2006年03月

2006年03月29日

BMW1シリーズドア板金2

チョッとパニクってます。
1シリーズのドア修理、納車は終わってますが、ブログ更新遅れてます。

前日に塗ったサフェーサーを慎重に磨ぎます。
このサフェーサー自体、結構な膜厚が有りますので、少し位の歪であれば修正する事も可能です。
ただし膜厚が厚い分、いい加減な磨ぎ方をしていると、すかしてみた場合歪が有るように見えたりします。
画像はサフェーサーを磨ぎ終わり、ドア1枚を足付け(塗装を密着させる為に、細やかなキズを付けていく作業で#1200〜#1500の足付けペーパーで行います)を終えた所です。
良く見ると、サフェーサーの中心付近に、少し色の違う部分が見えると思いますが、これはサフェーサーを数回に分けて塗り重ねた時の、塗装の層です。
言い換えると、まだこれだけの微妙な歪が残っていたと言う事です。

1シリーズドア9







シルバーの塗装。
塗装を経験された方でしたらお解かりでしょうが、個人的にも一番難しい塗装です。
シルバーを完璧に塗れる職人は一人前だと思います。
私は今まで数知れない程、シルバーの塗装をこなしてきましたが、未だに100点満点の仕上がりに辿り着けません。。。
逆に言えば、「シルバーの塗装なんて簡単だよ!」と言う職人が居たとしたら、技量を疑ってしまいます。
なぜシルバーの塗装が難しいのか。
それについては、また別の機会に説明いたします。

塗装範囲は何とかドア1枚の塗装で済みました。
今回のようなパターンの場合、後ろのドアまでボカシたくなるのが塗装屋さんの正直な気持ちです。
しかしやはり車の事を考えた場合、出来る事ならボカシたく無い。というのもまた真実です。
一見綺麗に塗れているように見えても、マスキングを剥がして確認するまで安心は出来ません。
今回のシルバー塗装、自己採点で90点。
まだまだ修行が足りませんね。。。

あっ、勿論オーナーさんからクレームが付くような仕上がりでは無いですよ!(笑)
あくまでも塗った本人、もしくわ目の肥えた塗装職人さんにしか判らない範疇だと思います。(笑)

1シリーズドア10

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2006年03月23日

BMW1シリーズドア板金

先日音を出さない板金をご紹介しましたが、説明するのに丁度良いサンプルが入庫しましたのでご紹介します。
ドアに大きな凹みが有ります。
40センチ四方くらいの大きな凹みです。
実際には、見た目の割りに、割と簡単な修理です。
説明するのには、丁度良かったので採用しました。


1シリーズドア
1シリーズドア2







経験の有る方もいらっしゃるでしょうが、裏側からボコッと押し出せば直りそうでしょ?
でも実際にやってみると、7〜8割は元の形に戻りますが、変な歪があちこちに残ってしまいますよね。
実際に板金屋さんも同じやり方で直してました、そして残った歪を当て板とハンマーでトンテンカンとやって歪を直していくのです。今までは。。。(笑)
音の出ない板金で直す場合、少し違います。
勿論ハンマーや当て板は使いません!この程度の修理であれば。。。
使う道具はこれです。



1シリーズドア7


ご存知の方もおいででしょうが、デントリペアの道具です。
これを使い、裏側からある法則に則り、慎重に丁寧に鉄板の弾力を利用して押し出していきます。






そうしているうちに、ボコッという音と共に飛び出てきました。ホッ。。。(笑)


1シリーズドア5
1シリーズドア6








それでも僅かながら歪が残ってしまいました。
デントリペアの本当のプロフェッショナルの方は、残った歪も全て直してしまわれます。
デントに関しては、私はまだまだ未熟です。
ですのでこうなりました。
塗装膜を、パテと想定して歪を抜いてみました。
塗装に模様が入ったように見えますが、これだけの歪が残っていたわけです。
幸いにも、パテは使わずに済みそうです。

1シリーズドア8







今回の場合、凹み自体が単純でしたので、比較的簡単に修理できましたが、もっと複雑な形状の損傷の場合でも、考え方は同じです。
この後サフェーサーを塗りました。
今日の作業でしたので、まだ塗装まで辿り着いていませんが、塗り終わったらまたご紹介します。


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BMW3シリーズ事故修理

ここからは交換作業になります。
本来は1枚の連続したパネルをカットして切り継ぐ訳ですので、強度的に不安が残ります。
その対策はこれです。
切り取って廃棄する部分を、補強材として利用します。
メーカーの指定で、片側に2センチずつ、合計で4センチの補強材を切り出し、ボディー側に取り付けた所です。
これと同じ事を、フロントピラーの切り継ぎ箇所にも施します。
この事によって、ボディーの強度は、交換前と同等に保たれると思います。

E46-20







溶接作業が終了しました。
基本的に、オリジナルの状態がスポット溶接されている場所は、スポット溶接で対応します。
切り継ぎ箇所や、工程上スポット溶接が不可能な箇所などは、MAG溶接での対応です。
話は逸れますが、一般的に自動車のパネルを接合する場合、スポット溶接、MAG溶接、リベット止めなど有りますが、溶接部の強度的にはどれが強いと思いますか?
質問すると、大よその方は、MAGと答えられます。
イメージではMAG溶接が強そうに感じますよね。
しかし答えは。
MAG<スポット<リベットの順で、なんとMAGが最も強度が低いのです。
理由は幾つか有りますが、大きな理由の一つに、またまた登場しますが 熱 が挙げられます。
リベットが一番強いのは、熱が殆ど加わらないからなんです。(実際には摩擦熱が発生しますが、鉄を溶かす溶接と比べると、微々たるものです。)
これで板金作業は終了です。


E46-21








これからは、塗装工程になります。
先ずは切り継ぎ箇所を、パテにより修正します。
この部分、どうしても溶接時の熱により、多少の歪が発生します。
勿論出来る限り、温度を上げないように、飛び飛びで溶接してますが、止むを得ません。
最近では、この切り継ぎ箇所の接合に、接着剤を用いる場合も有りますが、今回の場合この部分がフレームの一部の役割を担ってますので、見送りました。
パテを使用すると言っても、その量はごく少量(自分ではそう思ってます。(笑))で、最も厚く付いている所でも、2ミリ位ではないでしょうか?
画像は、パテ修正終了後、サフェーサーを塗った所です。
今回は、車体の下地色に近い色のサフェーサーを塗ってみました。


E46-22


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2006年03月17日

BMW3シリーズ事故修理

E46-16







修理内容としては、ドアの交換、フロントフェンダーの交換、サイドステップ及びサイドシルパネルの交換になります。
今回ご紹介する内容は、あくまでも私的見解でこのやり方がベストだと考えた物で、他にも違ったやり方が有るかも知れません。
板金作業では、パネルの交換の有無にかかわらず、荒だしと呼ばれる作業が必要になります。
この画像は、捨ててしまうドアを利用して、ドアヒンジ(ちょうつがい)の部分を引き出す(元の位置と近いラインに引き戻す)作業をしている所です。


E46-17







その結果、ずれていたドアの立て付けもこのように戻りました。
この作業、フレーム修正機の上で行ってますが、修正機自体は常磐のような物、寸法を測ったり、引き作業によって車体が歪んだりずれたりするのを防ぐ為、しっかりと車体を固定する装置だと思って下さい。
実際に損傷箇所や曲がってしまったフレームなどを引き戻すには、黄色い装置が1枚目の画像に写っていると思いますが、油圧で作動する機械で、判り易く言えばウィンチのような物です。およそ10トンの引き能力を持っています。

E46-18








ドアの引き作業が終了したら、他の損傷箇所に移ります。
今回は鉄板を溶接して引き出してみました。
このように粗だし作業を進めていく事で、元の状態近付けていきます。
どうせ交換してしまう場所を修理してどうするの?とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、実はこの作業が一番重要だと考えます。
ここをいい加減にやってしまうと、新品パーツがうまく取り付ける事が出来ないといった事も起こり得ると思います。
画像を撮り忘れてしまいましたが、実際にはこの後もう一枚中に隠れているパーツの引き出し作業をやっています。


E46-19








いままでやって来た粗だし作業ですが、この部分の寸法と形状を正しい形に戻す為の作業でした。
新品パネルは、この部分と溶接によって接合する訳で、きっちりとした粗だし作業をしていないと、新品のパーツに合う様にこの部分をハンマーなどで叩いたり延ばしたりする必要が出てきます。余り車にとっても良い作業とは思いません。
今回は、殆ど手を加える事無く新品パーツもぴったりと合いました。


実は昨日同じような内容の原稿をアップしましたが、出来ませんでした。
もう少し先の工程まで欲張って書いてしまい、重たくなったのが原因でしょうか?
おまけに1時間以上掛けて書いた内容も、見事に消滅。。。(涙)
ですので、今日はここまで。

つづきは後日。



tmfactory1005 at 20:23|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)板金 | 板金

2006年03月14日

BMW3シリーズ事故修理

ボディー剛性と言えば、とにかくドイツ車○、日本車×という印象が有りますよね。
前の紹介でも片鱗はお解かり頂けると思いますが、確かにドイツ車は強そうな造りしています。
では本当に、国産車は×なのでしょうか?

E46-13







これは、以前別の修理で使ったパーツの残骸です。
国産車日産フーガのフロントピラーです。
今回修理した、BMWのフロントピラーと同じような形体のパーツです。
表から見る限り、余り違いを感じません。
ではこのパーツ、裏側を見て見ましょう。

E46-14







見難い画像ですみません。
赤枠で囲った部分を斜め上から撮ってみました。

E46-15







BMWのフロントピラーより頑丈そうな補強が入ってます。
しかも赤枠の部分は、パネルが2枚合わせになっています。
この部分だけ見ても、遥かにこちらの方が強そうです。
マイクロ鋼、DP鋼、TRIP鋼、CP鋼、MS鋼、ボロン鋼。
これは鋼材の名称です。
全てハイテンションスチールと呼ばれる物です。
詳しく話すと限が無いので、違いだけをお話します。
これらは全て強度が違います。右に行くほど強い鋼材になります。
強度は引っ張った時、伸びたり千切れたりするのにどれだけの力まで耐えれるか、その時の力で表しますが、同じハイテン同士でも、強度には3倍の差が有る物まで存在します。
自動車メーカーは、外部にどの部分にどの鋼材を使用しているのか公表しません。
しかし、実作業をしてみると、強い鋼材を使用してある部分は簡単に判ります。
パネルを分解する時に、ドリルやエアソー(鉄のこを、エアーの力で動かすもの)を使用しますが、CP鋼以上の強度のパネル、文字通り刃が裁ちません。
ドリルで削ろうとしても全く削れません、微かにキズが入る程度です。
エアーソーで切断しようとしても、のこ刃が真っ赤に焼けるだけで、これもキズが入るだけ。
勿論対策済みの工具も出ていますが、値段がとんでもなく高い!!
ちなみにドリルの歯1本で¥15000!!
しかも使い方を誤ると、簡単に折れてしまう代物。一箇所も削らないうちに・・・と言う話も十分有り得ます。(涙)
話がだいぶ逸れましたが、日産フーガ。
まさしくそれらの鋼材を使って有りました。。。
今回のBMWは、CP鋼以下の強度の鋼材だと思われます。
というか、このBMWの設計当時はCP鋼以上は使えなかったと言う方が正しいかもしれません、加工技術やコスト面などがそうです。
ですのでボディー剛性についても、フーガの方が上だと考えるのが当たり前だと思うのですが・・・。
自動車評論家の先生方が仰られるボディー剛性は、私が思うに剛性感だと思います。
自動車は色んなパーツの寄せ集めです、各部品のバランスによって、剛性感も変ってくるのではないでしょうか?

BMWの名誉の為に付け加えておきますが、今回修理しているのは先代の3シリーズです、現行の3シリーズ(E90)であれば、フーガと比べてもそう大きな違いは無い物と思います。(あくまでも想像ですので)

寄り道はここまでです、次回は修理の模様をお伝えします。


tmfactory1005 at 20:47|この記事のURLComments(14)TrackBack(0)板金 | 板金

2006年03月13日

BMW3シリーズ事故修理

良く雑誌などで、ボディー剛性などと言う言葉を耳にします。
BMWなどは、どの記事を見てもいい評価が目立ちます。
建築中の家などを見ると、大きな柱を補強するように、何本もの筋交いなどを入れてますよね。車の場合も基本的に同じ考えです。
沢山のパネルを組み合わせて、補強し合い一台の車を構成してます。
その補強が効率的に頑丈に行われているボディーが剛性が高いと言われるやつです。

E46-12







これは損傷していた箇所を、切り空けた所の画像です。
中身はこのようになってます。
内側も幾つかのパネルで補強されているのが判ると思います。


E46-9








切り取った部分に新しく取り付ける新品のパネルです。
このような状態でメーカーから送られてきます。
一見一枚のパネルに見えますよね?
では裏側を見て見ましょう。




E46-10







こちらも沢山の補強が入ってます。
印を付けるのを忘れましたが、緑のテープがチラッと見える所が有ります、今回はこの部分でパネルをカットして使います。
理由は色々有りますが、先ずこの部分はパネルの補強がされていない事(1枚パネル)他の部位を注文した場合、やはり同じ場所で切り繋ぐようになっている事、写真のようなパネルの部分で切り繋ぐ為には、フロントガラスやインパネまで外す必要が有る事、そして今回の場合、車に対してこの部分での切り繋ぎ交換が一番適切だと判断できた事などなど。


E46-11







各パネル同士は、殆どの場合スポット溶接で接合されています。住宅で言えばクギみたいなものです。
その溶接を外すには、画像のように特別なドリルで削って剥がしていきます。
チューニングカーの話で、スポット増しなどと言う言葉を聞かれた方もいらっしゃると思いますが、この溶接点の数(クギの本数)を増やす事で、ボディー剛性を上げようという考え方です。
ただ物には限度が有り、溶接点の間隔は2センチ以上と言われてます。
どうです?この画像を見る限り、結構沢山溶接して有るでしょ。
ここもボディー剛性が高いと感じさせるポイントの一つです。

ボディー剛性に関する話、まだまだ続きます。

が。。。

また後日。(笑)

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2006年03月08日

BMW3シリーズ事故修理

今日は、「BMWは何故高いの?」について書いてみます。
理由は沢山有るでしょうが、板金屋さんから見た「おぉぉ、金掛かってるぅ〜」的部分です。
E46-6








まずこれは、フロントのフロアカーペットを捲った所です。
外観は只のジュータンのように見えますが、ウレタンの整形物で出来ています。
さらにその下にも発泡スチロールですが、防音材が入れてあります。


E46-7









そのウレタンですが、こんなに厚みが有ります。
まあ別に特別凝った造りでは有りませんが、国産車で同じような事をしてあるのは、400万クラス以上の車です。


E46-8








そしてこれはアクセルペダル。
最近でこそ珍しく有りませんが、先代のモデルとして見るとやはり金掛かってます。
感がいい方は判られるでしょうが、アクセルワイヤーでは無く、配線のカプラーが見えますよね。
俗に言うフライバイワイヤーです。
今回紹介したことは、色々有る中の本の一部です。
BMWだけに限った事では有りません、ベンツも同じような事やってます。
色んな発見をする度に、ここまでやって有るんだったらあの価格設定も仕方ないかな、と思います。




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2006年03月04日

BMW3シリーズ事故

BMWの3シリーズ。
良く出来た車だと思います。
今回は、この車の修理の模様と共に、先日お話したハイテンについても書いてみたいと思ってます。
それ以外にも、「BMWって、車格の割には高いよなぁ〜」って思う方もいらっしゃると思うので、その辺に付いても少し書いてみます。
先ずは事故の状況から。。。
E46-1







E46-2







E46-4







こんな感じです。
フロントピラーの付け根付近が激しく損傷してます。
安全ボディーが発展する前の車だったら、こんな物では無かったと思います。
それと同時に、この車が最新型の3シリーズ(E90)だったら、見た目の派手さはもっと少なかったかも知れません。
安全に対する技術、言い換えればハイテンの進歩は日進月歩なんです。


付け根の損傷で、こんな感じでドアがきちんと閉まりません。
ボディーが硬い分、シッカリとした固定をしなければ修理が出来ません。
フレーム修正機でガッチリとボディーを固定しました。
E46-3







つづきは後日。


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2006年03月02日

ポルシェ

91年式のMyポルシェ。
俗に言う964の前期型と後期型のミックスみたいな車です。
まずお決まりのミラーは、後期のターボミラーです。
リヤシートも後期のボタン式解除型。
リヤサスのアッパーマウント形状も後期タイプ。
しかしエアバックは装備されてません。
これは前期に準じてます。
そして今回のブレーキは???
TMポル4







悲しい事に前期型と同じ、2ポットタイプです。
リヤの4ポットキャリパーは、一見964のフロントと同じに見えます。
しかし実際はピストンの大きさが違いますので流用できません。
正確には、取り付ける事は出来ますが、やらない方がいいと思います。
よく言われるのが、ペダルタッチの変化。
ストロークが大きくなるみたいです。
そしてもう一つ、ABSの効きが悪くなるそうです。
言葉で表すと、正規の時はABS効かせると「ガガガガッ」という感じで効きますが、ピストン径の大きなキャリパー付けると、「ガーーガーーガーーッ」と言う感じ。
幸い928のキャリパーは、964のリヤと全く同じでした。

TMポル6







フロントはこんな感じです。
これで多少はホイルとの隙間(笑)も少なくなって、見た目も良くなったと思います。
そして肝心の効き具合ですが。
二重丸です。
フルブレーキだとサーキットでも無い限り余り大きな差は無いかもしれません。
しかしそこへ達するまでの感じがイイ感じなんです。
よりいっそうリニア度が増した様な感じ。。。
う〜ん言葉にするのは難しいですね。
まぁいいか、単なる自己満足ですので。(笑)


TMポル5