516b7Whz4nL



[解説・あらすじ] 

1935年イギリス。ある夏の日、タリス家の末娘ブライオニーは、姉セシーリアと使用人の息子ロビー・ターナーの些細ないさかいを目撃し……。ひとりの無垢な少女の嘘によって人生を狂わされてしまった一組のカップルの運命を描く、現代英国文学界を代表するイアン・マキューアンによる傑作小説「贖罪」(新潮社刊)を、「プライドと偏見」のジョー・ライト監督&キーラ・ナイトレイ主演で映画化。
(映画.comより引用。続きはこちらへhttp://eiga.com/movie/53171/

[感想]

本作は大好きな作品で、再び鑑賞しました。

監督が好きなんですね。きっと。

プライドと偏見 」も好きです。

この監督さんのイギリスを舞台にした作品が良いのであって、

最近、ちょっと、あちこちに手を広げ過ぎてるかもしれませんね。

メイキングも今回観ましたが、かなり計算された編集をされていますね。

ランダムに気が付いたことを書きます。

まず、冒頭のシーンでのリズム感。

サクサクと屋敷を歩くブライオニー(シアーシャ・ローナン)の動きとタイプのリズミカルな音。

投入部としては成功してます。引き付けられます。

長まわしで鑑賞者の感情を高めてゆく志向も面白い。

たとえば、ロビーが警察に連行されるシーンで、その彼の姿を見つめるブライオニーのアップは見事だと思います。

少しづつ寄って行き、最後には悪意が浮かぶ瞳だけになる撮り方に、

鑑賞者の感情を恐怖にまで高める十分な時間をかけています。

怖かった。

あー、女の嫉妬は怖い。

子供であっても、あれは嫉妬ですよね。

戦場の長まわしもさることながら、ラブストーリー、ヒューマンドラマに1000人のエキストラと膨大な費用をかける拘りは凄いと思います。

戦争の残酷さだけではなく、国が世界がそして個人の人生が翻弄される様が浮かびあがってきます。

それを描くことによって、ブライオニーの罪の大きさが伝わるのでしょう。

ワンシーンワンシーンに監督の拘りを感じるのですが、

頭の中に残るシーンが幾つもあります。

焼け果てた映画館で、スクリーンにキスシーンが映っているのですが、

それを背景にロビーが嗚咽するシーンは、名シーンじゃないでしょうか。

背景との距離感とかカメラの角度とか十分に計算されているようです。

そして、幸せな頃のロビーがバスタブから見上げた空を飛ぶ一機の軍用機。

これからのロビーの人生を暗示しているようであり、

主演のジェームズ・マカボイの爽やかな笑顔が更に効果を生んでいました。


この作品は「つぐない」なのですね。

ラブストーリーというよりも、そちらに主眼があります。

だから、セシーリアとロビーの物語を悲劇的に画くことによって、ブライオニーの罪の重さ、苦しみの大きさが伝わって来るのですね。

姉とその恋人の末路が幸せなものになるように思えるのですが、

未見の方は意外な展開に驚くかもしれません。

あっ、これがブライオニーの「つぐない」なのだと。

でも、どんなことをしても償える訳はないのしょう。

だから、彼女は苦しみ続けるのです。

晩年の彼女の仕事は、自分を救う為だと思う。

どんな事をしても、二人を救えないのだから。

この辺は、人によって解釈が違ってくるかもしれません。

[何だかんだ]

本作で子供だったブライオニーの目には、実際、どう映っていたのでしょうか?

まったくの虚偽だったのでしょうか。

子供の目には、自分の勝手な想像で違って映ることがあります。

嫉妬による嘘だったとばかりは言えないかも。

後での彼女があれは子供だった自分が見たものだからというセリフは、

言い訳だけではないかもしれない。

自分が子供のころ大失敗したことがあります。

近所の子供を母が預かったのですが、おお泣きして手がつけられません。

私もイライラしていたのか、母がその子の頭を引っ叩いて泣き止ませたように見えたのですよ。(実際、そうなら泣き止む訳がないけど)

それを、そのままその子の母に言ったものだから、母とその友人との間は最悪に。

事実は、頭を叩いたのではなく、ヨシヨシと撫でていたのでした。

子供の目には、妄想が映る時があるんですね。

その後、実際に引っ叩かれたのは私でした。オワリ。



にほんブログ村 映画備忘録
(ランキングに参加中。クリックして頂けると嬉しいです。)