March 22, 2014

LIFE!

トム少佐。みかんケーキ。Stretch Armstrong
The Secret Life of Walter Mitty





■・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
出演: ベン・スティラー
    クリステン・ウィグ
    アダム・スコット
    キャスリン・ハーン
    シャーリー・マクレーン
    ショーン・ペン
監督: ベン・スティラー
2013年 アメリカ 114分
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・■

時々、こんな映画が観たくなる。
ああ、これ観てよかったなぁ・・・と素直に思える作品がある。
これは、まさにそんな作品。



物語は。


ニューヨークの雑誌「LIFE」社で、
写真のネガ管理をする部署で働く、地味で平凡な中年男ウォルター。 
仕事熱心で、母や妹思いの優しい男だが、
何かのはずみにふと空想に入り込んでしまい、
周囲の者が声をかけてもすぐに現実に戻って来ないこともしばしば。
彼は最近入社した、シェリルという女性がとても気になっていた。
そんなある日、会社が買収され、
『LIFE』は来月発行分で廃刊になることが決まった。
伝統ある雑誌の最終号の表紙を飾るのは、
世界中を旅して冒険する写真家ショーン。
だが、彼が指定した番号のネガが社に届いておらず、
担当のウォルターは世界のどこにいるかわからないショーンを追い、
思いがけない土地へ赴くことになって・・・ 



地味な日常を送る目立たない男の、めくるめく冒険の物語。 
こんなことって、そうそうあることじゃないよね。
でも、そうとは気付かないだけで、
自分のまわりにもこんなチャンスがあるのかも?
明日、どんな悪いことも、その何倍も素敵なこともあるのかも・・・?
って、思えてくる。

アメリカの作家、ジェームズ・サーバーの短編を映画化した、
1947年の映画『虹を掴む男』 のリメイク作品、であるとか。
残念ながら、原作が未読なら映画も未見だが、 
同じ原作を基にしながら、当たり前ながら背景その他は
ぐんと現代風になっているはず。
でも、きっと基本になる主人公の人物造型は同じなんだろうと想像する。
夢見がち、というか、自分の空想に入り込んでしまって、
周囲には変人扱いもされるけれども、
基本的にはとても善良で、優しくて・・・引っ込み思案な男性だ。
その感じの良さがあるからこそ、
突然立ち向かうことになった、おそらく人生最大の冒険を
まるで身内の目線で、一生懸命応援してしまうんだろう。

これは、しょっちゅう思うことだが、
洋画を観ていて、流れている曲が誰の何という曲か、
ちっとも気付けないことが多い。
これも、そのうちの1つで、
知ってる曲がないわけじゃないが、ほとんどわからない(/_;)
でも、それを横に置いても、楽しめる要素がいっぱいある。 

まず、主人公ウォルターの類稀な想像力(っていうか、妄想)と、
瞬時にその世界に入り込んでしまう能力。 
それってきっと、普段の自分の言動から遠ければ遠いほど、
その能力は冴えわたる気がする。
ごく平凡な男のお話を観ているはずなのに、
突然ヒーローものになったりするんだもの、
観てるだけなら、いろんなお味がちょっとずつ楽しめる、
お菓子のバラエティ・パックみたい。
誰しも、そんな力は多かれ少なかれあると思うけれど、
ここまでのことを滅多に考えはしないから、ある意味とても羨ましい。 
世間ではきっとあんまり理解されないけどね。
でも、途中からは、突飛すぎる出来事が、
現実のものになってゆくのがこの作品。
自分のプロフィールの「体験談」に特記することが皆無な男が 、
欄が足りなくなること必至の冒険に出ることになるんだもの。
いや、彼は別に冒険に出たかったわけじゃなく、
自分の職務に忠実で、真面目なばっかりにそうなっちゃう。
いつもなら、きっと尻込みするようなあれこれにも、
妄想に背中を押されて飛び込んでしまう。
観てるこっちは、始終ハラハラするけれども、
やってみたら、案外イケちゃうんじゃない?な
思い切った行動を取れる人だったりするわけで、
そんな落差がわくわく感を駆り立て、
特に何も大きなことが起こらない毎日を送っている観客も、
自分が冒険に出ている気分にすらなるのである。
特に、
昔取った杵柄で、いくら誰も走ってないからって、
一般道の急な下り道を、スケボーで疾走するシーン、
めっちゃ気持ちいいけど危なそう。
危なそうだけど、できたらいいなぁ、って思っちゃう。

また、登場する人や物がそれぞれに個性的+魅力的+機能的。 
機能的、って?
それは、ご覧になってくださいませ。
ウォルターが恋するシングルマザー、シェリルとその息子。
彼がしょっちゅう話す「電話の男」。外部から来た上司。
ネガ管理の同僚。旅先で出会う人たち。
写真家ショーン。母と妹。 
良くも悪くもみんなどこか他人と違う癖があって、
どこか可愛いとこあって、やっぱりみんないい人たちばっかり。
それも、この作品の後味がいい理由のひとつね。


よく考えたら、わたしはベン・スティラーのたくさんある出演作を
全くと言っていいほど観たことがない。
特にこれという理由はなく、食わず嫌いというのでもないが、
観てみたいと思う作品に、彼が出てなかったということか。
(念のため調べてみたら、『太陽の帝国』や『ステラ』にも出てたとか。
 それなら観たけど・・・覚えてないよぅ・・・っていうか
 え?『マダガスカル』のアレックス?
 あれは、孫と観たから、日本語吹替えだった・・・)
でも、上映前の予告で、あまりにも散々観て、
何かきっと楽しそうだ、と思ってようやく観たのだが、
不器用で、真面目で、善良そうで、こんなお話にはぴったりなのね。
これから先、何かで観る機会がありますように。

お話は、いいことばっかりじゃないんだけど、
でも、やっぱりとっても素敵なことがラストに待っていて、
観終わったあと、素直に晴れ晴れする、
ありそうで実ばあんまりない気がする作品なのでした。 

tinkerbell_tomo at 00:05│Comments(0)TrackBack(32) 洋画【ら】 

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