【その他】八尾の掩体壕(大阪府八尾市)−
淡路の高射砲台跡に続き、もうひとつだけ紹介したい大阪の戦跡がある。八尾の掩体壕。かつての陸軍大正飛行場(現在の八尾空港)に配備された戦闘機を格納し、敵の攻撃から守るために建造された。
30基あまり造られたという掩体壕のうち、唯一破壊を免れた1基が山麓の畑の中にぽつんと残されている。
私有地のど真ん中なので、地権者が野良仕事にでも出ていればともかく、不在のときは近づくことができない。訪ねた日は運悪く畑には誰もおらず、遠巻きに外観の写真を撮って帰った。
掩体壕はコンクリート製で、カマボコが地中から斜めに突き出たような形をしている。全長は20m弱か。トンネルのように素通しになっているのは、戦後、躯体内部の鉄筋を取り出そうとして尻尾の部分を爆破したためで、往時の姿を完全には留めていない。
今は農作業小屋として使われているこの掩体壕、保存の計画もなく、物理的にも歴史的にも風化に任せるがままになっている。もったいない、と私は思うが皆さんはどのようにお考えか。

所在地:大阪府八尾市垣内4-74付近

帝国陸軍大正飛行場 掩体壕(ミリタリィなぺえじ)…許可を得て内部を撮影しているほか、周辺の残存遺物についても詳しい。

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八尾3八尾4


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