March 28, 2006

日本はより安全になったのか

オウム真理教松本被告の裁判は控訴棄却,審理打ち切りという異常な事態となりました.弁護側の「被告は精神疾患であり,治療が必要である」という言い分も分からなくはないのですが,あまりにも時間を空費してきた印象は否めません.あの地下鉄サリン事件から11年が経ちました.地下鉄サリン事件の前年松本で松本サリン事件が起きました.事件から数週間で長野県警と科捜研は現場に残留する分解産物から,サリンが使用されたことを確信したといわれています.長野県警や科捜研はガスクロマトグラフィーでサリンらしき物質を検出したのですが,スタンダードが手元に無いため時間がかかったとされています.しかし習志野第一空挺団には特殊戦の部隊があり,実際地下鉄サリン事件でも出動しました.自衛隊もサリンは少量でしょうが,持っていた筈です.あるいは米軍から供与されたのでしょうか.かつてサリンは沖縄駐留米軍が大量に貯蔵し,漏れ出す事故が絶えなかったそうですが,弾丸の中に二種類の薬物を発射後に混ぜ合わせるいわゆるバイナリー方式に変更し,再配備することをレーガン政権時代に決めたそうです.そういえば地下鉄サリン事件はビニール袋でできた容器を傘の先で突き刺すという手口でした.オウム真理教もバイナリー方式だったのでしょうか.地下鉄サリン事件の直前に,駅構内でトランクから謎の霧状の物質があふれ出るという奇妙な事件も起きました.なぜか聖路加病院にはサリンの治療薬である硫酸アトロピンが大量に運び込まれていたそうです.聖路加病院の待合には大規模災害に備え酸素吸入の設備があったといわれています.阪神淡路大震災の時にはあまりに大きいため被災地に移動できなかった,消防庁の大型救護車両も出動しました.これらの事実は予め警察や自衛隊が,都内でのサリンによる無差別テロを察知,予測していたことを示唆しています.オウム真理教の事件以来確かにサリンなど危険な毒物を合成し,使用することを防ぐさまざまな法律改正が行なわれました.宗教法人に対する規制も強まりました.しかしカルト宗教はなくなったのか,地下鉄はより安全になったのか,というとこれはかなり疑問です.「地獄に落ちる」,「祟りがある」,「霊障がある」と称して多額の寄付金を巻き上げる被害はいまだに続いていますし,韓国テグ市で地下鉄車両にガソリンを撒き火をつけた事件では地下鉄サリン事件より大きな被害が出ています.韓国の地下鉄車両より難燃性の素材を使っているから大丈夫と思われるかもしれませんが,難燃性とは燃えにくいということで,タバコの火のような火災を想定しているのだそうです.ガソリンが爆発的に燃焼すれば日本の地下鉄車両もひとたまりもありません.また難燃性素材から有毒ガスが出ることも忘れてはいけません.この事件以後日本はより安全になったのか,より住みやすくなったのか,今一度考える必要があるでしょう.

tnakadat at 11:07│Comments(0)TrackBack(0) 記事,事件 

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