2011年06月03日

ファンになってしまいました。

以前から気になっていた高知県立牧野植物園にいきました。


行く道に迷ったんですが、通りがかったプロパンガス屋さんに道を聞いたら、「説明しにくいが…そっち方向にいくき」と親切に先導してくれました。
たしかに口頭では説明しにくい、くねくねと遠かったんですよ。
わざわざ回ってくれたんじゃないでしょうか。
ありがとうございます。


その、植物園は、とてもよかった。
中にある牧野富太郎記念館も、とてもよかった。

半日で、すっかり牧野博士ファンになってしまいました(笑)

絶対にまた行くぞー!!

で、まずは一冊、園内のショップで入手。
IMGP8513

ほんとうにすごい人です。

そしてお人柄の良さも。
きっと博士は高知県民のヒーローなんでしょうねー


とても感銘を受けたので、下記を植物園のHPからコピーさせていただきました。
もちろん、この『赭鞭一撻』が載っているノートも買っちゃいましたよ〜(笑)

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赭鞭一撻(しゃべんいったつ)
結網子 稿

郷里佐川にいた少年時代(18〜20才頃)博士が植物学を志すようになった頃の勉強心得。
この若き日の抱負は、生涯を通じて実践された。

「結網子」は牧野富太郎の号


一 忍耐を要す
何事においてもそうであるが、植物の詳細は、ちょっと見で分かるようなものではない。行き詰まっても、耐え忍んで研究を続けなさい。

二 精密を要す
観察にしても、実践にしても、比較にしても、記載文作成にしても、不明な点、不明瞭な点が有るのをそのままにしてはいけない。いい加減で済ます事がないように、とことんまで精密を心がけなさい。

三 草木の博覧を要す
材料(草木)を多量に観察しなさい。そうしないで、少しの材料で済まそうとすれば、知識も偏(かたよ)り、不十分な成果しか上げられない。

四 書籍の博覧を要す
書籍は古今東西の学者の研究の結実です。出来得る限り多くの書を読み、自分自身の血とし肉とし、それを土台に研究しなさい。

五 植学に関係ある学科は皆学ぶを要す
植物の学問をする場合、物理学や科学(例えば光のせいで茎が曲がったり)、動物学(花粉を運ぶ蝶)、地理学(どこで、どんな植物が生えるか)、農学(有用植物の場合)、画学(植物画を描く場合)、文章学(植物を文章で表現する記載文)など、ほかの関係分野の学問も研究しなさい。

六 洋書を講ずるを要す
(明治初年の段階では)、植物の学問は日本人や中国人のそれよりも、西洋人の学問が遥かに進んで(いた)いるので、洋書を読みなさい(和書・漢籍じゃ駄目です)。ただし、それは現在の時点においてそうであって、永久にそうではない。やがては我々東洋人の植物学が追い越すでしょう。

七 当に画図を引くを学ぶべし
学問の成果を発表する際、植物の形状、生態を観察するに最も適した画図の技法を学びなさい。他人に描いて貰うのと、自分で描くとは雲泥の差です。それに加えて練られた文章の力を借りてこそ、植物について細かくはっきりと伝えられます。

八 宜(よろ)しく師を要すべし
植物について疑問がある場合、植物だけで答えを得ることはできません。誰か先生について、先生に聞く以外ありません。それも一人の先生じゃ駄目です。先生と仰ぐに年の上下は関係ありません。分からない事を聞く場合、年下の者に聞いては恥だと思うような事では、疑問を解くことは、死ぬまで不可能です。

九 りん財者は植物学たるを得ず
以上述べたように絶対に必要な書籍を買うにも、(顕微鏡のような)機械を買うにも金が要ります。けちけちしていては植物学者になれません。

十 跋渉(ばっしょう)の労を厭ふなかれ
植物を探して山に登り、森林に分け入り、川を渡り、沼に入り、原野を歩き廻りしてこそ新種を発見でき、その土地にしかない植物を得、植物固有の生態を知ることができます。しんどい事を避けては駄目です。

十一 植物園を有するを要す
自分の植物園を作りなさい。遠隔の地の珍しい植物も植えて観察しなさい。鑑賞植物も同様です。いつかは役に立つでしょう。必要な道具も勿論です。

十二 博く交を同士に結ぶ可(べ)し
植物を学ぶ人を求めて友人にしなさい。遠い近いも、年令の上下も関係ない。お互いに知識を与えあう事によって、知識の偏(かたよ)りを防ぎ、広い知識を身につけられます。

十三 迩言(じげん)を察するを要す
職業や男女、年令のいかんは植物知識に関係ありません。植物の呼び名、薬としての効用など、彼らの言うことを記録しなさい。子供や女中や農夫らの言う、ちょっとした言葉を馬鹿にしてはなりません。

十四 書を家とせずして、友とすべし
本は読まなければなりません。しかし、書かれている事がすべて正しい訳ではないのです。間違いもあるでしょう。書かれている事を信じてばかりいる事は、その本の中に安住して、自分の学問を延ばす可能性を失うことです。新説をたてる事も不可能になるでしょう。過去の学者のあげた成果を批判し、誤りを正してこそ、学問の未来に利するでしょう。だから、書物(とその著者)は、自分と対等の立場にある友人であると思いなさい。

十五 造物主あるを信ずるなかれ
神様は存在しないと思いなさい。学問の目標である真理の探究にとって、有神論を取ることは、自然の未だ分からない事を、神の偉大なる摂理であると見て済ます事につながります。それは、真理への道をふさぐ事です。自分の知識の無さを覆い隠す恥ずかしい事です。

(高知県立牧野植物園現代語訳)




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この記事へのコメント

1. Posted by machan   2011年06月03日 05:39
良いですよね牧野植物園

牧野植物園 大好きです
60年ほど前 よく行った時には今のようではありませんが・・・・良かったああ〜〜〜〜〜
就職し森住書店で見た「牧野植物図鑑・全2巻」一巻3000円で高くて買えなかった 
ほしくて数年立ち読みみたいなことをしました
美しくなって行きましたが 美しすぎてびっくり
最近はお遍路さんで数度訪問 無料で植物園を通過しました
植物園の裏から正門まで・・・遍路道なんです

ゆっくり一日かけて行ってみたいです
2. Posted by Barbafine   2011年06月03日 06:30
いいですよね。牧野植物園。
GWは高知に足が向いてしまうのか、去年、女三世代で訪れました。
My姫の写真も見てやってください。
http://dreamingpig.blog54.fc2.com/blog-entry-293.html

σ(´ρ` )は、隣の竹林寺が好きでした。
また行くときには、是非どうぞ〜〜。
3. Posted by くみーる   2011年06月03日 06:54
高知出身者のわたしと致しましては、書き込みせずにはいられません!
幼稚園から高校まで、遠足と言えば、牧野植物園か桂浜だったんですもの(笑)

牧野植物園、いいでしょう。橋本知事の頃、どんどんリニューアルして、すごくお洒落になりました。
長く続く木の回廊を、歩くのもよし、反対側の温室や芝生の方へお散歩するもよし。

牧野博士は、とてもチャーミングなお方だったようです。
植物を採集する時は必ず、山高帽に白いシャツ、山に出かけるとは思えない正装だったそうなんです。それはなぜか…。
みずからを「草木の精」と称し、草木は、「永遠の恋人」とする…。
つまり、女性をエスコートするスタイルなわけです!

素敵でしょう!そして私、博士の顔もかなり好きです(笑)
4. Posted by くみーる   2011年06月03日 07:01
しつこくてすみません。高知になると力入ってます(笑)
Barbafineさんのおっしゃられる通り、次回は竹林寺にも是非です!秋は、紅葉も素晴らしいですよ。
5. Posted by とんとん   2011年06月03日 08:08
すごいですね〜、牧野富太郎!!
驚きました(゜o゜)

この「勉強の心得」は、全ての学問、職業に通ず。

確固として揺るがない、研究に対する姿勢。なのに非常に柔軟。

私は何十年も前に1度だけ、富太郎の図鑑(画集?)をちらっと見たことがありますが、今でも印象に残っているくらい「すごいなあ」と思った記憶があります。
こんな素晴らしい研究姿勢と人柄が生み出した研究だったんですね〜

何事も「中途半端」を旨とする私は大成しないはずです




6. Posted by 文庫あるじ   2011年06月03日 20:54
machanさま
遍路道ありました!
小さな看板があったので不思議やなと思うてました。疑問がとけましたー
ほんとにいいですね。牧野植物園。いちんち楽しめます。

Barbafineさま
ほんとにいい写真ですね。
あの大屋根の雰囲気がすごくでてると思います。
次は、竹林寺へも行ってみます
7. Posted by 文庫あるじ   2011年06月03日 21:00
くみーるさま
そうなんです。
若いころの写真が、氷川きよしにそっくりだと、実は我が家では話題になってました(笑)
正装で標本採集といい、鬼バスネックレスといい、きのこ踊りといい、ほんとにチャーミングな方ですね。
ワタクシは、蝋人形きらいですが、博士がご自宅の質素な机の前で写生している人形の前で、つい「博士」って親しく声をかけてしまいそうになりました。

とんとんさま
ほんとすごいですね。
ワタクシも、博士がこんな人だとは知りませんでした。
びっくり。
次のロングドライブはぜひ、高知へ。

8. Posted by 倭瑠   2011年06月08日 01:40
実は、文庫あるじさんから遅れて数日後に牧野植物園に行ってきました。(笑)
わたしも、やっぱり氷川きよしさんに似てると思いました〜!

花皿鉢コンテスト、なかなか良かったですね〜!
9. Posted by 文庫あるじ   2011年06月08日 20:51
倭瑠さま
そうでしたか!
そしたら、あの芯まで真っ赤な百合もご覧になりました?
牧野植物園、おもしろいですね
教えていただいた「ひろめ市場」で「かつおの「塩たたき」美味しかったですー
ありがとうございました!

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