20181217日(月)、福島市アクティブシニアセンター「AOZ(アオウゼ)」大活動室1で、第142回ふくしま復興支援フォーラムを開催しました。澤田精一氏(自治労福島県本部書記長)から、「原発被災自治体職員の実態について」報告を受けてました。
 年末の多忙の時期ですが、市民29人が出席され、熱心な質疑応答がなされました。
 報告のレジュメ、及び
会場で、文書で提出されたご意見・ご感想は以下の通りです。
 参考にしてください。

 

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【レジュメ】

原発被災自治体職員の実態について

 

自治労福島県本部書記長

澤田 精一

 
 自治労福島県本部は、(公財)地方自治総合研究所の協力のもと、原発事故で被災・避難した自治体の職員の生活環境や意識などを明らかにする目的で質問紙調査を201711月に実施しました(第1回調査は2016年春実施)。その結果、住民の生活再建や地域復興の要となるべき役場やその職員の多くが、多忙な業務に加え、家族との二重生活や遠距離通勤など、依然として深刻な状態に置かれ、ストレスを抱えていることがわかりました。加えて第一原発への不安や、復興のあり方への疑問を感じている職員も多く、そのことが仕事の充実感や就労継続意欲に影響していることが想定されます。引き続き、被災者の生活再建と復興のために、事態の改善を求めて参ります。

 

【概要】

原発事故による避難指示は、2017年春に帰還困難区域を除いてほぼ解除されました。役場機能の帰還などに伴って、職員の生活環境や労働環境も変わりつつあります。

自治労福島県本部では、原発事故により被災・避難した10自治体(双葉郡8町村、南相馬市、飯舘村)の職員に対して質問紙調査を実施いたしました。今回は正職員(組合員)だけではなく非常勤職員も含めた2530名に配布し、1664名から調査票を回収いたしました。有効回収率は65.8%です(正職員は75.7%)。それに加えて派遣職員59名からも調査票を回収いたしました(表0-1、表0-2)。

 

【結果のポイント】

避難指示解除後の生活環境:単身・遠距離通勤が続き、元の居住地に戻れる環境にない

 震災前から働いている正職員に現在の居住地について尋ねたところ、85.9%が震災時とは異なる住まいに暮らし、64.1%が家族と分かれて生活しています(南相馬市を除く。図1-1、図1-2)。今後の帰還意向については、最近避難指示が解除された自治体でも元の居住地に戻ることを考えているのは1割に満たず、その他は当面戻らない/他の場所に住む/判断できない、と回答しています(図1-3~図1-5)。

 

②働く上でのストレス:多くの職員が職務上の知識・経験不足や多忙・職員不足を感じる

 働く上でのストレスについて、多くの正職員が職務上の知識・経験不足(82.4%)や多忙・職員不足(78.4%)を感じています(図2-1)。前者は特に25歳以下の95.4%が感じていますが、50歳以下の全てで8割を超えています(図2-2)。定年まで働くつもりの正職員は48.8%で、職員間の支えあい感や仕事の充実感が低いほど定年前退職意向が高いことがわかりました(図2-3~図2-6)。

 

原発事故・復興に対する意識:復興のあり方について多くの職員が疑問を覚えている

 第一原発の現状・将来について74.9%の職員が不安だと思っています。また、66.3%の職員が、復興のあり方について役場内で議論ができておらず(震災前に採用された職員では、72.0%)、64.9%の職員が、住民意見が取り入れられていないと考えています(図3-1~図3-2)。

 





お問い合わせ先】自治労福島県本部(担当:澤田)

電話: 024-523-4324 E mail: syokichou@jichiro-fukushima.or.jp










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【ご意見・ご感想】 

 ★ 「燃え尽きた」という自由記述に胸が詰まされました。「やめなくてもいい」職員がやめてしまうのは、大きな喪失だと思います。燃え尽きてしまう要因を取り除けないものかと思っています。(Y.I

 

 ★ 非常にわかりやすく、数字で示された内容は、役場現場の実態を知る上でもっと早く聞きたかったし、その内容は多くの人に知ってもらいたい。どんなに大変な災害であるか、十分に認識させられた。資料を手渡していただけたら、さらによかった。的をついた調査であったが、一番訴えたかったことは、職員が健康で誇りを持って働けるように調査したということを聞けて、本当にそうだと思った。(T.N

 

 ★ 大変良かったです。質疑応答のみならず、議論ができればと思いますが、ワークショップ形式にしてみる回もあっていいのかなと思いました。(C.I

 

 ★ 市町村職員のご苦労ぶりがよくわかりました。自治体の将来を切り開いていくためにも、職員の頑張りと様々な面でのサポートを必要とするように思いました。(J.M

 

 ★ 任期付職員として支援に入り6年目です。超過勤務の常態化は変わらない状況です。事務の簡素化を提案しています。しかし、本当に県外市外避難者への事務はハンパじゃなく多いです。こういう調査を自治労の職員でも話し合って行くことが大切と思いました。意見を出し合うだけでも、ストレスが減っていくかと思います。(H.O

 

 ★ 震災後予算が3倍になっても、正規職員が増えなければ、業務量が超過して残業が増えるのは当然と思います。厳しい環境のなかで、定年まで耐えられないと5割以上の自治体職員が考えている状況にありながら、一方では復興が順調に進んでいるようにイメージづけられているのが不思議です。(S.S

 

 ★ 自治体職員に焦点をあて、その観点から震災の全体の経過・実体・矛盾を生々しく浮き上がらせるすぐれた調査報告であった。自治体職員は、改めて全過程の矛盾の重圧の集中点になっていたことがよくわかった。(S.I

 

 ★ 被災自治体の職員について、知られていない部分も聞くことができた。職員のやりがい、メンタルヘルスの大切さを感じた。また、住民の方も含め、生活する場の確保も必要と感じた。(J.M

 

 ★ 調査対象の10自治体について、正職員の割合が半分にも満たないこと、その半分以上が震災後に採用されていること、予算や業務量の増に、職員数増が追いついていないこと、住まいの変化の事情や、遠距離通勤の実態・早期退職などに加え、多大なストレスや復興のあり方についての疑問を感じながら業務に当たっていることを知ることができた。職員も一住民であり、生きがいや意欲を持って取り組めるようにするためにも、復興を担う自治体職員のサポートが必要と感じた。(S.Y

 

 ★ 行政職公務員は長時間残業のシバリはどうなっているのでしょうか。現地に公営住宅はないのでしょうか。10年近くもなり、そろそろ将来を確定する頃では?(M.T

 

 ★ 1)#142ふくしま復興支援フォーラム開催して頂き有り難うございます。2)被災地の役所の方のご苦労が、調査解析されていました。大変な状況ですが、良くわかりました。(社協やボランティア間では自治体間の応援体制があり。福山⇔岩沼)。3)自由記述にいたく心が痛みました。広島から、あるいはオールジャパンで復興として、何が応援できるか、議論・検討を深めていった方が良いと思いました。(T.S

 

  <参考資料>

http://jichisoken.jp/archive/02_hisai_jichitai_shokuin_chousa_dai2ji_siryou.pdf


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