January 06, 2013

『八重の桜』第1回

ならぬことはならぬ
八重の桜



■・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
出演: 綾瀬はるか   西島 秀俊
    長谷川博己    綾野  剛
    オダギリジョー  西田 敏行
    中村 獅童    奥田 瑛二
    生瀬 勝久    松重  豊
    小栗   旬    ほか
脚本: 山本むつみ
音楽: 中島ノブユキ
テーマ曲: 坂本龍一
語り: 草笛 光子
題字: 赤松陽構造
演出: 加藤  拓
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・■



首を長くして待っていた、2013年のNHK大河ドラマ。
まさか、アメリカ南北戦争の場面から始まるとは思わなかったけれど。


1863年 ゲティスバーグは南北戦争の激戦地となり、
多数の死者が出たという。
これを契機に、世界は近代戦争へと雪崩込む。
1865年、渡米中の新島襄が日本に齎した銃は、
その後の日本国内での戦争でも重要な役割を果たした。
1868年、日本、会津。
戊辰戦争の最中、銃を持って戦う1人の若い女性がいた。
武家の家に生まれた、山本八重。のちの新島八重であった。

1851年、会津。
まだ幼少の頃の八重は男勝りで、高い木に登って、
江戸から国入りした若殿、松平容保の行列を見ていた。
藩の砲術使いの家に生まれ、銃に興味を持っていたが、
女であることを理由に父や兄から相手にされていなかった。

若き会津藩主、松平容保は、美濃で生まれ江戸で育ち、
23万石の領土を任されることになる。
西郷頼母を初めとする藩士の案内で国中を見回るうち、
藩校、日新館で学び、厳しく訓練される男たちや、
規律正しく生きている領民、国を律している掟を見聞きして、
自分がそれらを背負えるのかと怖気づく思いだ。
だが、西郷は容保を支えてゆくと力強く誓う。

容保が国入りして暫く後、軍事操練である「追鳥狩」が行われ、
八重は追鳥狩を見たくて友達と木に登っていて、
大事なところで大変な邪魔をしてしまう。
西郷に見咎められ酷く叱責をされるが、
容保が寛大な指図をして八重は救われる。
この時、八重は容保のために尽くすことを心に決める。

一方、八重の兄、山本覚馬は、藩の役目で江戸へ行き、
佐久間象山、勝麟太郎、吉田寅次郎らに会う。
品川の砲台を夷狄から守る役目を会津が負ったからだが、
佐久間は覚馬が考える攘夷とは、全く違う意見を持っており、
これまでの方法では日本は負けると言う。
佐久間の意見に目からウロコが落ちた思いの覚馬は、
早速佐久間の元で勉強できることとなり、
寸暇を惜しんで勉強を始め、
そこで出会った川崎尚之介と親しくなる。


2013年のNHK大河ドラマは、思いもかけないシーンから。
そして、テレビドラマとは思えない映像に暫し目を奪われた。
昨年の大河ドラマの画面は、
リアルを追求したために、暗くて汚いと酷いことを言われたが、
その轍は二度と踏むまいとでも言うような、
何度も言うが、テレビドラマとは思えない美しさだ。
まだ、物語が動き出す前、
あくまでもプロローグである南北戦争のシーンや、
のちに、官軍と戦うことになる戊辰戦争のシーンなど、
映像の質がいいと嫌でも感じることになった。
容保が率いることになる会津藩の軍事訓練の様子など、
まるで、『レッドクリフ』で周瑜が指揮する呉の軍隊を、
蜀の軍師、諸葛亮が白い着物で見学に来た時のような、
統率の取れた軍隊はとても綺麗。
その中に、中村獅童が居ることが、
余計に『レッドクリフ』を思い起こさせるのだが、
そんなことを考えてしまうのは、わたしだけかもしれない。

やがて、物語が動き始めると、登場するのは可愛い女の子。
まだ幼かった、この物語のヒロイン、山本八重ちゃん。
女に生まれたことで、何度も悔しい思いをしていた彼女が、
若き藩主との出会いによって、
尚一層、砲術への憧れを強くすることになる。

ヒロインが幼いことで、
今回の物語を牽引したのは、八重の兄、山本覚馬と、
藩主として国入りした松平容保、藩士の西郷頼母だ。
その頃、会津が置かれていた立場、
藩内の厳しい規律、時代背景、
あるいは、ざっくりとした登場人物の紹介など、
連続ドラマの初回らしい、顔見世の回となるのは当然で、
しっかりした演技を見せてくれる西島秀俊と西田敏行が、
牽引役であったことは何よりだったのではないか。
着任早々で大任に武者震い(?)する松平容保@綾野剛は、
早速、細かい表情の変化で容保の心情を表現している。
凄い藩を任されたものの、まだまだ余所者であり、
その責務の大きさを改めて感じるところなどは、
時代劇の大きな役どころを精一杯演じている緊張感が、
そのまま演技となって現れたかのようで、
それが説得力に繋がっていたと思う。

出演者の顔ぶれと、時代、主題に惹かれて、
放送開始を待っていたわたしなど、
初回からた〜〜くさんお顔を見せてくれる容保公、
爽やかな声と出で立ちで登場した川崎尚之介が現れると、
一言も聞き漏らすまいと身を乗り出したりなどしつつ(~_~;)
映像も顔ぶれもスタートダッシュも、
これはいいじゃないか、と思うばかりだ。
ただ、個人的な好みで言えば、
『ゲゲゲの女房』の時もしょっちゅう感じていた、
「登場人物の独り言の多さ」がちょっと五月蝿く感じないではない。
おそらく、回が進むに従って、
それに対する違和感は強くなるかもしれないが、
その脚本の癖を乗り越えなければ、前に進めないとも言えるので、
なるべく、気に止めないようにしたいとも思う。

また、
静かに琴線に触れるような音楽もいいね。
NHKの番組の中で、特に好きなうちの1つ『旅のチカラ』の
エンディングテーマを書かれた中島ノブユキさんの音楽は、
八重を描くのに相応しいよね。
そんな風に、
あれこれ感じるものは多いけれども、
とりあえず、初回の顔見世は恙無く済んだという感じだろうか。
次回以降、どんなテンポで、どんな流れで進んでゆくのか、
とても楽しみなのであります。

おそらく、これが主題を支えてゆくであろう、『什の掟』。
せっかくだから、以下に記しておこう。
わたし個人としては、
耳の痛いことばかりだけれど。。。

一、年長者の言うことに背いてはなりませぬ
一、年長者には御辞儀をしなければなりませぬ
一、虚言をいふ事はなりませぬ
一、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
一、弱い者をいぢめてはなりませぬ
一、戸外で物を食べてはなりませぬ
一、戸外で婦人と言葉を交えてはなりませぬ
ならぬものはならぬものです


tinkerbell_tomo at 23:58│Comments(8)TrackBack(18) テレビ番組のお話 

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この記事へのコメント

1. Posted by ひらで〜   January 07, 2013 14:57
>まるで、『レッドクリフ』で周瑜が指揮する呉の軍隊・・・

確かに♪・・・悠雅さんらしいですね〜(笑)
松平容保@綾野剛はボンボン系に描かれがちな容保さんとは違った雰囲気で好かったです。
会津側からすれば、こういう雰囲気なんですよね。
視点を変えるとこうも違って見える歴史ものは
だから面白いです♪
配役も、面白いですよね〜
勝海舟、身長、高いね〜(笑)
2. Posted by めえめえ   January 07, 2013 22:58
こんばんは。

私も最初の場面でビックリしました。
新島襄が見られるのは後半だと思っていましたが、
まさかあんな所にいたとは!
視聴率もまあまあだったようですし、
来週からも楽しみです♪
3. Posted by こに   January 08, 2013 15:00
容保の兄が尾張藩主・慶勝でもあることから会津藩には親近感があります。
「ならぬことはならぬ」と呟く綾瀬はるかさんがカッコイイ!
散々、番宣を見ており初回は妥当なところという印象。
来週以降が楽しみですね。
4. Posted by RYO   January 08, 2013 20:04
悠雅さん、「八重の桜」よかったですよね
今は、容保公がたくさん出ててほんとうれしい
そして、子役の八重のキラキラした目、元気いっぱいで見ててわくわくしました
兄覚馬もとてもすてきでお目当てを忘れてしまうくらい(^^ゞ
とても楽しませてくれる作品になりそうですね
5. Posted by ◆ひらで〜さま   January 08, 2013 23:45
整然とした隊列で軍事訓練をしている兵隊たちを
高い場所の中央で見守る指揮官・・・と思うと、
容保公が周瑜と重なってしまいまして(~_~;)
どっちもドハマりした人だけに、一人で舞い上がっておりました(;´Д`)

歴史には疎いのに、幕末だけは何とかわかる部分も多いわたしですが、
それは何作かの小説に依るもので、それがいつも幕府側の立場のものだったから
薩長より会津への思いのほうが強いこともあって、
やっと、この視点で作ってくれるんだわととても嬉しく見始めました。
キャスティングが豪華で男前揃いで超嬉し(#^.^#)
勝海舟、『龍馬伝』のキャストとは大違いで、
今回は面白く観れそうです。
6. Posted by ◆めえめえさま   January 08, 2013 23:58
ほんとですよね。
まさか南北戦争が登場するなど、思ってもみませんでした。
しかも映像が映画並みの美しさ。
それに、新島襄まで登場してくるなんて!
NHKさん、本気だわ、と思ってしまいました。

初回だけではまだなんとも言えないのは事実ですが、
このキャスティングでつまらない描き方をしないで、と祈る思いです。
それが杞憂でありますように・・・
7. Posted by ◆こにさま   January 09, 2013 00:01
容保公は岐阜のお生まれだそうですね。
わたしは、これまで出会った小説などから、
薩長よりも会津や新選組への思い入れが強いので、
今回はとても楽しみにしているところです。

どうかどうか、この素晴らしいキャスティングが生きるお話でありますように。
来週以降は益々熱を入れて感想を書きたいと思います。
8. Posted by ◆RYOさま   January 09, 2013 01:01
とにもかくにも始まりましたね、『八重の桜』。
歴史には全く疎いけれど、幕末だけは少しだけわかるわたしなどには、
とてもわかりやすいオープニングで、出だし好調という感じ。

お話に入るのは、どういうとっかかりかしら、となるべく平静に観ていたのに、
容保公がたくさんご登場で、ワクワクドキドキ。
さらに、いつ観ても西島さんは独特の空気を持ってらっしゃるし、
長谷川さんは白い羽織もよくお似合いで、
アメリカのオダギリさんはもうあれだけでかっこいいし。
勝海舟、佐久間象山もこうでなくちゃ、という感じだし。。。
と、八重も八重だけど、あっちこっちに目移りしちゃう、って(笑)

どうぞ、毎週ここでドラマにハマり込んでお喋りできますように。
あっという間に第2回、(さらに、民放のドラマも始まりますわね)
今年もドラマ視聴に忙しくなりそうですね。

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