May 2008

May 24, 2008

三谷薫,中村圭子編:山川惣治―「少年王者」「少年ケニヤ」の絵物語作家

山川惣治―「少年王者」「少年ケニヤ」の絵物語作家 (らんぷの本―mascot)
山川惣冶は不思議な人です.彼の人生はまさに山あり谷ありで,出身は福島県郡山ですが,彼が二歳の時上京.15歳の時本所の製版所に奉公に出て,昼は製版所で働き,夜は川端画学校に通い,28歳の時に兄と一緒に山川美術社を始め,紙芝居の絵を売り始めます.「少年王者」,「少年タイガー」は「黄金バット」と並ぶ人気商品だったといわれます.

 戦後書き直した少年王者が小学館の社長の目に留まり,子会社だった集英社から単行本として出版したところ,人気を呼び弱小出版社だった集英社は急成長,また昭和26年から産業経済新聞に「少年ケニヤ」を連載,同新聞社は一時「ケニヤ新聞」と呼ばれるほど人気を博したそうです.昭和42年タイガー書房を設立するものの,経営に失敗,昭和43年には横浜でレストラン「ドルフィン」を開店.これがユーミンの「海を見ていた午後」に歌われた「山手のドルフィン」だというから,嘘のような本当の話です.

 今の世の中は細分化し,絵なら美大,経営のスペシャリストなら経済学部,それが当たり前になりました.山川氏のように高等小学校を出た人間が幾ら絵がうまくとも,そう簡単には挿絵が新聞連載とはいかないでしょう.レストランなど外食産業も競争が熾烈で,絵描きが店を開いて人気を博するというのももはや不可能でしょう.細分化は専門化と分かちがたいものです.それでもこういう大らかな社会が昭和という時代には,まだあったことは記憶に留めて良いのではないか,と思います.またこの山川惣冶氏や,同じく戦前から戦中に活躍した樺島勝一氏の画業をもっと評価してよいのではないか.樺島氏など「正ちゃんの大冒険」だけしか出版されず,しかも入手は困難なのが現実です.樺島氏の挿絵を子供の頃見ましたが,大変感銘を受けたことを憶えています.つい最近巨匠黒澤監督の「隠し砦の三悪人」のリメイクが封切られました.かなり頑張った作品のようですが,あのポスターだけはいただけません.配色や,タッチが隣に張られた「ナルニア国物語」そっくりだからです.今のクリエイターはアメリカの方にしか目が行かないようですが,もう少し先人の作品を鑑賞すべきではないでしょうか.リメイクはその後からでも遅くない筈です.

tnakadat at 19:47|PermalinkComments(7)TrackBack(1) 書評 

小林多喜二:蟹工船

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)
NHKの朝の連続ドラマ「瞳」を昼休みに時々見るのですが,何だかちっとも面白くない.東京の月島に札幌から孫が来て,そこでは祖父が東京都の里親制度「ほっとファミリー」に協力していて,と盛り沢山の内容.脇を固めるのは西田敏行,前田吟,菅井きん,近藤正臣などそうそうたる顔ぶれなのですが,肝心のストーリーが消化不良のように感じられます.

 月島に残る人情や江戸情緒を描くのなら,ヒロインのヒップホップダンスは余計なように感じられます.この「瞳」の公式サイトに書かれているヒップホップダンスや,最近街に溢れているグラフィティーは本当に現代を代表する芸術なのか?明らかにグラフィティーは落書きです.あのような意匠のポップデザインが街に在ってもよいとは思いますが,あくまでルールに則って表現されるべきで,勝手な思い込みは迷惑であり,落書きは犯罪です.

 確かに今の日本の若者はヒップホップ文化にどっぷり浸かっているようです.しかしだからといって,視聴率のためにはなりふりかまわずというので良いのか,と思います.最近のNHKは「サラリーマン・ネオ」とか,「英語でしゃべらナイト」といった,民放かぶれ番組が目に付きます.アメリカの経済がますます後退する今,なぜヒップホップなのか,私にはわかりません.

 さてこの蟹工船,イーストプレスというユニークな出版社が「漫画蟹工船」という本を出し,朝日新聞が2月に取り上げて以来,新潮社は10万部の増刷なのだそうです.フリーターやニート,派遣の若者が熱心に読んでいるのは,蟹工船に描かれた過酷な労働,搾取の構造に若者が共感を覚えるから,というのが朝日新聞や,新潮社の見方ですが,私はユーミンや田中康夫氏の「なんとなくクリスタル」,そしてフジテレビが仕掛けたトレンディードラマに若者は飽き始めた,ということではないか,と思うのです.
 
 私小説や,四畳半フォークといったものが嫌悪され,何から何までアメリカナイズされるのが社会の進歩という時代はもう終わったのではないかと思います.確かに小泉政権まではアメリカ化が「グローバル化」でした.市場が全てを決める,力が正義.社会主義や労働組合は社会の進歩を阻害する.嫌悪すべき北朝鮮,中国,そういうステレオタイプ化した単純な世界観に若者自身が疑い始めた,ということでしょう.小泉政権に狂喜した若者はもっと別な道がないか,模索し始めたのかもしれません.

tnakadat at 19:09|PermalinkComments(0)TrackBack(2) 書評 

後期高齢者医療制度を巡るドタバタ

後期高齢者医療制度を巡ってドタバタが続いています.民主党は年金制度,暫定税率と併せて,福田内閣を解散に追い込もうとし,自民党は自民党で,後期高齢者医療制度は見直す,だから消費税は上げなければならない,とこちらも我田引水の感があります.

 もともと後期高齢者というのは統計上の用語だったようです.65歳以上を老人といっていたのが,どんどん平均寿命が延長し,65歳以上75歳未満を高齢前期,75歳以上85歳未満を高齢後期,そして85歳以上を超高齢者としたのだそうです.まあ85歳以上は,そもそも大きな疾患がないからこそ,ここまで長生きできるわけで,いちばん数が多く,したがって医療費のかかるのは高齢者後期だろう,だからこの世代の医療費を減らそう,いかにも「有能な」官僚の考えそうなことです.

 しかし年金も,このような医療制度といった,いわゆるソーシャルネットというのは,一種の賭けです.誰もがいつ病気になるのかわからないし,またその病気に幾ら掛かるのかも分からない.したがって全てとはいえないまでも,多くの疾患に対し概ね妥当な治療が出来るというのが,公的な扶助制度の目標です.助かる病気で治療が受けられないのも困りますが,果てしなく高価な治療が保険適応になれば,間違いなく医療保険制度は破綻します.かつて四川料理の大家である陳建民氏が,NHKのきょうの料理で「この分量で何人前ですか」と問われ,「大きく作る,少し.小さく作る,沢山」と答えました.支払われる人数が増えれば,パイは小さくしなければなりません.高齢者が増加するのが必然ならば,患者を減らすか,高価な医療を抑制するしか無い筈です.この問題を避けていては本質的な議論にはならないと思います.

 通常のインフルエンザにタミフルをを処方し,普通の風邪でも試験があるから,あるいは大事な取引があるからと,抗生物質を求めるようでは,やはり医療保険は立ち行かなくなる可能性があります.日本の医療制度では一人の患者に時間をかけようが,かけまいが同じですから,医師は勢い客単価を上げるために,処方の量を増やします.日本の患者一人当たりの処方量は世界一とも云われています.また葬祭産業の売り上げは年間十四兆円といわれます.医療費が三十兆円として,およそ半分です.本当に必要なのでしょうか.

 本当に高齢化に伴い,医療費は上がり続けるのか,これは教員増を巡って文部科学省と財務省が争っていることから分かるとおり,厚生労働省にとっては医療費は上がることが好ましいのです.またマスコミも魔法のような医療技術や,「神の手」と称する名医を紹介してきましたから,これもまた医療費高騰にかかわっていると言って良いと思います.もちろん政治家にとっては今も高齢者は大きな票田です.かくして日本の医療費はどんどん増え続けるという固定観念が定着しました.

 しかし本当に医療費は上がり続けるのか,適正な規模はないのか,そろそろ考えても良い頃ではないでしょうか.もっともっと減らせる費用はある筈です.政治家やマスコミではなく,利用者である国民がもっと考え,議論すべきでしょう.アメリカでは裕福な人間が高度医療を享受できる反面,医療保険のない国民も人口のおよそ四分の一である,といわれます.身の丈に会った医療や年金,福祉をそろそろ考えても良いのではないかと思うのです.尤もこの「身の丈に合った」というのが,明治以来の日本人にとって,最も難問ではあるのですが.

tnakadat at 10:25|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 記事,事件 

May 22, 2008

やぎや:ラーメン(450円)

やぎやこちらは北上市にある「やぎや」のラーメン.海苔の上にコショーがこれでもか,とかかっているのが何ともおかしい.そういえば昔出前のラーメンにもコショーがたっぷりかかっていたような記憶があります.ちょっとしょっぱいチャーシュー,よく煮込んだメンマ,そしてナルトと昔ながらのラーメン.どんどん新作ラーメンが登場するようですが,こういうラーメンも残ってほしいものです.

tnakadat at 18:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0)  

朝市食堂:ミヨちゃんラーメン(400円)

朝市食堂盛岡では日光軒,中河,柳家に並んで有名なラーメンかもしれません.盛岡市神子田で毎朝開かれる朝市の中にあるお店で.営業時間は朝5時くらいから.閉店は9時くらいなのでしょうか.店主のミヨちゃんは御年85歳.家族経営で,市場ならではの焼き魚とか,山菜が小皿で出ているのも楽しい.市場の関係者や,近所の人など常連客も多い.お店の前でミヨちゃんが座っているのが自称客寄せなそうです.スープはご覧の通り結構こってりしており,寒いときには体が温まる優れものです.小麦価格が高騰する今,いつまでこの値段を維持できるかちょっと心配です.

tnakadat at 18:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0)  

笑満食堂:ラーメン(500円)

笑満食堂JR二戸駅の東口にある食堂.この二戸駅は新幹線の開業に合わせ駅舎が大々的に改築,西側は近代的な外観,東側は旧東北本線の面影を強く残す対照的な姿です.こじんまりとした駅前のロータリーに面してこの笑満食堂があります.ラーメンは醤油,塩,味噌がいずれも500円.トッピングもありますが,何も頼まなくとも煮卵が付いてきます.味はあっさり味で,こってり系ラーメンがお好きな人には不向きでしょうが,中年以降には懐かしい味です.

tnakadat at 18:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0)  

堆積岩

堆積岩この切り通しには堆積岩の露頭が姿を現しています.二戸市一帯はこのような堆積岩の露頭があちこちに見られます.かつては海だったのでしょうか.

tnakadat at 18:29|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 路上散歩 

切り通し

切り通し二戸市でも新幹線の駅舎が出来て,市の西側にバイパスが出来てから,ご他聞に漏れず中心街の空洞化が進んでいるようです.それでも散策してみるとこういう場所に出くわすのです.今では地元の人しか通らないのでしょうが,素敵な道です.坂道,曲がりくねった道というのは,良いものです.雨の日や,日差しの照りつける夏の日,そして紅葉の秋にはどんな姿を見せるのでしょう.

tnakadat at 18:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 路上散歩 

馬淵川

馬淵川二戸市は岩手県の北,青森県三戸町と境を接する内陸の町です.この馬淵川と,その街道沿いに発達した町といっても良いのでしょう.町は南北に細長く,二戸駅から市の中心までは結構距離があります.馬淵川は葛巻町辺りを源流とし,八戸市で太平洋に注ぐ流域面積の大きな川です.川幅はそれほどでもありませんが,町全体が河岸段丘で出来ていることが歩いてみると良く分かります.

tnakadat at 18:16|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 自然・環境 

May 18, 2008

日向ぼっこ

日向ぼっここれは二週間ほど前に北上市で撮影したもの.近所の人気者らしく,近くのオバサンたちも「きょうは留守番?」と声をかけていました.最近はネコの駅長など,ちょっとしたネコブームかもしれません.

tnakadat at 19:48|PermalinkComments(4)TrackBack(0) ネコ