2015年10月17日

最近の私、、

原田崇広 Takahiro Harada は現在癲癇(epilepsy http://square.umin.ac.jp/jes/)を煩っている。癲癇というのはよく分かっていない脳の疾患である。きっちりした外科医療がある訳でもなく、病院に行っても症状ごとに医師に処方された薬剤を飲むという医療を続けていくしか無い。症状間の非線形相互作用は残念ながら考慮に入れられていない。
僕の場合記憶力に障害が出たり、たまに奇声(違うのだけれど周りからはそうとしか見えないのだから仕方が無い)をあげたり、暴れたりする。
色々調べはしたのだが、結局はっきりした原因は分かっておらず、もうかれこれ10年近く病院や家のベッドで寝ている。その間、ずっと一人でいろいろな事を考えていた。週に一度程度外泊を許可してもらい、その帰宅の度に家で撮りためたNHKニュースを聞き流し、また、検索サイトでいろいろ情報を仕入れる。また家計簿ソフトで(今のところほぼ一定速度で変動する)家計のログをつけ、それを眺めている。
というのがこの数年の僕のゆっくり変動する非平衡定常状態である。(こう書いたら分かってくださる人は数十人かそこら居るだろう)
僕は京都大学の物理学科で博士号をとった(一応)物理学者であるが、学生の頃は、実験として、ネズミの心筋細胞を切り刻んで眺め(バイタル)、シリカビーズを常温で眺め、後は、非平衡系の統計力学をやる為に確率過程とかの勉強をやっていた。
そしてプレプリサーバーetcに乗っている論文等を少し眺める。ここのところの情報は非常にすごく、博士号を持ってはいるが、科学に関しての情報量は普通の人(橋下さんとかも一緒くらいかもしれないが)と一緒のレベルで、とてもほんとに最新の情報はとてもフォローできない。iPS細胞が出来たり、ヒッグス粒子が見つかったりしてすごいですねぇ、とちょっと博学な普通の人との世間話が出来る程度である。STAP細胞とか、何考えてたんだろう、というのも普通の人との世間話である。
記憶障害に対応する為にも再勉強に、Feynman物理を最初から読み直していた。波の話ばっかりやっているなぁ。ダイアグラムの計算とか重力の話なんか全く出てこない、という訳であまり結局はあまり困らない。よぉーし、頑張ろう!と思っていたら同じ病棟の患者さんに色々人生相談にも乗ってもらって本当に勉強になった。自分では悟りを開いたと言っても良い。こんな事予想もしていなかった。
という訳で、最初は非常に不安だったが、実は予想した程は困っていない。むしろ家計簿計算ソフトで、あまり変動しない自分の家計を管理する練習をするのにとても手間を取られていた。しかしiphone持っていないし、車も無いからあまり出歩かない。基本的な生活の面倒は病院と両親に看てもらっている。出かけるとしたら、病院の他には散髪とかお墓参りとか、そんな程度である。
もちろん国政にも国交とかにも関与しないので、これではとても気楽な天皇陛下と行っても良いのではないか。そのため、僕は癲癇という病気を私用で漢字で書く時、めんどくさいのでいつも「天冠」と書いている。


結局は物理学はもう終わり‥こんな事僕が生まれる前から分かっていた事ではないか。
残念ながら、理学部物理学専攻はかなり苦し紛れで続けているように見える。

tk_harad at 16:49│Comments(1)

この記事へのコメント

1. Posted by やまぐり   2017年10月18日 20:06
ブログでは初めまして。高校時代ご一緒させていただいたR.Yです。私は文系ですが、僭越ながら似たような経緯で入院を繰り返しました。何かと生きづらい世の中ですがマイペースで頑張っていきましょう。

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