日本観光ミシュラン

日本国内のあらゆる観光資源を格付けする、旅のガイドブログ。

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1泊2食5000円(1)ファミリーホテル開春楼

【宿】浜名湖弁天島温泉 ファミリーホテル開春楼(静岡県浜松市)☆
1泊2食5000円以内で、国内屈指のコストパフォーマンスを誇るのがこのホテルの「訳あり部屋2食付きプラン」(4980円/税別)だ。夕食も朝食も種類豊富なバイキング、風呂は温泉という。
メディアにも何度となく登場し、以前から気になっていたのだが、休みの日にこのプランに空きがあるのを見つけ、ただちに予約した。その実態やいかに。
ホテルはJR弁天島駅から歩いてすぐ。外観はいささか殺風景で、マンションのようだ。
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玄関を入ると、ロビーは薄暗く、土産物の物販台が雑然と並んでいる。フロントでのチェックインも無駄に時間がかかり、早くも期待感はだいぶ後退した。
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8階のエレベータホール。目指す部屋は左奥にある。
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ここが訳あり部屋だ。
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ピンぼけで分かりにくいが、部屋の中はこんな感じ。広さは4畳程度だ。
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窓側からドア方向。ご覧のとおり、バス・トイレ・冷蔵庫はない。
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部屋からは浜名湖方面の景色が−転落防止柵が邪魔だが−見える。開放感を求めて窓を開けるとホテル前の道路からは車の走行音、その向こうの東海道本線からは貨物列車と新幹線の轟音、という具合で少々うるさい。もちろん閉めれば気にならないレベルだ。
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備品はお茶と湯沸かし器、バスタオル・フェイスタオル・浴衣・歯ブラシ・ひげそりまでちゃんと揃っている。ダイヤル式の電話を久しぶりに見た。
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この狭小部屋は、団体ツアーバスの運転手・添乗員用だったのだろうか。フロア図面を見ると、この階に同じ仕様で3部屋あることが分かる。
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共同トイレはフロア中央にあるクリーム色の扉。
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まずは第一のお楽しみ、お風呂へ。露天風呂は混浴で、水着着用となっている。海を望むデッキフロアに小さな浴槽が3つ。泉質はナトリウム・カルシウム・マグネシウム塩化物泉とのこと。無色透明で湯加減は良いが、消毒の塩素臭が気になり、あまり楽しめなかった。宣材写真では有馬のような褐色の湯として紹介されているのが不思議。ちょっと騙された気分だ。氷雨が降る中、他に利用者はなかった。
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ロビーには漫画コーナーと小さなゲーセンがある。少年誌の漫画が多く、おじさんとしてはあまり食指が動かず、ここはスルー。
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残る楽しみは食事だけだ。会場の席は指定されていて、2人掛けのテーブル席に座る。一人客は自分だけと思ってていたらの他にも2人いて、3人が隣り合う3卓に並ぶ。何となく面はゆく感じる。
夕食バイキングは全55品。一番人気は手前に見えるカニで、カニ酢や専用のはさみも用意されている。
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味は想像の範囲を超えない冷凍物で、一パイ食べれば十分。屋台では天ぷら(海老、ナス、ししとう)と焼きそば、焼売、そしてなぜか注文されてから焼き上げるハンバーグがスタンバイ。
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変わっているのはひとり鍋で、寄せ鍋風の具材のほか、セルフで湯葉を作るための豆乳が用意されている。やってみたが、鍋からすくい上げるタイミングが難しく、冴えない出来に終わった。
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地元系のメニューは、浜松餃子、カツオ、マグロの串カツ、フグの煮凝りなど。
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1回目と2回目、両方で取っているのがいちばん美味しいと思った品。「北海道フェア」コーナーの刺身盛り合わせ(マグロ、カンパチ、アワビ)と同じくウニ、イクラ。
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特にマグロが素晴らしかった。中トロに近い食味で、間違って出したのではないかと心配したほどだ。機嫌が良くなって60分の飲み放題(1000円)を追加注文し、あとはエンドレスで地酒「次郎長」の熱燗と刺盛りを往復して時を過ごした。
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旅先ではいつも飲み足りずにコンビニで寝酒などを買い求めるが、この日は満腹かつ酩酊し、早々にベッドに横になった。
ぐっすり眠って翌朝。朝風呂に入って身体の隅々まで目覚め、朝食会場へ。
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全30品のバイキングとなっている。品ぞろえは一般的なビジネスホテルのそれと変わりない。かろうじてシラスや塩辛、わさび漬が静岡らしい産物。
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個性があるのはお茶漬けバイキングくらい。
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セルフ和定食。
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セルフ洋定食。
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いちばんおいしかったのはデザートのオレンジで、8切れくらい食べてしまった。DSC06014
お腹いっぱいでチェックアウト。これで5,000円以下で済むというのは驚きだ。宿代は食事プラス温泉の値段で、部屋はオマケのようなものなのだろう。
この宿に家族旅行で泊まろうとは思わないが、ひとり旅、特に夜の街を出歩かない人にこの訳ありプランは最適だ。デフレの最前線を見た思いがする。
ただしWi-Fiは使えないのでそのつもりで。

1泊2食5000円 INDEX

このブログでは宿に言及することが少ない。今まで1,200本を超える記事の中で、単独で取り上げたのは「はづ別館」と「SPA RESORT EXES」「ホテル浦島」の3軒のみ。他には概論的な「安宿考」(9本)があるだけだ。
その理由として、「はづ別館」の記事の中で「泊まること自体が旅の目的になるような、良い宿に泊まった経験がないから」と記したが、これは思慮が浅かった。たとえ安宿であっても、そこに行って泊まることが目的になりうる宿はいくらでもある。
それぞれ個性はあるにせよ、宿泊料が高くなればなるほど宿の質的レベルは均一化してくる。安い宿は同じ値段でもクオリティがバラバラで、そこにギャンブル的要素があって面白いと言える。
そこで、安宿を訪ねて歩く旅を新たに始めようと思う。それが「1泊2食5000円」。基本的に税抜きで2食付き5000円以下の宿を探して、泊まりに行く。実に安上がりな娯楽だ。すでに全国各地にめぼしい物件をピックアップ済みで、あとは暇を見つけるだけ。
お遍路、鉄道乗りつぶし、モーニング放浪など同時進行中で忙しいけれど、春は何か新しいことを始めるには良い季節だ。気長にマイペースで続けたい。

(1)浜名湖弁天島温泉 ファミリーホテル開春楼

安浦のコンクリート船防波堤

【その他】安浦のコンクリート船防波堤(広島県呉市)☆
安浦町の港に妙なモノがある。下の遠景ではよくわからないだろう。港口に伸びる防波堤が見たくてここまでやって来た。
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近づくと、防波堤を構成しているのは船のような形をした構造物であることが分かる。見たところコンクリート製で、なぜ船に似た形状にしたのか訝しく思う人もいるだろう。しかし、これは本物の船だったのだ。「武智丸」という勇ましい名前で、戦時中には瀬戸内海を出て、遠く南方まで航海したというから驚く。
大戦中の深刻な鋼材不足が、この漫画のようなRC船を生むに至った。技術的にはすでに海外で確立されていたようで、4隻が建造されお国のために働いた。こんなものが水に浮かぶのかと不思議に思うが、よく考えたら一般的な船舶は鉄で出来ている。似たような比重のコンクリ船が沈むはずもないのだ。
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戦火を生き延びた武智丸には意外な余生が待っていた。縁あってこの地に2隻が沈設され、防波堤として小さな港を守り続けている。戦後70年以上を経てもシャープな輪郭を保っている堅牢な造りは称賛に価するが、それなりに劣化は進行していて、中に入ることはもちろん、防波堤にアクセスすることも禁止されている。
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遠目に見るそれは、案外肉厚で重そうだ。形状がシンプルで童話に出てくる泥船のようだが、もちろんそんなことはなく、骨格には鉄筋を用いている。表面はアスファルトで防水加工されていたようだ。
この「船」に思うことは人それぞれだろう。エンジン全開で勇躍南方(沖縄だろうか?)に押し出していくさまを喜劇と見るか悲劇と見るか。のどかな漁村に据えられた、異色の戦争遺物である。

所在地:広島県呉市安浦町三津口2丁目2329
見学自由


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