最近、YouTubeが熱い。今までテレビ番組の違法配信や音楽のPVといったものが人気を集めていたが、最近になって個人が投稿した動画が人気を集めている。例えば、瀬戸さんであったりHIKAKINさんだったりするわけだが、YouTubeにGoogleの広告が付き、その広告収入だけで食べるプロYouTuberも増えている。本書の著者は、YouTubeで「妄想グルメ」というチャンネルを持っている。知っている人は知っているだろう。19万人のチャンネル登録者を抱え、累計で8000万回以上も再生されている。


この本の魅力は勿論、YouTubeで食べる事だ。妄想グルメを運営する伊藤さんは家族5人を抱える大家族。その生活費の大半をYouTubeから得られる広告収入に頼っている。例えば、HIKAKINさんや瀬戸さんのように顔を全面に出す事も勿論大切ではあるが、妄想グルメの場合は声も顔も一切出ない。視聴者の多くが伊藤さんの顔さえ知らないだろう。(クローズアップ現代の動画投稿特集の際にちらっと出ていた)YouTubeに動画を投稿するには特別な才能が必要と思われているが、実は伊藤さんはパソコンさえろくに使えなかったそうだ。



カメラで動画を撮影する知識さえあれば、十分に動画投稿者となる事ができる。
ただ、動画を投稿する事が全てにおいて良いのか?というと、そうではない。

●1.顔を出す事のリスク。

今の時代、顔やちょっとしたプライベートで身元がばれる可能性がある。妄想グルメさんように顔を出さないという選択肢もある。それでも十分に視聴数が稼げるのだから顔を出す事が全てではない。

●2.ネガコメに耐えろ。

動画を投稿していると、必ずつきまとうのが批判的なコメントだ。勿論、大半のコメントは良心的なものだが、中には批判的なコメントもある。こういう場合、速やかに削除し、気持ちを切り替える必要がある。

●3.動画投稿は難しくない。

瀬戸さんのように編集するのは素人には難しくても、ザク切りのように繋ぎ合わせた編集だったら誰にでもできる。伊藤さんがパソコンの知識が殆どなかったように、知識が必ずしも全てではない。

●4.何が跳ねるか分からない。

これは難しい問題だが、必ずしも一生懸命に作った動画が視聴数を稼ぐとは限らない。逆に、適当に投稿した物がヒットする可能性もある。本書で伊藤さんは、ヒットした動画に対して(何故、100万回以上再生されているのか分からない)とコメントしている。

●5.毎日投稿する必要はない。

これは救いだった。勿論、毎日投稿すれば視聴数は上がるが、毎日夜中まで編集していたら、それこそ普通の仕事と変わらない。本書の帯にも書かれているように、99%が家庭で1%が仕事。こういう働き方ができるのが、YouTubeの魅力だ。

誰でも投稿できる、それによって収入が得られる。ハードルは少し高いが、それを楽しめたらこっちのもんだ。