51sAxIbncDL

[解説・あらすじ]  監督第2作目のF・A・ロビンソンが、6年の歳月をかけて製作にこぎつけた秀作。レイ役のケビン・コスナーにとっては「さよならゲーム」に続く野球作品への出演。広大なトウモロコシ畑を営むレイは、ささやかながら幸せな日々を送っていた。ある春の日の夕暮れ、彼の人生を一変させる“声”を聞く。「畑をつぶして野球場を作れば、彼が帰ってくる……」
(映画.comより引用。続きはこちらへhttp://eiga.com/movie/25998/

[感想]

名作中の名作という事は聞いていましたが、なかなか鑑賞できずにいた作品です。

野球が苦手なので、避けていたのかもしれません。

でも、鑑賞終えて、もっと早くに観ておきたかった作品でした。

奥が深く、そして鑑賞者を楽しませる演出がされており、

きっと、どなたでも感動、共感、哀愁、郷愁など心に秘めた感情が湧き起こってくると思います。

年代に寄っても其々の思いが湧き起こるのではないでしょうか。

メジャー選手としてプレイすることを永久に奪われたもの、

「出場1、打席0」という経歴の選手、

思い半ばで夢を失ったものたちの無念さに熟年層は共感による苦しさを味わうかもしれませんが、

また、そこには癒しと救いも用意されています。

「造れ、そうすれば彼はやってくる。」

映画では、球界から追われたジョー・ジャクソンの言葉とされていますが、

彼は主人公レイに言います。

「それは、レイ、おまえの心の声だ。」

父とわだかまりのあるまま死別したレイには、無念の思いで生涯を終えた野球選手のために球場を運営しているようで、

実は、自分の無念を癒す行為だったのかもしれません。

そして、ここは天国なのかという父の言葉に、

夢をかなえるところが天国だと気が付くのですね。

農家として田舎暮らしに満足なわけでもないレイにとって、

愛する家族と暮らせる「今、この場での満足」が幸せだと。


しばらく前に加瀬亮の「ありふれた奇跡」というTVドラマで、

取り返しのつかないこと」というセリフが何度も出てきて印象に残っているのですが、

取り返しのつかないこととは、「」なのでしょうね。

戻すことのできない時間とも言えます。

「取り返しのつかない」ことである以上、生きている者がこの場で亡くなった方の思いを受けてがんばって生きて行くことが、恩返しになるのだと思います。

この映画では、そういったシリアスな感情をファンタジーな演出で巧く表現している傑作ですね。

人の力ではどうすることもできない時間というものを、ちょっとCGを借りて演出する。

これが、映画なんですね。

出演者では、晩年の
が素晴らしかった。

彼自身の老いが役柄と重なります。

残念だったこと、無念な思いはあるけれど、それに代わって与えられた人生は素晴らしいものだったという感謝の思いも伝わってくる演技でした。


この映画、深く捉えなくとも否応なしに感動させられます。

100%の思いで努力してきたこと、生涯かけて取り組んできた夢を突然奪われたら・・・。

その無念さに泣ける映画でもあります。

そういった人達への鎮魂歌でもありました。



にほんブログ村 映画備忘録
(ランキングに参加中。クリックして頂けると嬉しいです。)