November 02, 2009

いよいよ

d776eafa.JPG11/2 今日は寒いですね〜、まあ11月ですもんね。

写真のトリプル・J仕様のカスタムPBも、もうすぐ完成出来そうですのでもう暫くお待ち下さいね。

ところで、この2フロント・1リヤーのトリプル仕様のサウンドは多くの方が非常に想像しづらいかと思われます。

簡単に音作りに関してお話ししておきますと、本来JBではフロントとリヤーがパラレル・ハンバッカー構成ですから双方の磁極性は逆層同士で、ギターで言えばハンバッキングPUの2つのシングルPUが離れてロケーションされているのです。別な言い方をすればJBもPBもワン・ハンバッカーの楽器なのです。(PBは1、2弦:3、4弦との2シングルのシリーズ・ハンバッカー構造)

ちなみにワタクシがPJ仕様でベースを現在作っていないのはPJの組み合わせの場合、上記の説明でお分かり頂けると思いますが、フロントのPBのピックアップは正層+逆層のパラレル・ハンバッカーPUですから、リヤーのJ・PUとはどちらかが同層のハーフトーン・サウンドで片方が逆層ペアのパラレル・ハンバッカーですから逆層側がパワーがあり片側はパワー落ちしたアンバランスなパワー・バランスで鳴る事に鳴ってしまうのです。ですから仮にあえてPJで設定する場合は1、2弦側を同極層/ハーフトーン・サウンド、3、4弦側を逆層組み合わせのパワーが得られる組み合わせで作る事になりますね。
この組み合わせにしますとスラップした場合、1、2弦がパワーカットされたハーフトーン・サウンドで鳴りますから音量的に味付け的なスラップ・サウンドには割とマッチ出来ます。

話をトリプルJに戻しますが、この設定では2つのフロントPUはリヤーに対して逆極層のPUが2つ設定されています。トリプル・J設定のフロント位置は通常のJB/フロントのロケーションよりひとつ手前のウオームなトーン・ポジションで拾わせてあり、センターPU位置は通常のJB/フロントよりひとつ後方のブライト・トーンが得られる位置で拾わせています。これをそれぞれのヴォリューム操作で音量を変える事で通常のJBでは得られないサウンドメイクが可能になっているのです。

通常JBより、よりウオームな重厚さが欲しければセンターPUのヴォリュームを絞ってフロント+リヤーで鳴らせば得られますし、よりブライトなJBサウンドが欲しければフロント・ヴォリュームを絞ってセンター+リヤーで鳴らせば良いのです。更にその状態でOFFにしたPUのヴォリュームを微妙に上げてブレンドしてやると独特なトーン変化も得られます。
またフロントの2つのPUは同極層ですから仮にリヤーを絞ってフロント2つだけで鳴らせばストラトのハーフトーンの様なパワーカットされた独特のハーフトーン・サウンドが得られ、そこにリヤーをミックスすれば、リヤーは2つのフロントそれぞれに対してハンバッカー作用で交わります。そのリヤーのヴォリューム・ミックス加減でも勿論表情は変化して行きます。
この3つのピックアップのヴォリューム・バランスの組み合わせで様々なトーンやパワー感の違いに依る多彩なサウンド・メイクが可能だと言う事です。

また、ベーシストの中には既にお気付きの方もいらっしゃると思いますが、オリジナルなJBサウンドとはトーン自体が割と暗いんですね。ヴォリューム・バランスをリヤーに振る事で固目のサウンドは作れるのですが楽器本体でのブライトなトーンは作れないんです。これは元々がシングル2つを離れた位置に設定したハンバッカー構成だからです。
ハンバッカー構成はハイを打ち消し合ってノイズキャンセルする代わりにハイ落ちするのです。その結果ブライトなトーンが作りにくく鼻つまみなトーンとなるのです。でもそれがJB自体のトーン・キャラなんですけどね。
今回はオーソドックスなJBの所有者は沢山世の中にいらっしゃいますので、通常のJBでは決してサウンド・メイク出来ないサウンドを提供する為にこのような2フロント・1リヤー構成で、更にリヤーPU自体をスラント設定(傾斜設定)することで2つのリヤー位置でのハーモニクス・ポジションに斜めにまたがってピックアップさせ1弦側に最も高いハーモニクス・ポイントで拾わせることでリヤー自体にブライト・トーンなキャラクターを与えています。その結果、トリプル・JはJB/PBより根本的にピックアップ・レンジが広いのです。
その3つのピックアップを3ヴォリューム+マスター・トーン/コントロールと言う特殊なコントロール構成で微妙かつ多彩なサウンド/バリエーションのベースとしたワケなのです。

フィンガーでもピック弾きでもこれまでに出せなかったトーン・キャラクターを提供したかったのが、このトリプル/J仕様なのですが、実はかれこれ30年近く前に女神工房時代に作って以来、使えるトーン・キャラクターがバリエーション豊かに得られるベース設定として密かに大切にしてきたのです。
大雑把な言い方をすれば、3PUのミックスやバランス操作で、JB系、PB系、リッケン系それぞれに似たニュアンスや表情が1本のベースの中に同居している様なイメージですね。
機会があったらどうぞお試し有れ。いずれtmpで試奏出来る様に致しますからね。お楽しみに。

Posted by tmp55hz at 17:52