日本観光ミシュラン

日本国内のあらゆる観光資源を格付けする、旅のガイドブログ。

歩き遍路記(その18)第六十八番〜第七十番

遍路ころがしをやり終えて帰宅後、整形外科で膝裏の痛みの原因を調べてもらった。MRI検査まで受けたにもかかわらず、結果は異常なし。診断は腑に落ちなかったが、機能障害がないことにとりあえず安堵した。
二十番からはまた山道の登降となる。それに挑む前にいったん膝の調子を確認しようと、手近な香川県内の札所を巡る遍路に出た。
仕事終わりに神戸から夜行フェリーで海を渡り、早朝の高松でJRに乗り換えて7時前に観音寺駅に到着。海の方向へ歩く。途中、登校する生徒と何度もすれ違ったが、「おはようございます」と声に出す子は少ない。徳島県ではお遍路さんに挨拶するのは小学生の義務であるかのようだったが、ここ香川ではだいぶ様子が違っていて興味深い。
20分ほどで第六十八番札所・神恵院と第六十九番札所・観音寺とが隣り合う境内に出た。下の写真左から68番の大師堂、68番の本堂、69番の大師堂という具合に並んでいる。
DSC05653
68番の本堂は安藤忠雄を意識したかのようなコンクリート打ちっぱなしのモダンな造り。
DSC05648
タイムトラベラーかエイリアンか。現代建築と白装束のお遍路さんの対比が面白い。
DSC05650
69番の本堂はこちら。
DSC05652
納経所は共同で、一度にふたつの朱印がいただける。異例ずくめの札所だった。
財田川沿いの県道を歩き、「本場かなくま餅 福田」で遅い朝食。
DSC05655
うどんが食べたかったが、食堂の営業は昼から。持ち帰り用にパックされた「えびおこわ」を店内で食べさせてもらった。
DSC05654
去り際に「お遍路さんですか?」と声を掛けられ、かなくま餅をふたつ頂く。徳島から始まった今回の遍路行で初めて受けたお接待で、慣れていないこともあり恐縮した。
DSC05664
以前にも書いたが、今から目指す70番・本山寺は、25年以上前、参道でお遍路さんに間違えられてミカンを手渡された思い出のある札所だ。
あの時は、まさか自分が将来お遍路をすることになるとは夢にも思わなかった。「縁」を感じずにはいられない。

長い歳月を隔てて再訪した本山寺は、記憶の中のそれとはまるで違っていた。参拝客の数は桁違いで、何もかもが更新され境内から古色が消えている。寺のシンボル、五重塔も修理中で見られず、いささか寂しい。
しかし、国宝の本堂だけは変わらずそこにある。昔、写真を撮っただけで去ったこの場所で、いつもより念を入れて般若心経を唱えた。
DSC05661




山下うどん店

【グルメ】山下うどん店(香川県坂出市)☆
ほぼ遍路道沿い、綾川の堤防下にうずくまるようにしてこの店はある。
辺りは田園地帯で、およそ飲食店が立地するような場所ではなく、看板が出ていなければ農家と見紛うばかりだ。
店内もまた農作業小屋のようで、だだっ広い厨房には煉瓦で組んだかまどが鎮座し、煮えたぎる大釜で次々にうどんが茹で上がる。燃料はなんと薪。そのせいで壁から天井まで煤で真っ黒だ。
そんなわけで、調理風景はもはや「うどん劇場」といった感があり、味のことはどうでもよくなってくる。
とはいえ言及しないわけにもいかない。客の少ない時間帯に訪ねたので真の実力は測りかねるが、讃岐うどんとしては平均より上のレベルではあるだろう。太めでコシが強く、出汁のイリコ風味も程よい。「うどん(大)」(280円)と「ゲソ天」(150円)でお腹いっぱいになった。
DSC05704
近所の名店「がもう」の陰に隠れがちではあるが、地元客に愛される、ある意味では「がもう」以上に牧歌的な店だ。
村上春樹氏のサインもお見逃しなく。

住所:香川県坂出市加茂町147-1
営業時間:8:00〜16:00(火〜金)/8:00〜15:00(土)/8:00〜14:00(日祝)
定休日:月
DSC05705

三豊市豊中町の墓

【その他】豊中町の両墓制墓?(香川県三豊市)☆
下は三豊市内、本山寺近くの遍路道沿いで見かけた墓地の写真。一般的な墓石に囲まれて、積石墓のようなものがある。
DSC05656
最初はたんなる土葬墓と思ったが、これは両墓制の埋め墓ではないだろうか。帰宅後、香川県内の高見島や佐柳島の墓地の写真を見返してみると、やはり似ている。こうした埋め墓は四国では島にしか残っていないものと思いこんでいたので、ちょっとした発見の喜びを感じた。
DSC05657
両墓制とは、故人ひとりに対し遺体を埋葬する「埋め墓」と、墓参りのための「詣り墓(マイリバカ)」を別々に設ける葬制をいう。埋め墓は基本的に土葬である。
現代ではほぼ失われた風習だが、墓はそのままに残されていることが少なくない。私は塩飽諸島の本島や奈良県柳生で見たことがある。
DSC05658
三豊市内のこの墓には花が供えられていて、埋め墓と詣り墓の区別が無くなっていると考えられる。二十年、三十年先には改葬されてしまうかもしれない。民俗習慣が変容していく、過渡期の光景に接していることを思うと感慨深い。
DSC05659
月別アーカイブ
プロフィール
格付け基準
☆☆☆
泊りがけの旅をする価値がある

☆☆
日帰りの旅をする価値がある


寄り道をする価値がある


ヒマだったら…
記事検索
最新コメント