March 30, 2006

分からないことが多すぎる

一昨日割り箸を喉に刺し死亡した事件の一審判決が出ました.医師の過失はあったが,患者の予後には影響はなかった,従って業務上過失致死は問えない,という判決論旨だったように記憶しています.この事件はかなり稀なケースで,最終的に脳幹に突き刺されたものが割り箸という木材だったことが盲点だったように思えます.エックス線写真で木材やプラスチックは明瞭には写りません.診察した医師が「割り箸が残存している可能性」や「割り箸というエックス線非透過でない物質は通常のエックス線写真では判断できない」と気付いていれば,この子の命は救えなかったにせよ,誤診はなかったはずです.判決では頭部CT検査を行なうべきだったと指摘していますが,お祭りで転んで受傷したとするならば,綿飴に用いられた割り箸の断端はどうなっていたのか,救急隊が運んできたのか,家族が連れてきたのか,家族や救急隊員が受傷の状況をどれだけ主治医に説明したのか,短い報道では残念ながら分かりません.富山市射水市民病院の事件もそうです.人工呼吸器を外したことばかりが報道されていますが,ではなぜ「装着した」のか.末期がんの患者に人工呼吸器を装着するに当たり患者や家族にどう説明したのか,なぜ脳梗塞の患者を外科医が診ることになったのか,どうもよく分からないのです.多分取材している記者達も良く分かっていないのではないか,よく考える暇も無く情報を送り出しているのではないか.もう少し遅くても良いから,カメラを引いて全体を俯瞰する作業が必要なのではないでしょうか.

tnakadat at 13:37│Comments(0)TrackBack(0) 記事,事件 

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