November 2005

November 30, 2005

何となくフラクタル

今回問題となっている建築基準法の改正は1998年に行なわれたものです.この改正は法案提出から通過まで数ヶ月のスピード審議だったようです.その狙いとするところは「規制緩和,国際協調、性能規定化,自己責任,民間審査機関の導入などであった.」と建築基本法制定準備会というサイトは位置づけています.しかし今回の事件で明らかになったのはこの改正が改悪でしかなかったということです.千葉県船橋のマンションを東京新宿にあるイーホームズという民間検査機関が検査する.市町村に提出すれば三週間を要する検査が早ければ一週間で完成し,大手検査会社に依頼すれば8万円が4万円で済むというのであれば,安上がりな検査機関に依頼するのが当然です.また検査機関は国土交通省令で定めた検査員を一定以上雇用しなければなりませんが,その過失については建築基準法の中に罰則規定を見つけることはできません.あるとすれば指定機関の取り消し処分くらいでしょうか.しかし今回の事件のようにマンションやホテル,オフィスビルなどで不正が行なわれればそれによって生じる被害は莫大なものになります.一戸建て住宅の比ではない.当然検査機関も責任があるはずなのですが,不正ないし過失があった際の罰則規定が曖昧です.その一方で第77条8では職業上知り得た秘密は漏らしてはならない,として公務員に順ずることになっています.一年前に日本ERI社は姉歯建築士の構造強度偽造に気付いたが隠蔽した,とイーホームズの藤田社長は発言しました.しかし実際上はこの法律の規定でその事実を国土交通省以外に発表できないわけです.実際は別の建築事務所が構造強度計算をやり直し,オフィスビルを建設したそうですから,仕事を引き継いだ建築事務所以外に被害は無かったことになります.この場合建築士を告発すべきでしょうか.多分そんなことは誰もしないでしょう.結局のところこの法律自体が決定的に欠陥品なのです.それは建築士は正確な図面を引き,構造強度に間違いが無く,検査機関は不正をしないし,ミスも無いという前提から始まっているからです.単に定められた書式に則った書類であるか,必要な項目に記載漏れがないか,その程度のチェックでしかないのではないか.これはJR西日本の過密ダイヤと共通するものがあります.誰もがブレーキ操作が正確で,事故も無く,乗客の乗り降りもスムーズという前提でダイヤが組まれていました.実際には混雑やブレーキミスでダイヤが乱れるのが当たり前のように,何とか安く上げるために出来る限り削れるものは削る,というのが「民」であり,「商い」というものです.また市職員上がりの専門知識を持たない検査補助員が,コンピュータで計算された構造強度の偽造を見抜けるはずもありません.それを許認可業務と定期的な監査という旧態依然とした,お役所の伝家の宝刀で何とかできると思っているところに,役人の致命的な欠陥があります.実はこの事件の裏で着々とアスベストの隠蔽が進行しています。しかし昨日の新聞報道を見ても全国の学校4923施設で使用が確認され,病院など586施設でも使用が確認されたとされています.アスベストの問題はそれが撤去されたかどうかだけではないのです.除去作業が不徹底であればその作業自体が汚染拡大の原因となります.胸膜中皮腫や肺癌が発生するまで20年近くかかりますから,作業員の健康被害がいつ発生するか誰も予測できません.また中古マンションや中古オフィスビルの使用実態については全く不明です.除去作業や立替の際の費用の負担を誰が行ない,そのために作業を行なった人ではなく近隣の住人に健康被害が生じたときにいったい誰が責任を負うのか全く分かりません.現在中皮腫にかかった患者やその遺族に対する保障だけで膨大な予算が必要です.これが数十年にわたり続くとすれば医療保障に対する大きな負担になります.小泉内閣は小さな政府を提唱していますが,アスベストといい,今回のマンション構造強度疑惑といい,問題は政府が大きいか,小さいかではないのです.優れた誠実な政府,官僚であればここまでアスベスト被害も大きくならなかったし,今回のような偽造も発生しなかった筈です.エリートと呼ばれる官僚が実は実態を把握する能力も,未来を予測する先見性もないし,誠実さの欠片も見えない.その一方立法府である国会は全く政策作成することが出来ず,与野党の政治家の誰もが官僚をコントロールすることができない.まるで昨日の委員会で責任のなすりあいに終始するデベロッパー,建築会社,民間検査機関のようではありませんか.あたかもどこまでいっても同じパターンが繰り返されるフラクタル画像のような自己相似性.悲しいけれどこれが今回の事件から見えてくるこの国の姿です.

tnakadat at 17:09|PermalinkComments(3)TrackBack(1) 記事,事件 

ステラ・モンテ:汁なし坦々麺(\900)

汁なし坦々麺盛岡駅一階に出来たステラ・モンテという中華レストラン兼バー.元々ステラ・モンテというお店はあさ開酒造の敷地の中にあるレストランで,その姉妹店が駅ビルに進出したということのようです.ということでここは日本酒が飲めます.つまみというか前菜メニューもあるようなので列車待ちや乗換えの飲兵衛には良いお店かもしれません.肝心のお味は確かに辛味もあり,山椒の爽やかな香りもありますが,ちょっと抑え気味.もう少し味が濃い方が良いと思うのですが場所や客層を考えると止むを得ないかもしれません.麺はストレートで結構腰もあり歯応えもよくムッチリしたなかなか美味しい麺で,ゴマダレとの絡みもいい.見た目以上にボリュームがあるので,他のメニューを注文する時は量は控えめにした方が良いかもしれません.普通の汁のある坦々麺や五目あんかけラーメンなどもあります.

tnakadat at 14:55|PermalinkComments(2)TrackBack(1)  

花巻空港周辺

花巻空港周辺これも新幹線の車上から撮影.花巻空港近くで着陸しようとするジェット機を見かけました.周りの水田や遠くの山々も真っ白です.

tnakadat at 14:45|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 自然・環境 

いよいよ冬…

いよいよ冬朝起きると一面真っ白でした.いよいよ冬の到来です.これは新幹線から見た北上川と盛岡市の町並みです.

tnakadat at 14:41|PermalinkComments(2)TrackBack(0)  

November 29, 2005

疑惑は更に日本ERIにも

今日衆議院国土交通委員会で参考人として招致された民間検査機関「イーホームズ」の藤田社長は姉歯建築士の偽造を知った経緯について「ある民間検査機関が姉歯建築士の偽造を見抜いたものの,摘発せず隠蔽した.そのことをとある専門家から伝えられたことが契機となった.」と発言,その民間検査機関の名前として「日本ERI」を挙げました.日本ERI社はこの隠蔽という表現に対し反発,記者会見を開き藤田社長を名誉毀損で告訴するという声明を発表しました.しかし昨日発売された週刊ポストにも最初に姉歯建築士が検査を依頼したのは日本ERI社であり,そこの検査が厳しいためイーホームズに乗り換えた,と書かれています.実際日本ERI社に検査を依頼した事実は非公開の聴聞会でも語っているようです.以前にも書きましたがこの日本ERI社は平成14年国土交通省の監査で不正を摘発され,一ヶ月の業務停止処分を受けています.国土交通省のホームページを見ると平成14年にこの日本ERI社が業務停止処分になった経緯が書かれていますが,実は今年2月には兼松日産農林株式会社が枠組壁工法の耐力壁に冠する大臣認定証を偽造したとして有印公文書偽造の罪で逮捕されています.姉歯建築士のような建築士による,構造強度計算の偽造のみならず,さまざまな偽造があったことを,実は監督官庁である国土交通省は相当以前から掴んでいたのではないかということが,この国土交通省の報道資料から伺われます.残念ながらこの事件は多くの人が指摘しているように本当に氷山の一角である,と考えざるを得ません.

tnakadat at 22:10|PermalinkComments(0)TrackBack(1) 記事,事件 

すっかり落葉

すっかり落葉これも日曜日,ジョギング中に撮影したもの.北上川の川原に立つ木々もすっかり葉が落ちています.朝から雨でしたが,午後から止んで運動には快適な陽気となりました.

tnakadat at 08:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0)  

文化橋と中津川

文化橋日曜日に撮影したものです.中津川は盛岡の中心部を東西に流れる川でかつてはこの川の南を河南,北側を河北と呼んだそうです.雲が低く垂れ込めていますが山はすっかり落葉してしまいました.

tnakadat at 07:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0)  

直利庵:カツカレー蕎麦(\900)

カツカレー蕎麦直利庵は盛岡では老舗の蕎麦屋です.しかしこのお店は牡蠣の載った蕎麦や,カツの載ったラーメンなど,ユニークなメニューがあります.このカツカレー蕎麦もその一つ.暖かい蕎麦の上にネギの入った,片栗粉でとろみをつけたカレーがかかり,更にその上にカツが載ります.美味しいかどうかは,食べる人次第というところです.カツもカレーも悪くはないのですが,食感はやはりうどんの方が良さそうです.カレーの香りで蕎麦の香りや味が飛んでしまうので,ちょっと蕎麦とカレーの組み合わせは,蕎麦にとっては損かな,と感じました.以前紹介したカツ中華そばをお勧めします.

tnakadat at 07:52|PermalinkComments(2)TrackBack(0)  

November 28, 2005

PCユーザー廃刊

2e13d605.jpgソフトバンク・クリエィティブ社から隔週で発刊されていたPCユーザーがいつの間にか月刊となり,来月号で廃刊になるそうです.文月涼氏のデジタルカメラ批評や巻頭の連載記事見て分かるパソコン解体新書,元麻布春男氏のIT企業プロファイルなど大人の鑑賞に耐える記事が多かったし,何より紙面のデザインが美しかった.むしろ手間暇やお金をデザインに掛けすぎたのかもしれません.パソコン業界も出版業界も売れなければリストラは止むを得ませんが,次号で廃刊という知らせは悲しいものがあります.そういえばかつてオーディオの流行が下火になり,次々にオーディオ関係の雑誌が廃刊になった時期がありました.評論家故長岡鉄男氏が連載を担当していたFMファンも,写真や記事が気に入っていたのですが,長岡氏がお亡くなりになって程なく廃刊となってしまいました.長岡氏がもし御存命なら今の時代をどう評するのでしょうか.売れる商品が必ずしも優れているわけではなく,売れない商品が劣っているわけでもないことは,昨今話題のマンションでも明らかですが,やはり商売は儲からなければ続けてゆけない.そういえば三菱のスピーカー製作部門だったダイヤトーンもスピーカー部門から突如として撤退し,サンスイも外資に買われ,今は全く製品を見ることもありません.「悪貨が良貨を駆逐する」という言葉がありますが,残念ながらまた一つ良貨が消えてゆくような気がします.

tnakadat at 14:36|PermalinkComments(6)TrackBack(1) 記事,事件 

高く評価したい国産探査衛星「はやぶさ」

マンション強度偽造事件などでニュースの扱いが小さいのですが,国産探査衛星「はやぶさ」が,小惑星「いとかわ」から無事サンプルを回収していたことが判りました.この成功はこのプロジェクトの発想が優れていたことを証明したものだと思います.これはJAXAの「はやぶさ」ミッションの概要に書かれていますが,一つはイオンエンジンという従来のロケットエンジンの十分の一という極めて省エネルギーのエンジンを搭載したこと,光や電波が届くまで17分という長距離での作業のために小型の探査ロボットを自律型としたことです.自律型のため途中で小惑星を見失ったり,着陸したか分からなくなっりという,小さなミスもありましたが結果的にはアイデアは成功した,といえると思います.この先帰路の問題や高速での大気圏突入など多くの課題を抱えていますが,小型で省エネルギー,ロボット化によるコスト削減や安全性の確保など今まで日本が目指してきた技術の結晶と言った趣があります.アポロ宇宙船からスペースシャトルへのアメリカの宇宙技術は大きな曲がり角に立っているように思えます.ブッシュ大統領は火星有人飛行を目指すという目標を設定しましたが,むしろリモートセンシングの技術が進歩しつつある現代,小型で高性能なロボット探査機の方が安全性やコストの面ではるかに有望です.今回の「はやぶさ」の成功は中国有人宇宙船や昨今のマンションの構造強度偽造で元気の出ない日本の宇宙開発や製造業に明るいニュースといえそうです.なお作家松浦晋也氏のブログ「松浦晋也のL/D」にこの「はやぶさ」のニュースが満載されていますので興味のある方は御覧下さい.

tnakadat at 10:41|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 記事,事件