【グルメ】ばんや(青森県八戸市)☆☆
八戸が誇る名居酒屋。市内でいちばんの繁華街・六日町の交差点の角に、タイムスリップしたかのようにポツンと佇む一軒家がそれだ。予約ができないので、確実に席を取りたければ開店時間に訪ねよう。縄のれんがあがるやいなや満員となり、居心地が良いので容易に回転しない。私が客となった時も、地元客が次から次へと断わられていた。
その名のとおり年季の入った番屋のような店内は、むき出しの梁から吊り下げたガラスの浮き玉に照らされてぼんやりとほの暗い。干し大根や凍み豆腐までもが大量にぶら下がり、北の居酒屋の雰囲気は満点だ。
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期待感に胸を膨らませつつ、まずはお酒の注文から。八戸の地酒『八仙』を頼んだ。お通しはイカのとも和え。ビールを1杯目に選んだ客には枝豆が提供されていた。酒によってお通しが変わるというシステムは初めて見たが、合理的で良いと思う。
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続いては肴。この店にはメニューのようなものはなく、壁に貼られた料理名とホワイトボードに記された本日のお刺身と焼き魚、そしてカウンターに並ぶ大皿の惣菜から選ぶ。一般的な居酒屋にあるような品書きは皆無で、大皿の中身も尋ねなければ正体が分からないようなものばかり。値段も書いていないので、一見客にはややハードルが高い店ではある。
悩んだ末、大皿料理からミズの煮物、ゴボウと馬肉の味噌煮、メヌケ(メバル科の魚)の煮物、追加でしめ鯖を注文した。
のっけからミズ(ウワバミソウ)という山菜の旨さに驚く。味付けが良いのはもちろんだが、粘りとシャキシャキ感が同居した食感が楽しく、いつまでも食べ飽きない。
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ゴボウと馬肉の味噌煮は一見、泥臭い田舎料理。そこに絶妙な辛味を付加して味のキレ良く仕上がっている。
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総じて味付けが濃い。『八仙』はやや腰が重いので、弘前の『豊盃』にチェンジ。
店を仕切るのは白髪の女将とホール係の女性1名のみ。常に忙しく動き回っていて、向こうから注文を尋ねに来てはくれない。オーダーを通すのも一苦労だ。
メヌケはこれまた濃厚に煮込まれていて、丼飯が欲しくなる。
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しめ鯖も文句のない美味しさ。しめ加減をどうこう言う前に、鯖のうまさにひれ伏す。
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ホワイトボードにはヒラメ・ソイ・あいなめ・ボタン海老・ウニ・タコなどが列記されてそそられるが、この店では郷土「料理」を注文すべきだろう。旅先で地のものを食べ、かつ飲む体験の理想形がこの店にある。

住所:青森県八戸市朔日町4
営業時間:18:00〜23:00
定休日:日祝
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