July 12, 2014

チョコレートドーナツ

any day now

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出演: アラン・カミング
    ギャレット・ディラハント
    アイザック・レイヴァ
    フランシス・フィッシャー
    グレッグ・ヘンリー
    ドン・フランクリン
監督: トラヴィス・ファイン
2012年 アメリカ 97分
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4月から全国順次公開され、3ヶ月待ってようやく近くにやってきて、
やっと観ることができた。
今年のミニシアター系でのヒット作品で、
個人的にも、年末の「マイベスト10」上位入りは確実だろうと思う。

1979年のアメリカ。歌手を夢見るショウダンサーでゲイのルディと、
ゲイを隠して生きて来た弁護士ポール、そして、
薬物中毒で母親が逮捕された、ダウン症の少年マルコの物語。
前年に、ハーヴェイ・ミルクが暗殺された、
ゲイに対する偏見が現在以上に強い頃のアメリカで、
世間からは理解されにくい3人が束の間手にしたささやかな幸福。
けれども、その時間は長くは続かず…というお話。
実話を基にした作品で、そう作ろうとすればできるところを、
決して安っぽいお涙頂戴物にせず、誠実に冷静に3人の姿を描いている。
要所要所で、ルディやポールの魂の叫びのような印象的な台詞や、
ルディの感情がシンクロする歌があり、
作品の主題を浮かび上がらせ、観る者に感じ、考えさせる構成が巧い。
だから、観終わってしばらく時間が経っても、
ルディもポールもマルコも、ちっとも心から出て行かないのだ。
あれもこれも、感じたことは言葉にしきれないくらいたくさんあるが、
在り過ぎて長くなりそう&ネタバレなしに語れないので、
全面的に割愛。

主演は、ミュージカル『キャバレー』でトニー賞を受賞した、
アラン・カミング。
この人の出演作をたくさん観ているとは言えないけれど、
何故か、初見の時からじんわり好きだった人で、
(『Emma』のエルトン氏、好きでしたの)
この作品で尚一層好きになった。 
(先日、WOWOW放送のトニー賞授賞式で、
過去の受賞者として『キャバレー』の一場面を披露してくれて、
とても嬉しかったのでありました)
近くに居たら、大好きになりそうな魅力的なキャラクターを、
なお一層魅力的に演じた表現力と歌唱力は流石。
彼がルディを演じたから、ルディはここまで輝いたのだろう。
劇中、ルディが歌う場面が何か所かあるが、
殊に最後に歌う『I Shall Be Released』は圧巻だ。
たとえば、このシーンのためだけでも、観る価値があると思う。
また、ルディが一目惚れしたポール@ ギャレット・ディラハント、
無垢で可愛いマルコ@アイザック・レイヴァ、ホントに素晴らしい。

全国順次公開もそろそろ終盤。
これからスクリーンでご覧になれる方は多くないだろうけれど、
ご覧になれるのにスルーしたら絶対勿体ない作品。
もし、今機会がなくても、今後何かの機会があれば、
是非、ご覧いただきたい秀作。
アラン・カミング、最高。




tinkerbell_tomo at 23:02│ 洋画【た】