日本観光ミシュラン

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大人の休日倶楽部パスの旅 1日目(その2)

☆長野から岩手へ
・大宮駅1202 −1226宇都宮駅(やまびこ49号)
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やまびこ49号は自由席の通路やデッキにまで人が立つ大混雑だった。平日の昼下がり、速達タイプでもない新幹線がなぜこれほどまでに混むのか。自分を含めた乗客の誰もが理不尽に感じたことだろう。その理由は図らずもこの夜、一ノ関の居酒屋で明らかになる。
満員のデッキから逃げ出すように宇都宮で下車。これは予定の行動で、駅東口にある餃子の店「みんみん」に直行する。酷暑の中、屋外のテントで随分待たされたが、餃子は想像以上の美味しさで、途中下車したかいがあった。
関連記事:宇都宮みんみん 駅東口店

・宇都宮駅1331 −1533北上駅(やまびこ51号)
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今回の旅で最長の乗車時間となるがこの列車で、指定席券も昨日のうちに確保しておいた。とはいえ、日中に2時間も3時間も無為に移動、というのはいかにも時間の無駄で気に入らない。宇都宮で下りたのはささやかな抵抗で、駅で栃木名物の「レモン牛乳」を購入し、無理やり旅行気分を演出する。
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関東から東北へ、車窓には青々とした水田が続く。特に古川辺りでは惚れ惚れするような美田が広がり、眼が洗われた。

・北上駅1549 −1558金ケ崎駅(東北本線)
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北上駅に降り立つと涼しさに驚いた。宇都宮から400kmも北上すると気候がまるで違う。
沿線火災の影響で一ノ関行は13分遅れての発車。金ケ崎で下車し、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている諏訪小路を散策する。奥州街道の要害の地として、小規模な城下町が置かれていたところだ。昔の面影は武家屋敷や屋敷林にわずかに残るのみだが、緑の多い街並みに癒される。
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満足して金ケ崎駅に戻る。実に立派な無人駅だ。
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☆一ノ関にて
・金ケ崎駅1705 −1735 一ノ関駅(東北本線)
今夜の宿は仙台に取ってある。それを岩手県から後戻りして向かうのは、一ノ関に行きたい店があるからだ。そのひとつがこの『BASIE』。日本一とも称されるジャズ喫茶で、それが東北の地方都市にあるという事実が面白く、長年機会をうかがっていた。明日は定休日なのでチャンスは今日しかない。
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ところが、なんと臨時休業。縁がなかったとあきらめる。
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もうひとつの目的の店、居酒屋『こまつ』は開いていた。
関連記事:こまつ
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この店では良い酒と良い肴に出会い、『BASIE』で落ち込んだ気持ちを大いに回復した。さらに、ご主人から思わぬ証言を得ることになる。
この日、カウンターに座っていた一人客の3人までもが「大人の休日倶楽部パス」の利用者だというのだ。しかも、年に3回のパスの通用期間中は、いつもこんな具合に県外客で賑わうという。この話を聞いた後、東北の主要駅の改札で注意して見ていると、なるほどこのパスを手にした中高年の多いことに驚かされる。まるで青春18切符の通用期間中のような光景だ。
昼間の東北新幹線の混雑の原因もようやく理解できた。自由席を連結して長距離を走る「やまびこ」は、座席指定6回までという制約の中では貴重な列車なのだろう。もし1日3万枚限定の「大人の休日倶楽部パス」が毎日完売したとすると、JR東日本エリアに1日最大12万人の需要が生まれることになる。これで混まない方がおかしい。

・一ノ関駅1921 −1958 仙台駅(やまびこ56号)
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飲み足りなかったわけではないが、仙台駅の東口にある、かねてから目をつけていた角打ち・櫻井商店で一献。
関連記事:角打ち礼賛(仙台編)
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繁華街近くにある今日の宿まで歩いた。
今どきのカプセルホテル「9アワーズ仙台」には2度目の宿泊となる。クーポン利用で1,900円と破格の安さだった。
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2日目(その1)へ続く)

大人の休日倶楽部パスの旅 1日目(その1)

☆松本電鉄乗りつぶし
朝6時。閑散とした駅前広場とは対照的に、駅構内は通勤客とビジネス客で忙しく動き出していた。「大人の休日倶楽部パス」を改札に通し、いよいよ新幹線乗り放題の旅が始まる。

・長野駅 609ー702 松本駅(ワイドビューしなの2号)
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スタートは在来線特急から。スーツ姿の乗客で自由席はほぼ満員だった。篠ノ井線に乗るのは久しぶりなので、新鮮な気持ちで景色を眺める。空は良く晴れていて、日本三大車窓のひとつ、姨捨駅付近からの善光寺平の景観は素晴らしかった。
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峠を越えて松本平野に向かって下っていくと、ピラミッド型の常念岳が姿を見せる。松本に来たな、と実感する巨大なランドマークだ。

・松本駅 715ー749 新島々駅(アルピコ交通上高地線)
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35年も東京に住んでいながら、まさか松本電鉄が本州エリアで民鉄最後の未乗線区になるとは思わなかった。ちょうど朝の通学時間帯、学生で賑やかな2両編成の電車は進路を西にとり、北アルプスの前衛の山々に向かって突っ込んで行く。車内のドア上には案内用のディスプレイがあり、ナビーゲータを務めるのはイメージキャラクター「渕東なぎさ」。渕東(えんどう)は終点のひとつ前の駅だ。
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波田駅でほとんどの客が降り、わずか3人となって新島々着。谷の両側から山が迫ったどん詰まり、いかにも終着駅らしいロケーションにある駅だ。
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駅前はびっくりするほど広く、上高地・乗鞍方面に向かうバスが大量に待機していた。ここから上高地はわずかに1時間だ。
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今日は天気が良いので、穂高の峰々が良く見えるに違いない。寄り道したくなったが、もちろんそんなヒマはなく、来た電車に再び乗り込んで松本に戻る。

・新島々駅 758ー829 松本駅(アルピコ交通上高地線)
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満員の通勤客とともに松本着。7番線から1番線ホームに移動する。ここにある「山野草」という妙な名前の駅そば屋を訪ねるために、朝5時からコーヒー1杯で我慢してきたのだ。
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人気ナンバーワンの、「安曇野葉わさび特上そば」(460円)が待ちに待ったこの日の朝食。トッピングはネギと葉わさびのみでシンプルきわまりない。
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「特上」に限り供される生そばは、期待したほどコシがなく、香りも立たなかった。それでも葉わさびのピリッとした辛味のアクセント、そして後味がスッキリしたつゆなど実に良くできていて。最後までおいしくいただいた。駅そばとしては最上の部類ではないかと思う。

・松本駅 909ー1001 長野駅(ワイドビューしなの1号)
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2号で松本に来て、1号で去る。

☆北陸新幹線完乗−飯山ピストン
・長野駅 1022ー1033 飯山駅(はくたか555号)
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長野県内ではまだミッションが残っている。昨日1駅分だけ残した長野−飯山間の北陸新幹線の乗りつぶしだ。
発車からわずか11分、千曲川を長い橋で渡るともう飯山駅。これで北陸新幹線完乗となった。感慨にふける余裕もなく、下りホームから上りホームに早足で移動する。

・飯山駅 1037ー1048 長野駅(はくたか558号)
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滞在4分で長野に折り返し。「大人の休日倶楽部パス」ならではの贅沢な使い方だ。

・長野駅 1053ー1154 大宮駅(かがやき508号)
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「大人の休日倶楽部パス」では6回まで追加料金なしで指定席を利用できる。有効4日間のうち、どの列車でこの権利を行使するかよく考えておかないと、旅の後半で泣きを見る。東海道・山陽新幹線と違い、東北・北陸新幹線には全車指定席の列車が多いのだ。
「かがやき508号」もそのひとつで、客層もどこか違い、ビジネス客ばかりの静かな車内だった。
細かく動き回って3線区を乗りつぶし、温泉と酒も満喫した長野県を後にして、一路岩手県へと移動する。
1日目 その2へ続く)

大人の休日倶楽部パスの旅 0日目(その2)

☆野沢温泉へ
・飯山駅1230-1255野沢温泉(野沢温泉ライナー)
単なるローカル線の中心駅から一躍、新幹線の停車駅へと変貌を遂げた飯山。とはいえそれだけで町が発展するはずもなく、駅前はガランとして人影がない。
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ここは野沢温泉の玄関口として脚光を浴びることとなった。駅前の専用乗り場から出発する「野沢温泉ライナー」で温泉街までは25分。今や東京からわずか2時間でアクセス可能だ。
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上り一方でたどり着いたそこは標高600m。涼しいかと期待していたが、さほど下界と変わらなかった。
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街の顏ともいえる共同浴場『大湯』で一浴。朝から忙しかったこの日、極上の硫黄泉に身も心も解きほぐされて思わず声が出る。その後温泉街を駆けずり回って3ヶ所の共同浴場をハシゴ。大汗をかいたが、楽しい時間だった。
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関連記事:野沢温泉

☆長野電鉄乗りつぶし〜渋温泉へ
・野沢温泉1420-1445飯山駅(野沢温泉ライナー)
・飯山駅1500-1551信州中野駅(長電バス)
飯山駅に舞い戻り、今度はローカルバスに乗り込む。北陸新幹線に飯山まで乗車すること、そしてこのバス路線の発見が今日のスケジュールを可能にしたポイントだ。
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乗客は私と中学生の2人だけ。千曲川の左岸、リンゴ畑の中をバスはのんびりと走り、驚いたことに終点の信州中野駅までの50分間、一人の乗降もなかった。
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学生さんは定期券を見せて下車していった。今日は日曜日。通学用か通塾用か分からないが、地方に住むことのハンデを垣間見る。

・信州中野駅1608-1620湯田中駅(長野電鉄/特急スノーモンキー)
長野電鉄の夜間瀬〜湯田中間(2.8km)の乗りつぶしが今日のタスクだ。たった2駅分が残った面白くない理由は以前に書いたので繰り返さない。
終点の湯田中まで12分の乗車でも、特急なので別料金(100円)が必要になる。勿体ないが、成田エクスプレスに使われていた車両が充当されていたので納得。
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インテリアもそのままで、ローカル私鉄とは思えない高級感がある。乗客も多かった。
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かんじんの夜間瀬は駅名票すら確認できぬまま通過してしまい、未乗区間に進入するワクワク感のないまま湯田中着。駅頭には渋温泉の番頭さんたちが宿泊客のお出迎えに参集していた。
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どこにも泊まらない自分は、2kmの距離を歩いて渋温泉へと向かう。今日の計画の唯一の欠点は、共同浴場の中で唯一、10時から16時まで外来客に開放されている「大湯」に入れないことだ。さきほどの野沢温泉と違い、湯田中温泉郷では原則的に共同浴場は住民と宿泊客の専用となっている。渋温泉までの道すがら、いくつもの共同浴場の前を行き過ぎたが、実際すべて施錠されていた。
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温泉街に人影はまばらだった。ここまで来て温泉に入らないわけにもいかないので、日帰り専用の施設(石の湯)を利用した。野沢温泉の下方互換といった泉質だが、穏やかな湯で肌休めには良かった。
関連記事:渋温泉 石の湯

☆長野の夜
・湯田中駅1745-1837長野駅
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湯田中駅に歩いて戻り、特急「スノーモンキー」で今夜の宿泊地、長野に向かう。車窓には黒姫山や戸隠のシルエットが西日に浮かび上がり、山国に来たなと感じさせる。線路は市中心部で地下に潜り、頭端式ホームの長野駅着。
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明日は出発が早いので、今のうちにと駅構内でお土産など見ながらブラブラする。目をつけていたモダンな角打ちで地酒を引っかけ、とりあえず満足して外に出た。
関連記事:角打ち礼賛(長野編)
長野の駅前は人口38万人の街とは思えないほど大都会然としている。
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そんな中、まるで保存されたように再開発を免れた路地があり、飲食店が軒を連ねている。
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今宵はこの通りにある『千石食堂』で軽く飲んでシメとした。あの吉田類氏も訪れた知る人ぞ知る店だ。
関連記事:千石食堂
線路沿いに歩いて本日の宿『森と水バックパッカーズ』にチェックイン。ここは駅に近くて便利なドミトリー形式のゲストハウスだ(1泊2,700円)。シャワーを浴びて自分のベッドにもぐりこむと、酔いと疲れで泥のように眠った。
忙しくも充実した、記憶に残る一日だった。

1日目(その1)へ続く)
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