November 11, 2012

ラブ&ドラッグ

名うてのプレイボーイ。バイアグラ。初めての恋。
Love & Other Drugs



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出演: ジェイク・ジレンホール
    アン・ハサウェイ
    オリヴァー・プラット
    ハンク・アザリア
    ジョシュ・ギャッド
    ガブリエル・マクト
    ジュディ・グリア
監督: エドワード・ズウィック
2010年 アメリカ 113分
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・■
    
とっても観たかった、
ジェイクとアンのハートフル ほろ苦ラブコメディ。
WOWOWにて。



物語は。


狙った女が落なかったことがないプレイボーイ、ジェイミーは、
働いていた家電店も仲間の女に手を出してクビになり、
ファイザー製薬の営業職を得る。
だが、なかなか思うように行かず、
仕事先でも女に取り入って功績を上げようと躍起になる。
そんな時、パーキンソン病の若い患者マギーに出会い、
2人は瞬く間にベッドイン。
最初こそ、いつもの遊び相手だと思っていたジェイミーだが、
知らず知らずマギーを本気で愛し始めていた。
けれども、マギーは病気を理由に彼の思いを受け入れようとはしない。

やがて、夢の新薬「バイアグラ」が開発され、
これは受けると感じたジェイミーは努力して販売権を獲得。
彼は瞬く間に営業成績を伸ばし、優秀なセールスマンとなるのだが・・・



若くて美しいパーキンソン病患者を愛したプレイボーイの、
本気の恋の物語。
誰彼なく(?)女を落としてゆく男と、
さっぱりした気風の、病気を患った女の出会いは、
ドタバタとしたコメディになってもよさそうなリズムでありながら、
相反する、現実の重さが真ん中にあって、
それが、甘さと苦さの振り幅を大きくする。
これが、マギーがただの意地っ張りだったら、
青春ラブロマンスになってしまうところだが、
そんなシンプルなお話であるはずがないと思ってしまう。
だって、ジェイク・ジレンホールとアン・ハサウェイの共演なんだもの。
あの『ブロークバック・マウンテン』で演技力がとても評価された2人が、
主人公たちを演じるのならば、
ありきたりの展開にしてどうするの、と思うもの。

自分で自分を「チャラ男」だと言い、
呼吸と同じくらい女遊びが不可欠(?)そうな男だが、
それも、何らかのコンプレックスの裏返しだろうと思うのは、
ジェイクが演じているからだろうか。
もちろん、その勘は外れることがなく、
彼は彼で辛いものを胸に秘めているわけだ。
一方、やはり、アンが演じるんだから、
単にお涙頂戴的な展開や演技ではなかろうと思う想像も外れない。
この、若くて綺麗でチャーミングで好印象な2人が、
重いのに重々しくない、明るいのに明るすぎないお話を
過不足ない演技で最後まで引っ張ってゆく。
俳優同士の相性の良さというのは時々感じるのだが、
わたしの生涯のベスト10で、おそらく上位に居続けるであろう、
『ブロークバック・マウンテン』のこの2人の空気というか、
演技の枠を超えた信頼感というか。。。
そんなものが、きっとジェイクとアンにはあるんじゃないかと思う。
観る者は、そんな2人の気持ちの両方にシンクロしながら、
もし自分ならどうだろう、と考えてしまうんじゃないだろうか。
もし自分ならこうであろうという確固たる自信はないけれども、
2人の選択は、こうであってほしいと願うのでは・・・


このお話の元になったのは、
『涙と笑いの奮闘記 全米セールスNo.1に輝いた“バイアグラ”セールスマン』。
90年代の医薬品業界の実態を赤裸々に綴り、
ベストセラーとなった若手営業マンの手記なのだそうだ。
なので、ジェイミーの営業の様子は実話かそれに近いだろうが、
マギーとの恋はフィクションであるらしい。
けれども、もし、薬や病気に詳しいはずのやり手営業マンが
こんな恋に落ちたら・・・という設定の仕方と、
そこで生まれるテーマがいい。
手記を映画化しても面白かったかもしれないが、
こういう作品ができたことのほうが、もっと面白い。
また、2人の会話、医者の本音、営業マンの内心・・・
ところどころに、いい台詞が散りばめられている。
一見、軽いラブコメディに感じてしまうのが残念だけど、
本当は、良作であったと、ご覧になった方はもれなく思うだろう。


作品の質のわりには、上映館が極度に少なかったらしく、
当然、わが町でも観ることができなかったのだが、
それがとてももったいなく思うお話。
ご覧になった方がそう多くはないと思うけれど、
未見の方は、機会があったら是非のオススメです。


tinkerbell_tomo at 23:27│Comments(7)TrackBack(1) 洋画【ら】 

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1. ラブ  [ 風に吹かれて ]   November 15, 2012 16:53
僕の彼女はパーキンソン病公式サイト http://video.foxjapan.com/love-drugs原作: 涙と笑いの奮闘記(ジェイミー・レイディ著)監督: エドワード・ズウィック  「ラスト

この記事へのコメント

1. Posted by ほい   November 12, 2012 07:17
機械様から「字数が多すぎます」と叱られはねられました。そういえば東京でも上映館は少なかったです。これは繰り返しの鑑賞に耐える作品です(私には、少なくとも)

脇役ハンク・アザリア、ジョシュ・ギャッドが盛り上げてくれました。ただアメリカンギャグなので嫌な人には嫌かも。。

病気をめぐる人生について随分と考えさせてもらった気がします。いえ、他にはもっと良作があるとは思いますが、この映画ではシカゴの別コンベンション、ジェイミーの台詞、マギーの苦悩、二人のビデオ、そして薬の買い付けに行かざるを得ない老人たち。
2. Posted by メグ   November 12, 2012 21:03
悠雅さま こんにちは。
後半、マギーと同じ病気にかかった妻を持つ初老の男性から「いずれ彼女は君のことがわからなくなってしまうのだから今のうちに彼女とは別れたほうがいい」と助言される場面は、相手の男性がジェイミーのことを思って言ってくれているだけに悲しかったです・・・。でもとってもチャーミングな映画でしたよね。ジェイミーの上司があの「パプリッツィオさん」だったことも感激でした。おデブな弟も笑えました。

ジェイクさんは昨年は主演の「8ミニッツ」もとても良かったし、アンも来月公開の「レ・ミゼ」がすごく楽しみ♪
ふたりともこれからもどんどん良い映画に出演し、末長く活躍して欲しいです。
3. Posted by メグ   November 13, 2012 10:10
悠雅さま

「何がどうあったとしても、その愛した人をどこかで失う可能性がある・・・そういうことがもし自分の身の上に起きたらどう対応しますか?どのような選択をしますか?私たち人間はみな不完全に出来ているのです。人と人との間に、そこに愛があるならば、その不完全さは許されるのではないでしょうか。期待通りの人生なんて存在しないのではないでしょうか。この映画のそういったメッセージに僕は感銘を受けました。」
(ジェイク・ギレンホール)

こんにちは♪再びおじゃまします。
この映画って上映館が極端に少なかったせいか、プログラム売ってなかったのです。「えーっ?!」と思ったんですが、その代りに入り口でこの映画を紹介するプレスシートが配布されて、それがなんと16頁もある小冊子でその中にジェイクさんのロングインタビューが載っていました。上記はその中から一部抜粋したものです。素敵でしょ?
また彼はこの映画の脚本のすばらしさの表現として「キャサリン・ヘップバーンとスペンサー・トレイシーの恋愛映画のような感じです。それにフレッド・アステアとリタ・ヘイワーズのような映画の雰囲気もあります」
と語っていて往年の名優たちへの敬愛の念も感じられました。ジェイクさんのお人柄ですね。
4. Posted by ◆ほいさま   November 13, 2012 21:06
ごめんなさいね。わたしも時々機械に「あかんで」と言われてしまいます(-_-;)
更に、お返事も遅れてしまいました。

どうしても観たかったから、忙しい中観て(2回も)、
せっかくだから感想を、と思ったところで力尽きた感が
今読み返したら感じられて、もっと丁寧な感想を書くべきだったと今更思います。

仰るように、もっと他には名作、傑作と呼ばれるものがあるでしょうが、
この作品では、病気について、あるいはもう少し発展して、
年齢を重ねるが故の衰えなども含め、
共に生きていくということをたくさん考えました。
なのに、重すぎる印象がないのは、
脚本の巧さと主演2人のチャーミングさ、脇の手堅さなど、
全体のハーモニーの良さだったと思います。
5. Posted by ◆メグさま   November 13, 2012 21:28
お返事が遅くなってごめんなさい。
また、ジェイクのインタビュー記事もありがとうございます。

忙しい時こそ、せめてTVででも観たい映画をみようとしたばっかりに、
感想に力と時間が及びきれず、こうして補完していただかなくてはならない、
不充分な感想を書いてしまいました。
そんな中、後半の、シカゴの男性の「助言」については、
作品の肝かと敢えて詳細を書かなかったのですが、
あの一言が、作品のあの位置にあることが、この作品の性格を端的に表していますね。
観客に、決して綺麗事だけではないたくさん考えさせる材料と、
こうありたいと願う結末を用意し、尚且つ主役が魅力的という、
本当に素敵な作品でした。
6. Posted by ほい   November 14, 2012 13:16
シカゴコンベンションのシーン、薬を買いにツアーを組むマギーたち、医療と営業、マギーが自宅で苦労するシーン、二人のビデオ、ジェイミーの実家(実家メンバー)、成り上がりたい皆さん、があってこその作品。
それがあって、だからこそ、最後のシーンが決まりましたね(ちょっとこじつけぽく見えたのはご愛嬌。
そのうちメイキングを見て確認してみたいです)
映画館で観てその後は何度かdvd(所有)で観ていますが、二人の演技の確かさはやはり相当貢献度が高いもの。
ジェイミーの弟の成長はちょっと要らなかったかなと。保健医療界のどたばたを描いてくれたことはちょっとばかりののぞき趣味を満足させてくれた感が強いのだと思います。
私にはこの作品はなんと言っても、シカゴのコンベンションでの発表風景。あれに止めを刺します。笑いとともに涙があふれ出ました。そう生きて欲しい、No matter whatと。

7. Posted by ◆ほいさま   November 15, 2012 23:53
何度もコメントありがとうございます。
ほいさんの、この作品に対する強い情熱というか、
本当にたくさんのことを感じ、考えられたことで、
語っても語っても終われないほどの思いの強さを感じました。

改めて、時間を作って再見したいと思います。
なかなか、思うように時間が取れない昨今が恨めしいです・・・

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