週刊少年ジャンプ2023年3・4合併号掲載の
『HUNTER×HUNTER』連載再開10週目「400◆秘匿」の感想。
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(前回掲載分まで反映済み)
※画像データは物理的にも容量的にもサイズが大きめです
2層にあることが確定したエイ=イのアジトへ向かうにあたって
「最低フランクリンは連れて行こう」と提案。
ノブナガは以前もフランクリンを連れてこようとしていたから

単純に誘いやすいという側面もあるんだろうけど、
「俺の両手は機関銃」なら「扉」の外からでも一方的に攻撃できるし
トレベルムの「Damage」は左手に持った物ごと吹き飛ばすことができて
ヨコタニの「墨攻」も衛兵を近付けず、没収されるものが無い・・・ということで
エイ=イに対して相性が良いと考えての判断なのかな。
ヒソカと遭遇した場合も
接近戦だと攻撃をすべて回避しないと「伸縮自在の愛」の餌食になってしまうけど

放出系能力で距離を取って戦えばその心配も要らないから、
フランクリンがヒソカを「大したことねェよ あんな奴」と評していたのは

強がっていたわけでもヒソカを過小評価していたわけでもなく
客観的に「マトモに戦ったら勝てる相性だ」と分析していたのかもしれない。
オマケに「冨樫展」で公開された資料によれば
フランクリンは「放出系と強化系の中間点に位置する能力者」で

放出・強化の2系統を効率よく習得できるらしいから
強化系能力者に接近を許したとしてもある程度は渡り合えるんだろう。
(強化系のゴトーでもヒソカに一撃で首を切られたくらいだから
ヒソカ級が相手ならオーラでしっかりガードできるのが大前提だけど)
「強力な念弾を連射する」というシンプルな能力は打ち破るのも難しそうで、
ノブナガが頼りにするのも納得という感じ。
そしてエイ=イのアジトが2層にあるということは、
ノブナガが言っていたとおり「カキンマフィアの流儀」に則れば

モレナが「縄張りから離れた場所(=ハイエリア)にいる」以上
「戦争の大義名分が無くなる」可能性もゼロではないわけか。
仮に「戦争の大義名分」が無くなったとしても
シュウ=ウとシャ=アが今さら引き下がることはないはずだけど、
モレナが「古の習わし」をどう悪用するつもりなのかは注目しておきたいと思う。
エイ=イの隠しアジトが第2層にあったのは予想外で、
第2層は今まで「シアター会場」くらいしか描かれていなかったから

これで晴れてBW1号の全階層が物語の舞台になるのかも。
フェイタンに「敵に惚れすぎ」と指摘されたノブナガが
「ちょっと面白そうな奴がいてな」と言っていたのも気になるし、
「皆様 お手を止めて静粛にお聞き下さい」
「皆様…大変悲しく残念なお知らせです」という緊急放送の内容も興味深いところだ。
前者の候補になりそうなのはトレベルムかヨコタニくらいで
後者もおそらくはサレサレの訃報あたりだと思うけど、
船内の一般乗客に「王子の死」を逐一伝えないような気もする。
フェイタンの「フィンクスの“円”使えてればもと楽に探せるのにね」発言に対して
「…普通に考えてこの雑踏の中“円”とか正気の沙汰じゃねーだろ
技術的にも戦略的にも 特にオレ下手だし」
「オレの“円”は人の声するだけで途切れるし
何かが動いてもダメ 動きながらもダメ 精々倉庫で物探すのが関の山だ」
「仮にここで出来ても“円”の中に不特定多数で正体不明の人間入れるとか
裸で『撃って下さい』って看板掲げてスラム街歩く様なもんだろが」
「“円”のリスクなめんな」と返答。
以前の感想で
やはり一口に「円」と言ってもその性質には個人差があるようで
一概に「大きさ」だけで優劣をつけることはできないっぽい。
フィンクスとフェイタンのやり取りから察するに
「フィンクスの“円”」は面積が広いぶん使い勝手が悪いタイプで、
逆に「自分が動きながら」「動く対象に」途切れさせず使えているノブナガは

「狭いぶん性能が良い」タイプなのかな。
「円」は「“纏”と“練”の高等応用技」で
体に纏うオーラを広げることによって周囲を感知する技術だから

広げれば広げただけオーラが薄まって使用者の防御力が落ちるのは納得で、
1層のように「戦闘」より「警戒」「情報収集」に重きを置く状況ならともかく
会敵→即戦闘の危険性が高い場面で使うのはリスクが大きいわけか。
特に、フィンクス目線では第3層にヒソカがいる可能性があるから、
不用意に「円」を使うと自分の居場所だけが一方的に相手にバレた挙句
防御力が低くなっているところを不意打ちで狙われる危険性も出てくるわけで
おいそれと使えないのも言われてみれば納得という感じ。
ゼノも「円は神経を削るからしんどい」と言っていたし

そもそもが戦闘中に使えるような技ではないとしたら
戦闘に活用できているノブナガはその時点で優れた「円」の使い手なのかも。
BW1号船内の環境では「円」が便利すぎて
使わないと不自然なくらいの存在になってしまっているから、
使用に制限をつけるために「リスク」を設定したようにも思えてしまうけど・・・。
タイソンの弟・エンゼール、伝説の家庭教師・ヒュウガ、SR星雲ムニー星の王子等と
従事者それぞれに自分好みの設定を演じさせているタイソンは
ハンター協会員のジュリアーノに対しても
「一見チャラいけど根は純粋なボディーガード」に転生するよう命令。
その様子を見ていたイズナビは
「第6王子の念獣の能力があの経典とリンクしているのは間違いない…!
その能力が本当に愛を布教する為のものならば… 現国王ごと取り込み…
継承戦の中止を宣言させる事も可能かも…?」と考えていたものの
守護霊獣には「霊獣の憑いた人間を直接攻撃しない」本能があるらしいから

守護霊獣の憑いているナスビーが「タイソン教典」を読んだとしても
タイソンの守護霊獣の効果は及ばない可能性が高いんだろう。
(「愛の布教」が「攻撃」と見做されなければ有効な可能性はある?)
さらにタイソンは
「私が『こんな』で私の子供も期待出来ないから
ママは相当悔しかったみたい」と言っていて、
母のカットローノが他の王妃から「憐れみの眼差しで見られ」ていたことも踏まえると
以前の感想で
やはりタイソンは生物学的には男性だと考えてよさそうな感じ。
タイソンが女性なら、いくら見てくれが悪かったとしても
王族としての権力や金を使って子作り相手を見繕うことはできるはずだから、
「子供も期待できない」理由は
本人の性別が男で、恋愛対象も男だからだと考えられる。
(身体が小さくて妊娠・出産に耐えられないと診断されている可能性も無くはないけど
それくらいなら万全の医療体制を整えれば何とかなりそう)
タイソンは今週のイズナビとのやり取りでキャラが立って
なかなか良い奴だと思えるようになってきた気もするけど、
出航前夜祭で「アタシこそが…
」なんて考えていた以上

「継承戦を辞退するつもりだった」のが真実かどうかは疑わしい。
念獣の存在を知った際に
「きっとアタシの妖精達がこの船を愛で満たすワ…
」と考えていたから

「愛でしか戦わない」のは本心なのかもしれないけど、
教典唯一の禁忌を破った場合の「厳しい罰」も含めて

まだ何か裏の本性を隠している可能性が高い気がする。
「パパに会う時はママの許可が要る」のが
タイソンだけなのか、下位王子の共通ルールなのかも気になるところで、
タイソン限定だとしたらかなり気の毒な扱いを受けているのに
それでも明るく振舞えている精神力は立派なのかも。
自らが「第11王子を護る霊的存在として復活している」ことを自覚していたらしく、
「第11王子を王にする!! 逃げられないなら戦うしかないの!!
私が死んで『もういない』と周囲が思っている現在の状況と この先!
『死んだはずのカチョウがまだいた』というこの後の状況を最大限利用する」と宣言。
カチョウの守護霊獣の「自分はカチョウ本人ではない」という自覚の有無や
センリツが「カチョウ本人の死」を認識しているかどうかは不明だったけど、
どちらも既に理解済みということで
理解するまでの過程をすっ飛ばして話を進めたのはテンポが速くて良かったと思う。
カチョウ本人の人格まで再現している守護霊獣カチョウは
壁をすり抜けて移動することもできるようで、
念によるオーラ攻撃ならいざ知らず物理攻撃に対しては無敵っぽいし
椅子に座ったり扉を開けたり布団を持ち上げている描写もあるから
「円」で警戒されていなければ
タフディーがモモゼを殺害したのと同じ手口で誰かを暗殺するのも容易なのかな。
常時「分身の術」状態だとしたらかなり便利だけど

さすがに空を飛ぶことまではできなさそうだし
「常人には見えない」状態になることもできないとしたら
やはり基本的には「フウゲツを護る」ための能力なんだろうか。
そしてカチョウ本人と同じ姿の守護霊獣がまだ存在しているにも関わらず
国王軍が1010号室を封鎖規制しようとしていたということは、
救命艇が回収されてカチョウ本人の遺体が発見されていると考えられる。
チョウライがオニオールに「もう3人 兄弟が死んだよ」と言っていたのは

その情報をいち早く掴んでいたからだと考えられそうで、
逆に「カチョウ(の守護霊獣)が司法局内で動き回っている」ことを
第3王子であるチョウライすら知らないということは
司法局の中立性と情報統制は信頼してよさそうな感じ。
しかしカチョウの守護霊獣の
「これが私の守護霊獣の能力だったとしても
フウチンに視えてるってことは私はもう継承戦は脱落決定」に関しては
「フウゲツに視えている」ことと「脱落決定」の因果関係がよく分からないなあ。
ベンジャミンとバルサミルコのやり取りで
「儀式の当事者は念獣を視認出来ない制約があるのかも」という推測はしていたけど

それだって確定ではないはずだし、
その推測をセンリツやカチョウが知る由もないはず。
「脱落決定」と言っているのはカチョウ本人ではなく守護霊獣だから、
「他の王子に姿を視られたら脱落決定」であることを
守護霊獣として本能的に理解していたと解釈するべきなんだろうか。
それにしたってセンリツはそのへんの事情を知らないはずだから
「なんで脱落決定なの?」と質問する方が自然だった気もするけど・・・。
「最も効果的なのは誘ってきた王子を全員だまし 我々で上位王子を一掃する事…!」
「意識が飛んでいる王子達に遅効性の毒を経口で流し込むのが最善だと思う
本気でやるつもりなら必要なものは全て僕が用意しよう」と驚きの計画を提案して、
命がけで協力する理由を問われると「センリツ君 僕は君が好きだ」と告白。
しかしセンリツはカイザルの心音が「原子時計ばりに正確」だったことから
「何にせよ非能力者を装った操作系の使い手である事は確定ね…!!
自らを非能力者として操り
隠した目的の為に私達を利用している…!!」と分析したようで、
これは以前「君…と王子の力になりたい」と言われたときの

「念能力者に操作されている可能性も消せない…!」

「…てゆーかアタシに言い寄ってきてる時点でクロ確定」から
一段階進んでいるように見えて進んでいない描写に見えてしまった。
クロロの心音さえ読み取ったセンリツが「確定」と言っている以上
カイザルは誰か(あるいは自分自身)に操作されていると考えるべきなんだろうけど、
個人的には本心からセンリツに協力していてほしいし
心音が安定しているのも「単にそういう性格だから」というオチに期待したいなあ。
そもそもセンリツが「対象者が操られているか否か」を判断するためには
一度「普段の心音」を聞いておくことが必要で

その「心音の違い」を感知できない限りは「確定」とは言えないはず。
カイザルの心音はセンリツと初めて会ったときからずっと安定しているようで
センリツはそれを「初めて会ったときから操作されている」と解釈したわけだけど、
逆に「ずっと操作されていない」可能性も捨てきれないんだろう。
ただ、いくらセンリツのことを好きだとしても
上位王子の同時暗殺計画を立てる司法局員なんて普通はありえないから
センリツが素直に信用できないのも無理はないし、
逆にカイザルが本当に「王子の刺客」だとしたら
そんな怪しさ全開の計画をサラっと提案しないような気もする。
で、そんなカイザルは国際渡航許可庁の特務課から出向中のシュタイナーに
「万が一 第一王子私設兵か国王軍がこのエリアまでやって来たら
これを押してくれ…外部の君にしか頼めない」と言って何かを渡していて、
確かにシュタイナーは特務課での役職は「課長補佐」に過ぎなかったものの

生還を約束されている「証言者」として特別扱いされていたから
カイザルの方が明確に立場が上っぽいのはちょっと意外だった。
二人の会話内容は堅苦しくてちょっと分かりにくかったけど
ベンジャミンが「特殊戒厳令」を宣言すると
「国家的危機発生時の軍部による暫定的な三権の保護掌握と実行」の名目で
司法局に国王軍兵=ベンジャミン私設兵が介入できるようになる
↓
そうすると本来なら中立であるはずの司法局の権限が
軍部(のトップであるベンジャミン)に強制的に譲渡されてしまう危険性がある
↓
ベンジャミンが「司法局の権力」を手にしたら
敵対する王子やその従事者を片っ端から「反乱分子」として裁判にかけて
合法的に即有罪→処刑の判決を下すことが可能になる
ということなのかな。
シュタイナーが「生還を約束されている証言者」だからといって
ベンジャミン私設兵の武力介入を防ぐ手立ては無さそうに思えるけど、
そもそもカイザルはシュタイナーに何を渡したんだろう?
「僕が死んだら公式には残せない何かが起こったって事」という台詞から察するに
シュタイナーの役割は「公式な記録を残す」ことで、
国王軍が司法局を制圧しようとしたらボイスレコーダーですべてを記録して
「BW1号がカキンに戻ったら録音内容を公開するぞ」と脅すことによって
上記のような無茶な強硬策を採れないようにする狙いがあるんだろうか。
シュタイナーが特別な立場でなければ
その場で射殺して適当な理由をでっちあげれば簡単に口封じできるけど
身の安全が保障されている「証言者」が相手ではそういうわけにもいかず、
殺せなかったらボイスレコーダーで一連の経緯をバラされてしまうし
殺してしまったら「公式には残せない何かが起きた」ことが明白で
どのみちカキンに戻ってから他国に色々追及される、ということなのかもしれない。
ただ、カイザルが渡したものがボイスレコーダーだとすると
所属に関わらず「身の安全が保障されている者」でさえあればいいから、
「外部の君にしか頼めない」のニュアンスが今一つしっくりこないかも。
すれ違いざまにその様子を確認したセンリツによると
「フウゲツのオーラが“絶”並に弱くなっている…!!
心音の律動もかなり不安定で
それに反応した邪霊が集まってまとわり憑いてしまってる」
「憑いている邪霊の数が多すぎる…!!
あのままだと命も危ないわ 至急誰かに祓ってもらわないと…!!」
「解せないのは大元の原因になりそうな憑依体の姿が見えない事…!
これだけ強力な影響を与える能力ならば
明らかな痕跡が残るか 本体そのものが憑いていなければおかしい…!」とのこと。
フウゲツを蝕んでいるのが「呪憑型の念」だとするなら
真っ先に連想するのはカミーラ私設兵の「つじつま合わせに生まれた僕等」で

私設兵隊長のサラヘルはハンター協会員に除念師がいるかどうかを確認するため
「下位王子に呪いを飛ばす」ことを検討していたから

それが実行されたとすれば辻褄も合う・・・けど
司法局にいるフウゲツを呪殺するには半年以上かかるらしいから

衰弱の度合いから見て「つじつま合わせに生まれた僕等」とは考えにくい。
「心音の律動もかなり不安定で それに反応した邪霊が〜」という言い方からすると
「邪霊が憑いたせいで衰弱した」というよりは
「衰弱したせいで邪霊に憑かれた」ようにも思えるけど、
センリツの分析によれば「大元の原因」は憑依体である可能性が高いらしいから
これはまだ見ぬ敵能力者の能力だと考えるのが妥当なのかな。
フウゲツに起きた異変の内容は
一日一回しか使えなかったはずの「秘密の扉」の能力が
いつの間にか何回も使えるようになっていた
フウゲツ一人で「秘密の扉」を使っても「帰りの扉」が現れるようになった
(ただし元居た場所にしか戻れない)
魔法を使うたびにすごくハッピーになって力が湧いてくる
オーラが「絶」並に弱くなっている
多くの邪霊が憑いている
の大きく分けて5つで、
これらすべてが一つの原因で起きているとは限らないんだろう。
´△惑塾呂成長したとも考えられるから
気になるのはの「魔法を使うたびにハッピーになる」症状で、
これさえ無ければフウゲツはクスリの中毒者みたいな状態にはなっていないはず。
「ハッピー」と聞いて連想するのは
タイソンの守護霊獣の「宿主からオーラを徴集し替わりに幸福を与える」能力で

タイソンはフウゲツにも「タイソン経典」を渡しているらしいから
フウゲツが律義に目を通していたとしたら影響を受けてもおかしくはないのかも。
ただ「タイソンの愛」の項目で書いたとおり
守護霊獣に「霊獣の憑いた人間を直接攻撃しない」本能があることを考えると
タイソンをはじめ、他王子の守護霊獣の仕業とは考えにくいのか。
カチョウの守護霊獣の能力が「2人セゾン」でなければ
「秘密の扉」は片道切符になって使い勝手が半減していたから、
△亡悗靴討魯侫Ε殴弔亮藐醂扈辰「カチョウ本人の死」を悟ったことで
強制的に自身の能力を進化させたとも考えられるのかな。
「今までずっとずっとカーちんが私を護ってくれってたの知ってるよ…?」は
カチョウが自分を護って死んだことを理解しているようにも受け取れるから、
フウゲツは「カチョウが死んだ」ことを直感的に理解していて
マラヤームの守護霊獣がモモゼの死をきっかけに「加速度的に変様」したのと同様に

精神状態が守護霊獣に影響を与えているのかもしれない。
フウゲツを成長させるために´↓の効果を発現させたことが
宿主の消耗を招いてきイ琉影響を及ぼしたとしたら皮肉な話だけど、
モモゼも「守護霊獣の暴走」がきっかけで死んでいるからありえなくはないはず。
あと「邪霊」なる概念は初出だからちょっと唐突に感じてしまったけど
「除霊・浄霊」が正しくは「除念・浄念」であるように

「邪霊」も「邪念」と同一の存在だとするなら
フウゲツに憑いているものは「カチョウの未練」が残した「死後の念」で

フウゲツを護ろうとするカチョウの執念が
逆にフウゲツを蝕んでいるとも考えられるんだろうか。
(だとすると姿が見えない「大元の憑依体」はカチョウの守護霊獣自身?)
いずれにせよ、センリツによると
フウゲツの症状は「至急誰かに祓ってもらう」必要があるようで、
「ハンター協会唯一の除念師」がBW1号に乗船していなければ

フウゲツを救うのは難しそうな感じ。
カミーラ陣営にも除念師・ウマンマがいるとはいえ

わざわざリスクを背負ってまで下位王子を助ける動機も必要性も無いし、
他に除念能力を持っていそうなキャラといえば
アベンガネの能力を盗んでいるかもしれないクロロくらいだから
クラピカの念講習を受けたメンバーが
新たに除念能力を発現させることに期待するしかないのかな。
フウゲツの従事者であるラジオラスは

講習会参加メンバーの中では最も念の覚えがよかったらしいけど

私設兵ならともかく従事者がそこまで王子に尽くす義理は無さそうだから、
バチャエムに話しかけられたときに意味深な沈黙が描かれていたリョウジが

ここで何らかの動きを見せる可能性もあるかもしれない。
上記の沈黙を「バチャエムの発言の否定」と解釈するのであれば
リョウジがフウゲツを呪っていたとしてもおかしくはないんだろうけれども。
ツェリードニヒ以外にも4人の王子から面会要請が来ていたらしく、
センリツは「フウゲツを人質に取った交渉」と考えて面会に臨んだものの
5人の面会相手は誰一人として「交渉」のワードに反応を示さなかった模様。
カイザルによると
「第3・第4王子は部屋への招待で
名目は個人的に君の演奏と話を聞きたいというリクエスト」
「第1・第5・第7王子はもっと露骨で
『恩赦』の申請と『再演』の要望を同時に出したいそうだ」とのことで
これらの王子が容疑者から外れるとなると
残るはカミーラ、タイソン、ハルケンブルグ、マラヤーム、ワブルの5人になる。
しかし王子主導ではなく部下が勝手にやっている可能性もあるし、
「全王子とその周囲の者達を容疑者リストからはずせない」どころか
そもそも首謀者が「王子とその周囲の者達」ともまだ確定していないんだろう。
(エイ=イ一家が「器官」で攻撃している可能性も無くはない?)
「出頭要請」対策で拘束レベルを下げられないセンリツは
カイザルに「クラピカに直接会って事情を全て話す」よう依頼していて、
ただでさえクラピカは色々な事情を抱えていっぱいいっぱいなのに
この上さらに負担が増えるとなるといよいよキャパシティが心配になってくるなあ。
というか、センリツはバショウともノストラードファミリーの同僚なのに
頼ることができるのはクラピカだけなのか。
まあバショウよりもクラピカの方が頼れるのは事実だけど、
センリツがクラピカだけを指名したのはそれだけが理由じゃなく
バショウの雇い主であるルズールスが
「『恩赦』の申請と『再演』の要望を同時に出している」ことも関係しているのかな。
センリツが面会した「第7王子の代理」がバショウだったかどうかは分からないけど、
プロハンターとして正式に雇用契約を結んでいる以上
バショウは基本的にはルズールスのために働く義務があるんだろうから
「面会」に臨むにあたってセンリツ対策を教えておくことは可能だったはず。
ルズールス陣営がフウゲツの異変に関与している可能性を排除できないなら
今の段階ですべての事情を明かしてしまうのはリスク大で、
ひとまずクラピカに情報を渡して
その情報の扱いはクラピカに任せる、というのが一番確実なのかもしれない。
「立ち会うのはクラピカとビルだけ」という状況を利用して

二人に何らかの提案をしたらしく、
「──ここまでの話を聞いて私との契約を承認しますか?」と尋ねるロンギに対して
クラピカは「承認する 第5王子の協力者になろう」と返答。
以前の感想で
「密室」を利用して交渉する展開自体は予想できていたし
ツベッパの守護霊獣に「共同研究者」が必要だと判明した時点で

クラピカが「パートナー」になるのも想定内だったけど
ロンギが念を使えるとは思っていなかったなあ。
以前の感想記事で
ツベッパが念を知っている可能性までは考慮していたけど、
私設兵隊長であるマオールが念を知らず
ツベッパも「念を積極的に覚えるべきか否か」の判断をマオールに委ねていた時点で

ツベッパ陣営はロンギを含めて全員念を知らない、と思い込んでしまっていた。
というか「第5王子との契約」ではなく「私との契約」と言っているあたり、
ロンギは「自分が念を使える」ことを
ツベッパやマオールにも秘密にしている可能性もあるのかな。
クラピカが「第5王子の協力者になろう」と言っている以上
ロンギはツベッパの命令に従ってクラピカを仲間にしようとしたんだろうけど

何らかの事情があってツベッパ&マオールに念能力者であることを隠しているなら
「それを黙っておくこと」もクラピカとの「契約」の一環で
その見返りはロンギが個人的に行うつもりなのかもしれない。
「上位5人の私設兵は幼少から王子の為に身を捧げる訓練を受けており、
士気も忠誠心も高い。」という設定上

「私設兵が王子に隠し事をする」のはちょっと不自然な気もするけど、
テータに至ってはツェリードニヒを殺そうとしていたくらいだから
隠し事をする程度なら「ありえない」とまでは言えないんだろう。
そして、ロンギが念能力者だと判明したことで
今までずっと謎だった「11人いる!」の術者も彼である可能性が高くなった。
ヒュリコフが見抜いた「隠れ念能力者」は全部で4人、

このうち一人は「11人いる!」の「憑かれた者」になったロベリーで
二人は「無自覚な念能力者」になっていたシェジュール&ユヒライだから

ヒュリコフが「ロンギが念能力者である」ことを見落としていない限り
消去法でロンギが「11人いる!」の使い手ということになる。
ロンギは理知的で穏やかな印象だったから
荒々しい口調の「11人いる!」術者のイメージとはかけ離れているものの


そのあたりも含めて今まで猫を被っていた、ということなのかも。
ロンギがどんな「契約」を持ち掛けたのかは分からないけど
クラピカも彼が「11人いる!」の使い手である可能性は考えているはずだから
それを受け入れた上で「契約を承認」したと考えていいはず。
改めて考えてみると「11人いる!」が襲ったのは
王妃所属兵5人とバリゲン&ミュハンで、
王妃所属兵は「ワブルの味方」ではなかったし

バリゲン&ミュハンの死もクラピカ達の利になっていたから

事情と目的さえハッキリすれば手を組むこともやぶさかではないわけか。
「クラピカの協力を得る」ためにワブル陣営に陰ながら手を貸していたのか
そもそも「ワブル陣営に協力する」ことが目的だったのかも気になるところで、
実はロンギはオイトの兄だから妹を助けようとしていた・・・と考えるのは

いくらなんでも飛躍しすぎのかな。
オイトは講習会参加者とも対面しているから

ロンギと知り合いならそこで気付かないのはさすがに不自然だし。
(オイトの兄とロンギが親友だった、とかならあり得ないことも無い?)
週刊少年ジャンプ編集部からのお知らせによると
「401以降の掲載につきまして、
冨樫先生の体調などを鑑み、先生と編集部とで相談をした結果、
今後は週刊連載ではない掲載形態で皆様にお届けすることになりました。
冨樫先生は以降の物語の執筆を続けておりますし、
編集部も引き続き『HUNTER×HUNTER』の完結まで、
先生のサポートを継続していきます。
具体的な掲載時期・掲載方法につきましては
今後の週刊少年ジャンプ本誌にてお知らせいたします。」とのこと。
今後の具体的な掲載方法はまだ決まっていないっぽいけど、
仮に週刊少年ジャンプでの掲載が終了してしまうとしたら非常にショックだなあ。
どんな媒体でも連載を続けてくれればそれだけで十分ありがたいとはいえ、
連載開始当初から週刊少年ジャンプで読み続けてきた漫画だから
「ジャンプに載っていてこその『H×H』」という気持ちもあるのが正直なところ。
ただ「今後も週刊少年ジャンプ編集部がサポートを継続する」ということは
他誌(ジャンプSQ.等)への移籍や「少年ジャンプ+」でのWEB掲載への移行は
少なくとも現時点では考えておらず、
あくまで「週刊連載という掲載形態ではなくなる」だけで
「週刊少年ジャンプでの掲載」自体は継続してくれる可能性も残されているのかな。
数ヶ月〜数年休んで
ストックが貯まり次第、10週単位で掲載していた近年の連載スタイルも
決して「週刊連載という掲載形態」とは言えなかったから、
目次ページに毎週載っていた「今週の『H×H』は休載いたします」的な注意書きが
今後は無くなるだけ、という希望的な解釈もできるんだろう。
巻末の作者コメントには
「極力他の方々に迷惑がかからない形で継続していければと思案中です。」
と書いてあったから
連載再開時に既存の連載作品を一つ打ち切ってしまう「10週連続掲載」形式ではなく
数ヶ月に一話ペースで読切作品みたいに掲載する形態になるのかもしれない。
不定期でもジャンプで連載し続けてくれるならそれがベストだし、
「一話あたり19ページ」というページ数の枠にとらわれず
話のキリがいいところまで読切感覚で描いてくれるのであれば
読者にとってもメリットがあるのかも。
今にして思えば、冨樫先生がTwitterを始めたのも
この「掲載形態の変更」を見据えてのことだったりするんだろうか。
(おそらく今回の連載を再開した時点で
「401以降は掲載形態が変わる」ことは決めていたんだろうし)
ちなみに感想記事を書いている立場からすると
数年休んで一気に10週ドカン、という近年の連載スタイルよりは
数ヶ月に一話くらいのペースでポツポツ掲載してくれた方が楽は楽。
『H×H』の連載中は土・日の結構な時間を感想に費やしているから、
数年に一度とはいえ10週連続で土日が潰れるよりは
数ヶ月に一回程度のペースで土日が潰れる方が楽なのは言うまでもない。
今後も『HUNTER×HUNTER』を読み続けること自体は確定しているものの、
感想記事を書き続けるかどうか(というより書き続けられるかどうか)は
「具体的な掲載方法」次第という感じ。
今は早売りのジャンプを買って
土・日を費やしてどうにかこうにか月曜日に間に合わせている状態だから、
早売りを入手できない別雑誌やWEB掲載に移行した場合
「発売日に感想記事を上げる」のは間違いなく不可能になる。
それどころか、別雑誌の発売日やWEB掲載の曜日によっては
感想記事が完成するのは掲載から一週間後くらいになることもありえそうで、
そんな周回遅れの感想に意味はあるのか?と思ってしまうから
掲載形態によっては感想記事をスッパリ諦めることになるかもしれない。
まあ具体的な掲載方法が分からない段階でアレコレ考えても仕方ないから
こればっかりは今後の続報を待つしかないんだろう。
冨樫先生の負担が少ない方法で連載を継続してもらうのがベストだし、
続きが読めれば「感想の書きやすさ」なんてどうでもいい話。
今回の10週掲載で一度も1層の状況が描かれていなかった反動なのか
今週は非常に情報量が多く、色々と気になる点も増えてきたから
一日でも早く続きが読める日が来ることを願っておきたいと思う。
一応、ネームは既にあと30話分は完成しているみたいだし・・・。
まず1層に上がって、そこから2層に下りる形になるなら
1層のV・VIPエリアにいるはずのヒソカと出会う可能性もあるのかも?
・ノブナガは「頭が念で空間創ってやがる」と言っていたけど
「モレナが念空間を創った」と確認できるような描写は無かったはずだし
実際に念空間を創っているのはおそらくボコンテだから
「モレナが指示して創らせている」というニュアンスの発言なのかな
・下層よりはるかに警備レベルが高いであろう第2層の、それもおそらく中心部に
エイ=イ一家がどうやって隠しアジトのスペースを確保したのかは気になる
・ノブナガが「エイ=イ一家の仲間の数も未確定」と言っていたということは
ヒンリギはリンチが引き出した「エイ=イ一家は23人」という情報を

ノブナガに伝えていなかったんだ
(ノブナガも「マフィアが全てを話していない」ことは当然理解していたけど)
・フィンクスは以前
「エイ=イの情報…頭の居場所とかくれたら先に片付けとく」と言っていたから
ヒソカに対してと同じくらいエイ=イにもムカついたのかと思いきや

エイ=イ殲滅はあくまで「ヒソカを見つけるまでの余興」に過ぎなかったのか
・タイソンの従事者のうち
「SR星雲ムニー星の王子」には名前の設定が無いのかな
(宇宙人の名前は地球人には発音できない、みたいな設定とか?)
・タイソンが「下位王子とその母親」に教典を渡したということは
対象となる王子はルズールス、サレサレ、ハルケンブルグ、
カチョウ、フウゲツ、モモゼ、マラヤーム、ワブルの8人で
自分の母親である第4王妃・カットローノよりも上位の王妃の
ドゥアズル(ルズールス&ハルケンブルグの母)にも教典を渡したということ?
・今週のタイソンのフォルムは


ちょっとビーンズっぽくも見えた
・カチョウ・フウゲツ姉妹の母親である第7王妃・セイコは
娘2人のことを駒としてしか見ていなかったようで

以前のやり取りも双方上っ面の会話だったわけか
・セイコの態度はカチョウの「嫌われる演技」にそっくりだったから
カチョウは母親を手本にして演技していたのかも?
・カチョウはフウゲツ本人に対しては「フウちん」と呼ぶのに
センリツ達の前では「フウチン」で統一しているのは何か拘りがあるのかな
・「君の半分以下の年令の〜」とか「センリツオバサン」とか言われて怒ったあたり
センリツも女性として自分の年齢のことを言われるのは嫌なのか
・キーニが「キーン」になっていたのは誤植?
(呼称がまったく安定しない「シマノ」「シマヌ」と違って
キーニは一貫してキーニだったから今回の「キーン」が間違いのはず)
・センリツの能力は「治療を目的にしていて意識が飛ぶのは副次効果」らしいけど
それにしてはスピーカー経由でも効果を発揮するのが反則っぽい
・カチョウの守護霊獣はフウゲツに
「上位4王子はどうしても倒さなきゃいけない」ことを伝えるらしいから
シマノの見解と同様に

「ツベッパなら下位王子の恩赦も見込める」と考えているわけか
(実際にはチョウライでも恩赦は勝ち獲ってくれそうだけど)
・シュタイナーが「唯一」ではなく「数少ない」証言者ということは
裏を返せばシュタイナー以外にも何人かは「証言者」がいるのかも
・「VIP用の証人保護エリアはこの船で最も安全」なのに
重要参考人であるカチョウとフウゲツを同じ部屋にしているのか
(公的にはカチョウは死んでいて、アレはフウゲツ個人の部屋とか?)
・チョウライは「自ら受話器を持ち直接交渉する程には寛容」どころか

面会にも自分で行くくらい行動的なんだ
・チョウライが「守護霊獣が吐き出したコイン」をセンリツに渡したということは
少なくとも「コインを渡すと自分が不利になる」とは考えていないんだな
(「おそらく私が持っていても意味が無い」という直感に従って配っているっぽいけど

既にコインを隠し持っていたコベントバに何らかの変化が起きたとしたら
「コインを持っている相手を支配できる」的な確信を持っていた可能性もある?)
(でも、それだったらセンリツが心音で嘘に気付くのか)
・ツェリードニヒの部屋で何度か描かれていたヴァンタインは


高齢なだけあって(?)私設兵の隊長だったんだな
・ベンジャミン私設兵が司法局の庁舎前でセンリツの出待ちをしているのは
国王軍としての立場を使って合法的に連行しようとしているから?
・ラストのコマのクラピカは目が黒くないから
既にロンギに操作されているように見えなくもない
『HUNTER×HUNTER』連載再開10週目「400◆秘匿」の感想。
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※画像データは物理的にも容量的にもサイズが大きめです
目次
●旅団合流
●「円」のリスク
●タイソンの愛
●カチョウの「2人セゾン」
●カイザルとシュタイナー
●フウゲツの衰弱
●センリツの面会と交渉
●ロンギと「11人いる!」
●今後の連載形態
●その他
●旅団合流
●「円」のリスク
●タイソンの愛
●カチョウの「2人セゾン」
●カイザルとシュタイナー
●フウゲツの衰弱
●センリツの面会と交渉
●ロンギと「11人いる!」
●今後の連載形態
●その他
●旅団合流
受信器を持っているフィンクス&フェイタンと合流したノブナガは2層にあることが確定したエイ=イのアジトへ向かうにあたって
「最低フランクリンは連れて行こう」と提案。
ノブナガは以前もフランクリンを連れてこようとしていたから

単純に誘いやすいという側面もあるんだろうけど、
「俺の両手は機関銃」なら「扉」の外からでも一方的に攻撃できるし
トレベルムの「Damage」は左手に持った物ごと吹き飛ばすことができて
ヨコタニの「墨攻」も衛兵を近付けず、没収されるものが無い・・・ということで
エイ=イに対して相性が良いと考えての判断なのかな。
ヒソカと遭遇した場合も
接近戦だと攻撃をすべて回避しないと「伸縮自在の愛」の餌食になってしまうけど

放出系能力で距離を取って戦えばその心配も要らないから、
フランクリンがヒソカを「大したことねェよ あんな奴」と評していたのは

強がっていたわけでもヒソカを過小評価していたわけでもなく
客観的に「マトモに戦ったら勝てる相性だ」と分析していたのかもしれない。
オマケに「冨樫展」で公開された資料によれば
フランクリンは「放出系と強化系の中間点に位置する能力者」で

放出・強化の2系統を効率よく習得できるらしいから
強化系能力者に接近を許したとしてもある程度は渡り合えるんだろう。
(強化系のゴトーでもヒソカに一撃で首を切られたくらいだから
ヒソカ級が相手ならオーラでしっかりガードできるのが大前提だけど)
「強力な念弾を連射する」というシンプルな能力は打ち破るのも難しそうで、
ノブナガが頼りにするのも納得という感じ。
そしてエイ=イのアジトが2層にあるということは、
ノブナガが言っていたとおり「カキンマフィアの流儀」に則れば

モレナが「縄張りから離れた場所(=ハイエリア)にいる」以上
「戦争の大義名分が無くなる」可能性もゼロではないわけか。
仮に「戦争の大義名分」が無くなったとしても
シュウ=ウとシャ=アが今さら引き下がることはないはずだけど、
モレナが「古の習わし」をどう悪用するつもりなのかは注目しておきたいと思う。
エイ=イの隠しアジトが第2層にあったのは予想外で、
第2層は今まで「シアター会場」くらいしか描かれていなかったから

これで晴れてBW1号の全階層が物語の舞台になるのかも。
フェイタンに「敵に惚れすぎ」と指摘されたノブナガが
「ちょっと面白そうな奴がいてな」と言っていたのも気になるし、
「皆様 お手を止めて静粛にお聞き下さい」
「皆様…大変悲しく残念なお知らせです」という緊急放送の内容も興味深いところだ。
前者の候補になりそうなのはトレベルムかヨコタニくらいで
後者もおそらくはサレサレの訃報あたりだと思うけど、
船内の一般乗客に「王子の死」を逐一伝えないような気もする。
●「円」のリスク
エイ=イのアジトが上にあるのか下にあるのか調査していたフィンクスはフェイタンの「フィンクスの“円”使えてればもと楽に探せるのにね」発言に対して
「…普通に考えてこの雑踏の中“円”とか正気の沙汰じゃねーだろ
技術的にも戦略的にも 特にオレ下手だし」
「オレの“円”は人の声するだけで途切れるし
何かが動いてもダメ 動きながらもダメ 精々倉庫で物探すのが関の山だ」
「仮にここで出来ても“円”の中に不特定多数で正体不明の人間入れるとか
裸で『撃って下さい』って看板掲げてスラム街歩く様なもんだろが」
「“円”のリスクなめんな」と返答。
以前の感想で
ノブナガはフィンクス&フェイタンに注意喚起する際
「消えた オレの“円”から 一瞬に…だ」なんて言っていたから
ノブナガの「円」は半径4mと小さめなぶん精度が高い可能性もありそう
「円」を展開していたにも関わらず等と書いたように
「パドイユが右手の形を変えて手錠から抜けた」ことに気付かなかったあたり
ヒンリギの「円」の精度はそれほど高くないのかも
やはり一口に「円」と言ってもその性質には個人差があるようで
一概に「大きさ」だけで優劣をつけることはできないっぽい。
フィンクスとフェイタンのやり取りから察するに
「フィンクスの“円”」は面積が広いぶん使い勝手が悪いタイプで、
逆に「自分が動きながら」「動く対象に」途切れさせず使えているノブナガは

「狭いぶん性能が良い」タイプなのかな。
「円」は「“纏”と“練”の高等応用技」で
体に纏うオーラを広げることによって周囲を感知する技術だから

広げれば広げただけオーラが薄まって使用者の防御力が落ちるのは納得で、
1層のように「戦闘」より「警戒」「情報収集」に重きを置く状況ならともかく
会敵→即戦闘の危険性が高い場面で使うのはリスクが大きいわけか。
特に、フィンクス目線では第3層にヒソカがいる可能性があるから、
不用意に「円」を使うと自分の居場所だけが一方的に相手にバレた挙句
防御力が低くなっているところを不意打ちで狙われる危険性も出てくるわけで
おいそれと使えないのも言われてみれば納得という感じ。
ゼノも「円は神経を削るからしんどい」と言っていたし

そもそもが戦闘中に使えるような技ではないとしたら
戦闘に活用できているノブナガはその時点で優れた「円」の使い手なのかも。
BW1号船内の環境では「円」が便利すぎて
使わないと不自然なくらいの存在になってしまっているから、
使用に制限をつけるために「リスク」を設定したようにも思えてしまうけど・・・。
●タイソンの愛
記憶喪失のヒットマン・マドウィッグ、世界的大スター・ヒマンセ、タイソンの弟・エンゼール、伝説の家庭教師・ヒュウガ、SR星雲ムニー星の王子等と
従事者それぞれに自分好みの設定を演じさせているタイソンは
ハンター協会員のジュリアーノに対しても
「一見チャラいけど根は純粋なボディーガード」に転生するよう命令。
その様子を見ていたイズナビは
「第6王子の念獣の能力があの経典とリンクしているのは間違いない…!
その能力が本当に愛を布教する為のものならば… 現国王ごと取り込み…
継承戦の中止を宣言させる事も可能かも…?」と考えていたものの
守護霊獣には「霊獣の憑いた人間を直接攻撃しない」本能があるらしいから

守護霊獣の憑いているナスビーが「タイソン教典」を読んだとしても
タイソンの守護霊獣の効果は及ばない可能性が高いんだろう。
(「愛の布教」が「攻撃」と見做されなければ有効な可能性はある?)
さらにタイソンは
「私が『こんな』で私の子供も期待出来ないから
ママは相当悔しかったみたい」と言っていて、
母のカットローノが他の王妃から「憐れみの眼差しで見られ」ていたことも踏まえると
以前の感想で
・イズナビの同僚が等と書いたように
「オレ達まさに王子のお眼鏡にかなったって事っスよね」のあと
「拡張しときます?」なんて言っていたあたり
タイソンは女じゃなくオネエで、性別的には男ということ?
(そもそも「タイソン」は男名だし
タイソンが女だったらたとえお眼鏡にかなっても「拡張」は必要ないはず)
(同僚がタイソンの性別も含めてシャレにしている可能性もあるけど)
やはりタイソンは生物学的には男性だと考えてよさそうな感じ。
タイソンが女性なら、いくら見てくれが悪かったとしても
王族としての権力や金を使って子作り相手を見繕うことはできるはずだから、
「子供も期待できない」理由は
本人の性別が男で、恋愛対象も男だからだと考えられる。
(身体が小さくて妊娠・出産に耐えられないと診断されている可能性も無くはないけど
それくらいなら万全の医療体制を整えれば何とかなりそう)
タイソンは今週のイズナビとのやり取りでキャラが立って
なかなか良い奴だと思えるようになってきた気もするけど、
出航前夜祭で「アタシこそが…


「継承戦を辞退するつもりだった」のが真実かどうかは疑わしい。
念獣の存在を知った際に
「きっとアタシの妖精達がこの船を愛で満たすワ…


「愛でしか戦わない」のは本心なのかもしれないけど、
教典唯一の禁忌を破った場合の「厳しい罰」も含めて

まだ何か裏の本性を隠している可能性が高い気がする。
「パパに会う時はママの許可が要る」のが
タイソンだけなのか、下位王子の共通ルールなのかも気になるところで、
タイソン限定だとしたらかなり気の毒な扱いを受けているのに
それでも明るく振舞えている精神力は立派なのかも。
●カチョウの「2人セゾン」
「2人セゾン」の能力によってカチョウの姿になったカチョウの守護霊獣は自らが「第11王子を護る霊的存在として復活している」ことを自覚していたらしく、
「第11王子を王にする!! 逃げられないなら戦うしかないの!!
私が死んで『もういない』と周囲が思っている現在の状況と この先!
『死んだはずのカチョウがまだいた』というこの後の状況を最大限利用する」と宣言。
カチョウの守護霊獣の「自分はカチョウ本人ではない」という自覚の有無や
センリツが「カチョウ本人の死」を認識しているかどうかは不明だったけど、
どちらも既に理解済みということで
理解するまでの過程をすっ飛ばして話を進めたのはテンポが速くて良かったと思う。
カチョウ本人の人格まで再現している守護霊獣カチョウは
壁をすり抜けて移動することもできるようで、
念によるオーラ攻撃ならいざ知らず物理攻撃に対しては無敵っぽいし
椅子に座ったり扉を開けたり布団を持ち上げている描写もあるから
「円」で警戒されていなければ
タフディーがモモゼを殺害したのと同じ手口で誰かを暗殺するのも容易なのかな。
常時「分身の術」状態だとしたらかなり便利だけど

さすがに空を飛ぶことまではできなさそうだし
「常人には見えない」状態になることもできないとしたら
やはり基本的には「フウゲツを護る」ための能力なんだろうか。
そしてカチョウ本人と同じ姿の守護霊獣がまだ存在しているにも関わらず
国王軍が1010号室を封鎖規制しようとしていたということは、
救命艇が回収されてカチョウ本人の遺体が発見されていると考えられる。
チョウライがオニオールに「もう3人 兄弟が死んだよ」と言っていたのは

その情報をいち早く掴んでいたからだと考えられそうで、
逆に「カチョウ(の守護霊獣)が司法局内で動き回っている」ことを
第3王子であるチョウライすら知らないということは
司法局の中立性と情報統制は信頼してよさそうな感じ。
しかしカチョウの守護霊獣の
「これが私の守護霊獣の能力だったとしても
フウチンに視えてるってことは私はもう継承戦は脱落決定」に関しては
「フウゲツに視えている」ことと「脱落決定」の因果関係がよく分からないなあ。
ベンジャミンとバルサミルコのやり取りで
「儀式の当事者は念獣を視認出来ない制約があるのかも」という推測はしていたけど

それだって確定ではないはずだし、
その推測をセンリツやカチョウが知る由もないはず。
「脱落決定」と言っているのはカチョウ本人ではなく守護霊獣だから、
「他の王子に姿を視られたら脱落決定」であることを
守護霊獣として本能的に理解していたと解釈するべきなんだろうか。
それにしたってセンリツはそのへんの事情を知らないはずだから
「なんで脱落決定なの?」と質問する方が自然だった気もするけど・・・。
●カイザルとシュタイナー
以前からセンリツに協力的だった司法局員・カイザルは「最も効果的なのは誘ってきた王子を全員だまし 我々で上位王子を一掃する事…!」
「意識が飛んでいる王子達に遅効性の毒を経口で流し込むのが最善だと思う
本気でやるつもりなら必要なものは全て僕が用意しよう」と驚きの計画を提案して、
命がけで協力する理由を問われると「センリツ君 僕は君が好きだ」と告白。
しかしセンリツはカイザルの心音が「原子時計ばりに正確」だったことから
「何にせよ非能力者を装った操作系の使い手である事は確定ね…!!
自らを非能力者として操り
隠した目的の為に私達を利用している…!!」と分析したようで、
これは以前「君…と王子の力になりたい」と言われたときの

「念能力者に操作されている可能性も消せない…!」

「…てゆーかアタシに言い寄ってきてる時点でクロ確定」から
一段階進んでいるように見えて進んでいない描写に見えてしまった。
クロロの心音さえ読み取ったセンリツが「確定」と言っている以上
カイザルは誰か(あるいは自分自身)に操作されていると考えるべきなんだろうけど、
個人的には本心からセンリツに協力していてほしいし
心音が安定しているのも「単にそういう性格だから」というオチに期待したいなあ。
そもそもセンリツが「対象者が操られているか否か」を判断するためには
一度「普段の心音」を聞いておくことが必要で

その「心音の違い」を感知できない限りは「確定」とは言えないはず。
カイザルの心音はセンリツと初めて会ったときからずっと安定しているようで
センリツはそれを「初めて会ったときから操作されている」と解釈したわけだけど、
逆に「ずっと操作されていない」可能性も捨てきれないんだろう。
ただ、いくらセンリツのことを好きだとしても
上位王子の同時暗殺計画を立てる司法局員なんて普通はありえないから
センリツが素直に信用できないのも無理はないし、
逆にカイザルが本当に「王子の刺客」だとしたら
そんな怪しさ全開の計画をサラっと提案しないような気もする。
で、そんなカイザルは国際渡航許可庁の特務課から出向中のシュタイナーに
「万が一 第一王子私設兵か国王軍がこのエリアまでやって来たら
これを押してくれ…外部の君にしか頼めない」と言って何かを渡していて、
確かにシュタイナーは特務課での役職は「課長補佐」に過ぎなかったものの

生還を約束されている「証言者」として特別扱いされていたから
カイザルの方が明確に立場が上っぽいのはちょっと意外だった。
二人の会話内容は堅苦しくてちょっと分かりにくかったけど
ベンジャミンが「特殊戒厳令」を宣言すると
「国家的危機発生時の軍部による暫定的な三権の保護掌握と実行」の名目で
司法局に国王軍兵=ベンジャミン私設兵が介入できるようになる
↓
そうすると本来なら中立であるはずの司法局の権限が
軍部(のトップであるベンジャミン)に強制的に譲渡されてしまう危険性がある
↓
ベンジャミンが「司法局の権力」を手にしたら
敵対する王子やその従事者を片っ端から「反乱分子」として裁判にかけて
合法的に即有罪→処刑の判決を下すことが可能になる
ということなのかな。
シュタイナーが「生還を約束されている証言者」だからといって
ベンジャミン私設兵の武力介入を防ぐ手立ては無さそうに思えるけど、
そもそもカイザルはシュタイナーに何を渡したんだろう?
「僕が死んだら公式には残せない何かが起こったって事」という台詞から察するに
シュタイナーの役割は「公式な記録を残す」ことで、
国王軍が司法局を制圧しようとしたらボイスレコーダーですべてを記録して
「BW1号がカキンに戻ったら録音内容を公開するぞ」と脅すことによって
上記のような無茶な強硬策を採れないようにする狙いがあるんだろうか。
シュタイナーが特別な立場でなければ
その場で射殺して適当な理由をでっちあげれば簡単に口封じできるけど
身の安全が保障されている「証言者」が相手ではそういうわけにもいかず、
殺せなかったらボイスレコーダーで一連の経緯をバラされてしまうし
殺してしまったら「公式には残せない何かが起きた」ことが明白で
どのみちカキンに戻ってから他国に色々追及される、ということなのかもしれない。
ただ、カイザルが渡したものがボイスレコーダーだとすると
所属に関わらず「身の安全が保障されている者」でさえあればいいから、
「外部の君にしか頼めない」のニュアンスが今一つしっくりこないかも。
●フウゲツの衰弱
フウゲツは心身ともに極度に衰弱していて危険な状態らしく、すれ違いざまにその様子を確認したセンリツによると
「フウゲツのオーラが“絶”並に弱くなっている…!!
心音の律動もかなり不安定で
それに反応した邪霊が集まってまとわり憑いてしまってる」
「憑いている邪霊の数が多すぎる…!!
あのままだと命も危ないわ 至急誰かに祓ってもらわないと…!!」
「解せないのは大元の原因になりそうな憑依体の姿が見えない事…!
これだけ強力な影響を与える能力ならば
明らかな痕跡が残るか 本体そのものが憑いていなければおかしい…!」とのこと。
フウゲツを蝕んでいるのが「呪憑型の念」だとするなら
真っ先に連想するのはカミーラ私設兵の「つじつま合わせに生まれた僕等」で

私設兵隊長のサラヘルはハンター協会員に除念師がいるかどうかを確認するため
「下位王子に呪いを飛ばす」ことを検討していたから

それが実行されたとすれば辻褄も合う・・・けど
司法局にいるフウゲツを呪殺するには半年以上かかるらしいから

衰弱の度合いから見て「つじつま合わせに生まれた僕等」とは考えにくい。
「心音の律動もかなり不安定で それに反応した邪霊が〜」という言い方からすると
「邪霊が憑いたせいで衰弱した」というよりは
「衰弱したせいで邪霊に憑かれた」ようにも思えるけど、
センリツの分析によれば「大元の原因」は憑依体である可能性が高いらしいから
これはまだ見ぬ敵能力者の能力だと考えるのが妥当なのかな。
フウゲツに起きた異変の内容は
一日一回しか使えなかったはずの「秘密の扉」の能力が
いつの間にか何回も使えるようになっていた
フウゲツ一人で「秘密の扉」を使っても「帰りの扉」が現れるようになった
(ただし元居た場所にしか戻れない)
魔法を使うたびにすごくハッピーになって力が湧いてくる
オーラが「絶」並に弱くなっている
多くの邪霊が憑いている
の大きく分けて5つで、
これらすべてが一つの原因で起きているとは限らないんだろう。
´△惑塾呂成長したとも考えられるから
気になるのはの「魔法を使うたびにハッピーになる」症状で、
これさえ無ければフウゲツはクスリの中毒者みたいな状態にはなっていないはず。
「ハッピー」と聞いて連想するのは
タイソンの守護霊獣の「宿主からオーラを徴集し替わりに幸福を与える」能力で

タイソンはフウゲツにも「タイソン経典」を渡しているらしいから
フウゲツが律義に目を通していたとしたら影響を受けてもおかしくはないのかも。
ただ「タイソンの愛」の項目で書いたとおり
守護霊獣に「霊獣の憑いた人間を直接攻撃しない」本能があることを考えると
タイソンをはじめ、他王子の守護霊獣の仕業とは考えにくいのか。
カチョウの守護霊獣の能力が「2人セゾン」でなければ
「秘密の扉」は片道切符になって使い勝手が半減していたから、
△亡悗靴討魯侫Ε殴弔亮藐醂扈辰「カチョウ本人の死」を悟ったことで
強制的に自身の能力を進化させたとも考えられるのかな。
「今までずっとずっとカーちんが私を護ってくれってたの知ってるよ…?」は
カチョウが自分を護って死んだことを理解しているようにも受け取れるから、
フウゲツは「カチョウが死んだ」ことを直感的に理解していて
マラヤームの守護霊獣がモモゼの死をきっかけに「加速度的に変様」したのと同様に

精神状態が守護霊獣に影響を与えているのかもしれない。
フウゲツを成長させるために´↓の効果を発現させたことが
宿主の消耗を招いてきイ琉影響を及ぼしたとしたら皮肉な話だけど、
モモゼも「守護霊獣の暴走」がきっかけで死んでいるからありえなくはないはず。
あと「邪霊」なる概念は初出だからちょっと唐突に感じてしまったけど
「除霊・浄霊」が正しくは「除念・浄念」であるように

「邪霊」も「邪念」と同一の存在だとするなら
フウゲツに憑いているものは「カチョウの未練」が残した「死後の念」で

フウゲツを護ろうとするカチョウの執念が
逆にフウゲツを蝕んでいるとも考えられるんだろうか。
(だとすると姿が見えない「大元の憑依体」はカチョウの守護霊獣自身?)
いずれにせよ、センリツによると
フウゲツの症状は「至急誰かに祓ってもらう」必要があるようで、
「ハンター協会唯一の除念師」がBW1号に乗船していなければ

フウゲツを救うのは難しそうな感じ。
カミーラ陣営にも除念師・ウマンマがいるとはいえ

わざわざリスクを背負ってまで下位王子を助ける動機も必要性も無いし、
他に除念能力を持っていそうなキャラといえば
アベンガネの能力を盗んでいるかもしれないクロロくらいだから
クラピカの念講習を受けたメンバーが
新たに除念能力を発現させることに期待するしかないのかな。
フウゲツの従事者であるラジオラスは

講習会参加メンバーの中では最も念の覚えがよかったらしいけど

私設兵ならともかく従事者がそこまで王子に尽くす義理は無さそうだから、
バチャエムに話しかけられたときに意味深な沈黙が描かれていたリョウジが

ここで何らかの動きを見せる可能性もあるかもしれない。
上記の沈黙を「バチャエムの発言の否定」と解釈するのであれば
リョウジがフウゲツを呪っていたとしてもおかしくはないんだろうけれども。
●センリツの面会と交渉
晩餐会でぶっ飛んだ能力を披露したセンリツにはツェリードニヒ以外にも4人の王子から面会要請が来ていたらしく、
センリツは「フウゲツを人質に取った交渉」と考えて面会に臨んだものの
5人の面会相手は誰一人として「交渉」のワードに反応を示さなかった模様。
カイザルによると
「第3・第4王子は部屋への招待で
名目は個人的に君の演奏と話を聞きたいというリクエスト」
「第1・第5・第7王子はもっと露骨で
『恩赦』の申請と『再演』の要望を同時に出したいそうだ」とのことで
これらの王子が容疑者から外れるとなると
残るはカミーラ、タイソン、ハルケンブルグ、マラヤーム、ワブルの5人になる。
しかし王子主導ではなく部下が勝手にやっている可能性もあるし、
「全王子とその周囲の者達を容疑者リストからはずせない」どころか
そもそも首謀者が「王子とその周囲の者達」ともまだ確定していないんだろう。
(エイ=イ一家が「器官」で攻撃している可能性も無くはない?)
「出頭要請」対策で拘束レベルを下げられないセンリツは
カイザルに「クラピカに直接会って事情を全て話す」よう依頼していて、
ただでさえクラピカは色々な事情を抱えていっぱいいっぱいなのに
この上さらに負担が増えるとなるといよいよキャパシティが心配になってくるなあ。
というか、センリツはバショウともノストラードファミリーの同僚なのに
頼ることができるのはクラピカだけなのか。
まあバショウよりもクラピカの方が頼れるのは事実だけど、
センリツがクラピカだけを指名したのはそれだけが理由じゃなく
バショウの雇い主であるルズールスが
「『恩赦』の申請と『再演』の要望を同時に出している」ことも関係しているのかな。
センリツが面会した「第7王子の代理」がバショウだったかどうかは分からないけど、
プロハンターとして正式に雇用契約を結んでいる以上
バショウは基本的にはルズールスのために働く義務があるんだろうから
「面会」に臨むにあたってセンリツ対策を教えておくことは可能だったはず。
ルズールス陣営がフウゲツの異変に関与している可能性を排除できないなら
今の段階ですべての事情を明かしてしまうのはリスク大で、
ひとまずクラピカに情報を渡して
その情報の扱いはクラピカに任せる、というのが一番確実なのかもしれない。
●ロンギと「11人いる!」
クラピカ主催の念の講習会で「水見式」の行程に入ったツベッパ私設兵・ロンギは「立ち会うのはクラピカとビルだけ」という状況を利用して

二人に何らかの提案をしたらしく、
「──ここまでの話を聞いて私との契約を承認しますか?」と尋ねるロンギに対して
クラピカは「承認する 第5王子の協力者になろう」と返答。
以前の感想で
クラピカ、ビル、参加者一名の計3人で「判別」を行うのであればと書いたように
「導く薬指の鎖」の嘘発見機能を使った質疑応答もやりやすくなるし、
元々「クラピカと接触する」目的で講習会に参加したマオール&ロンギなんかは
この機にクラピカに交渉を持ちかけてくる可能性が高いから
「密室」を利用して交渉する展開自体は予想できていたし
ツベッパの守護霊獣に「共同研究者」が必要だと判明した時点で

クラピカが「パートナー」になるのも想定内だったけど
ロンギが念を使えるとは思っていなかったなあ。
以前の感想記事で
「全てを話すとは思えないから数回の面談で情報を引き出せ」ではなく
「全てを話すとは思えないから数回の面談で彼の処遇を判断〜」ということは、
ひょっとしたらツベッパは既に「念」や「念獣」については把握済みで
クラピカの人物像を見定めるために
「私設兵に念使いがいなかった王子」を装って接触してきた可能性もある
今回のマオール&ロンギへの指示も「念の修得と並行して〜」ではなくと書いたように
「彼の頭脳がぜひ欲しいわ!!王子ごとでいいから仲間にしたい
この2週間を使って隠密に説得して頂戴!」と勧誘のみに主眼を置いていた
ツベッパが念を知っている可能性までは考慮していたけど、
私設兵隊長であるマオールが念を知らず
ツベッパも「念を積極的に覚えるべきか否か」の判断をマオールに委ねていた時点で

ツベッパ陣営はロンギを含めて全員念を知らない、と思い込んでしまっていた。
というか「第5王子との契約」ではなく「私との契約」と言っているあたり、
ロンギは「自分が念を使える」ことを
ツベッパやマオールにも秘密にしている可能性もあるのかな。
クラピカが「第5王子の協力者になろう」と言っている以上
ロンギはツベッパの命令に従ってクラピカを仲間にしようとしたんだろうけど

何らかの事情があってツベッパ&マオールに念能力者であることを隠しているなら
「それを黙っておくこと」もクラピカとの「契約」の一環で
その見返りはロンギが個人的に行うつもりなのかもしれない。
「上位5人の私設兵は幼少から王子の為に身を捧げる訓練を受けており、
士気も忠誠心も高い。」という設定上

「私設兵が王子に隠し事をする」のはちょっと不自然な気もするけど、
テータに至ってはツェリードニヒを殺そうとしていたくらいだから
隠し事をする程度なら「ありえない」とまでは言えないんだろう。
そして、ロンギが念能力者だと判明したことで
今までずっと謎だった「11人いる!」の術者も彼である可能性が高くなった。
ヒュリコフが見抜いた「隠れ念能力者」は全部で4人、

このうち一人は「11人いる!」の「憑かれた者」になったロベリーで
二人は「無自覚な念能力者」になっていたシェジュール&ユヒライだから

ヒュリコフが「ロンギが念能力者である」ことを見落としていない限り
消去法でロンギが「11人いる!」の使い手ということになる。
ロンギは理知的で穏やかな印象だったから
荒々しい口調の「11人いる!」術者のイメージとはかけ離れているものの


そのあたりも含めて今まで猫を被っていた、ということなのかも。
ロンギがどんな「契約」を持ち掛けたのかは分からないけど
クラピカも彼が「11人いる!」の使い手である可能性は考えているはずだから
それを受け入れた上で「契約を承認」したと考えていいはず。
改めて考えてみると「11人いる!」が襲ったのは
王妃所属兵5人とバリゲン&ミュハンで、
王妃所属兵は「ワブルの味方」ではなかったし

バリゲン&ミュハンの死もクラピカ達の利になっていたから

事情と目的さえハッキリすれば手を組むこともやぶさかではないわけか。
「クラピカの協力を得る」ためにワブル陣営に陰ながら手を貸していたのか
そもそも「ワブル陣営に協力する」ことが目的だったのかも気になるところで、
実はロンギはオイトの兄だから妹を助けようとしていた・・・と考えるのは

いくらなんでも飛躍しすぎのかな。
オイトは講習会参加者とも対面しているから

ロンギと知り合いならそこで気付かないのはさすがに不自然だし。
(オイトの兄とロンギが親友だった、とかならあり得ないことも無い?)
●今後の連載形態
やはり今回の連載も10週で終了で、週刊少年ジャンプ編集部からのお知らせによると
「401以降の掲載につきまして、
冨樫先生の体調などを鑑み、先生と編集部とで相談をした結果、
今後は週刊連載ではない掲載形態で皆様にお届けすることになりました。
冨樫先生は以降の物語の執筆を続けておりますし、
編集部も引き続き『HUNTER×HUNTER』の完結まで、
先生のサポートを継続していきます。
具体的な掲載時期・掲載方法につきましては
今後の週刊少年ジャンプ本誌にてお知らせいたします。」とのこと。
今後の具体的な掲載方法はまだ決まっていないっぽいけど、
仮に週刊少年ジャンプでの掲載が終了してしまうとしたら非常にショックだなあ。
どんな媒体でも連載を続けてくれればそれだけで十分ありがたいとはいえ、
連載開始当初から週刊少年ジャンプで読み続けてきた漫画だから
「ジャンプに載っていてこその『H×H』」という気持ちもあるのが正直なところ。
ただ「今後も週刊少年ジャンプ編集部がサポートを継続する」ということは
他誌(ジャンプSQ.等)への移籍や「少年ジャンプ+」でのWEB掲載への移行は
少なくとも現時点では考えておらず、
あくまで「週刊連載という掲載形態ではなくなる」だけで
「週刊少年ジャンプでの掲載」自体は継続してくれる可能性も残されているのかな。
数ヶ月〜数年休んで
ストックが貯まり次第、10週単位で掲載していた近年の連載スタイルも
決して「週刊連載という掲載形態」とは言えなかったから、
目次ページに毎週載っていた「今週の『H×H』は休載いたします」的な注意書きが
今後は無くなるだけ、という希望的な解釈もできるんだろう。
巻末の作者コメントには
「極力他の方々に迷惑がかからない形で継続していければと思案中です。」
と書いてあったから
連載再開時に既存の連載作品を一つ打ち切ってしまう「10週連続掲載」形式ではなく
数ヶ月に一話ペースで読切作品みたいに掲載する形態になるのかもしれない。
不定期でもジャンプで連載し続けてくれるならそれがベストだし、
「一話あたり19ページ」というページ数の枠にとらわれず
話のキリがいいところまで読切感覚で描いてくれるのであれば
読者にとってもメリットがあるのかも。
今にして思えば、冨樫先生がTwitterを始めたのも
この「掲載形態の変更」を見据えてのことだったりするんだろうか。
(おそらく今回の連載を再開した時点で
「401以降は掲載形態が変わる」ことは決めていたんだろうし)
ちなみに感想記事を書いている立場からすると
数年休んで一気に10週ドカン、という近年の連載スタイルよりは
数ヶ月に一話くらいのペースでポツポツ掲載してくれた方が楽は楽。
『H×H』の連載中は土・日の結構な時間を感想に費やしているから、
数年に一度とはいえ10週連続で土日が潰れるよりは
数ヶ月に一回程度のペースで土日が潰れる方が楽なのは言うまでもない。
今後も『HUNTER×HUNTER』を読み続けること自体は確定しているものの、
感想記事を書き続けるかどうか(というより書き続けられるかどうか)は
「具体的な掲載方法」次第という感じ。
今は早売りのジャンプを買って
土・日を費やしてどうにかこうにか月曜日に間に合わせている状態だから、
早売りを入手できない別雑誌やWEB掲載に移行した場合
「発売日に感想記事を上げる」のは間違いなく不可能になる。
それどころか、別雑誌の発売日やWEB掲載の曜日によっては
感想記事が完成するのは掲載から一週間後くらいになることもありえそうで、
そんな周回遅れの感想に意味はあるのか?と思ってしまうから
掲載形態によっては感想記事をスッパリ諦めることになるかもしれない。
まあ具体的な掲載方法が分からない段階でアレコレ考えても仕方ないから
こればっかりは今後の続報を待つしかないんだろう。
冨樫先生の負担が少ない方法で連載を継続してもらうのがベストだし、
続きが読めれば「感想の書きやすさ」なんてどうでもいい話。
今回の10週掲載で一度も1層の状況が描かれていなかった反動なのか
今週は非常に情報量が多く、色々と気になる点も増えてきたから
一日でも早く続きが読める日が来ることを願っておきたいと思う。
一応、ネームは既にあと30話分は完成しているみたいだし・・・。
●その他
・フィンクス達が「シャ=ア一家の隠し扉ルートで上へ行く」場合まず1層に上がって、そこから2層に下りる形になるなら
1層のV・VIPエリアにいるはずのヒソカと出会う可能性もあるのかも?
・ノブナガは「頭が念で空間創ってやがる」と言っていたけど
「モレナが念空間を創った」と確認できるような描写は無かったはずだし
実際に念空間を創っているのはおそらくボコンテだから
「モレナが指示して創らせている」というニュアンスの発言なのかな
・下層よりはるかに警備レベルが高いであろう第2層の、それもおそらく中心部に
エイ=イ一家がどうやって隠しアジトのスペースを確保したのかは気になる
・ノブナガが「エイ=イ一家の仲間の数も未確定」と言っていたということは
ヒンリギはリンチが引き出した「エイ=イ一家は23人」という情報を

ノブナガに伝えていなかったんだ
(ノブナガも「マフィアが全てを話していない」ことは当然理解していたけど)
・フィンクスは以前
「エイ=イの情報…頭の居場所とかくれたら先に片付けとく」と言っていたから
ヒソカに対してと同じくらいエイ=イにもムカついたのかと思いきや

エイ=イ殲滅はあくまで「ヒソカを見つけるまでの余興」に過ぎなかったのか
・タイソンの従事者のうち
「SR星雲ムニー星の王子」には名前の設定が無いのかな
(宇宙人の名前は地球人には発音できない、みたいな設定とか?)
・タイソンが「下位王子とその母親」に教典を渡したということは
対象となる王子はルズールス、サレサレ、ハルケンブルグ、
カチョウ、フウゲツ、モモゼ、マラヤーム、ワブルの8人で
自分の母親である第4王妃・カットローノよりも上位の王妃の
ドゥアズル(ルズールス&ハルケンブルグの母)にも教典を渡したということ?
・今週のタイソンのフォルムは


ちょっとビーンズっぽくも見えた
・カチョウ・フウゲツ姉妹の母親である第7王妃・セイコは
娘2人のことを駒としてしか見ていなかったようで

以前のやり取りも双方上っ面の会話だったわけか
・セイコの態度はカチョウの「嫌われる演技」にそっくりだったから
カチョウは母親を手本にして演技していたのかも?
・カチョウはフウゲツ本人に対しては「フウちん」と呼ぶのに
センリツ達の前では「フウチン」で統一しているのは何か拘りがあるのかな
・「君の半分以下の年令の〜」とか「センリツオバサン」とか言われて怒ったあたり
センリツも女性として自分の年齢のことを言われるのは嫌なのか
・キーニが「キーン」になっていたのは誤植?
(呼称がまったく安定しない「シマノ」「シマヌ」と違って
キーニは一貫してキーニだったから今回の「キーン」が間違いのはず)
・センリツの能力は「治療を目的にしていて意識が飛ぶのは副次効果」らしいけど
それにしてはスピーカー経由でも効果を発揮するのが反則っぽい
・カチョウの守護霊獣はフウゲツに
「上位4王子はどうしても倒さなきゃいけない」ことを伝えるらしいから
シマノの見解と同様に

「ツベッパなら下位王子の恩赦も見込める」と考えているわけか
(実際にはチョウライでも恩赦は勝ち獲ってくれそうだけど)
・シュタイナーが「唯一」ではなく「数少ない」証言者ということは
裏を返せばシュタイナー以外にも何人かは「証言者」がいるのかも
・「VIP用の証人保護エリアはこの船で最も安全」なのに
重要参考人であるカチョウとフウゲツを同じ部屋にしているのか
(公的にはカチョウは死んでいて、アレはフウゲツ個人の部屋とか?)
・チョウライは「自ら受話器を持ち直接交渉する程には寛容」どころか

面会にも自分で行くくらい行動的なんだ
・チョウライが「守護霊獣が吐き出したコイン」をセンリツに渡したということは
少なくとも「コインを渡すと自分が不利になる」とは考えていないんだな
(「おそらく私が持っていても意味が無い」という直感に従って配っているっぽいけど

既にコインを隠し持っていたコベントバに何らかの変化が起きたとしたら
「コインを持っている相手を支配できる」的な確信を持っていた可能性もある?)
(でも、それだったらセンリツが心音で嘘に気付くのか)
・ツェリードニヒの部屋で何度か描かれていたヴァンタインは


高齢なだけあって(?)私設兵の隊長だったんだな
・ベンジャミン私設兵が司法局の庁舎前でセンリツの出待ちをしているのは
国王軍としての立場を使って合法的に連行しようとしているから?
・ラストのコマのクラピカは目が黒くないから
既にロンギに操作されているように見えなくもない
とはいえ現段階で共闘が有利に働くか全く読めないのが辛いところです。
魔境の船内において多大な犠牲を払ってきたからには多少とも巻き返しを期待したいところですから。
そして作品継続において気になる告知が。
予想以上に深刻な状況のようで、ネームは既に出来ていると明かしていたのは強がりというより焦りに思えました。
その割に展開自体はマイペースなのは逆に描きたいことをさらに優先するようになったからでしょうか。
妥協が苦手な冨樫先生にとっても納得のいく着地点が見つかることを祈ります。
tk1118
が
しました