November 11, 2009

ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ

確率の法則。運動量保存の法則。紙飛行機・・・
Rosencrantz & Guildenstern Are Dead






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出演: ゲイリー・オールドマン
    ティム・ロス
    リチャード・ドレイファス
    イアン・グレン
    ジョアンナ・ロス
    ドナルド・サンプター
    ジョアンナ・マイルズ
    イアン・リチャードソン
    ジョン・バージェス
監督: トム・ストッパード
1990年 UK 117分
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なんと面白いお話。
悲劇『ハムレット』に、たった一言登場する人物2人が、
主人公になっているお話だ。



物語は。



ローゼンクランツとギルデンスターンは旅をしていた。
彼らは、いきなり呼び出され、自分たちが何者だかよくわからない。
よくよく考えれば、どうも王の使者にたたき起こされて、
王と王妃に召されたので、城に出向いて行くところだった。
お互いの名前さえ、どっちだったか混乱する中、
旅芸人一座と遭遇した後、いつのまにか城に辿り着き、
任務遂行のために働くことになる。
即ち、ハムレットの憂鬱と乱心の理由を探ることが、
ハムレットの学友であった彼ら2人に与えられた役目だった・・・



シェイクスピアの悲劇『ハムレット』で、終盤にたった一言、
「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」という
台詞だけで登場する2人の男たちを主役に据え、
『ハムレット』の悲劇を、2人の視点から描いている物語。
もともと、物語の端役でしかない彼らは、
本筋の動向に何一つ影響を与えることなく、
筋書きの裏側で、あまり他人様に構ってもらえることがなく、
遊びと発見と議論を繰り返しつつ、
本筋の流れに沿って右往左往を繰り返している。
そして、彼らには最初から決められ、割り振られた役割が待っている。

お恥ずかしい話ながら、『ハムレット』は
メル・ギブソン主演の1990年作品を観たことや、
いつかどこかで見聞きして、大筋はわかってはいるものの、
本1冊も読んだ経験がないために、
超有名な台詞のいくつか以外の台詞は、ちっとも覚えていない。
もちろん、表題になっている台詞も、
「そうでしたかしらん・・・」という、申し訳ないにもほどがある素養である。
お話の流れから察するに、
英語の語呂合わせや洒落などで繋がっているであろう言葉遊びも、
おそらく、字幕担当の方がそれらしく作り変えてくれただろうが、
本来のニュアンスを伝えきれるものではないだろうから、
シェイクスピアを熟知していない、英語を理解していない、という、
凡庸なオバサンには、本当の面白さはわからないのだろうとは思う。

そうは思うんだけれど、
もしかして、そんな不幸な該当者たちのために仕掛けたのかと思うほど、
とても有名な場面の有名な台詞が折に触れて登場して、
舞台上でなら、ト書きがあったり別の台詞があるべき時間に、
舞台裏で旅芸人一座の座長とのやり取りや、
いつ尽きるともないのでは?という言葉遊びや、
ローゼンクランツによる多数の驚異の発見(?)に対し
徹底的に綺麗さっぱり無視するギルデンスターンのくだり・・・
などが、独自に展開してゆくのだ。
お芝居をこんな風に作っていること自体の面白さ!
わたしはすっかり楽しんで観れてしまった。
というか、この作品、かなり好きだ。

単に、端役を主役に持ってきて1つのお話を作るんじゃなくて、
表(?)では本筋がちゃんと進行していて、
裏ではそれに参加もせず、影響も与えず、役にも立たず、
ただ、うろうろと覗き見したり、裏の様子をなんとなく伝えて、
本筋を補完しているわけでもあって、でも、あくまでも端役は端役。
旅芸人はえらくいいことを言いながら、
劇中劇にしては、とっても見応えあるお芝居の一節を見せてくれるし・・・
ああ、わたしの語彙と表現力では巧く伝えられない!!
でも、面白い。

この作品は、舞台作品の映画化で、
舞台を作った方が監督されているらしい。
なるほど、流石に演劇を強く感じさせるのが、
わたしが特に好きな理由かもしれない。
その、トム・ストッパード監督といえば、
太陽の帝国』『恋におちたシェイクスピア』『エニグマ』の脚本家でもある。
どれも趣が違うけれど、それぞれに面白かった作品ばかりだ。


この、ローゼンクランツとギルデンスターンというのは、
まるで、太郎冠者と次郎冠者じゃなかろうかと思うお惚けコンビ。
決してお馬鹿な愛嬌者いうのじゃなく、
なんていうのか、
いい具合に浮世離れした感じ(だって、舞台の登場人物)。
ゲイリー・オールドマンとティム・ロスという、
如何にも癖のある役が似合う2人が、
不思議な空気で何だかよくわかんない掛け合いを続けてるんだもの、
それを観てるだけで、何か嬉しくなってしまうし。
ティム・ロスも好きな俳優さんだけど、
ゲイリー・オールドマンがいいのですわ、これ。
わたし、『ハリー・ポッター』のシリウス・ブラックも
『ダークナイト』のゴードンも滅茶苦茶好き。
長めの前髪がはらり、と落ちる横顔とか、
歩くと僅かに揺れる髪とか、そんなところまで好き(馬鹿だ…)。

そうそう。それから。
旅芸人一座の座長、リチャード・ドレイファス。
この人の存在もいいなぁ。なかなか味わい深い台詞がいくつもあって、
アメリカ映画の主役を何本も演じた人で、
好きな作品もいろいろあるけど、
この役の彼も面白いなぁ・・・扮装も雰囲気もいいよね。


何だか、「面白い」「いいわ」「好きだ」ばっかり言ってて、
ちゃんと作品の感想になってないよね。。。
滅多にレンタルも、放送もなさそうにも思うけれども、
もし、ご覧になれるなら、その価値あり、の作品。
さらに、シェイクスピアを熟知していらっしゃるなら、
わたしの何10倍も楽しめること間違いなし、だと思います。
「生きるべきか死ぬべきか。それが問題だ」
「尼寺へ行け」・・・なんて台詞しか覚えてないオバサンでも、
しっかり楽しんで、大好きになっちゃった作品ですから。


tinkerbell_tomo at 08:00│Comments(4)TrackBack(1)この記事をクリップ!洋画【ら】 

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1. 映画「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」  [ Andre's Review ]   November 12, 2009 00:25
Rosencrantz Guildenstern are dead 1990年 アメリカ このタイトルを見てピーンときたあなたは相当な「ハムレット」通ですね。監督、脚本は「恋に落ちたシェークスピア」の脚本でアカデミー賞を受賞したトム・ストッパード。 ストーリーは、「ハムレット」の中で、かなり脇役...

この記事へのコメント

1. Posted by ANDRE   November 11, 2009 12:00
この映画、大好きです!

何年も前に出たきりで、
現在ではDVDも入手不可能なのが
とてももったいないですよね。

この映画を観て以降、
『ハムレット』の映画や舞台を観る機会が
何度かあったんですけど、
結構重要でシリアスな場面のときにも
今この裏であの2人がドタバタしてるのかと
思わずにはいられなくなってしまいました(笑)

2. Posted by ◆ANDREさま   November 11, 2009 12:44
こんにちは。
実は、一度この作品のANDREさんの感想にお邪魔してたんですが、
コメントを残す前に時間切れとなって雑用にかまけている間に、
先にコメントをいただいてしまいました。

ANDREさんも楽しくご覧になったご様子で、嬉しく思ってたんです。
わたしなど、シェイクスピアなどろくに読んだこともないのに口幅ったいけれど
これは本当に設定も作り方もあれもこれもが面白かったですね!
これで、英語が理解できてればどんなに面白いだろうと、
英語もろくに勉強しなかった自分を今頃恨めしく思っていますが。

ビデオを持っているのに、長そうなので躊躇したままの
ケネス・ブラナー版の『ハムレット』、
これを観た今は是非観たいと思うようになったんですが、
わたしも、いろんな場面でこの2人を思い出しそうで…
でも、いつかきっと『ハムレット』をちゃんと観たいと思います。
3. Posted by 武田   November 11, 2009 22:34
こんばんは〜♪
ようやくお邪魔することができました。
きゃ〜〜〜〜♪嬉しい〜〜〜!!(嬉)
「この作品、かなり好きだ」
やった、やった!と、小躍りしました〜(笑)
良かったです、おんなじ時期にこの作品にメロメロになれて☆

ですよねですよね、シェイクスピアに精通せず、英語にも・・という状態でもこんなに楽しい作品!これって凄いですよね。
ましてや詳しかったら・・悶絶しそうですね(笑)
面白い〜〜っ 大好き〜〜っ としか感想が書けなかったアホな私ですが、ほんと、太郎冠者と次郎冠者のようですね♪
で、そうそう、いい意味での浮世離れっぷりがいいんですよね。
こんなの思いつくなんて、凄い・・・

あはは、悠雅さんのゲイリー・オールドマン愛が素敵すぎます。髪の毛には目がいっていませんでした。鼻ばっかりで(^^ゞ
リチャード・ドレイファスも意外というか、わ、こんなふうに演じて見せてくれるのか!と嬉しかったですね。
年末を前にして、好き好き〜〜と思える作品に出会え、その上こうしてワーキャー言えてしまえる幸せよ・・
そしていい気分のまま今宵はコリンに酔いしれることができそうで、尚のこと嬉しい武田でした☆
4. Posted by ◆武田さま   November 11, 2009 23:48
こんばんは〜♪
武田さんがご覧にならなければ、わたしはちっとも知らなかったこの作品、
お蔭様で観ることができて、ホントに幸せです〜♪
なんて、いろんな意味で面白い作品。これは相当に好きですわ。

英語が達者だったらこの何倍面白かろう、と途中で何度も思いつつも、
英語がわからんでも面白いねんけど、と声をあげて笑ってました。
シェイクスピア界の太郎冠者&次郎冠者、ローゼンくんとギルくん、
作品はもちろんだけど、今年の悠雅的いい男、上位に躍り出ること間違いなし。
ほんま、ようこんなこと、思いついて作品にしてくれはりましたわね。嬉。

ゲイリー愛ね、わたしちょっと変わってるわね、髪だなんて、
武田さんの鼻もマニアックといえばマニアックだけど・・・
要するにお互い、変わり者ってことね(笑)

今頃、武田さんはコリンに浸ってらっしゃるかしら。
わたしは、妙な連想で、リチャード・ドレイファスの昔の映画を再見してました。
いい作品、いいオトコたちを観るって、やっぱり極上の幸せだわ〜〜♪

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