June 2009

June 30, 2009

空しい「解散時期は,私が決めます」

 ずっと麻生総理は「解散は総理である私の専任事項」,「解散時期は私が決めます」と言い続けてきました.ところが解散を遅らせたため,衆議院の任期が切れる9月が迫ってしまい,今となっては解散を東京都議選の前か,後か,あるいは投票日が8月の旧暦のお盆の前か,後かという窮屈な選択肢になってしまいました.何度も記者に解散時期を問われる度に,麻生総理がこう答えているのは,野党民主党を意識しているのではなく,むしろ与党内の不穏な動きに,ピリピリしているように感じます.

 中川元幹事長は「麻生総理では選挙を戦えないので,自発的に辞任し,総裁選の前倒しを」といえば,公明党の北川氏は「東京都議選前に解散すれば,協力関係を見直す」と脅迫まがいの発言をする.しかし自発的だろうが,詰め腹を切らされようが,この時期に総裁選,衆議院選挙というのは無謀です.内閣改造もやろうとしても,小規模なものしか行えず,それであればやる意味がありません.小泉氏がいわゆるチルドレンと昨夜会合を開いたようですが,「一度野党になっても,頑張るしかない」と発言したそうです.これは「小泉チルドレンの多くは,落選止むなし」ということでしょう.東国原知事の騒動も,大騒ぎしたものの,結局尻すぼみ.橋下知事ら,知事会も支持政党は明示しない方針です.どうやら今年の夏は自民党にとって,「耐えがたきを耐え,忍び難きを忍ぶ」暑く長い終戦(敗戦)記念日になりそうな気配です.

tnakadat at 07:27|PermalinkComments(6)TrackBack(0) 記事,事件 

June 29, 2009

Various artists:Yes We Can- Voices of grassroots movement

イエス・ウィー・キャン:ヴォイセズ・オブ・ア・グラスルーツ・ムーヴメント
イエス・ウィー・キャン:ヴォイセズ・オブ・ア・グラスルーツ・ムーヴメント
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 発売が昨年11月11日になっているので,オバマ大統領が大統領選挙で選ばれて一週間で世に出たアルバムということになります.参加したミュージシャンはライオネル・リッチー,スティービー・ワンダー,ジャクソン・ブラウン,シェリル・クロウ,ビービー・ワイナンス,ヨーランダ・アダムスなど多彩な顔ぶれ.何より冒頭のライオネル・リッチーが懐かしい.往年と変わらない力強い声が嬉しい限りです.

 多くの曲にオバマ大統領のスピーチが,重ねられているのですが,実に似合っている.彼のスピーチは,というか話し方は,リズムが美しいということが,よく分かります.亡くなったマーチン・ルーサー・キング牧師の演説も取り入れられていますが,すでにオバマの演説は神格化されているという感じがします.

 そしてこのアルバムのタイトルからも分かるとおり,彼を大統領に押し上げたのは,紛れもなく公民権運動などから続く,草の根民主主義の伝統だ,ということ.ブッシュ大統領が,世界同時多発テロを梃子にして,徹底した世論誘導,言論の制限,そして新自由主義の名の下で行われた福祉や医療,教育費の削減,富裕層優遇の減税政策,八年間に亘る共和党政治に反旗を翻したのは,たった一人の黒人ではなく,無数の草の根運動家たちだったということを,もう少し考えるべきでしょう.

 過剰な福祉は怠惰な人間を生む,というサッチャー,レーガン流の「小さな政府」が主流となり,旧ソ連が崩壊し,社会主義は過去のものという時代になると,貧困層は分断され,まさに「強欲は美徳」,敗者は生き残れない,社会的ダーウィニズムの世界になってしまいました.福祉や医療費,教育費の削減で誰が大きな影響を被ったかは,云わずと知れています.

「チャンスは平等だ」と共和党が強弁しても,スラム街で育ち,両親が離婚したり,失業していれば,公的教育や,福祉,公的医療がなければ,チャンスをつかむどころか,生き抜くことさえ難しい.恐らくヒップホップやダンスはこのような社会状況で生まれ,だからこそ世界中に広まったのではないか,と思います.なぜならば楽器も,音楽の教育も要らない(ピアノや声楽のレッスンは貧しい子供には無縁です),ヒップホップや,ダンスに共感する若者が,グローバル化と同時に世界中に溢れたからです.

 昨日山下達郎氏がモータウンの歴史を番組で紹介されていましたが,特にアメリカにおいて,音楽と社会とは分かち難く結びついていると感じました.モータウンの歴史とベトナム戦争,公民権運動もまた深い関係がある.しかし残念ながら日本ではそういう皮膚感覚とでもいうものが伝わらない.オバマのスピーチ集は売れたそうですが,このアルバムはそうでもなさそうです.政治は政治,音楽は音楽,同じ社会で起きたことなのに,別々のフォルダーに整理されているように感じます.

 アメリカは変革を求める国です.旧ソ連と並んで,実験的国家とすら言って良い.オバマ大統領はまさにそのような変革の時代に,未曾有の国家的危機だからこそ選ばれたのでしょう.このことを我々はどれだけ理解しているでしょうか.一度は死んだと思われたリベラルが復活し,経済というよりも,社会を再生しようとしている.本気になったアメリカの恐ろしさを,我々日本人は嫌というほど知っている筈なのですが.

 これに比べると東国原知事で大騒ぎの,マスコミの何と志の低いことよ.大体任期半ばで知事の職を放り投げる,移り気な人間が一国の代表になれるのか.宮崎県の県庁で行われる定例記者会見を個人的な宣伝の場にするなど,公私混同も甚だしい.カリフォルニア州知事であるシュワルツネガー氏といえども,そんなことはしないでしょう.

 彼の中身のなさ,何でも記事にするマスコミのアホらしさ,そして何といっても彼を担ぎ出すしかない末期的な自民党には呆れます.出るのは勝手だが,まず知事をおやめになったら.地鶏やマンゴーが売れれば,総裁候補になれるというのなら,ジャパネットタカダにでも総理をお任せすれば良いのではないか(笑).

tnakadat at 12:42|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 音楽,CD 

Original sound track:The Bodyguard

THE BODYGUARD
THE BODYGUARD
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マイケル・ジャクソンの訃報に接して,ふと聞いてみたくなったのがホイットニー・ヒューストン.思えば1980年代から,90年初めにかけてポップスはブラック・コンテンポラリーが席巻した,といって良いくらいでした.元ルーファスで,独立したチャカ・カーンや,アニタ・ベイカー,男性ではライオネル・リッチー,ビリー・オーシャンなどなど.そういえばブルーアイド・ソウルでリック・アストリーもいた.ジェイムズ・イングラム,オリータ・アダムス,Come In Out Of The Rainというスマッシュ・ヒットを放ったウェンディ・モートンはどうなったのでしょう?

 チャカ・カーンと,リック・アストリーは数年前にイギリスでスタンダード集を発表しましたし,ライオネル・リッチーもオバマ大統領の就任記念CDで元気な声を聞かせてくれます.それに比べるとホイットニー・ヒューストンはご難続き.元夫のボビー・ブラウンの乱行,麻薬中毒などでアーティストとしての活動を休止してしまいました.

 このアルバムは,ご存じケビン・コスナーと共演した映画のサウンドトラックですが,彼女のアルバム,あるいはコンピレーション・アルバムとしても完成度が高い.この人の成功がなければ,マライア・キャリーもいなかったと思うし,日本のいわゆる「ディーバ」もなかったように思います.

 冒頭のオールウェイズ・ラブ・ユーはフジテレビなどで何度もかけていささか食傷気味ですが,実はカントリーシンガーの大物,ドリー・パートンの作.カントリーの名曲をブラコンに取り込む,という大胆な仕掛けが当時のアメリカの音楽状況,そして当時の黒人音楽の自信を示していたと思うのですが,残念ながらその後の彼女の人生は波乱万丈だった.

 それでも彼女は何とか現役復帰を目指し,公式サイトによれば,すでに新作アルバムを完成し,9月1日発売予定なそうです.昨日山下達郎氏がマイケル・ジャクソンの死について「アメリカ音楽界の地獄に引き込まれて」と表現していましたが,地獄から何としても生還してほしいものです.

tnakadat at 08:21|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 音楽,CD 

新型インフルエンザに防護服は不要

 アメリカCDCは,アメリカ全土の新型インフルエンザ感染者は推定100万人を超えるだろう,と発表しました.おそらく日本でも相当数のカウントされない感染者がいるのだろうと思います.この冬,あるいは来年新たな「季節性インフルエンザ」として,このウイルスが流行する可能性は極めて高い,と考えられます.自治体や,企業で防護服の準備をしているというニュースをNHKが報道していますが,地域全体が流行しているときに,防護服を着用する意味合いはどこにあるのか?たとえ救急隊員でも,マスクとディスポーザブルの手袋,ガウンで充分ではないのか?

 アメリカでもし100万人感染したとして,120名近く死亡したそうですから,致死率は0.01%.しかしその数倍の重症患者が集中治療を受ける,と考えるのが現代の医療では自然なことでしょう.従って比較的致死率の高くないと考えられる,この新型インフルエンザでも,もし100万,あるいは1000万人といった規模で流行が起きれば,数百から数千の患者が人工呼吸器を装着せざるを得ない,ということになるのです.

 先日東北大学押谷仁教授が笹川平和財団で新型インフルエンザに関する緊急報告」という講演を行ったそうです.こちらのサイトで概要を知ることができますが,こういう議論がきちんと行われないのはなぜか.平和ボケ日本は,危機管理慣れしていない,というとそれまでですが,あまりに現実離れした対応はあっという間に尻すぼみになった東国原知事の騒動よろしく,鎖国状態の日本を映しているようで不安になります.

tnakadat at 07:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 記事,事件 

June 27, 2009

ジェイムズ・エルロイ:アメリカン・デス・トリップ


アメリカン・デス・トリップ 上 (文春文庫 エ 4-13)
アメリカン・デス・トリップ 上 (文春文庫 エ 4-13)
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 昨日マイケル・ジャクソンが死亡しました.死因は不明ですが,イギリスの夕刊紙はデメロールという合成麻薬の注射で呼吸抑制が起きたと報じています.目撃者がいたのか,病院関係者の話なのかはニュースを見た限りでは何ともいえません.フジテレビが特集番組を組んでいましたが,彼のピークは10年以上前であって,多くのファンがいたにもかかわらず,すでに抜け殻であったことは明らかです.

 King of Popと称されていたようですが,どんな歌もこなせるという抜群の歌唱力を持っていたか,というと大いに疑問です.あの甲高い声は年齢とともに衰えるのは避けられず,整形を繰り返したと噂される容貌のみならず,彼のパフォーマンスはもう限界だったと思います.確かに彼の成功とともに,プロモーション・ビデオや,派手な演出のステージが始まったように見えます.フジテレビはバブルとともに軽薄路線を突っ走り,首位に躍り出たテレビ局ですから,さぞやショックだったのでしょう.

 しかしマイケル・ジャクソン以前から,ロックコンサートは大掛かりになり,ビジュアル化という流れは始まっていました.そしてダンスやブラック・ミュージックの台頭,そして融合という流れは,チャカ・カーン,ライオネル・リッチーといったミュージシャンによって,マイケル・ジャクソンの大成功の前に開けていたように感じるのです.マイケル・ジャクソンはクインシー・ジョーンズという名うてのプロデユーサーによって作られた偶像だったと思います.

 この本では,ケネディ暗殺に始まり,キング牧師,ロバート・ケネディ,FBIフーバー長官,そしてハワード・ヒューズの暗黒面が独特の文体で赤裸々に語られます.レオナルド・ディカプリオ演じるハワード・ヒューズを描いた「アビエイター」では,ハワード・ヒューズが自室に閉じこもる様子が描かれますが,何故精神に異常を来したかは,はっきり描かれないので,いたずらに長いことも相まって退屈なことこの上ありませんでした.

 この本でははっきりヒューズがコカイン中毒であることが書かれています.エルロイが「アメリカン・タブロイド」の序文で書いているように,「アメリカが清らかだったことはかつて一度もない.われわれは移民船のなかで純潔を失い,それを悔やんだことは一度もなかった.アメリカの堕落を特定の事件や状況のせいにすることはできない.最初からないものを失うことはできないのだ.」という文章そのものです.

 マイケル・ジャクソンの予想された死から,フジテレビは例外として,日本は一体何を感じるでしょう.無邪気にヒップホップ・ダンスや,ゴスペル・クワイアーを続けるのでしょうか.ハロウィンの飾りや,ディズニ―のキャラクターを無邪気に愛するつもりなのでしょうか.彼の死はハリウッド映画や,コカコーラ,マクドナルド,そしてポップスといった,アメリカで生まれた子供っぽい夢の終わり,毎日新しい夢が生まれ,社会は進歩し続けるという幻想(このような幻想の裏返しが永遠の若さ,老化への恐れとなることは明らかです)が,アメリカ覇権の終焉とともに,朽ち果ててゆくことを象徴的に示しているように感じます.

tnakadat at 10:37|PermalinkComments(4)TrackBack(1) 書評 

June 25, 2009

ヤマメとサクラマス

 あまりコメントしたくはないのですが,テレビで話題になっている宮崎県東国原知事について一言.彼は「宮崎県のセールスマン」としては高く評価すべきでしょうね.実際宮崎マンゴーや地鶏が売れたわけですから.しかしでは知事たる者,全て人気者なら良いのか.テレビに出演して,県産品をアピールするのが知事の仕事か,というとそれも行き過ぎのような気がします.実際には知事の仕事はそうなのかもしれません.岩手県の達曽知事も,あちらこちらに出向いては県産品のPRに余念がありません.

 それでは皆知事や県議はPR活動にいそしめば良いのか,というとどうも違うような気がする.まして宮崎県のセールスマンとして成功を収めたから、総裁の器か,というとやはりおかしいのではないか.もしかすると東国原知事は総裁の器かもしれません.しかしそれはもっと時間をかけて証明すべきだし,時間をかけて評価すべきです.明らかに彼を担ぎ出そうとする古賀選対委員長は異常だし,大騒ぎするマスコミもどうかしています.

 さて本題に入りますが,ヤマメとサクラマスが元々は同じ魚だ,ということを御存知でしょうか.川に残ったのがヤマメで、海に下ったものがサクラマスなのだそうです.ヤマメは大きくなっても30cmそこそこですがサクラマスは70cm以上,10kg近くにまで成長するのだそうです.しかも面白いことに川に縄張りを作れなかった個体,すなわちヤマメに敗れたサクラマスは海に下って大きくなるのです.

 少し気が早いかもしれませんが,民主党の党首である鳩山由紀夫氏は,御存知の通り鳩山一族出身ですが,東大工学部を出て,スタンフォード大学でPh.Dを取得しています.もし首相になれば,初の工学部出身の首相であるばかりか,理科系初の首相になるのです.歴代の総理の出身学部を見れば圧倒的に法学部が多く,次いで経済学部,商学部です.日本は今までも文官優位,文民統制の国だったのです.

 ところがドイツのメルケル首相は,ライプチヒ大学で理論物理を専攻,イギリスのブラウン首相は歴史学専攻,中国の温家宝首相も北京地質学院出身です.もし彼らが仕事を離れ,例えば晩さん会などで自由に語り合う時,彼らが話す内容はかなりハイブローな話題になるでしょう.ことは政治や経済には留まらず,それぞれ得意分野をお持ちの面々だからです.それに日本の政治家や外務省はついてゆけるかどうか.おそらくキャリアと呼ばれる高級官僚もその多くは,東大法学部を中心とした文系学部が優勢であり,理科系の技官が出世できない,というのはいわば常識となっています.

 この状況と全く正反対なのが,ノーベル賞や数学のフィールズ賞など海外で評価される学者の数です.ノーベル物理学賞,化学賞,生理学,医学賞を受賞した日本人科学者は10人を超えますが,ノーベル経済学賞を受賞した日本人は一人もいません.経済,法律の世界で活躍できないのは,日本が特殊だからだ,というかもしれませんが,そんなことはありません.

 日本はバブル経済をアメリカに先駆けて経験し,その処理に苦労しました.ところが日本のバブル経済を真正面から扱った経済学者はいたでしょうか.もしまともに取り組んでいたならば,そして今回のアメリカ経済危機に有効な指針を指し示すことが出来たならば,おそらくノーベル経済学賞の候補になったかもしれないのに.

 要するに日本の社会は,小さな渓流がヤマメにとっては,大きく成長できないが,心地よい環境なのであるのと同じく,理科系が入り込めず,文科系のみで官僚や財界の中枢を独占できる,こじんまりとした心地よい環境なのでしょう.ライブドアのホリエモンのような闖入者は検察とマスコミが葬ってくれる.彼らも支配層の一部を形成しているのだから当然です.麻生総理が漢字の読み書きで皮肉られたように,細かい知識が大事で,「空気を読め」を強要される社会では,ユニークな理論を構築し,突拍子もない実験をする人間は不要だし,生きにくい.そういえば鳩山代表の仇名は「宇宙人」でした.彼のような人間は政治の世界では異端なのかもしれません.

 それでもやはり漢字の読み書きや,俳句の季語ばかりを話題にする日本はいささか異常です.足利事件で明らかになったのは,法曹界が遺伝子解析や確率といった,新しい学問に全く弱い,ということでした.それはそうでしょう.六法全書や判例を必死に覚えなければ司法試験に合格できず,合格すれば司法研修所でまた勉強.新しい科学を吸収する素地がありません.官僚も文書の読み書きに終始し,文書の裏に精通するようになり,官僚の良し悪しは文書作成能力で決まる,と云って良いほどです.

 しかし,こういうかつての科挙制度にも通じる巨大な官僚制度や,ひたすら古めかしいものに拘るやり方ではもはやどうしようもなくなっています.官僚も,マスコミも,政治家も,学者も,財界も機能不全に陥っているのは,あまりに日本的な,あまりにアジア的な,こう云う表現はネット右翼には不評でしょうが,「中華思想」にどっぷりと浸かっているからです.

 よく大学ランキングで日本の東大は第何位,大阪大学は何位と報道されますが,おそらく経済学部は世界ランクに入るのは慶応くらい,法学部は皆無ではないでしょうか.関係者の方々,間違っていたらご指摘ください.

 民主党の管直人氏は東京工業大学出身ですが,もっともっと医学部や,理学部出身の官僚や,政治家が増えるべきだと思います.毛利衛さんや,向井千秋さんが首相や大臣になる日が来るのでしょうか.私は東国原知事より,そういう人たちが政治家になってほしいと思います.マンガやアニメだけでなく,最先端の科学技術に興味を持ち,一流の科学者と当意即妙な会話ができる総理がいてもおかしくない筈です.ラブ・ミー・テンダーといって相手が困惑したり,秋葉原でベランメエ口調で演説するだけの首相というのは,やはり悲しい.科学立国,産業立国を目指すなら,もっと門戸を広げるべきだ,と思うのは私が理科系だからでしょうか(笑).

tnakadat at 19:12|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 記事,事件 

June 24, 2009

たばこでも孤立する日本

 オバマ大統領が,タバコの規制を強化する法案に署名するというニュースをロイターなど一部のメディアが伝えています.多くの新聞はほとんど無視.テレビに至っては,末期がんの少女が封切り直後のディズニーのアニメを見たという,お涙頂戴か,東国原知事が自民党から立候補するよう誘いを受けたとか,どうでも良いようなニュースばかりです.

 これまでアメリカではATFというタバコ,アルコール,銃器を規制する組織がタバコの規制を行ってきました.このATFは財務省に属する組織ですから,たばこ税の権限を財務省が持っている日本の制度と同じようなものです.日本たばこの株の半分は,政府が保有し,財務官僚にとっては日本たばこが有力な天下り先ときていますから,増税は絶対反対,タスポカードという,世界中どこを見てもないような摩訶不思議な制度がまかり通るのです.

 今回の規制で「ニコチン含有量の制限,風味の添加の禁止,若者を対象とする広告に健康への影響に関する警告を記載することを義務化する権限などがFDAに与えられる.また10代の未成年者の読者が多い出版物へのタバコ広告が厳しく制限されるほか,タバコが健康に与える影響の印象を和らげる『マイルド』,『ライト』といった単語の使用が禁止される.」と書かれていますから,マイルドセブンや○○ライトといった商標は使えなくなります.また低ニコチンや,メンソールといった煙草も販売できなくなりそうです.

 アメリカでは地上波デジタル放送も今年から始まりましたが,このニュースの扱いも低いものです.しかしそれにも増して健康上大きな問題となっており,しかもWHOの禁煙デーがつい数週間前にあったというのに,なぜたばこ規制法案について取り上げようとしないのか.一時はオバマ大統領の些細なニュースまで取り上げていたというのにです.本当にこの国は情報鎖国になりつつあります.政権交代の次は,マスコミの大掃除が必要でしょう.東国原知事は「どげんかせんといけん!」,「日本を洗たくする」がキャッチフレーズですが,まず「どげんかせんといけん」のは,皮肉にも知事や,橋下知事を生んだマスコミではないでしょうか.

追伸:今年1月に台湾で公共の場で喫煙が禁止されたことを以前の記事で取り上げましたが,オランダ,イギリス,フランスでも同様の法律が施行されていることをAFPBBニュースが特集しています.


tnakadat at 17:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 記事,事件 

June 22, 2009

須賀川市立第一中学リンチ事件

 テレビ朝日で福島県須賀川市の市立第一中学校で起きた,柔道部の傷害事件を取り上げていました.中学二年生の男子が,一年生の女子を数回投げ飛ばし,少女は急性硬膜下血腫で今も植物状態のままなそうです.一審で中学二年生の男子は慰謝料300万円,福島市と須賀川市は一億5000万円余りの賠償金を支払うよう求め,被告である福島県と須賀川市が上告しなかったため,結審したとのことでした.

 この事故の直後,少女は痙攣を起こしていたにもかかわらず,救急車が現場に到着したのがおよそ45分後であったとか,少女がこの事故を起こす前にも頭に怪我をしていたとか,この事件には分らないことが多過ぎます.事故が起きたのは7月ですから,中学一年生の少女はクラブ活動を始めてたった3ヶ月です.

 受け身も満足に取れないような少女を相手に,男子が組み手を取ること自体が異常というしかありません.結局この柔道部の監督や指導者の責任は,覆い隠されたままのようです.柔道は国技とか,精神修養と呼ぶ前に,まず格闘技であることを関係者は痛感すべきです.

 先日プロレスラーの三沢氏がバックドロップを受け切れずに頚髄損傷で死亡しました.打撃系に比べ,柔道やレスリングは安全なように思われているかもしれませんが,頭部や頸椎に強大な力がかかれば,硬膜下血腫や,頸椎損傷は避けられません.教育学部や,柔道,レスリング,ラグビーなどの指導者はこのようなスポーツ医学の講習を受けてほしい.そしてこの事件の被害者のような,不幸にも事故で回復不能な損傷を負った被害者の現実を見てほしい.何かが起きてからでは遅過ぎるのです.

tnakadat at 21:13|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 記事,事件 

国策捜査と大政奉還

 先週土曜日の各紙の一面記事は西松建設一審裁判の記事でした.いわく「東北の建設工事に天の声」.しかし云うまでもなく,この事件は1995年からのものです.検察が立件を急いだ理由の一つに時効を挙げているくらいで,それくらい古い事件でもあるのです.もし過去に遡り政治と金を取り上げるとしたら,どれだけの政治家が対象になるのでしょうか.

 保守派の論客の中には「国策捜査はあり得ない」と言い切る人も多いのですが,彼らがこぞって引き合いに出すのが,田中角栄元総理と竹下登元総理,村岡元橋本派代表などで,「国策捜査など,もしあるとすればなぜ野党ではなく,与党である自民党議員が逮捕されるのか」というものです.しかし少し考えれば分かる話で,戦後の日本には(政権交代可能な)本来の野党が存在しなかった,と云う事に尽きます.

 デモやストライキはあっても,国民の大多数が議会制民主主義を支持していて,クーデターを起こすような軍部が存在せず,日本赤軍が自滅したように,暴力革命が起こり得ないのですから,敢えて野党党首を国策捜査で陥れる必要がなかったのです.一方自民党は実質的に現在の中国のように一党独裁に近い状態で,政策変更は自民党内の派閥争いでしか起こりようがありません.

 もし政治家ではなく,官僚やマスコミ,財界が政策変更を行おうとし,そのベクトルが自民党の派閥と一致しなければ,スキャンダルか,検察を動かすしかないでしょう.宗主国アメリカの露骨な介入もあったに違いありません.そもそも自民党の結成,保守の大同連合が,社会党など左派の連合に対抗する形で生まれたという歴史的事実があります.誕生からして,アメリカの関与があったと考える他ないのです.おそらく検察はこのような流れに乗って,捜査を行ったと想像する他ありません.

 田中角栄,竹下登,金丸信,橋本龍太郎,村岡兼造,田中真紀子(鈴木宗男議員とともに,外務省改革で失脚した,と見做して良いでしょう),そして小沢一郎,と並べてみれば,このリストに法則性を見いだせない方がどうかしています.旧田中派の粛清という言葉以外,私には思い浮かぶ言葉がありません.要するに岸,佐藤栄作,中曽根,福田と続いた保守の路線からは,田中−小沢と続く旧田中派,経世会は邪道であり,「政治と金」,「○○王国」なのでしょう.しかしアメリカ輸出一辺倒の一部企業の利権を守るのが,本当に「保守」の名に値するものか,私は逆に問いたいのです.

 先週飛び出したのが,自民党議員の「大政奉還」なるいささかアナクロニズムを感じさせる言葉でした.そこまで追い詰められているという逼迫感は同情しますが,しかし奉還とは,「(政権を)お返し奉る」という言葉であり,征夷大将軍として天皇から戴いた職務を天皇にお返しする,という意味です.しかし云うまでもなく,政権は国民が選挙で選択するもので,選挙に敗れれば,「お返し奉る」も何もない.敗者は虚しく勝者に政権の座を譲るしかないのです.

 この言葉には長年政権の座に胡坐をかいてきた自民党の驕りと,いったん政権の座を奪われたらそう簡単には奪取できないという,これまた長期政権が生み出したこの国の政治の歪みがあります.しかし少し考えれば分かるとおり,選挙はトライです.公約を立て,それを実行すべく政権を担当する.実現できなければ次回の選挙で去る.ちょうど野球や,バレーボールのように攻撃権や,サーブ権が移るわけで,このようなバランス感覚こそ,戦いに明け暮れながら,歩みを止めなかったヨーロッパ文明の強かさでしょう.

 50年の長きにわたり,ほんの一時期を除いて,自民党のみが政権を握ってきたというのは,やはり極めて異常で,たとえ経済成長を成し遂げたにせよ,歪んだ風土を生んだ,と云って良いでしょう.東京一極集中,画一的なマスコミ報道,画一的な文化,おかしな知識偏重,偏差値教育,アメリカ一国しか存在しないような世界観.

 ここにきて,ようやくアメリカの一国支配が終焉を迎えようとし,国内では野党第一党である民主党が政権の受け皿になりつつあるというのに,まだマスコミの中には逡巡する気配を感じるのは何故でしょうか.50年にわたる「まれに見る安定した政権」は,変革を望まない,おかしな鎖国状態を生み出したという点で,江戸幕府にも似た功罪をこの国に及ぼしたと考えて間違いないように思われます.

tnakadat at 10:57|PermalinkComments(2)TrackBack(1) 記事,事件 

王府伊:タンメン(550円)

王府伊:タンメン久しぶりにご当地の麺.この王府伊は相当前からある中華料理屋さんで,北京に王府井という通りがありますが,このお店の名前は王府伊と書いて,ワンフイと読むのだそうです.私が学生時代からありましたから,現在の御主人は二代目なのでしょうか.中心部から少し離れていますが,近くには岩手医大の教養部(現在は移転),盛岡一高,岩手大学などがあり,学生が住むアパートも多いところです.このお店は毎週土曜日午後に材木町よ市に出店していて,中でもシュウマイがお肉たっぷりで,お勧めです.一押しの麺はこのタンメン.塩味で御覧のように野菜がたっぷり.スープは昔ながらの中華料理店の味.最近流行のこれでもか!というようなトンコツや,魚介スープではなく,極々普通のトンコツスープ,それに豚肉と野菜から出るエキスが混じったもの.550円というお値段もうれしい.店内は数人しか座れないカウンターと,10人以上座れる小上がりという不思議な配置.おそらく部活の終わった学生や,仕事帰りのサラリーマンがくつろげるように,ということなのでしょう.野球部出身と思しき息子さんがお店の手伝いをしているようですが,これからも末長く続けてほしいものです.

tnakadat at 10:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0)