鉄模研究室

マイコンボードのArduinoで踏切遮断機や腕木信号機を動かそう

3000円の投資と、脳トレのように文字と数字を書き換えるだけで、鉄道模型はいまの100倍楽しくなる!

ネットを検索しても、専門誌を探してみても灯式信号機の寸法がわかりませんでした。たぶん、自分の普段からの情報収集に問題があるのだと思います。

なので、灯式信号機を設計するにあたり、東武鉄道博物館に行って実測してきました。東武鉄道博物館は、東武スカイツリーラインの東向島駅を降りてすぐなので、東京在住者としてはとても利用しやすいです。

東武鉄道博物館:

http://www.tobu.co.jp/museum/about/

<灯式信号機の各部の寸法>

 灯式信号機の高さはさまざまです。そこで基本となる灯箱、信号灯、信号板、支柱、ハシゴなどの寸法を中心に測ってきました。博物館に展示されているのは5灯式と4灯式でしたが、2灯式や3灯式の寸法はここから警報灯の数を差し引けばいいように思います。

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東武鉄道博物館に展示されている灯式信号機

信号板の寸法

正面の寸法。4灯式なので長さ1210㎜と長い。信号灯の直径は200㎜なので、80分の1にすると2.5㎜。ちょうど、細密パイプにチップLEDを入れれるサイズだ。

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4灯式(右)をヨコから見た

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ヒサシは近くで見ると結構大きい

ヒサシ

ヒサシの長さは200㎜。ちょうど信号灯の半分が隠れる感じ

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4灯式を後ろから見た写真。灯箱がよくわかる

灯箱と警報板

灯箱の各部分の寸法。下部の直径110㎜のパイプ部分から電線を引き出す

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支柱への取り付け部分

取り付けパイプ

パイプの寸法

取り付けパイプ支柱部分

取り付け部分の寸法

ハシゴと支柱

支柱、ハシゴの寸法。ハシゴの作り方が問題

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コンクリートの基礎と支柱の取り付け部分

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灯式信号機の尖塔


<リレーをポイントに使ってみよう>

ポイントの鬼門といえばトングレールではないでしょか。ポイントを切り替えるたびに、しっかりレールに密着しないと集電不良がおきてしまいます。とくにハンドスパイクでポイントを自作した場合、必ずと言っていいほど頭を悩ませる問題です。

集電不良は目に見えないので、イイ感じに走っている車両がポイントの上で突然止まったり、引き込み線から出発しようと思ったら動かなくなったり、結構イラッとします。

 そこで、リレーを使いトングレールに直接電流を流したらどうでしょうか。この方法ならレールの密着度に多少問題があっても集電不良をなくせます。

 仕組みは、本線の2本のレールとトングレールをリレーで結び、ポイントの切り替えに合わせてリレーの接点を切り替え、本線の電流をトングレールにも流す方法です。

ポイント
無題

コイルをON/OFFすることでトングレールに流れる電流を切り替える

ポイントの切り替えに合わせてリレーを動かす方法は、前回のリレーをポイントに使おう①で紹介したようにArduinoを利用する方法もありますが、ONOFFスイッチを付けて手動で切り替えることもできます。

作例のリレーは5V用ですが、3V9V用も市販されているので、マイコンを使わず電池で動かすこともできます。ただし、リレーのサイズによっては、前回のリレーをポイントに使おう①で紹介したように、ブレッドボードに端子をさせないこともあります。配線は次のようになります。

 

リレーとポイント

走行中の車両をいったん停止させてポイントを切り替え、次にONOFFスイッチを分岐の方向に合わせて切り替え、トングレールに電流を流す

 

 <リレーを使うときに気をつけたいこと>

リレーはコイルに電流を流し、電気磁石でスイッチをONOFFするだけの単純な構造なのですが、そのまま使用すると不安定な動きをしたり、動かなかったりすることがあります。これは2“逆起電流”によるものです。配線はあっているのになぜか動かない、ということにもなりかねません。

そこで、リレーを使用するときには、汎用整流ダイオードをコイルの端子につなげておきます。写真の1N4001110円です。

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汎用整流ダイオードの1N4001

1N4001の配線は、帯のある方を+側、そうでない方を-側にしてコイル端子につなげます。汎用整流ダイオードを記号で書くと、次のようになります。右が+側で、左が-マイナス側で、電流は右から左に流れ、左から右には流れません。

ダイオード

<ポイントとトングレールの関係>

ポイントに電流がどのように流れるか考えてみました。フィーダーとギャップの関係もありますが、とりあえず、軽便祭に出展したレイアウトセクション(HOナローセクションをつくる①~③)を前提にしてみようと思います。線路配置は右側分岐のポイントを2つ接続させ、本線に対して引き込み線を2つ設け、フィーダーを左端側の本線側に取りました。

左から右に進行するとして、考えられるトングレールの位置は3つあります。①本線に対して、2つのポイントが引き込み線側にある、②1つのポイントが引き込み線側にある、③ともに引き込み線側にない、です。レールに流れる電流は次の図のようになります。

ポイント1

本線に対しトングレールが2つとも引き込み線側にある


ポイント2

本線に対しトングレールが1つだけ引き込み線側にある

ポイント3

本線に対しトングレールが2つとも引き込み線側にない

いずれも、+の赤と-の青がトングレールを介して接触してしまうと、ショートして車両は止まってしまいます。一方、トングレールに赤か青の電流が流れていないと、今度は接触不良でポイントの上で車両は止まってしまいます。

このように分岐の方向でトングレールに流れる+と-は変わるので、リレーを使って配線する場合は、必ず進行方向と同じように配線する必要があります。

ちなみに、ArduinoBlinkのスケッチを使うとdigitalWrite(出力)HIGHLOWの組み合わせで、リレーを介して1秒間隔で2つのLEDを点灯させられます。

これを応用すれば、分岐方向に合わせて2灯式信号機を点灯させられます。自作される方もいらっしゃると思うので、次回は2灯式信号機を紹介します。



リレーは古くからある電気部品のひとつで、鉄道模型が“電関”と呼ばれていたころにも、接触式の信号機などに利用されていました。

構造は、いたって簡単です。コイルに電流を流すと電磁石になったコイルが、スイッチになる金属片を引き付け、2つの接点をつなぎONにします。電流を切れば元に戻りOFFになります。コイルに流す電流と、接点に流す電流はまったく別の回路になるので、小さな電圧で大きな電圧をON/OFFできます。

リレーは仕組みこそ単純ですが、鉄道模型に使うと、ポイントの集電不良解消や、信号機、光センサーなどと組み合わせて使え便利です。

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1回路1接点リレーの断面

 

<リレーの種類>

コイルに供給する電圧によりリレーは3V4.5V5V9V12V24V用などが市販されています。鉄道模型で使うのは主に3V5Vですが、Arduinoで制御するなら5Vが最適です。

また、種類はスイッチになる接点数と回路でもわかれています。2つの回路のON/OFFを切り替えられる2回路2接点”と、1つの回路のON/OFFを切り替える“1回路1接点があります。

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1回路1接点のリレー

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1回路1接点のリレー裏側

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2回路2接点のリレー

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2回路2接点のリレー裏側

サイズは、写真の5Vタイプで、1回路1接点はタテ7.6×ヨコ12.6×高さ10㎜(ピン含まず)。2回路2接点は、タテ9.8×ヨコ20.2mm×高さ11.9(ピン含まず)です。

2回路2接点と、1回路1接点のどちらを使うか>

ON/OFFスイッチの代わりに使うのなら、サイズの小さな1回路1接点で十分なのですが、ひとつだけ大きな問題があります。それは1回路1接点のリレーはブレッドボードにさして使えないのです。

リレーは互いの端子に同じ電流が流れないよう、切り離して使わなければならないのですが、1回路1接点のリレーは幅が狭いため、ブレッドボードの中央のミゾをまたげないのです。

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1回路1接点は幅が狭いので、ブレッドボードの中央を跨げない

ブレッドボードではなく、ユニバーサル基板にハンダづけして回路を作るのなら、このリレーのほうがコンパクトでいいのですが、ブレッドボードで使用するなら2回路2接点を使うしかありません。

では、2回路2接点リレーの構造について説明します。

写真のように、端子にはそれぞれ番号がついています。

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これを図にしたのが写真右上です。端子番号は同じです。この図を基に、コイルに電流を流したときに各端子がどうつながるのか、を示したのが下の図になります。

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コイルに電流を流さない状態だと、端子の461311がつながっています。これに対しコイルに5Vを流すと、48139の端子がつながり、別の回路になります。

 <実際に動かしてみよう>

リレーというのがナニモノなのかわかったので、今度は実際にArduinoにつなぎ動かしてみましょう。前述のように1回路1接点は幅が狭く、ブレッドボード向きではないので、2回路2接点のリレーを使うことにします。

実験ではリレーの468の端子を使いLEDを点灯させてみたいと思います。スケッチはLEDを点滅させてみよう」など、このブログで何度も登場しているBlinkです。

Blink Arduino13ピンから5V1秒(1000mm秒)間隔で出力します。コイルにつなげば1秒間隔で4648それぞれに切り替わることになります。

スケッチは、IDEのファイルからスケッチ例をクリックし、01.BasicsからBlinkを選んでArduinoに書き込みます。初めての方は「LEDを点滅させよう」を参考にしてください。

 

LEDを交互に点灯させる>

回路はArduino13ピンをコイル端子16につなぎ、同じくArduinoGNDピンにコイル端子1をつなぎます。そして、別に用意した5V電源(スイッチングACアダプター)の+を端子4につなぎます。

2つあるLEDは、それぞれ+側(アノード側)を端子6もしくは端子8につなげ、-(カソード)側は1㏀のカーボン抵抗を経由させ、15V電源の-に接続します。

一般にLEDは足の長い方がアノードになっていることが多いようですが、たまに違うこともあるので、最初に+-があっているか確認した方がいいと思います。


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LEDを交互に点灯させる回路

 

Blinkのスケッチを書き込んでから耳を澄ますと、“カチッ”“カチッ”とリレーが切り替わる小さな音が聞こえ、同時にLEDが交互に点灯するはずです。ちなみに、delay(1000); delay(2000);に書き換えると、2秒間隔でLEDの点灯が切り替わります。

 

Blinkのスケッチのこと>

リレーを動かすBlinkのスケッチについて、少しだけ説明します。『Arduinoで楽しむ鉄道模型』でも同様のやり方で紹介しています。

マイコンと聞くと、突然ハードルが上がるように思ってしまいそうですが、ただの自動ON/OFFスイッチなので、動き方をさえ教えてしまえばカンタンです。とはいえ、ただの半導体なので、自ら考えることはできません。そこで、どのようなコトをしなければならないのか、手取り足取り言葉で命令する必要があります。

たとえば、人が乾電池にムギ球をつなげて点灯させるのはカンタンですが、同じことマイコンにさせようとすると、まずムギ球の電線をどこと、どこにつなぐのか、つないだ電線をどうするのか、電流を流すにはどうするのか・・・・と、当たり前のことと一つひとつ命令し、覚えこませなければなりません。

Blinkのスケッチはそんな命令文です。どんな命令なのか、私なりの解釈で右側に書きました。なお、スケッチのなかの(LED_BUILTIN, OUTPUT);13ピンは同じ意味です。

あわせて「LEDを点滅させよう」をご覧いただくと、わかりやすいかもしれません。

 

voidsetup() {             //以下のようにセットアップ(準備)しろ

  pinMode(LED_BUILTIN,OUTPUT); //出力するピンは13ピンだ

}

voidloop() {             //以下の動作をくり返せ

  digitalWrite(LED_BUILTIN, HIGH);  //13ピンから出力しろ(電流を流せ)

  delay(1000);                       //1秒間(1000)そのままの状態にしろ 

  digitalWrite(LED_BUILTIN, LOW);  //13ピンの出力をやめろ

  delay(1000);                        //1秒間(1000)そのままの状態にしろ

}

 

これで1秒間隔に電流を流すようになります。

5Vの電流(+)を1秒間隔で13ピンから出力するので、13ピンをリレーの一方のコイル端子につなぎ、もう一方のコイル端子をGND(-)につなげればいいわけです。

 


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