July 07, 2010

アデル/ファラオと復活の秘薬

無政府主義者の陰謀。プテロダクティルス・ライダー。死後に生はあるか。
Adele








■・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
出演: ルイーズ・ブルゴワン
    マチュー・アマルリック
    ジル・ルルーシュ
    ジャン=ポール・ルーヴ
    フィリップ・ナオン
    ニコラ・ジロー
    ジャッキー・ネルセシアン
    ムーサ・マースクリ
    ロール・ドゥ・クレルモン=トネール
監督: リュック・ベッソン
2010年 フランス 107分
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・■

新しいヒロイン誕生、という予告の言葉に、なるほど、と思う、
我儘だけど憎めないヒロイン、アデルの大活躍。



物語は。


1911年。
パリの若き女流ジャーナリスト、アデルは、
ファラオ、ラムセス二世の侍医のミイラを密かに持ち帰るため、
遠路はるばるエジプトにやってきた。
命がけの大冒険の末、無事にミイラを持ち帰ったアデルだが、
それには、妹を救いたい一心の、深いわけがあった。
一方、同じ頃、
パリの街角を歩いていたある男が、不思議な光を目撃した夜、
謎の怪鳥が上空を舞い、犠牲者が出ることになって・・・



20世紀はじめのパリを舞台に、
アクティヴな女性ジャーナリストが大活躍する冒険ファンタジー。
物語は冒頭から、エジプトの王家の谷への侵入や、
ムーラン・ルージュらしい店の華やかなショウや、
時代を感じさせる衣装や車や・・・と、
本題に入る前に、楽しい光景が盛りだくさんである。
なんら脈絡がなさそうな人物が、あちこりでちょっとずつ登場して、
コミカルなナレーションで状況や登場人物が説明されて、
おおよそ、この作品が描こうとする世界が把握できてから、
奇想天外なお話の幕が開く。

というのも、もとはフランスで人気のコミック・シリーズだとか。
ならば、少々不思議なことが連続したとしても、
「ちょっと素朴な疑問があります」と尋ねたいことや、
数々のツッコミなどは綺麗に忘れて、
そこにあるお話に乗っかってしまうほうがいいよね。
ただ、わたしはそうではないので、特に意見はないけれど、
もし、長年のリュック・ベッソン監督作品のファンの方がご覧になったら、
何と仰るんだろうと思ったりもした。


全く観ないわけではないけど、基本は英米作品を多く観ているので、
フランスの俳優をほとんど知らないなぁと改めて思う。
今回は、出演者の中で知っていたのは、マチュー・アマルリック只一人。
なのに、最後の最後までどの役だったのか全くわからず、
帰宅してオフィシャルサイトで確認してビックリ。
そりゃあ、あれなら特別にファンじゃなかったら、
見分けることができないのは無理もない、原型を留めない扮装。
故に、主人公アデルのルイーズ・ブルゴワンはじめ、
全く誰一人見覚えのない顔ばっかりの映画を久々に観たが、
いちばん強く残ったのは、ルイーズちゃんのいろ〜んな顔を観たな、ということ。
喜怒哀楽はもちろん、ビックリする扮装や、
男性には喜ばしい場面も用意されていて、
お話全体のトーンと一致する、明るくて可笑しいノリのヒロインを
十二分に観たぞ、という思いである。

で、この感じでは、きっと続編があるんじゃないかと思って観ていたら、
ラストでは、「次回へ続く」と書けばいいのに、と思うほど、
これでは終わりませんという、はっきりとした作り方。
これをこのまま終わらせたら、ニュー・ヒロインのキャラクターが惜しいし、
きっともう企画などはあるんだろう。
で、今回わたしが気に入ったのは、
アデルが「ラムセス二世の侍医」だと言うミイラであった。


1911年なら、
廃墟と化したオペラ座でオークションが開かれるまで、あと8年あるなぁ・・・
ちょうどこの頃が、馬車と自動車の切り替えの頃だったのね・・・
とか、かなり余計なことを思いながら観ているのも、個人的にはかなり楽しく、
監督や原作への思いなどもなければ、
これはこれ、と楽しめる作品なんじゃないかと思います。

tinkerbell_tomo at 14:58│Comments(4)TrackBack(27) 洋画【あ】 

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この記事へのコメント

1. Posted by SOAR   July 07, 2010 23:08
期待したのはアクション・アドベンチャーだったので、いい意味で裏切られました。
でも、米映画に慣れきっているとわからないこういう笑わせ方って悪くないですよね。おっしゃるようにどこかとぼけた導入部もおもしろかったし。
もっともこういうタッチの作品だと事前に知っていたらまず観ることはなかったと思いますが、意外に楽しめたので良しとします(笑)

私はあのラストは逆に“続編ナシの本作限り”というオチに受け取ったんですが、さて、ベッソン監督はどうお考えなんでしょうね。
2. Posted by ◆SOARさま   July 07, 2010 23:59
何だか面白そうだけど、全く未知数だわ…というくらいの期待度で
ぼちぼち観に行ったので、これもアリかな、という感じ。
あのとぼけた物言いや行動も、これから始まる内容の雰囲気を
巧く伝えてくれて有効だったと思います。

ああ、そうですか。そんな風に受け取られましたか。
そう受け取れるということは、続編が企画されてもされなくても
どっちでもOKな終わり方だったということで、
作られるのかどうなのか、監督次第なのでしょうね。
3. Posted by みさと   July 16, 2010 19:25
こんばんは♪
映画のCMだったか、紹介番組で見たのか覚えがありませんが、チラッと見たいと思っていたのと
悠雅さんが載せている写真が素敵で
(映画が)見たいと思っていましたが、なかなか行けなくって上映時間が短縮になってしまうしで、
朝の所用を切り上げて行って来ました^_^;

怪鳥が出てきた時はジェラシックパークを、
エジプトやミイラが出てきた時にはハムナプトラが
頭に浮かび、この映画って一体何?と思っての鑑賞でしたが、結構、退屈することもなく面白く見ました。
ルーブルやエッフェル塔、ムーランルージュ(?)フランスの風景やヒロインの衣装が素敵でした。
(時代設定のせいかもですが)
わたしの記憶にはセピア色のイメージになった映画でした。
4. Posted by ◆みさとさま   July 16, 2010 21:58
ご覧になれましたか〜♪
うかうかしてたら、すぐに上映回数も時間も変更されますもんね。
特に、今は夏休みの子供たち向けの映画がどっさりですから、
いつも以上に上映時間の変更は早いかもしれません。
ともかく、間に合ってご覧になれてよかったです。

ちょっと最初に予想してたのと、同じような違うようなお話だったけど、
何となく、楽しんで観れちゃう作品でしたよね。
もともと、コミックが原作というのも頷ける、
翼竜やミイラまでがパリの街に現れての右往左往。
意味不明なシーンもなくはないけど、
衣装や風景が、この時代の雰囲気を感じさせてくれましたね。
お話もお話だけど、楽しめた要因の1つはそれだったかもしれないですね。
わたしは、あの「ラムセス2世の侍医」が特にお気に入りでした♪

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