September 14, 2011
モールス
ルービック・キューブ。ロミオとジュリエット。閉ざされた窓。


■・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
出演: コディ・スミット=マクフィー
クロエ・グレース・モレッツ
イライアス・コティーズ
リチャード・ジェンキンス
カーラ・ブオノ
監督: マット・リーヴス
2011年 アメリカ 116分
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・■
スウェーデン映画の『ぼくのエリ、200歳の少女』の
ハリウッド・リメイク版、
こちらでは最近公開になった。
オリジナルもこちらも、とても良い評判を聞き及んでいたので、
ちょっと苦手なジャンルかな、とは思ったが、
思い切って観に行ってきた。
確かに、もれ伝わる評判に違わない作品だった。
物語は。
1983年3月。ニューメキシコ州のある町。
集合住宅に母と2人暮らしの12歳のオーウェンは、
学校では友達もなく、同級生の3人組から執拗な苛めを受けており、
誰にも言えずに苛めに耐えながら、復讐を考える日々だった。
母は父と別居、離婚話で衝突が絶えず、
オーウェンは雪の積もる中庭で長い時間を過ごすのが習慣だ。
ある夜、父親らしい男に連れられた少女が引っ越してきた。
雪の中を裸足でやってきた彼女と中庭で会うことが増え、
オーウェンは次第にアビーという少女に惹かれてゆく。
徐々に言葉を交わすようになる2人だが、
彼女は「友達にはなれない」という。
そんな頃、2人の身近で殺人事件が連続して発生して・・・
孤独を抱える少年が出会った少女との初恋と、
共に生きるには難しい2人の運命を描く。
ああ、何と悲しく辛いお話なんだろう。
もし、何の情報も持たずに見始めたら、
主役2人の可愛らしさと夜の中庭での出会いに、
どんなに可愛い初恋物語になるんだろうと思っただろう。
けれど、2人を待っていたのは、過酷な運命。
もちろん、少年はそんなことは全く気づくことなどできず、
2人の暗い未来を予測できるのは少女1人である。
白くて綺麗な頬と大きな目の少年が出会ったのは、
チャーミングでちょっと大人びた不思議な女の子。
パズルが好きなのに、ルービックキューブを知らず、
子供が好きなお菓子を、彼女の身体は拒絶する。
それらは、彼女の正体を示すものなのだが、
もちろん、少年はそれに気づかない。
気づくとすれば(っていうか、画面で丁寧に教えられるのは)
ぞわぞわと立ち上る恐ろしげな予感を決定的にされる観客。
この映画を観ようとしたんだから、彼女の正体は知ってはいたよ。
でも、もうちょっと、
それなりに美しい雰囲気なのだと高を括っていたので、
ちょっと仰け反ってしまった。
そう。彼女の正体とは「ヴァンパイア」。
ただし、『ドラキュラ』などで描かれた、首筋に2つの歯型、
見た目は悲しげに美しくて、唇の端から鮮血がつー・・・っという感じ。
あんな綺麗系のヴァンパイアを予測してたの。
可愛い女の子が演じるわけだし。
けれど、予想を全く覆す形で画面に現れたのは、異形の存在。
ヴァンパイアというよりも、モンスターという感じ。
ちっとも美しくはないので、わたしと同じイメージをお持ちの未見の方は
そこだけはご覚悟のほどを。
もし、どんなに彼女を好きでも、あんな姿を見てしまったら、
彼は平静ではいられないはず。と思う姿と素性の彼女。
そこで、彼がどうしたか、というお話なんだけど・・・
それは、未見の方の楽しみを奪うことになってはいけないから、
ここでは伏せておくことにしよう。
それにしても。
吸血鬼のお話は、いろんな形でいろんな作品を観たけれど、
12歳(に見える)カップルのお話は初めて。
冷静に考えれば、こんな年端もいかない子たちなのに、
こんな姿をさせていいんだろうか、と思わなくはないが、
一方では、これは初恋のお話でもあるのだから、
ならば、12歳であってもいいんだなぁ、とも思う。
12歳だから、こんな出会いとなって、こんなお話になるのだし。
また、
これは意図的な表現なのだろうけれど、
少年は母と2人暮らしで、母はちゃんと登場しているのだが、
あまりはっきりと顔の表情が見えない。
同じ家に暮らしていても、心が通じ合わない様子が見て取れる。
それが、この少年の環境と心境の端的な表現なのだろう。
それからもうひとつ。
この作品のタイトルになっている「モールス」。
作品の中でそれがどのように使われるのか・・・
最初の予想と全く違う使われ方だった。
主人公のオーウェンを演じるのは、コディ・スミット=マクフィー。
『ミリオンズ』のアレックス・エテルのような、
最近のニコラス・ホルトのような雰囲気の男の子だ。
一方のアビーはクロエ・グレース・モレッツ。
誰かに似ているような気がするが、誰だか思い出せない。
可愛らしいお嬢ちゃんなんだけど、独特の雰囲気を持ってるのね。
バランスがいいのかよくないのかわからない顔のパーツが、
これを含めて、映画の中で役柄を生かす気がする。
冒頭のエピソードと呼応するラストシーンが、
微笑ましくも悲しく恐ろしいお話をさらに印象深くする。
映画のカテゴリとしてはホラーなのだろうけれど、
どちらかといえば、観終った後に残るのは、「初恋のお話」なのだった。
出演: コディ・スミット=マクフィー
クロエ・グレース・モレッツ
イライアス・コティーズ
リチャード・ジェンキンス
カーラ・ブオノ
監督: マット・リーヴス
2011年 アメリカ 116分
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・■
スウェーデン映画の『ぼくのエリ、200歳の少女』の
ハリウッド・リメイク版、
こちらでは最近公開になった。
オリジナルもこちらも、とても良い評判を聞き及んでいたので、
ちょっと苦手なジャンルかな、とは思ったが、
思い切って観に行ってきた。
確かに、もれ伝わる評判に違わない作品だった。
物語は。
1983年3月。ニューメキシコ州のある町。
集合住宅に母と2人暮らしの12歳のオーウェンは、
学校では友達もなく、同級生の3人組から執拗な苛めを受けており、
誰にも言えずに苛めに耐えながら、復讐を考える日々だった。
母は父と別居、離婚話で衝突が絶えず、
オーウェンは雪の積もる中庭で長い時間を過ごすのが習慣だ。
ある夜、父親らしい男に連れられた少女が引っ越してきた。
雪の中を裸足でやってきた彼女と中庭で会うことが増え、
オーウェンは次第にアビーという少女に惹かれてゆく。
徐々に言葉を交わすようになる2人だが、
彼女は「友達にはなれない」という。
そんな頃、2人の身近で殺人事件が連続して発生して・・・
孤独を抱える少年が出会った少女との初恋と、
共に生きるには難しい2人の運命を描く。
ああ、何と悲しく辛いお話なんだろう。
もし、何の情報も持たずに見始めたら、
主役2人の可愛らしさと夜の中庭での出会いに、
どんなに可愛い初恋物語になるんだろうと思っただろう。
けれど、2人を待っていたのは、過酷な運命。
もちろん、少年はそんなことは全く気づくことなどできず、
2人の暗い未来を予測できるのは少女1人である。
白くて綺麗な頬と大きな目の少年が出会ったのは、
チャーミングでちょっと大人びた不思議な女の子。
パズルが好きなのに、ルービックキューブを知らず、
子供が好きなお菓子を、彼女の身体は拒絶する。
それらは、彼女の正体を示すものなのだが、
もちろん、少年はそれに気づかない。
気づくとすれば(っていうか、画面で丁寧に教えられるのは)
ぞわぞわと立ち上る恐ろしげな予感を決定的にされる観客。
この映画を観ようとしたんだから、彼女の正体は知ってはいたよ。
でも、もうちょっと、
それなりに美しい雰囲気なのだと高を括っていたので、
ちょっと仰け反ってしまった。
そう。彼女の正体とは「ヴァンパイア」。
ただし、『ドラキュラ』などで描かれた、首筋に2つの歯型、
見た目は悲しげに美しくて、唇の端から鮮血がつー・・・っという感じ。
あんな綺麗系のヴァンパイアを予測してたの。
可愛い女の子が演じるわけだし。
けれど、予想を全く覆す形で画面に現れたのは、異形の存在。
ヴァンパイアというよりも、モンスターという感じ。
ちっとも美しくはないので、わたしと同じイメージをお持ちの未見の方は
そこだけはご覚悟のほどを。
もし、どんなに彼女を好きでも、あんな姿を見てしまったら、
彼は平静ではいられないはず。と思う姿と素性の彼女。
そこで、彼がどうしたか、というお話なんだけど・・・
それは、未見の方の楽しみを奪うことになってはいけないから、
ここでは伏せておくことにしよう。
それにしても。
吸血鬼のお話は、いろんな形でいろんな作品を観たけれど、
12歳(に見える)カップルのお話は初めて。
冷静に考えれば、こんな年端もいかない子たちなのに、
こんな姿をさせていいんだろうか、と思わなくはないが、
一方では、これは初恋のお話でもあるのだから、
ならば、12歳であってもいいんだなぁ、とも思う。
12歳だから、こんな出会いとなって、こんなお話になるのだし。
また、
これは意図的な表現なのだろうけれど、
少年は母と2人暮らしで、母はちゃんと登場しているのだが、
あまりはっきりと顔の表情が見えない。
同じ家に暮らしていても、心が通じ合わない様子が見て取れる。
それが、この少年の環境と心境の端的な表現なのだろう。
それからもうひとつ。
この作品のタイトルになっている「モールス」。
作品の中でそれがどのように使われるのか・・・
最初の予想と全く違う使われ方だった。
主人公のオーウェンを演じるのは、コディ・スミット=マクフィー。
『ミリオンズ』のアレックス・エテルのような、
最近のニコラス・ホルトのような雰囲気の男の子だ。
一方のアビーはクロエ・グレース・モレッツ。
誰かに似ているような気がするが、誰だか思い出せない。
可愛らしいお嬢ちゃんなんだけど、独特の雰囲気を持ってるのね。
バランスがいいのかよくないのかわからない顔のパーツが、
これを含めて、映画の中で役柄を生かす気がする。
冒頭のエピソードと呼応するラストシーンが、
微笑ましくも悲しく恐ろしいお話をさらに印象深くする。
映画のカテゴリとしてはホラーなのだろうけれど、
どちらかといえば、観終った後に残るのは、「初恋のお話」なのだった。
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私は、スウェ
19. 映画「モールス」を観て [ kintyre's Diary 新館 ] October 18, 2011 00:08
11-52.モールス■原題:Let Me In■製作年・国:2010年、アメリカ■上映時間:116分■鑑賞日:8月20日、シネスクエア東急(歌舞伎町)■料金:1,800円
□監督・脚本:マット・リーヴス□原作:ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト□撮影監督:グレイグ・フレ
20. モールス [ 映画、言いたい放題! ] November 13, 2011 03:37
ブログネタ:語りたいこと
参加中
この作品は「ぼくのエリ 200歳の少女
」のリメイクで
オリジナルは、かなり好きな作品です。
先日、友人と飲んだ時に、
友人はリメイクしたこの作品を観たらしく、
「で、ボカシはどこに入っていたのですか?」
「プールのとこ
21. モールス [ 銀幕大帝α ] January 12, 2012 16:22
LET ME IN/10年/米/116分/ホラー・ドラマ/R15+/劇場公開
監督:マット・リーヴス
過去監督作:『クローバーフィールド/HAKAISHA』
原作:ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト『MORSE-モールス-』
脚本:マット・リーヴス
オリジナル脚本:ヨン・アイヴィデ・...
22. 『モールス』 (2010) / アメリカ [ Nice One!! @goo ] January 13, 2012 03:25
原題: LET ME IN
監督・脚本: マット・リーヴス
原作: ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト
出演: クロエ・グレース・モレッツ 、コディ・スミット=マクフィー 、リチャード・ジェンキンス 、イライアス・コティーズ
試写会場: なかのZEROホール
公式サイト...
23. 『モールス』 [ La.La.La ] January 15, 2012 11:01
JUGEMテーマ:映画 制作年:2010年
制作国:アメリカ
上映メディア:劇場公開
上映時間:116分
原題:LET ME IN
配給:アスミック
監督:マット・リーヴス
主演:クロエ・グレース・モレッツ
コディ・スミット=マクフィー
この記事へのコメント
1. Posted by KLY September 14, 2011 23:58
ホラーかもしれないけれど、ラブストーリーですよね、これは。
オリジナルに比べると、随分とわかりやすく、そしてハリウッド的になっていましたが、それはリメイクだから当然で、後は好みの問題かなと思いました。子役2人の素晴らしい演技と存在感は文句なしです。
オリジナルに比べると、随分とわかりやすく、そしてハリウッド的になっていましたが、それはリメイクだから当然で、後は好みの問題かなと思いました。子役2人の素晴らしい演技と存在感は文句なしです。
2. Posted by めえめえ September 15, 2011 20:21
こんばんは。
私も苦手なジャンルなのですが、
原作を読んだので映画も挑戦しました。
CGの場面がちょっと違和感がありましたが、
あとはオリジナルに忠実だったと思います。
私も苦手なジャンルなのですが、
原作を読んだので映画も挑戦しました。
CGの場面がちょっと違和感がありましたが、
あとはオリジナルに忠実だったと思います。
3. Posted by ◆KLYさま September 16, 2011 09:46
ええ。確かにホラーなんだけど、ラブストーリーですね。
彼女を愛した「男」のお話。
なので、ちょっと苦手なシーンの印象が最後には払拭された感じでした。
オリジナルは未見ですが、来月にでも観れそうなので、
なるべく比べないようにして観たいと思います。
無理かな。
でも、どちらも2人の子供たちが巧いのは間違いないのでしょう。
期待して待っていることにします。
彼女を愛した「男」のお話。
なので、ちょっと苦手なシーンの印象が最後には払拭された感じでした。
オリジナルは未見ですが、来月にでも観れそうなので、
なるべく比べないようにして観たいと思います。
無理かな。
でも、どちらも2人の子供たちが巧いのは間違いないのでしょう。
期待して待っていることにします。
4. Posted by ◆めえめえさま September 16, 2011 09:56
こんばんは。
ホラーが苦手なのに、ヴァンパイア物は好きなので、
少女がヴァンパイアというのはどんな感じかしら、と思ったんですが、
予想を超えるヴァンパイアの造形にビックリ!
でも、これは12歳の少年のラブストーリーなんですね。
「CGでございます」と言わんばかりの表現でしたが、
あれはあれでアリ、と思うことにしました。
小説の映画化ということを感じる作品でした。
ホラーが苦手なのに、ヴァンパイア物は好きなので、
少女がヴァンパイアというのはどんな感じかしら、と思ったんですが、
予想を超えるヴァンパイアの造形にビックリ!
でも、これは12歳の少年のラブストーリーなんですね。
「CGでございます」と言わんばかりの表現でしたが、
あれはあれでアリ、と思うことにしました。
小説の映画化ということを感じる作品でした。


