【グルメ】松川酒店(京都府京都市)☆☆
錦市場の烏丸側出口を北に上がったところにある、京都の角打ちを代表する一軒。
なんといっても建物が素晴らしい。築120年(!)という年季の入った商家で、中に入ると物珍しさで思わずキョロキョロと見まわしてしまう。間口が狭く奥に長い、典型的な京町屋の造りだ。太い柱にさりげなく貼られた花名刺は、遊びに来た舞妓さんや芸妓さんが残していったもの。角打ち店ながら、京都で飲む道具立てとしては完璧ではないだろうか。実に贅沢な空間である。
それでは一杯、と思っても店の人の姿はない。初めての客は戸惑うこと必定だろう。それでも心配は無用で、常連のオッちゃんたちが優しく教えてくれる。
オペレーションはほぼセルフ。冷蔵庫から飲みたい酒を勝手に取る。グラスも取る。日本酒なら一升瓶から勝手に注ぐ。割りばしを取る。缶詰を勝手に開ける。
ビールケースを積み上げたテーブルにはアルマイトのお盆が位置皿よろしく並んでいるので、自分の場所をキープして獲物を並べる。
自分はといえば、表の看板で推している「秋鹿」の純米酒と、ほていの焼き鳥缶で一献(計490円)。ほぼワンコインで叶う至福の時だ。
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最初、秋鹿はお上品にグラス9分目くらいまで注いで止めにしたら、20年選手の常連筋からブーイングが起きた。「表面張力!表面張力♪」の声援に後押しされ、やり直し後は綺麗にすりきり一杯。自然、ひと口目は水飲み鳥スタイルでグラスを迎えに行く。合格点を頂けたようである。
お勘定は帳場まで大女将を呼びに行き、マイお盆を指し示して自分が何を飲み食いしたか申告する。性善説に則ったオペレーションもこの店の味だ。通いなれた風のガイジンさんたちがドヤドヤと入ってきたのを潮時に退店。このあたりも国際都市・京都らしくて良い。
一度や二度では底の見えない店だ。近々ウラを返すつもりでいる。

住所:京都府京都市中京区高倉通錦小路上ル貝屋町569-2
営業時間:16:00〜22:00
定休日:日
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【グルメ】大島元商店(京都府京都市)−
酒造の町・伏見にも角打ちの店がある。
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写真左側の入り口が酒屋、右側が立ち飲みスペースだ。通路を転用したかのような奥に細長いスペースにL字カウンターがあり、テレビの競馬中継を揃って見上げている常連4名が先客として居た。カウンターの下の床にスポーツ新聞が敷いてあるのは、汚れでベタつくからだそうで、なかなかの場末感がある。
初めて入る角打ち店でいつも戸惑うのは、ロクに品書きがないので何を頼んでいいのか分からないこと。酒販スペースと壁で仕切られ、お酒の品揃えすら見えないこの店はハードルが高い。後で聞いた話では、ビールなど定番以外が飲みたい場合は、店の人にひと言断ってから酒販スペースに回りこみ、そこで選んで持ってくるのだそうだ。
古都の雫(純米大吟醸/280円)とベビースターラーメン(50円)で滞在10分。
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この間に店番が主人から奥様(?)に入れ替わった。掃き溜めに鶴のような、容姿、服装とも洗練された方で、客の競馬オヤジたちとのギャップがなんだか可笑しい。
酒飲みの世界は広い。探訪すべき場所はまだまだ多いと思わせられる一軒だった。

住所 :京都府京都市伏見区下油掛町151
営業時間:10:30〜21:00
定休日:火

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