May 18, 2014

『ロング・グッドバイ』最終回

早過ぎる
TLG

 

5回シリーズというのは、
やっぱりあっという間に終わってしまう。
特に面白く観ていたドラマなら尚のことだ。
そんなことは、始めっからわかっていたことだけど、
・・・ホントに終わっちゃったよ・・・


増沢は亜以子が犯人だと推理し、亜以子の元を訪ねた。
かつて、日本統治時代の台湾で、
本名、松井誠一、戦後は城崎保と名乗った原田保と結婚しており、
若い日に情熱的な恋をして、一か月だけ結婚していたと認めた。
戦争で人生を狂わされた2人は、数年前に再会したが、
お互い別の相手と結婚していて、やり直さなかったのだと言う。
その上で、原田志津香殺しは上井戸の犯行で、
保は上井戸の罪を被って死んだのだと言った。
増沢は、罪の意識なく作り話をする亜以子に、
真実を話させるために新たな作戦で挑もうとするが・・・

 


いや。。。
まだドラマの余韻が抜け切れてないので、
ふわふわした感想になってしまいそうなのだけれど。。。 

このドラマは、探偵が主人公のハードボイルドで、
でも、探偵なのだから、何かしらの解決編があると思っていて、
ちゃんと(?)事件が起こったのだから、
その解決編が最重要なのかと思って最終回を観始めたのだった。
解決編の中で、見せ場があるのだろうか、と思っていたのだ。
が。
そうじゃなかったのね。
もちろん、真犯人は特定されるし、
それは間違いないことなんだけれど、(よね?)
謎解きが最終目的ではなく、それが終わった後にこそ、
本当のこのドラマの核心があった、ということ。
殺人事件はもう、途中から真犯人が誰か察しがついたし、
(っていうか、ほかに誰がいるの)
きっと、亜以子と保は過去に何かあった・・・
少なくとも、恋人同士だった、とはわかったも同然だったけど、
そこからどう展開して、収束するんだろうと思ってたら・・・
やっぱりそういうことね。
たぶん、事件の真相がわかった後に、
何か、キリリとした幕引きがあるはず・・・
増沢と保の、2人の繋がりがあのままではないはず・・・
それが、作品のタイトルになっているはず・・・と思ってはいたけど、
その、キリリとした幕引きに、すっかり心が絡め取られてしまった。

結局、浅野忠信が、この役を演じるにちょうどいい年齢で、
背格好も雰囲気も本当によく似合って、
めちゃくちゃかっこいいわぁ・・・
とほとんどの時間をそう思いながら観ることになって、
最後の最後はもう、
画面から目を離すことができなくなってしまってて。
さらに、
森田記者の語りと、現代の日本のイメージ写真が
一層の深みを感じさせる閉じ方になっていて、
いつまでも余韻が続いてしまっている。

そんなことを言いながら、
来週になったら、『SHERLOCK3』に矢鱈浮かれ照るに違いないし、
6月からの土曜ドラマ『55歳からのハローライフ』 の予告に、
長谷川博己さんのお顔がチラリと見えて、
めっちゃウキウキしてたりもするんだけど。
それでも、やっぱりあの増沢磐二事務所や、
彼の車や、警部補と会ってた取調室(?)の壁の色合いや、
かっこよすぎる増沢の立ち居振る舞いや、
謎の台湾人の涙や・・・
そんなあれこれが忘れようにも忘れられないわけで、
きっと、いつまでも心に残ってゆくのだろうと思う。

だって、こんなドラマ、滅多なことではお目にかかれないよ、きっと。
そもそもの設定も独特なら、
小さな役柄の俳優たちの個性もキャスティングも独特だし、
画面の作り込み方も、音楽の活かし方も、
本当に、精魂込めて、神経を研ぎ澄まして作ったということが
とてもよくわかる作品って、
今はもう、NHKでしか作れないのかもしれない。
5回という回数と、与えられた時間を有効に丁寧に使って、
可能な限り、この世界観の構築と、
物語の核心を外さずに描いた仕事に大拍手するほかない。
ああ、浅野忠信、かっこよすぎ。
綾野剛、最初から最後まで、今回もまた釘付けにしてくれた。
エンケンさん、滝藤さん、ナイスなキャスティング。
そして、この世界のすべてが大好きだ。


結局、わたしは原作が手元にありながら、
再読し始めたにも関わらず、
忙しさに紛れて、第1回で描かれたあたりで2度めの積読になって、
最近はもう開き直ってはいたけれども、
せっかくある原作を、このまま眠らせるには本当に惜しい。
読書に時間を割かなくなって久しく、
すぐに読了できる自信はないけれど、
近いうちに、なるべく早く、
今度は本場の世界の物語に浸りたいと思う。


それにしても。
5回シリーズというのはやっぱり早く終わってしまう。
ホントに早い。
早過ぎる。
 

tinkerbell_tomo at 00:11│Comments(14)TrackBack(5) テレビ番組のお話 

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『私はいったい何を失くしたのでしょうか。 時代と月日に押し流されるうちに・・・』 HPはこちら  日本統治時代の台湾にいた少女時代の亜以子(中村ゆりか)は 松井誠一(原田 ...
2. ロング・グッドバイ 最終回「早過ぎる」  [ のほほん便り ]   May 19, 2014 08:45
キャスティングが豪華で、映像、音楽、共に美しく、毎回、贅沢な目の耳の保養でした。あのハードボイルド小説の傑作、「ロング・グッドバイ」… チャンドラー世界を、舞台を戦後復興期の東京に移した試みが、斬新。時代に引き裂かれた、若い夫婦の哀しい軌跡… 切なかった
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この記事へのコメント

1. Posted by こに   May 18, 2014 10:39
終っちゃいましたねぇ。
先週で犯人や背景の大かたの予想はつきましたが何か大きなどんでん返しでもあるのか期待しつつ、結果そうでもなく。
でも、満たされたドラマでした。
あの時代、あんな人間ドラマがあり、時は流れ現代の日本がある。
大人の男女を演じた役者さんたち、どなたも素晴らしかったですが、若い頃の保と亜以子を演じた二人も良かったです。

シャーロック楽しみですね♪
2. Posted by かえ   May 18, 2014 17:07
原作は未読なのですが、とても引きつけ
られるドラマだったと思います。
浅野忠信が増沢役にぴったりで最初から
最後までカッコよかった!
ラストの保とのシーンがドラマのタイトルと
重なってじんわりと余韻の残る終わり方
なのも良かったですね。

次週からはシャーロック3ですね!
HPで配信中のエピソードゼロを見て増々
楽しみになりました^^

3. Posted by gurico   May 18, 2014 20:42

悠雅さん!お久しぶりです!
やっぱりupしてらした!もうずっとお訪ねしていなかったのですが、気になる作品にふれては、悠雅さん、感想載せてはるかなあ、と思う日々でした
今回はまあ、なんという見事なアレンジかと、毎週息を詰める姿勢で見ていました
主要キャスト以外で、わたしが惹かれたのは、紅夢の支配人です

NHKにしか作れないのかもしれませんね

昔話になりますが『S最後の警官』を見ていました
新垣ちゃん出てきたときは、空飛ぶ広報室の時に、悠雅さんを欠かさず訪問していたことを思い出していました
また来ます〜
4. Posted by ◆こにさま   May 18, 2014 22:31
終わっちゃいましたねぇ。
きっとすぐ終わっちゃうんだ、とは思ってたけど、やっぱり寂し。。。

これは、犯人探しがメインじゃなく、
無実を信じる男のために真犯人を探す探偵の物語なのですよね。
なので、先週に匂わされたものがひっくり返らなくてもいい。
それよりは、描きたいものはその先にある、というのは、
実はわたしは結構好きです。
ハードボイルドでありながら、今の日本人にも何かしらの感慨を与えて、
印象深く閉じてゆくかっこよさもまた、
この作品の特徴だったと言えますね。

SEHRLOCK3、めちゃ楽しみです。
5. Posted by ◆かえさま   May 18, 2014 22:34
こんなことなら、原作を読んどくんだった、と思ったり、
いや、このドラマ自体を楽しんでからでもいいか、と思ったりしながら、
結局、未読のままドラマだけを観てしまいました。
これから原作を読んだら、
フィリップ・マーロウは浅野さんの顔して登場しそう(笑)
でも、本当に今の年齢と佇まいの浅野さんが良かったですね。
最終回は特にカッコよさが光り輝いてました。

SHERLOCK3のエピソードゼロ、わたしも何回再生したことか(笑)
来週、いよいよ、ですね。
6. Posted by ◆guricoさま   May 18, 2014 22:39
こんばんは。お久しぶりです。
覚えててくださって、お訪ねいただいてありがとうございます。
今年は、楽しみに観始めたはずのドラマ数本が肌に合わず、
その分もこちらに期待をかけて観てましたが、
期待が裏切られることはなかったですね。
やっぱり、原作を何年も積読にしてたのをちょっと悔いております。

『S最後の警官』、結構楽しみにしてたんですが、
脚本と演出が全く合わず、数回で脱落してしまいました。
随分頑張って観たんですけどね。。。合わない時は、
どれだけ好きな俳優さんが出てても諦めてしまいます。
7. Posted by メグ   May 19, 2014 19:31
悠雅さま こんにちは。
あーっという間の5週間でしたね。
私もこのドラマの世界が大好きです。
往年の名作映画を思わせる、モノトーンの雰囲気。
「第三の男」のようでもあり、「スパイゲーム」のようでもあり・・・。
最終回は特に良かったですね
原田平蔵がたとえ消えても大衆はまた同じ人間を求めるものなのだと、
磐ニの言葉が印象的でした。

本題とは関係なかったけれど、石田えりの“中年女”も良かったわぁ(笑)。
増沢磐ニに日常が戻って、ほっとしたり、ちょっぴり悲しかったり。
このドラマとの“LONG GOODBYE”はつらいです。

8. Posted by RYO   May 19, 2014 22:49
5話では本当に「早過ぎる」です。
映画のようでした。
亜衣子と保を別々に見ていた時は、森田の「これほど似合いの2人」という言葉に私の頭の中は?マークだったのですが、最終回での2人は亜衣子が可愛く見えてとても似合ってました〜さすがです。
浅野さん、良いですねえ。原作もう一度しっかり読みなおそうかな(出来るかな(^_^;)

9. Posted by めりぃ   May 20, 2014 02:11
そう、私がミステリーよりもハードボイルドが好きなのも、謎解きや事件の解決以外の部分にあるものに魅力を感じるからなのです。
今作は舞台を戦中〜戦後〜高度成長期前夜にもってきて、さらに原田平蔵が象徴するものをうまく現代にもつなげているあたりがやっぱり上手い脚本・演出だな〜と思いました。
増沢はちょっとかっこよすぎたかも。彼自身のロマンスがはしょり気味だったのも少し残念。(実は浅野さんはあまり好みではないのです。)
豪華キャストでしたが、私が一番魅かれたのは上井戸邸でした(上井戸氏ではありません(^_^;)
一目見て、あっヨドコウ迎賓館だ〜と思わず目が釘付け。大好きな建物です。 
台湾に暮らしていたという亜衣子の持つどこか東南アジアな雰囲気にピッタリで、この建物の魅力もうまく引き出していたと思います。
と、今この文章を書きながら、亜衣子という名前自体が彼女を表していることに気が付きました…。
10. Posted by ◆メグさま   May 22, 2014 22:33
いつものように、お返事が大変遅くなって申し訳ありません。
最近、ずっとこんな調子で失礼してばかりですね。。。

本当に、あれだけ放送を待っていたのに、
予想通り、あっという間の5週間でした。
日本のTVドラマでも、ここまでのものができるんですねぇ。
改めて、作り手の意気込みと熱意を感じました。
無国籍風の、苦み走った質感の中で、
現代日本にも通じるものを添えて終わる構成といい、
石田えりをあのポジションであのように使う大胆さ(?)といい、
何から何までが好感触でした。

ホントですね。
増沢磐二にはまた会いたいけれど、
このまま、長いお別れのほうがいいのかもしれません。
11. Posted by ◆RYOさま   May 22, 2014 22:37
本当に、いつもお返事が遅くなってごめんなさい。
わかっていながら、遅くなってばかりです。。。

終わってしまうなら、謎なんて解けなくてもいいのに・・・って
ちょっと途中で本気で思ったりもしましたが^_^;
そうそう。「似合いの2人」、若い俳優さんたちもよく似た雰囲気だったし、
あの2人の感じがとてもよかったこともあって、
最終回ではわたしもとても納得できた感じでした。

浅野さん、やっぱりこの人ならではの佇まいがいいですねぇ。
録画は永久保存版に決定です。
12. Posted by ◆めりぃさま   May 22, 2014 22:50
すっかりお返事が遅くなって本当にごめんなさい。

わたしはハードボイルドも少しは読んだこともありましたが、、
本格ミステリの謎解き自体が好きだったので、
つい、ミステリだけを選んで掛け値なく何百冊も読んでいました。
それでも、時代背景などを感じるものもあったので、仰ってる意味はわかります。
せっかく原作があるのに・・・いつでも読める位置にまで置いてあるのに・・・
ちょっとほかに時間を取られてばかりで、自分でもどうしたものか困ってる状態。
でも、この脚本や演出の巧さをより実感できるのは、
小説を読んでみることに尽きるのかもしれません。

上井戸氏に惹かれていたら、それはそれで凄い!!のだけど、
確かに、あのお屋敷は素敵でしたね。
わたしなど、建築物に(も)弱いので、どこだかさっぱりわかりませんでしたが、
描きたいもの、作りたいもののイメージが確固としてあって、
そのための素材集めにも揺るぎがなかった作り手に拍手を送りたいです。
作り手の思いが、こちらにビシバシ伝わってくるような作品でした。
13. Posted by めりぃ   May 23, 2014 00:33
フフ…美しくて味のある男性と建物を眺めるのが趣味なのです(笑)
お忙しいところ、お返事ありがとうございます。
でも、いつもコマメにいろんな映画やドラマをご覧になっていて、うらやましいです〜。
私はこのところ全く出掛ける時間の余裕がなく、こんな仕事の立て込んでいる時に限ってみたい映画があるのに…あと1〜2か月はお預けです。
このドラマも録画したのを洗濯物を畳みながら、とか、ご飯を食べながら、とか、本当はじっくり見ないともったいない作品ですよね(>_<)
最近は民放で見たいドラマがなかなかなくて、NHKさんにはこの調子で頑張ってもらいたいものです。
14. Posted by ◆めりぃさま   May 24, 2014 20:28
美しく理知的な英国男鑑賞が一番の趣味ですが(笑)
趣味の範囲が限定されすぎてて、世の中、知らないことだらけです(笑)

本当は、わたしもめりぃさんのように忙殺されるほど仕事があれば嬉しいんですが、
なかなか改善されない不況下では、仕事が回って来てないのが正直なところです。
若い頃は、仕事も忙しく子育てもあれもこれもでバタバタで、
何かしながら観る、というのが当たり前でしたが、
子育ても終わった今は、幸か不幸か微妙に時間に余裕がありまして(^^ゞ
それでも、観たい映画が全て観れているわけではないのですけれど。

民放のドラマも出演者目当てに観始めても、脚本と演出の好みが全く合わず、
大好きな人たちが毎週出てるのに、早々に脱落してばっかり・・・
NHKさん、これからも頑張っていい作品作ってくださいね、と
心から祈ります。

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