6・30 松下幸之助「不況克服の心得10ヵ条」を発見!(悌)

febdc835.jpg今日で6月が終わり、明日から1年の後半に入る。慌しい時間がどんどん過ぎていく印象だ。
書斎の資料整理中に、松下幸之助氏「不況克服の心得十か条」なる資料が出てきた。

若い人の中には「松下さん?何した人?」と質問する人があるかもしれない・・・。昨年、パナソニックと社名変更したので、旧社名「松下電器産業」という会社の創業者ということを知らぬ方もあろう。戦前に和歌山県の田舎を出て、丁稚奉公から身を起こし、家族企業から発展を遂げ、世界的な家庭電器の企業に育て上げた立志伝中の人である。

その心得は長い苦心と忍耐・努力の経験からにじみ出た現場たたき上げならではの発想であろう。
1.「不況またよし」と考える;不況は物の価値を知る得難い経験である。
2.原点に返って、志を堅持する;不況は贅肉を取るための注射である。
3.再点検して、自らの力を正しくつかむ;不況の時こそ千載一遇の好機、考え方一つでどうにかなるものである。
4.不退転の覚悟で取り組む;難局こそ何が正しいかを考える好機である。不況の時こそ事を起こすべし。
5.旧来の慣習、慣行、常識を打ち破る;かつてない困難からかつてない革新が生まれる。かつてない革新からかつてない飛躍が生まれる。
6.時には一服して待つ;不況も好況も人間が作り出したもの。なくせないはずがない。
7.人材育成に力を注ぐ;不況の時は素直な心で、不信感を持たず、対処すべき正しい道を求める時である。そのためには一人ひとりの良心を涵養しなければならない。
8.「責任は我にあり」の自覚を;何が正しいか、訴え、改革せよ。
9.打てば響く組織作りを進める;不況にはあらゆるもの(人も組織も)が吟味される。
10.日頃からなすべきをなしておく;志さえしっかり持っておれば、人が育ち組織の体質も強くなる。


1973年に80歳で現役を引退、松下電器の相談役になった人物だが、この10ヵ条は今も十分傾聴の価値がある。「不況は贅肉を取るための注射である」などは、豊かさに慣れきった現代人が等しく肝に銘ずべき心得だと思う。

企業経営という立場にとどまらず、政治・行政や大学組織にも当てはまる。ところが、小生の関与する大学の場合、愚痴や不満の声はあちこちで聞こえるが、トップや各部局の長がそれを一緒に改善しようと言う共通の地盤が生まれない。痛みを分かち合うことから生まれるメリットを見えるようにすることが大切だと思われる。

本願寺教団など、その典型で、長年同じ不平、不満が姿・形を変えて噴出するが改善されるべきピンチをチャンスとすることなく、時間が空費されてきた。それをお寺単位に置き換えてどうなのか、こそ各住職や坊守、役員は考え直す勇気と一歩踏み出す工夫が必要ではないか。
伝統的組織こそ、宝物と共に過去の贅肉をいっぱい積み上げている。

10ヵ条の中で、第8条「責任は我にあり」の自覚が住職や坊守は勿論、門徒総代や一般門徒の人たちにも少しずつ共有されてこそ、次の一歩が生まれる。まず、僧侶とお寺側の贅肉落しから始めて、徐々に何が宝物で何が贅肉か選別する勇気を持たねばならない。このブログも「善正寺だより」もそんな思いから綴っている。


Comments(0) | TrackBack(0) │ この記事をクリップ!  (17:16)