邪の引き始めのように、
身体の震えが止まらなかった。
排出CO2と気温上昇のメカニズムは理解しやすく、
温暖化が起こったために、
著しい変化を見せる地域の写真は説得力がある。
世界中が協議して、
大多数の国が批准した「京都議定書」に
サインしなかった、経済大国アメリカ。
独善的な資本論を振りかざすアメリカの政治家が、
如何にも馬鹿で矮小に見える。
シミュレーションが現実になった場合には、
地球上の人間がどれくらい死亡するのか、
見当もつかない。
また、
その影響で、戦争すら起こらないか?と
想像できなくはないじゃないか。
これを観て、
「でも、わたしたちに何ができるっていうのよ」
「何をしてもしなくても同じだ」…などと言う方は、
恐らくはいらっしゃらないだろう。
地球をこのまま放っておいてはいけない。
じゃあ、何をどうすればいい?
CO2の排出量は、
日本は世界的に見ればとても多い。
グラフを観て、愕然とする。
だが、国民一人当たりの量にすれば、
それはぐっと低い値なのだが、
人口が多いために、総排出量は年々増加傾向だ。
救いがあるような、ないような話であるが、
まだまだ認識も努力も足りてはいないということだ。
今日、わたしひとりの力で
大量にCO2を排出しているアメリカや中国などの
国家全体を動すことはできないが、
わたしの独断で決定できる我が家の、
あらゆる生活の、今まで以上の見直しはできるだろう。
今後のライフスタイルのあり方にも関係してくる。
少しでも、改善の余地があるとすれば、
小さなことからでも何かを始めなければ、
あっという間に手遅れになることは必至だ。
作品内では、無茶な提言はしない。
決して、1970年当時の生活様式に戻そうとか
最新のテクノロジーを否定したりとか、
そんなことは言わない。
ちょっと気をつければ、可能なことばかりだ。
たとえば、わたしたちの生活の中では、
買い物に行くときは、
まだ、レジ袋は無料のところが多いけれど、
エコバッグを持つところから始めようか。
そういえば、
COOPのお店に行く時は、
必ず、マイバッグやマイかごを持って行くじゃない。
わたしたちが子どもの頃は
絶対に買い物籠を持って行ったじゃない。
なのに、
近所のスーパーは、ただでくれるからって、
ついつい、袋をもらってしまっているだけだ。
1人暮らしの娘は、袋の5円が惜しくて、
必ずマイバッグを持って買い物していると言う。
動機は倹約のためでも、
それを実行しないよりずっといい。
牛乳パック、食品トレー、紙類の廃品回収や
ゴミの分別も
ずっとやって来れてるんだから、
どこかで、消費するだけの生活を
ほんの少し見直すことくらい、できるんじゃないか。
まずは、自分のできるところから、
人類唯一の故郷である地球を守るために、
何かを始めなければならない時期に来ている。
今、何かを始めなければ、
我が子がわたしたちの年齢になった頃、
いずれ生まれてくる孫が成人する頃、
地球は、今とおなじ姿を見せてくれないだろう。
これは、脅しではない。
エンドクレジットで
いくつか、提案が流される。
なるほど、と思うものばかりだ。
その中で、わたしができることを
真っ先に実行しよう。
どうか、ご覧になれる環境の方は、
映画館へ行って、ご覧になってください。
全国22ヵ所、主にTOHOシネマズでしか
上映されていないのが非常に残念なのだけれど、
ご覧になれない場合は、
せめて、オフィシャル・サイトだけでも
目を通していただきたい。
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この記事へのコメント
これ、もう始まっているのですね!!早く観に行かなくては。
ゴア氏、もしもあの時大統領選に勝っていたらどうだったのか・・というのはさておき、
>まずは、自分のできるところから、
人類唯一の故郷である地球を守るために、
何かを始めなければならない時期に来ている。
というのは、もう本当にその通りですよね。
今がよければそれでいいはずがないですものね。そうそう、買い物籠持ってでかけて、お肉やお魚もトレーなんかなくて。(なければないでちっとも困らなかったから、絶対にできますよね。前向きに考えて私もできることは地味にやりたいです。(まずこの映画を観に行かねば)
私は昨日の『ダーウィンの悪夢』に引き続き、今日観てきました。
この映画は是非とも学校などで良い教材として子供達にも観て貰いたいですよね。
ゴア氏の提案は本当に無理なものはありません。
明日からと言わず今すぐにでも出来るものばかり。
観て真実を知ってしまった者としては何かしら行動しなくてはと思わせる映画です。
私は炊飯器の保温機能を使用しないとか過剰包装を断るとか微々たる努力をするようには心がけてますが、れを機にさらなる努力をしようと改めて感じました。
こうやって、映画観た人が少しずつ意識していけばきっと京都議定書で設定した削減目標達成できると思うんですが、どうなるんでしょうかね。
そうです。始まりました。
暫くは上映されてるだろうけど、上映館が少なそうなので、
それがとっても残念。
日曜ならワンコインで観れるところもあるみたいだけど、
残念ながら、悠雅御用達シネコンはそれに漏れてました…
今でも、母やおばあちゃんの買い物籠の模様を覚えてるくらい、
買い物の必需品で、必ずみんなが持っていたものですよね。
お豆腐なんて、お鍋持って買いに行ったんだもの。
もっともっと、身近なところを見直すことはできるはずだと
主婦、母親の立場になると、痛感せずにはいられません。
少しでも危機意識を持って、何かを始めること。
それが、わたしたちにもできることだと思います。
こんにちは。『ダーウィンの悪夢』は完璧に見送りです(笑)が…
わたしもこれを是非、中学生以上の、
データを理解できる年齢層に見せたいと思いました。
普段から実行していることはそのまま継続しながら、
今一度、それでもまだ何かはできないかと見直し、
生活に潤いがなくなる一歩手前まで、
何かをし続けていかなければならないと思いました。
わたしの子どもたち、いずれ生まれるであろう孫たちが、
ちゃんと生きていける環境を残してやりたいです。
とにかく、今は無関心の人でもまず知ってもらって、
危機意識を持つ必要があると思います。
そのためにも、多くの人に観てほしいです。
人間は生まれながらに環境に悪い生物だと思います。
炭酸ガス排出、木を切り、海を汚し・・・
ただ生きているだけで、環境にいいことを何一つできない。頑張ってみても、それは環境に悪いことを減らすだけ。
本質的に「環境に悪い」と認識したうえで、
謙虚に生きることが必要なのでは?
と、アホが考えてみました。
アホついでに、なぜか男性がやる「いい男バトン」TB送らせて頂きました。
自分も「本質的にアホである」という認識を持たねば(笑)
>本質的に「環境に悪い」と認識したうえで、
>謙虚に生きることが必要なのでは?
全くもって、わたしも同意見です。本当はそこから出発すべきです。
でも、そうは思わない大国や人間たちが多すぎるのですね。
人間は存在するだけで、既に地球には有害な動物なのに、
20世紀以降、爆発的な人口増加と技術の革新で、
かつて、自然と調和して生きていた人間たちの「生態系」と
影響力が変わってしまったわけですね。
その結果である今の危機的状況をひとりでも多くの人に知らせ、
ふるさんの意見のように、
自分の問題であると認識してもらわなければなりません。
我が子、孫たちが、安心して暮らせる土地を、守ってやりたい。
わたしも母親ですから、まずは自分の身の回りから
少しでも役立つことを実践しようと思うのです。
バトンのほうは。。。改めて伺いますね。
すっごく衝撃的でした。温暖化の影響なんて現実にまだないとおもっていたから、、、
それが私が生きている間にも北極がなくなっちゃう??
あのくまさん、、、かわいそすぎます。
とりあえず今はまだ暖房の温度を下げることしかしてないや、、、
エコバック。スーパーのビニール袋欲しいんですよねぇ〜。でも少しずつ「ない」状態になれるようにしなくては!
あとは、ペットボトルとかわざわざリサイクルにだしていないから、、、
あああーできることっていっぱいありますよね!
ほんと言っているだけじゃなくてきちんと実践しなきゃ!
こんばんは。
ビックリしましたよねぇ。
我が子が生まれた頃から、どうしても食の安全や、
環境について気になるようになり、
水や空気を綺麗にしなきゃ、と思っていたけれど、
温暖化がこんなに深刻な状況にまで来ているとは、
正直、想像以上でした。
人間、何でも楽なほうへ流れていくものだから、
快適な生活に慣れていると、
些細なことでも継続するのはしんどいものです。
でも、それを実践していかなければ、わたしたちがいつ、
あのしろくまにならないとも限らない…
100をいきなり0にしろ、とは言われてない。
少しずつ、できるところから始めればいい。
やらないよりずっといいんですもんね。
映画がほとんどわかりそうなすごいブログですね。
ほんと、少しずつでも出来るところを始めればいいのですね。
私のブログへのコメントありがとうございました。
初めまして。
とんでもない!もちろんTBだけで充分なのです。
普段お付き合いのない方からTBをいただいて、
つい、嬉しくなってコメントに伺いましたが、
わたしもTBだけで失礼することだらけです。
ああ、この映画の内容について、書き過ぎてしまいましたか…
観ればわかることを長々書いてしまって、ちょっと反省です。
やはり、わたしたちにはいきなり大きなことはできないので、
身近なことからひとつずつ実践する。
それがまだできると思っています。
こちらこそ、今後ともどうぞよろしくお願いします。
>まずは、自分のできるところから、
人類唯一の故郷である地球を守るために、
何かを始めなければならない時期に来ている。
まさしく、一人一人のactionが求められていますね。先日のIPCCの報告書が温暖化が人間の営みにより危機的状態であることを指摘していました。日本も京都議定書のマイナス6%では済まなくなりそうですね。
「それでもボクはやってない」も試写会で観ましたので共感のTBをいれます。よろしくお願いいたします。
初めまして。TBで何度かお世話になったと思います。
こちらこそ、今後ともどうぞよろしくお願いします。
IPCCの報告は、ちょっと手緩い感じもしました。
どれだけの人が危機感を持たれたかわからないですが、
ともかく、公的機関が情報を広めてくれたことは大きな意味があります。
一般生活でも実践しつつ、世界レベルでも積極的に取り組んでいく…
それ以外に青い地球の存続はないでしょうね。
多くの方に観てもらいたいです。
私もこの映画を見てから、というかゴア氏の講義を聴いてから、自分にできることを率先してやるようにしてます。まずはエコバックと家電の主電源を切る…こんなことだけど、やらないよりはマシですよね。
こんばんは。
TBとコメントありがとうございます。
この作品で、ゴア氏の主張を聞くと、
やはり、身近なところから、自分のできる範囲で実践して
それを少しずつ広げていかなくちゃ、と
思うようになりますね。
チリも積もれば山となる。
千里の道も一歩から。
やらないよりも、やることですよね!!
申し訳ありません!TBが2個いってしまいました。
すみませんでした(汗)
この映画には考えさせられました。地球温暖化が、身近で深刻な問題である事を改めて思い知りました。
ゴア氏の長年の活動には敬意を表しますし、自分に出来る小さな事からエコを実践していきたいと思っています。
こんにちは♪
TBのこと、お気になさらずにお願いします。
よくあることで、きっとこちらの都合ですので。
わたし、3つ1回に飛んじゃうことしょっちゅうなのです^^;
前々から、いろんな機会で紹介されていたけれど、
こんなに判りやすく、圧倒的な事実を突きつけられて、
危機はもう喉元まで迫ってるんだと、実感してしまいました。
こうして、世界中にアピールできる人が先導してくれて、
たとえ小さなことでも実践できるわたしたちが身の回りを見回して、
できることから始めなければ、解決を見ない問題だと思いました。
もちろん、大国の政治家が動かなければ、
それはいつまでも未解決のままだなのですが。。。
できることから実践しています。でも、まだまだなんだろうなぁ、とは思います。
こんばんは。こちらこそ、TBとコメントありがとうございます。
随分、気をつけているつもりでも、きっと不充分で、
まだまだ見直す余地があると思いました。
自分ひとりが実践しても、
その輪が広がらなければ、いつまでも解決しないですよね。
まだまだ。。。でしょうね、きっと。
小さなことからコツコツと・・・それはいつか大きいものに変わっていくんですよね。
ぶっちゃけ地球のことなんて見て見ぬふりしていたものですから今きちんとこの作品を見て目が覚めました。
私にも出来ることだらけじゃないの!って。
昨日安部さんもこの映画を観たってニュースをしていました。
彼は「この問題に取り組みたい」と言っていましたがさてどのように取り組んでくれるのか興味深々です。
こんばんは。
わたしたち一個人の力は微々たるものだし、
一気に世の中を変えることはできないけれど、
何ひとつ関心を持たないよりは、まずは関心を持ち、
自分のできることを、少しずつでも広げて続けて行けば、
いつかはそれが実を結ぶ時が来ると信じたいです。
映画館で観たくても観れない方が多いのが残念。
安倍さんはじめ、たくさんの政治家に関心を持ってもらい、
学校で子ども達に見せられるようにしてもらいたいです。
こんばんは。TBとコメントありがとうございます。
こちらからはTBだけで失礼しました。
正直言って、ゴア氏が環境問題に取り組んでいることも知らず、
偶々シネコンの予告やチラシで知っただけでしたが、
やはり、大統領を志した人がどんな話をするのか、
ただ単にそれだけでも興味を持ったものです。
そして内容が伴っていたわけですから、お尻に火が点いた感じでした。
シネコンの入り口であるご夫婦がどの作品を観るか考えていて、
御主人がこの作品を観たそうだったのに、奥さんが渋ったのを観て、
かなりがっかりしましたが・・・
これを無料で小中高校で子ども達に見せることはできないのか・・・
それがとても有効な手段のように思えました。
上映館も少なく、地元ではやっと公開です。
けれど、普段は考えられないくらいのにぎわいっぷり。試写会並みの混雑でした。
EDに入っても直ぐに立ち上がる人もほとんどなく、それだけ環境問題に関心があるってことですよね。
私も、いつでもマイバック持参です♪
こんにちは。
最近、この作品にTBをいただくことが急に増えたな、
と思っていたら、何と上映館がかなり増えてるんですね。
しかも、当初よりはかなり地域的にも広がっていて、
そんなに混雑しているようなら、
たくさんの方がご覧になる機会が増えることが嬉しいです。
できたら、小中高校生にぜひ観てもらいたいです。
この冬がこんなに暖かいことがひとつのきっかけで
実感された方も多いことでしょう。
エコバッグは是非利用したいですね。
まずは、身近なそんなところから・・・
授賞式でも誰かが政治は関係ないとか言ってましたけど、映画だけだと政治色も感じられたし、しっかりフォロー態勢に入ってるところがなかなか良かった(笑)
授賞式の後に観るべきだったのかも・・・
こんばんは。
これがオスカーを取れたらいいな、と思ってました。
多くの方に関心を持たれるほうがいい題材ですから。
確かに、ゴアさんが政治家である以上、
政治色を感じてしまう方がいるのは仕方ないでしょうが。。。
だからと言って、それを云々言いあうことが
この作品の本題ではないと思っています。