2019年1月22日(水)、福島市アクティブシニアセンター「AOZ(アオウゼ)」大活動室1で、第144回ふくしま復興支援フォーラムを開催しました。
小澤真氏(ワーカーズコープ東北事業本部事務局長)と池田道明氏(亘理事業所長)から、「労働者協同組合の復興に向けた取り組み~映画『Workers 被災地に起つ』を中心に」について報告を受けました。
多忙な中、30名の市民が参加し、熱心な質疑応答がなされましたが、レジュメと会場で文書で提出されたご意見・ご感想は以下の通りです。参考にしてください。
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【レジュメ】
「労働者協同組合の復興に向けた取り組み~映画『Workers 被災地に起つ』を中心に」
ワーカーズコープ 東北事業本部
事務局長 小澤 真
亘理事業所長 池田 道明
1 はじめに
(1) 「労働者協同組合(ワーカーズコープ)」とは
働くことをテーマにした協同組合
働くもの全員が出資者であり、一人一票で決定権を持つ
(2) 「協同労働」という働き方
私達の理念、「協同労働の協同組合の原則」
働くもの、利用者・市民、地域を主体者にする事業と運動の展開
(3) 「労働者協同組合法(仮称)」の法制化
欧米では市場経済の一部を担う存在だが、先進国の中で日本だけ法律がない
組織の運営方針や自分たちの働き方も自分たちで決められるということ
(1) 困難を抱えた当事者と“共にはたらく”
東京や仙台でアルコールや精神障害といった困難を抱えた仲間の奮闘
(2) 市民自治を広げる中で、市民が主体となったワーカーズコープができる
広島版協同労働プラットホームや千葉県佐倉市中志津自治会の取り組み
(3) 「少子高齢化」や「人口減少社会」の中で、新しい協同性を取り戻す
宮城県登米市東和町(旧鱒渕村で起こっていること)
3 東北復興本部とは
(1) 活動の概要
震災後、岩手県、宮城県の6つの地域で被災にあった当事者と共に仕事をおこす
震災後に「どう生きるか」を考え、自らの内的衝動に突き動かされる人たち
(2) 映画「Workers 被災地に起つ」
岩手県大槌町、宮城県登米市、亘理町を中心に撮影したドキュメンタリー映画
今年の2月22日~28日 フォーラム福島で上映
4 亘理事業所の取り組み(池田所長から)
(1) 映画の一部を視聴
宮城県亘理町のシーン(12分程度)
(2) 自己紹介
震災からワーカーズコープとの出会い
(3) 「亘理事業所ともに はま道」とは
事業概要、ともに働く仲間たちのこと
地域づくり、「みんなの居場所」づくり
5 おわりに
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【ご意見・ご感想】
★ 緊急雇用事業がなくなったあと、仲間をやめさせないという強い気持ちで、亘理事業所を再建したというお話に感銘を受けました。「自分事」として考えることが、本当に大切なことだと思います。(H.S)
★ 出資者で、労働者で、経営者ってややこしい気がします。そういう型で利益を出すのは難しいかなと思います。皆が、一生懸命働くとは限らないし、収入をどのように分配するかも・・・。けれどもうまく成り立つとすれば、とても理想的な感じがします。少なくとも、ブラックではないと思います。(S.S)
★ 「ワーカースコープ」の活動原理(経営原理)について、学ばせていただきました。今後の法制化への道すじ、実現に向けて、最大の努力をご期待申し上げます。(K.F)
★ 一般企業、社団法人でも勤務経験しかない自分としては、このような経営形態の在り方、成り立ち方が、いまひとつ、すぐには理解できないが、成功事例として、再度、一から学びたいと感じた。(S.S)
★ 「ありがとう、ごめんなさい、あいしています」この言葉の持つ力を改めて知った。心を打たれた。人が成長していくことをうながしていくー人が人の鏡であることを、私たちのボランティアでも話し合ってみたい。亘理の話は、地域の活動に生かせる話だった。(T.N)
★ 社会全体が市場原理に刈り取られようとしている中で、公共サービスではない共助の事業を展開する場合、生活者の要求や必要をどう把握するかが、重要ではないかと思った次第、それはどう取組んでいるのだろうか。(H.S)
★ 今、まさに場づくりに取り組もうとしています。たくさんのヒントと気づきをいただきました。映画も楽しみにしています。一緒に取り組んでいる人々と観て、活動に取り組んでいきたいと思います。(H.S)
★ #144回ふくしま復興支援フォーラムを開催して頂き有り難うございます。私職の経験=一般企業と異なる「協同労働の協同組合(ワーカーズコープ)」という働き方・組織がある事を今日、勉強させていただきました。更に労働基準法とは異なる「労働者協同組合法」の法制化が進められている事を始めて知りました。有り難うございました。(T.S)
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