2009年02月

2009年02月28日

倉敷の未来 〜チボリ公園再開の場合〜

前々から、チボリ公園の再開を倉敷市にとっての「明るい未来」と書いていますが、その根拠を示さなければならないので、記載します。 (比較表はこちら)


明るい未来とは何でしょうか? 私は生き生きとした街、活気のある街、魅力のある街だと思います。
さて、生き生きとした街、活気のある街にするためには、経済が回っていることが必要ではないでしょうか。また、魅力のある街とは、倉敷は凄いとか、行ってみたいと思ってもらえることではないでしょうか。

さて、チボリ公園について、倉敷市のHPでは、
「県の資料によれば,建設時から平成16年度までの倉敷市への経済波及効果は約3,000億円にのぼると試算されているなど,地域経済の活性化にも大きく貢献しており,さらに,本事業が行われたことで,倉敷駅北地区のメインストリートをはじめとする周辺整備及び開発が進展し,観光都市倉敷の新しいランドマークとして,48万都市倉敷の顔に相応しい発展がもたらされたことも事実であります。」
と記載されています。チボリ公園には7年間で3000億円のお金を回す経済効果があったことになります。終わりの頃は入場者数が少なくなっていたので、経済効果は半減していたかも知れませんが、半分だとしても1年間に200億円の経済効果があることになります。

さらに、考慮しなければならないのは、この経済効果が市の他の店舗などと競合しない形で存在していたということです。
大型ショッピングモールやアウトレットモールでは市内の他の店舗と確実に競合するので、その経済効果が200億円あったとしても、既存店舗にマイナスの経済効果がもたらされてしまいます。



もう一つ、大きな事は、県外からの観光客をどの程度呼べるかということです。倉敷市は製造業は盛んですが、ビジネスの街ではありません。観光産業が盛んにならなければホテル業界もタクシー業界も活性化しないのです。

大型ショッピングモールやアウトレットモールでは他県から集客をするのは難しいと考えられます。
それだけでなく、市内の需要を吸い上げることで、市内の商店街などは今以上に疲弊することが予想されます。


ここに、倉敷市のHPへ投書されている意見を一部抜粋します。
 何年かぶりに美観地区方面を訪れたとき、街のほぼ中心非常に古い建物(景観を損ねる)や、営業していない古い建物が何件かあり、びっくりしました。多くの人が倉敷駅から美観地区に行くと思いますが、あの光景は折角の楽しみを損ねる光景だと思いました。また、アーケード街も閑散としていてここが倉敷の中心街かと目を疑いました。

倉敷に来た人たちが、皆同じ光景を目の当たりにします。この様な光景を見て、「倉敷って良いな」と思ってもらえるでしょうか? もう一度来たいと思ってもらえるでしょうか?
もう一度言います。大型ショッピングモールやアウトレットモールでは、市内の需要を吸い上げることで、市内の商店街などは今以上に疲弊することが予想されます。


チボリの跡地利用を考えたときに、経済効果の面でも、観光振興の面でも、既存商店街などへの影響の面でも、プラスの効果があるのはチボリ公園の再開だけなのです。
大型ショッピングモールやアウトレットモールでは、存在するだけで地域を疲弊させるので、まだ更地のまま放置されていた方がましなのです。

予想される倉敷への影響は次の通りです。
  ←良い                              悪い→
チボリ公園の再開>更地>アウトレットモール>大型ショッピングセンター



他の案の倉敷の将来像は以下に記載しています。

倉敷の未来 〜アウトレットモール誘致の場合〜
倉敷の未来 〜商用施設(大型ショッピングモール)誘致の場合〜


tivoli_continuing at 23:12|PermalinkComments(1)TrackBack(0)担当者考 

2009年02月27日

過去のしがらみと明るい未来、どちらが大事?

25日は、旅館組合や観光協会、商店街などで説明をしてきました。

観光協会の方には、市から助成を受けている立場上、市が方向を示したことに反対するようなことはできないと回答されました。個人的には、市は観光振興のために助成をしている訳なので、観光振興を図る立場としての意見は言っても良いのではと思いますが、物事にはいろいろな立場や考え方があるので、私が彼らの立場でない以上仕方がないことかも知れません。

ただ、観光協会では、「私も、また、会員もみんなチボリが無くなって良いなんて思っていない。」との言葉をいただきました。そうなんです、どこで話をしても、チボリが無くなって良かったと言う方にはお会いしたことがありません。みんな、あった方が良いと言われます。

でも、行動に移せない理由があるのです。
・これまでチボリを残そうといろいろやってみて、その上で閉園となったために、もう可能性が無いと思われていること。
・多額の税投入が無いと継続できないと思われていること。
・観光協会のように立場上動けないこと。
・チボリ・ジャパン社へ出資して損害を被った仲間への配慮。 などです。

ですが、県が倉敷市へ追加の負担は無いと言ったのに、県が手を引いた後を押しつけるのか。と言う意見が一番多いです。



これ、分かりますか? 自分たちの将来にとって良いと分かっているのに、他人がああ言ったから、こう言ったからやらない、ということなんです。

自分たちの将来のことなんですよ! 他人がどう言おうが、自分たちの将来の事は自分たちで考えて判断をすべきではないでしょうか??

過去の他人の発言のために、自分たちの明るい未来を放棄するのは賢明な判断といえるでしょうか??

過去のしがらみのために明るい未来を放棄するのと、明るい未来のために過去のしがらみを放棄するのと、どちらが良いでしょうか??



お隣の県、香川県のテーマパーク、レオマワールドは閉園してから3年後に再開運動が起こりました。閉園してから3年経ち、地域経済の疲弊が深刻化し、やはり無いと経済が回らないと皆が気付いたからです。でも、チボリ公園の場合は3年どころか半年も経てば跡形も無くなってしまいます。
こんな近くに前例があるのです。情報収集をし、倉敷の未来を予測して判断を下すことができるはずです。

私たちは過去は変えることはできませんが、未来は変えることができます。未来を変えるのなら、良い方に変えた方が良いと思いませんか??



tivoli_continuing at 23:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0)会の活動 

2009年02月24日

倉敷の未来 〜緑道公園の場合〜

ポストチボリ案として倉敷市が提示しているのが緑道公園です。
でも、この案は他の案とは違い、跡地のホンの一部を公園にしようというものです。このため、跡地の他の部分がどのような開発になるのかを併せて考える必要があります。


緑道公園の場合、倉敷市は土地の開発はクラボウに任せる意向のようです。さて、クラボウだったら、緑道公園にした残りの土地をどのように使うでしょうか?
現在、あの土地には、大型ショッピングセンター数社とアウトレットモールでは三井物産が開発を検討しています。
この状態で、クラボウが岡山市の西川沿いのような開発をするでしょうか?? 答えは「絶っっっ対に、あり得ない」です。

ビジネス街のように区画を区切って貸し出すと、それぞれに建築の検討をしなければなりませんし、届け出等の事務手続きや賃借料の回収もとても煩雑になります。全ての区画から賃借料を取れる保証もありません。
大型ショッピングセンターにしても、アウトレットモールにしても、1社との契約で、後はお任せで地代が入ります。
このため、クラボウが緑道公園を受け入れたとしても、残りの土地は大型ショッピングセンターかアウトレットモールになります。


さて、大型ショッピングセンターやアウトレットモールの敷地内に、緑道公園がある状態を想像してみてください。
これは、例えばイオン倉敷のなかの緑地のようなものです。その緑地を市が4億円かけて整備し、年間8千万円かけて維持するとします。これ、普通に考えてあり得ません。意味も分かりません。

さらに、緑道公園派の人は、市民債で整備をと言っていると聞きました。緑道公園は1円も収益を産みません。それなのに市民債で整備すると言うことは、その利息分も市が負担することになります。これでは普通に市のお金で整備した方がまだましです。


緑道公園は一応、市が提案している手前、ポストチボリの選択肢の中に入ってはいますが、実際には実現することはあり得ない選択肢なのです。あの場所に緑を残すには、テーマパークとして残すしか道はないと思うのです。

tivoli_continuing at 23:55|PermalinkComments(4)TrackBack(0)担当者考 

2009年02月23日

あまりにも酷すぎる!!

先日、地元岡山のテレビ局TSCによる倉敷チボリ公園の解体を伝えるニュースが放送されました。
そこには、瓦礫の山と化した建物や、横倒しにされた看板などが写っていました。

チボリ公園は、特に子供に愛された公園でした。それは、子供達から「チボリを無くさないで」と多くの手紙が公園に寄せられたことからも明白です。その子供達が愛した場所がこのように破壊され、瓦礫の山になっている様を見せつける必要があったでしょうか!!

解体が進んでいるのは分かっていましたし、このまま市長や市議が市の将来をきちんと考えず、問題を放置すれば更地になることも分かっていました。でも、そこにあった建物や木が跡形もなくなっているのを見るのと、無惨に壊されているところを見せるのは全然違います。

チボリが好きだった子供がこの映像を見ていたらどうでしょうか?? 自分が大好きだった場所が壊されているところや瓦礫の山になっているのを見たらどう思うと思いますか?? 泣く子もいるかもしれません、トラウマになる子もいるかも知れません。
多くの子供が愛した公園なのに、その子供達への配慮がなさ過ぎます!!


恐らく、経営責任者のその辺りの考慮のなさ、意識の欠落がチボリ公園を閉園に追い込んだと思うのです。
昨年12月、子供達からの手紙がぞくぞく寄せられているという報道がありました。(山陽新聞の場合
この事に対して、チボリ・ジャパンの社長は、「感無量です」と答えています。信じられますか?? 「感無量」は何かを成し遂げたときに、満足して使う言葉ですよ?
本来なら、それだけファンになってくれた人に対して、存続できなかった責任がある訳なので、謝罪の弁になるはずです。それを、仮にも経営責任者が勝手に悦に入っていたのです。


チボリ閉園は確実に人災です。きちんとした人が経営主を勤めることで、黒字経営は十分にできます。遊具は無くなってしまいましたし、建物も解体が進んでいます。でも、大型遊具が無いということは、運営費がかからない経営が可能だということです。

チボリが市民公園とならない場合、跡地には大型ショッピングセンターかアウトレットモールかどちらかしかあり得ません。どちらを選んでも公園の市民公園化に比べて格段に街は疲弊します。
どうか、市長や市議さんが、倉敷の将来を真剣に考えてくれますように。



tivoli_continuing at 23:18|PermalinkComments(5)TrackBack(0)担当者考 

2009年02月21日

倉敷の未来 〜アウトレットモール誘致の場合〜

巨大アウトレットモールは関東や大阪で成功を収めている事例がいくつかあり、街づくりにとって、人が多く集まるという夢の響きがあるようです。今回は、これを検証してみます。


市内需要への影響
アウトレットで街がどうなるかを検討するには、まず、アウトレットモールがどういうものかを知る必要があります。アウトレットモールで売られる商品は大きく分けて二つあります。

1つは百貨店などで売られている一級品のサイズあまりなどです。百貨店ではサイズやデザインをある程度そろえておく必要があるので、全部は売れず、その分がアウトレットに流れるというものです。

もう一つは、最初からB級品のものです。例え一流ブランドだったとしても、生産品をすべて一級品で売れるほど、一級品の需要は多くないので、工場を遊ばせないためにB級品を生産するというものです。 

このため、一級品は百貨店など高級店の需要と競合し、B級品は通常のファッション店の需要と競合することとなります。アウトレットモールは市内のファッション系の需要を吸い上げてしまうことが十分に予想されます。


アウトレットモールの集客と経営面
次に倉敷にアウトレットモールができたとして、それが継続できるかという問題があります。

国内にはもう既に多くのアウトレットモールができています。そのうち、西日本には、国内トップレベルといわれるアウトレットモールが大阪のりんくうと佐賀県の鳥栖にできています。

ポストチボリのアウトレット支持派の人たちは口をそろえて「中国四国地方には、アウトレットがないから」と言われますが、広島にも、愛媛にもアウトレットモールは既にできています。

このため、倉敷にアウトレットモールができたとしても、集客範囲は岡山県内、そして最善の場合でも鳥取、香川と井原以東、姫路以西と考えられ、域内人口は400万人程度しかありません(一般にアウトレットモールには域内人口600万人が必要と言われています)。

また、アウトレットモールの最重要ターゲットは、ファッションに関心があり、購買力もある独身女性です。しかし、そのターゲットが最も多い関西地域が集客範囲から外れている以上、安定した経営は望めません。

アウトレットだからと言って、年に何回もブランド物を買いには来ません。リピーター率が低いアウトレットモールだからこそ、域内人口と最重要ターゲットの域内での確保数が大切なのです。

域内人口が500万人程度ある広島のアウトレットモールでも、オープン当初ものすごい人出でしたが、3年目の去年には経営破たんしています。


アウトレットモールの立地面
立地としても、駅の北口に隣接していることはアウトレットモールには有利ではありません。
駅に隣接しているという最大の利点は関西方面の車を持たない人たちの集客があるというものですが、関西には既に6つもアウトレットモールがあるため、ざわざわ1店舗しかない倉敷に出向くことはありえないからです。
このため、アウトレットモールを作るのなら、車の交通の便の良い、街から少し離れた郊外の方が、集客力もあり、土地代も安いため有利なのです。


アウトレットモール客の影響
アウトレットモールが集客力があり、継続できたとしても、市内の経済に良い方向に働くでしょうか? 答えは「No」です。

昨年秋に私たちの会長が関東の地方都市にできたアウトレットモールに視察に行っています。

このアウトレットモールはとても人気があり、集客もものすごいものがありました。しかし、周辺の商店街や観光地に聞き取り調査に行ってみると「とても繁盛していますよ、アウトレットモールはね」という回答ばかりでした。

アウトレットモールに来店する人のほとんどはアウトレットが目当てで、周辺の商店や観光地には行かないのです。


街づくりをするための用意
普通、これから自分たちが取り組もうとするもので、他に取り組み事例がある場合は、事前に視察に行き、情報収集をするのが基本です。

その中で、自分たちにとっての弱み、強みを把握すると共に、それを活かした計画を立てることが最低限必要なことです。

しかし、ポスト・チボリのアウトレット推進派の人たちは、視察どころか、現在どこにどのようなアウトレットがあるのかすら把握していない状態です。彼らに、「アウトレットモールで倉敷が発展する」と言われても、実現性も説得力もないと思うのは、私たちだけでしょうか。


tivoli_continuing at 22:50|PermalinkComments(3)TrackBack(0)担当者考