January 2006

January 31, 2006

何故アメリカに言い負かされるのか

衆議院予算委員会で中川農林水産大臣がアメリカ産牛肉の輸入再開前に担当官を派遣しなかったのは閣議決定に反したと一旦は謝罪しましたが,朝日新聞によればそもそも12月2日に輸入再開を決定し,その後査察団を送ることが決定され,査察団は完全に国内向けのパフォーマンスだったことが明らかになっています.何故ここまで日本政府はアメリカに対し強く出れないのでしょうか.牛肉は大豆,小麦などと並んでアメリカの重要な輸出産品です.アメリカ牛肉の5%とはいえ,ヨーロッパはアメリカ産牛肉の禁輸を続けていますし,オーストラリアやブラジル,アルゼンチンの牛肉と比べ価格は高いですから日本の消費者は大切な顧客な筈です.肉牛生産の盛んな中西部は共和党の重要な票田の一つだから,ということはもちろん重要だと思いますが,多分それだけではないでしょう.日本のマスコミはこの牛肉の問題で肉牛農家ばかりを取り上げていますが,本当に力を持っているのは食肉業者です.日本では食肉解体業者といえば何やら日陰の産業のイメージがありますが,アメリカの食肉会社は一大コングロマリットを形成しています.歴史も古く現在国内第4位のスイフトの創始者グスタフ・スイフトは1882年鉄道の貨車に冷蔵庫を導入し,食肉業者の集まるシカゴから消費地であるニューヨークまで枝肉を品質を落とさずに輸送し,現在の食肉輸送管理のシステムの原型を築きます.彼はこの成功で鉄道を買収,穀物市場を席巻し,大富豪になったといわれています.その後食肉会社はレーガン政権時代の規制緩和の波に乗って中小の食肉処理会社を買収,現在タイソンフーズ,IBP(スイフト社を辞めた重役が興した会社で効率最優先のシステムを開発,導入したことで有名です),コナグラ,スイフトなどが独占,そしてこれらの企業は飼料や,鶏,豚肉などの生産にも手を広げています.要するにかつての日本の農協か,それ以上の力を持っているわけです.更に当然といえば当然ですが,共和党や民主党の議員に積極的なロビー活動を繰り広げ,現政権の農務省にも人材を供給しているといわれます.いわば護送船団ならぬそうそうたる牛肉擁護艦隊を形成しているわけで,ちょっとやそっとの攻撃ではびくともしません.日本の肉牛といえば脂肪が網目状についたいわゆる「サシ」が有名ですが,このサシは遺伝的につきやすい牛があるとはいえ,基本的には大豆やトウモロコシなどを大量に与え,できるだけ運動をさせず,病的に筋肉内部にまで脂肪を沈着させたものです.この飼料もアメリカの食肉メーカーから輸入している可能性が高いわけで,下手に飼料の安全性に疑問を呈すれば,では日本の牛は安全かと反論される可能性が高い.要するに中川農水相ならずともアメリカには容易に反論できないということです.アメリカにすれば今まで散々アメリカの大豆やトウモロコシに依存しておいて,何故牛肉が危険といえるのかということなのでしょう.確かにアメリカも病んでいるが,日本の食や農業も病んでいるのです.最近農林水産省は農地制度改正や集団営農ということを進めようとしていますが,スーパーカブの50ccエンジンを並べても自動車のエンジンにはなりません.悔しいことですがアメリカの農業は極めてシステマチックで強固なのです.アメリカ産牛肉は拒んでも,やはりこのシステムと,このシステムを構築し改良し続ける情熱には敬意を表すべきだと思います.これこそが決定的に日本の農業と政治家や官僚に欠けているものです.各地にある農業試験場も品種改良には非常に熱心で高い水準にあるとは思いますが,残念ながらアメリカのようなシステムを構築し,長期間の経営戦略という視点は農業においても欠落していると言わざるを得ません.第二次大戦でこっぴどくアメリカに打ち負かされたはずなのに,いまだに同じ過ちを繰り返しているようなのです.中川農水相が謝罪するとか辞任するとか,そういうレベルで争っているようでは民主党も政権政党には遠いというべきでしょう.

tnakadat at 21:33|PermalinkComments(0)TrackBack(1) 記事,事件 

January 29, 2006

冬の夕暮れ

冬の夕暮れ午後5時過ぎに盛岡市永井で撮影したもの.いつの間にか日の入りも遅くなり,午後5時でも明るさが残るようになりました.少し前まで午後3時ともなれば日が傾き,4時には暗くなっていたのですが,少しずつ季節の流れを感じます.先々週,先週といろいろ憂鬱な事件が起きました.休日は一休みして体力のチェックと季節の変化を感じることだけにしました.来週はもう2月.あと一月乗り切れば厳しい寒さの東北でも春の訪れは感じられることでしょう.

tnakadat at 21:32|PermalinkComments(2)TrackBack(0)  

寒さも一休み

寒さも一休み今日は移動性高気圧に覆われたせいか,穏やかな一日でした.先週に引き続き今日もジョギング.やはり暖かいと気持ちがいいです.歩道の大部分はアスファルトが顔をを出しているのですが,まだ日陰や林は雪が残っています.それでも木の幹の周りや潅木の周りの雪は少しずつ減り始め,地面も顔を出し始めました.

tnakadat at 21:24|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 自然・環境 

南大橋雪捨て場

南大橋雪捨て場先週も紹介したのですが,除雪した雪の捨て場がなくなり,今月になって北上川の川原に盛岡市が新たに設けました.これが南大橋の下流にできた雪捨て場です.いつもはサッカーグラウンドや夏の恒例行事の北上川川下りの会場に使われているのですが,今はこの通りです.春になってもしばらく軟弱なままで使用できないのではないでしょうか.

tnakadat at 21:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 路上散歩 

January 28, 2006

遥遥亭:チャーシュー麺(\730)

遥遥亭:チャーシュー麺盛岡市大通の裏通りにある遥遥亭のチャーシュー麺.チャーシューは柔らかめ,スープは辛めですが適度に甘さもあり,悪くないと私は思うのですが,写真で見ると結構塩辛そうです.やはり東北は塩辛いのが好きなのかな?私自身は血圧は高くても120前後ですが...麺は細いけれども適度に歯応えがあり好みの麺です.分量もほどほどであまりお腹にもたれないのが○.

tnakadat at 20:32|PermalinkComments(2)TrackBack(0)  

中華そば古川:塩中華そば特製梅干のせ(\580)

塩中華そば特製梅干のせ塩ラーメンに梅干が載った変り種.スープにほんの少し梅干のエキスが混じっているのか,独特の香り.出汁は煮干とトリガラで取っているようで,淡白な味わい.梅干といい,ちょっとあっさりとした麺類が食べたい時に良いかも.

tnakadat at 20:25|PermalinkComments(4)TrackBack(0)  

一時的な冬型

一時的な冬型今朝も冷え込みました.最低気温は氷点下7.7度.それでも6時30分頃には東の空は明るくなり,午前7時ともなればすっかり明るくなりました.これから明日にかけて移動性高気圧が日本に張り出し,一気に寒さが緩むだろうとの予測です.

tnakadat at 07:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0)  

January 27, 2006

サイモン・シン:暗号解読

暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで
著者のサイモン・シン氏はインド人で「フェルマーの最終定理」に続きベストセラーになったものです.第二次世界大戦前夜日本の外交文書はアメリカ陸軍の情報部によってすでに解読されていました.1939年ニューヨーク総領事館で句読点コードが盗撮され,それを手がかりに,開戦直前には殆どの外交文書はアメリカに筒抜けになっていたようです.更にアメリカ側がパープルと名付けた暗号機B型(97式欧文印字機)は海軍が開発したものでした.従ってパープルの解読は海軍の暗号解読に有力な手助けになります.このようにして海軍の暗号も解読された結果ミッドウェー海戦で連合艦隊の動きは事前に察知され,日本海軍は取り返しのつかない敗北を喫することになります.戦後コンピュータの発達に伴い,暗号は飛躍的に身近なものになります.ネット・セキュリティー,銀行のオンライン,クレジット決済など,現代社会に暗号化技術は入り込んでいるのです.昨年上海総領事館で電信員が中国側のスパイに情報漏洩を強要され自殺するという事件がありました.この事件に関して「サピオ」に元外務省の佐藤優氏が,先週の週刊文春には中西輝政氏が寄稿しています.両氏とも中国側の非を責め,亡くなられた電信員は機密を漏らさなかっただろう,と結論付けているのですが,希望的観測と呼ぶしかありません.そもそもこの電信員という言葉,戦争中に偵察機や爆撃機に乗り,無線を担当した乗組員の名前です.昔ならモールス信号や乱数表,エニグマという機械で知られる暗号機が必要だったのでしょうが,今では二進法を用いたデジタル暗号であるはずです.そして現在広く用いられているのは非対称暗号と呼ばれるRSA暗号です.これは本質的にネット上のクレジット決済などと変わりなく,組み合わせる素数が大きくなれば解読するのに天文学的な時間がかかるという代物で,多分外務省もこの暗号を使用しているはずです.この暗号のソフトが外務省に専門の部署が無ければ外注する他なく,多分民間企業にアウトソーシングしているのでしょう.三菱電機は1976年アメリカが標準化したDESという暗号を破ったそうですから,多分三菱辺りに防衛庁と共に発注しているのではないでしょうか.推察するに電信員たる彼の仕事は外交文書をその重要度別に強度の異なる暗号に置き換え(しかしその作業はコンピュータが行なってくれますから,彼は文書を入力するだけでしょう),本国から送られた暗号から平文に置き換えられた文書を上司に届け,不要となった文書をシュレッダーにかけるだけです.かつてのような乱数表や暗号機の操作や,暗号の専門知識はもう要らない時代になったのです.そういう状況で総領事館で電信員というポストは形骸化していたとは考えられないでしょうか.外務省も他の国家公務員と同様キャリアとノンキャリアでは昇進に歴然とした差があるそうです.しかもノンキャリアの中でも専門職員と啓鐃Πとに分かれ,この電信員は啓鐃Πに当たると佐藤氏は書いています.しかし彼は待遇は最低ながら,情報戦では喉から手が出るほど重要な暗号鍵を扱う人間なのです.最初に書いたように暗号パープルの解読のきっかけは句読点コードの盗撮でした.そして銀行のCDコーナーで暗証番号を盗撮したり,オフィスで暗証番号を盗み見するようにこの手の犯罪は正攻法で暗号に取り組むよりずっと手間のかからない,いわば裏口からの侵入に当たります.要するに中国のスパイの狙いは的確だったのです.相手は重要な情報を握っているのに大した評価もない,低収入に甘んじ,しかも単身赴任,夜な夜な上海のカラオケクラブに一人で向かう,この人物を狙わない手はありません.中西氏の書かれたハニートラップにうってつけの人物だったわけです.一部の記事には大使館や総領事館の回線は完全に分離されており,電磁シールドがされているため仮に暗号鍵を漏らしても暗号解読には役に立たなかったろう,と書いていますが,話が逆です.このような通信ケーブルには光ケーブルだろうと必ず中継器や交換機が介在し,盗聴される可能性があります.中国側がこの電信員に近づき暗号鍵を要求したことから,明らかに盗聴できるところまで来ており,暗号システムが堅固だったから暗号鍵に手を伸ばさざるを得なかった,と考えるのが自然です.しかも外交文書だけに限りません.この暗号システムを解読することで自衛隊の暗号システムを解読できるかもしれません.これは日本の歴史が雄弁に物語っています.自衛隊と米軍は頻繁に情報を交換していますから自衛隊の暗号システムを破れば米軍の情報も入手できる可能性があるということです.この問題を中国非難に摩り替えるべきではない,本当に重要なことは外務省の情報管理が極めて杜撰であり,セキュリティーについては外国と比べものにならず,ひょっとすると日本の民間企業以下ではないのか,ということです.

tnakadat at 22:25|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 書評 

January 26, 2006

コニカミノルタの撤退

少し旧聞に属する話題で申し訳ないのですが,コニカミノルタがカメラ部門をソニーに譲渡することになったそうです.コニカといえばかつての小西六,コニカヘキサーというコンパクトカメラは描写力のあるレンズというので定評がありました.またミノルタは中年の方なら思い出す宮崎美子さんが辺りを見回した後にジーンズを脱ぐ,X-7という一眼レフカメラや(志村けんさんのパロディの方が有名か?)や,AF一眼の先駆けとなったα-7000が思い浮かぶのではないでしょうか.昨年満を持してデジタル一眼レフカメラαSweet DIGITALを発売し,それなりに健闘したようですが,何しろデジタル一眼の市場規模は台数でおよそ4%,金額でも12%でしかないということで健闘むなしくソニーに身売りということになったようです.ソニーがこの資産をどう育てていくのか興味津々ですが,やはり時代は軽薄短小,しかも小憎らしいほど小さなデジカメや携帯でもきれいに写真が写せる時代です.デジタル一眼レフのような重くかさばるカメラも巨大なオーディオ・セットのようにいずれ数が減り,一部のプロやマニアのものになる宿命なのでしょうか.

tnakadat at 18:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 記事,事件 

誰が損をし,誰が得をしたか

昨日ライブドアーはようやく売値がつき,大引けで前日終値(176円)を39円下回る137円で取引を終えたそうです.売買高は4億2155万6083株に達し,東証1部を含む全市場で首位,マザーズ市場の売買高4億3314万株のうち約97%を占めた,と日経新聞は報じています.テレビでは記念に一株買ったという,ネットトレーダーを紹介していましたが,おそらく大半はそろそろ底値と考えた企業投資家ではないでしょうか.ライブドアーは虚業だ,実体の無いマネーゲームだとマスコミは連呼していますが,少なくとも新しい社長になった平松氏の弥生などは老舗の会計ソフト販売をしており,ライブドアーの全ての子会社が虚業というわけではありません.とことん叩いて安く買うか,あるいは分割して個別に売るか,いずれにしても堀江氏達のマネーゲームが終わっても,ライブドアーを巡るマネーゲームは続きます.この一連の騒動で一体誰が得をして誰が損をしたのでしょう.新聞は堀江氏の自家用ジェットが売却されると報じていますが,実は最も損害を蒙ったのはライブドアー社の株を保有していた個人株主ではないでしょうか.東京地検のリークを連日のように報道し,幹部が事実関係を概ね認めた,と報道しました.しかしこれらの報道は一方的な地検の見解で,真実かどうか裏づけを取りようがありません.個々の事実を認めたからといって違法性まで認めたかどうかは,判らないのです.しかしこのような報道が溢れれば個人投資家はライブドアーの株を保有することに不安を感じます.監理ポスト入り,上場廃止,フジテレビがライブドアー株を売却する,と矢継ぎ早にネガティブな情報が入り,株価が暴落.資金力も情報も,そして経験も乏しい個人投資家にはどうしようもありません.朝日新聞によれば読売グループ会長の渡辺氏がライブドアー新社長の平松氏は仲人を務め,旧知の間柄だった,とエールを送ったそうです.また雑誌アエラによれば,昨年暮れにかつてのライブドア幹部が「あと数ヶ月もすれば堀江や宮内は後悔することになる」といっていたそうです.この検挙自体が政府や官僚を巻き込んだ大きなマネーゲームだった,そして結局むしられたのは個人投資家とホリエモンだった,ということになりはしないでしょうか.マスコミがこぞって書き立てる「マネーゲームの申し子」,「虚業家」という評価には大きな疑問を感じざるを得ません.何故なら彼が退場しても,今まさにマネーゲームは続いているからです.ゲームはいまだに続いており,ただ彼とその仲間が主役の座から引き摺り下ろされた,それだけのことです.フジテレビがライブドアー買収を検討していると報じていますが,そろそろ獲物の争奪戦が始まるのかもしれません.


tnakadat at 10:30|PermalinkComments(9)TrackBack(3) 記事,事件