日本観光ミシュラン

日本国内のあらゆる観光資源を格付けする、旅のガイドブログ。

モーニング放浪記(69)カフェレスト木鶏

【グルメ】カフェレスト木鶏(和歌山県和歌山市)−
住金の工場に近い交差点に建つ、一軒家の喫茶店。和歌山市駅からは紀ノ川を渡り、徒歩15分ほどの距離にある。
この店を訪ねるのは、モーニングの食べ歩きを始めて以来、5年越しの宿願だった。もっとも、当時は店の名前すら不明で、メニューの写真と、和歌山にある、という情報だけを頼りについに見つけたのが2年前。しかし、メニューが消えた、いや復活したなど噂にはのぼるものの、実際に注文したという記事がWEB上でまったく見つからず、今もまだ存在するのか不安を感じながらの来店となった。
朝の8時、思い切って扉を開ける。先客は1名。
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はたして壁に貼られたモーニングのメニューにそれは無かったが、諦めきれないので思い切って聞いてみた。
「『ビールモーニング』って、もうやってないんですか?」
「いえ、ございますよ」
ママさんの答えで、ついに5年間のモヤモヤは氷解した。900円、という値段も変わっていない。
「ビールはいつお持ちしましょうか?」
一緒で、とお願いし、ようやく調査員からお客さんモードになってくつろぐ。ママさんは厨房に入って何かを揚げ始めた。
店内は照度不足でやや薄暗い。長いこと営業を続けているのだろう、調度や備品にもほころびが目立つ。しかし、この店は品の良いママさんのおかげで、雰囲気が暗くならずに済んでいるのが救いだ。
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10分ほどでビールモーニングが卓上に揃った。値段から予想はしていたが、ビールが瓶で出てくるのが素晴らしい。
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盛りだくさんなプレートは、トースト、目玉焼き、チキンフライ×2、ミニハンバーグ、揚げソーセージ、ナポリタンスパ、サラダという内容。
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これが基本のモーニング(680円)で、コーヒーをビールに置き換えたのかビールモーニング(900円)ということらしい。
モーニングに揚げ物を添えるのは和歌山では珍しくない。まさかとは思うが、そこから酒の肴になるかも、という発想が生まれたのだろうか。
もっとも、大工場(住金)の近く、という立地は夜勤明けの労働者が酒を飲むための受け皿が必要で、客のリクエストから始まったと考える方が自然だろう。
実は自分もこの日は徹夜作業明け。それだけにアルコールが回るのが早く、中瓶(500ml)1本でほろ酔い加減。結局、備え付けの漫画などを読みつつ、1時間ほどのんびりさせてもらった。最後にはお茶も出る。
お勘定の際、表メニューに無いものを頼んだからだろう、「いつもありがとうございます」とママさんからお声がけいただいたのも含めて、実に面白いモーニング体験だった。

住所:和歌山県和歌山市湊1823-6
営業時間:6:40〜17:30
定休日:火
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歩き遍路記(その23)第五十二番から第五十三番

松山で連泊した宿(ビジネスホテル)は朝食付き、それも簡素ながらバイキング形式だった。いつもは寸刻を惜しんで日の出とともに歩き出すのだが、ご飯の魅力には勝てない。あさましいとは思いつつも、朝昼兼用とすべく胃袋の限界まで詰め込んで出発。昨日のゴール地点、「高木」バス停から歩き始めた頃には8時を過ぎていた。
40分ほどで52番札所・太山寺に到着。石手寺同様、27年振りの再訪だ。
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あの頃はお遍路など眼中になく、国宝建築に魅かれて旅していた。いま築700年超の堂々たる本堂に相対しても当時のことは何ひとつ思い出せず、初めて見るような心持ちがする。人の記憶などいい加減なものだと思う。
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さらに40分歩いて53番札所・円明寺。境内の『キリシタン灯籠』には聖母マリアと推定される合掌像が刻まれ、隠れキリシタンの信仰に使われたとの説がある。ここから北条市にかけては隠れキリシタン関連の遺物が多い。いずれ時間をかけて探訪してみたい場所のひとつだ。
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本堂は簡素だった。
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時刻はまだ9時半だが、今日中に到達できる札所はもうない。今治市街へ向けてひたすら海沿いの道を歩く。途中、小雪もちらつく空模様で、瀬戸内海にも明るさがなく、沈んだ色をしていた。こんな日には路傍の遍路墓がいっそう侘しく目に映る。
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昼を過ぎ、どちらを向いても瓦屋ばかりの町、菊間に入る。国道沿いの工場の片隅に設けられた小さな「お接待処」でしばし休憩。
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ミカンを頂いた。他にも手造りのカエルの焼き物(無事帰るのおまじない)や、荷物の小分けに便利な巾着袋が「お接待」として置いてあった。すぐ目の前をトラックが行き交う殺風景な場所だが、地元の方の親切が身にしみる。ノートをめくると、数時間前にフランス人女性がここに立ち寄ったらしく、感謝の言葉がつづられていた。こうした国際色もまた、お遍路らしい。
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16時過ぎにJR大西駅に辿りつき、本日の行程は終了。松山の宿に舞い戻り、近所の居酒屋で少し飲んで寝た。

(旅行時期:2017年1月24日)

角打ち礼賛(徳島編)

【グルメ】市川酒店(徳島県徳島市)−
徳島駅前から眉山に向かう大通りを一本入った所にある、典型的な角打ちの店。看板から文字が脱落し「チカ」としか読めないが、屋号は「市川酒店」。創業から60余年を数える老舗だ。
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右側の縄のれんの奥に座り飲みのスペースがある。  
先客は作業着姿の職人が2人。片方の男の酒癖がひどく、女将さんに悪態をつくので閉口したが、どうやら常連らしい。中締めで3,100円も払ったのには驚いた。角打ちでここまで飲み続ける人も珍しい。お節介だが野暮だとも思う。
カウンターのキャパシティは8人ほど。場末感漂う店には焼酎が似合いか、と宮崎のそば焼酎「天照」、つまみにおでん(すじ、豆腐)を頼んだ。
おでんは注文を受けてからやおら鍋に火を入れて温め始める。この店のスピードメニューは乾き物しかない。
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焼酎はうまかった。が、おでんはすじの下処理不足か、余分な脂とくさみが豆腐にしみ付いていて今ひとつ。
そうこうするうちに、身なりの整った中年女性が一人で来店した。お堅い職業に従事している風で、角打ちの店には場違いな印象だが、やはり常連さんのようだ。
職人2人組とも顔なじみらしく、先ほどまで耳障りだった酒乱男がおとなしくなったのが可笑しい。カウンターの最奥が指定席であるかのように腰を下ろし、慣れた様子であれこれと注文する姿はヌシのようでもある。
客が持ち込んだらしい釣り魚を、常連のリクエストに応じて塩焼きにしたり、焼き霜風にするなど、女将さんは俄然忙しくなって来た。
一段落した頃を見計らってお勘定にしてもらった。たったの500円。ワンコインで濃い時間を過ごさせてもらったことに感謝したい。

住所:徳島県徳島市中通町3-11
営業時間:11:15〜15:00/17:00〜21:30
定休日:日

【グルメ】両国酒店(徳島県徳島市)−
市川酒店が面白かったので、近くにあるもう一軒の角打ちでハシゴ酒。1階の酒販店は営業を休止しているようなので、厳密には角打ちとはいえないが、客が出て行ったのと入れ替わりに2階へ階段を上る。
酒場がにぎわう夜7時台、広い店内に客はいなかった。しまったと思ったがもう遅い。
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仕方なく、置物のようなバアちゃんに焼酎(黒霧島)水割りと、ケースに見えた空豆を注文。
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電子レンジでチンした空豆は身がグズグズで、残念なお味だった。壁に掲げられた「メニュー」のうちいくつが実際に調理できるのか、はなはだ疑わしい。
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店のバアちゃんは椅子に座ってテレビを凝視したまま、注文のやり取り以外は一言も発さない。動きもしない。MC立川志の輔の声だけが響く店内は静かだ。
こんな場末中の場末店に焼酎をボトルキープしている酒飲みが10人ほどいるようだ。なぜ、と訝しく思うが、誰にも邪魔されない時間を過ごしたい向きには格好の場なのかもしれない。
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出来合いが並べられたケースは見るからに貧相で食指が動かないが、どうせ場末価格だろうと、スパサラを追加。
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ひねた味のキュウリと、過剰な化学調味料が印象的な一皿のお代は、勘定の時に発覚した。なんと300円。さきほどの空豆も300円、焼酎は280円。自分史上いちばん高いスパサラに徳島で出会った。角打ちには勉強させられるばかりだ。
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