2018年05月26日

住宅地図

図書館で目に入って借りた本ですが、最近祐信さんが住宅地図のことを話題にしておられましたから、偶然の一致ですね。

『ゼンリン住宅地図と最新ネット地図の秘密』
内田宗治著(2014年6月11日実業の日本社)
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住宅地図といえば、ワタクシが就職したころ、各事業所に必ず配備されていたのは「吉田地図」でした。
クレーム対応とか配達とか、とにかく地域の消費者のところへ行くのに必需品。
先輩たちも「住宅地図とってきて」とは言わずに「吉田地図とってきて」と言っていた。
なので、ゼンリンにはなんとなくなじみが薄かったのですが、最近はゼンリンばっかりだなあと思ったら…
なんとまあ、今や住宅地図の世界はゼンリンの独擅場になっているのでした。
東証一部上場の業界オンリーワン企業です。

全国にあまたあった住宅地図会社とのその後の明暗を分けたのは、昭和59年のデータベース化だったらしい。
現在では地図情報が1000ものレイヤーになっていて、ユーザーの望む必要な情報の入った地図が提供できるというわけで、考えてみると地図って使う目的によって、必要な情報や形態が異なるものだった。
本書の後半はカーナビ地図の進歩について。
何気なく使っていたカーナビの裏がわかって驚きます。
これからの自動運転につながる技術などにも関係してくるのですが、なるべくしてなったとは思うものの、昔の手書き文字の住宅地図がこうなっていくのか!技術の進歩はオソロシイ。

とはいえ、住宅地図もカーナビ地図もハイテク技術が駆使されているわけですが、本書でわかったのはいずれも基本は人間の目と脚と判断でできているということ。
住宅地図をつくるのって、バイトの人とかをどかっと短期間に投入しているのかと思っていましたが、違いました。
熟練の(もちろん新人もいるけど)調査員がベタに歩いて調べているらしい。
もちろんそこにノウハウがあって、なるほどこれではバイトでは無理。
著者も、実はそのへんの職人魂に共感したからこの本ができたのではないかと思ったのでした。

これまで何気なく見ていた、住宅地図を見る目が変わりました。
ごめんなさい!という感じです。
ちなみに、「ゼンリン地図の資料館」というのが北九州市小倉にあるそうです。
行ってみたいものです。

ということで、5月26日のみそ汁
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鳴門のわかめ、おとふ、しめじ
具が3種類しか入ってない


この記事へのコメント

1. Posted by タカシ   2018年05月27日 14:48
面白そうな本ですね。確かに今の住宅地図はゼンリンの独擅場になっていますね。他の出版社の住宅地図はあまり見かけたことがないです。
人力で調べていくのは骨が折れそうですね(苦笑)
2. Posted by 文庫あるじ   2018年05月27日 22:04
タカシさま
面白かったですよ〜
地図の調査員、やってみたい気も…(笑)

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