March 07, 2010

ジャップに攻撃させるな

「ジャップに攻撃させるな.日本兵は攻撃の連携計画を持っているときは,スムーズに動く.だが,日本兵は攻撃されて,つぎになにが始まるのか見当がつかないときは,事情は違ってくる.」
 
 これはダグラス・マッカーサーが部下の士官に語った言葉です.以前紹介したザ・コールデスト・ウィンターにはこう書かれています.

 日本軍は行動計画を管理しその統率下にあるとき,また,すべてがあらかじめ決められた通りに遂行されるときは強力で,その厳格な指揮系統は一見,無敵である.すべては計画通りに動き,すべての兵士は厳格極まりない命令に忠実に従い,無謬である.しかし,日本軍にとって戦闘の潮目が暗転した場合や主導権が失われた場合,この長所がそのまま短所になる.驚くばかりに柔軟性を失い,うまく戦えるのは日本軍と同じような動きをする敵だけだということだ.日本の社会はきわめて階級的専制主義的で個人の創意には大きな価値を置いていないため,その軍隊は堂々とした軍には程遠く,戦場で要求される死活的重要な資質である未知のものへの対応能力を欠いた.そんなわけで,日本は軍事的には早々と硬直化した.

 おそらくこの言葉は半世紀前の軍事的敗北のみならず,バブル経済や,今回の経済危機にも,あるいはトヨタのリコール問題にも当てはまるでしょう.オバマ民主党はクリントン政権の日本叩きを踏襲していると評する人もいますが,何のことはない,日本を攻撃する最善の方法は全く変わっていないのですから,何度も同じ戦術を使うのは当然です.

 日本が戦争で敗れた原因がこのような硬直化した社会であって,個性や創意が生かされなかったから,総力戦に敗れたとするならば,個性や創意が生きる社会をつくるべきだというのは議論を要しないでしょう.しかし日本は階級制度も,専制君主も捨て去った筈なのに,相も変わらず個性や創意が生まれにくいというのは一体どういうことなのか.

 要するに旧日本軍の硬直性というのは,旧軍の制度のみならず,日本社会の硬直性の反映であって,天皇制でも,貴族のせいでもなかったのでしょう.日本の社会や,一見すれば効率的で完璧に見える日本の教育制度は,世界や日本が望む人材を生み出していないどころか,むしろ圧殺していると考える他ありません.今我々が真剣に考えなければならないのは,「政治とカネ」でも,愛子さまの不登校でもない,一見するときれいだけれど味もなければ,栄養もない,温室栽培の野菜のようなエリートしか生まれない日本の教育や社会のありようだと私は思う.

tnakadat at 10:18│Comments(0)TrackBack(0) 記事,事件 

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