2018年12月05日

勝手に応援団のキモチ

「細く長く」をモットーに続けている「南三陸町戸倉勝手に応援団」ですが、名前の通り、勝手に応援している活動です。

最初のころは、とにかくたいへんだ、現地で必要としているものがあるなら送る。という感じでしたが、だんだんと、地元の女性たちの仕事づくりの応援へと内容がシフトしています。

日本の地方はどこも同じく、地域での仕事が減っています。
とりわけ被災地では、いったん無くなった仕事が完全に復活するはずもなく、仕事づくりは大きな課題です。
勝手に応援団が支援している女性たちも、被災以前は主に漁協関連の仕事をしていましたから、被災と同時に家も仕事も(家族も)失った方が多いのです。

戸倉でも最初は仮設住宅の集会室で集まって、おしゃべりしながら縫物をしてそれが少しでも収入につながればという感じだったと思うのですが、7年が過ぎた今では、「縫い物工房」として数人の女性たちが仕事をしています。
とはいえ、まだ安定した仕事が入るということでもなくて、代表者の三浦さんが持ち出ししながらなんとか仕事をつないでいるようです。

徳島からの支援内容は、主として、布地や小物の材料になるものを送ることと、できた製品を買うということです。
製品は送ってもらうと全品買い取って茶房で販売しています。
ですから一度にあまりたくさん仕入れることができません。

当初から、たくさん寄付していただいた着物や布地などを東北へ送る送料は全額個人負担していましたが、相当な金額になるためこれは長く続けることは困難になるかもしれないと思っていました。
ただ、着物と一緒に送料も寄付してくださる方もあり、そんなときはたいへんありがたかったです。

そこで数年前から茶房で「送料募金」を始めました。
送料や、直接製品価格に反映できない着物をほどく手間賃などにあてています。
送料募金は、茶房でのお釣りを募金してくださる方や、不用品バザーの売り上げを寄付してくださる方、製品で買いたいものがないからかわりにと募金してくださる方など、おかげさまで送料をまかなえるだけの金額があつまっており、たいへん助かっています。
金銭面だけでなく思わぬアクシデントもあったりして、そのたびにもうやめようかと思ったり、いつまで続けられるだろうと不安を抱きつつの活動ですが、みなさんの暖かい思いに接するたびに、まだしばし続けられそうだと思うのです。

「勝手に応援団」は本当に「勝手に応援」しています。
なんの見返りも感謝も求めてはいません。
でも、それはワタクシがそう思っているだけで、思いはみな違うかもしれないので、思い込みと決めつけでことをすすめてはいけないですね。

三浦さんからはいつも感謝のことばをちょうだいしていますので、それをもっと自然なかたちでみなさんにお伝えしなくてはいけないなと思っております。
震災がなければ知り合うこともなかったはずの三浦さんたちとできた不思議なご縁です。
できるかぎりは細く長くつづけていきたいと思っています。
いろいろ至らないことがあると思いますが、これからも見守っていただけたらと思います。


tnkn at 19:25│Comments(3)clip!東北支援 

この記事へのコメント

1. Posted by 団長の妻   2018年12月06日 23:25
言い出しっぺの団長が「勝手に応援」どころか「勝手に亡くなって」しまったのに、よくぞここまで続けてくださいました。<m(__)m>
「微力は無力ではない」をモットーに、お互い、これからも自分のできる範囲で続けて行きましょう。
オリンピックが終わったら次は万博。一体いつになったら(東北に限らず)被災地にお金と人が回されるのか・・・。これでよいのか、日本よ。
2. Posted by みなみさっこ   2018年12月07日 10:18
みなさん、毎日お仕事や生活お疲れさまです。
私を含めて、毎日ばたばたと時間に追われたり、仕事や生活に一生懸命取り組んでいると、ふと「これでいいのか?」「もっと楽しまなくちゃ」と思いつつも、ひとときの癒やしを求めて好きなことに没頭したり、美味しいコーヒーを飲みに行ったり、ひたすらぼーっとしたり(笑)そんな時、針を持ってチクチクしたり、毛糸でひたすら鎖編みを続けたり、お気に入りの絵本を声を出して読むことで、どれだけ自分を取り戻すことができるかわかりません!
「勝手に応援団」の活動も、大変なことは全部「万年山さん」がやってくださり、私は作品をたま〜に購入することしかできませんが、現地に行って話を聞いてあげたい気持ちのかわりに、作品を通して作者の苦労や活動を想像するだけでも意味があると思います!
世の中にはいろんな人がいて、いろんな価値観もあると思います。
でも私はこの「勝手に応援団」を支持し、応援していきます!
今日もお仕事頑張るぞ(笑)
3. Posted by 文庫あるじ   2018年12月07日 19:30
団長の妻さま
団長さんが生きておられたら、きっともっといろいろと展開できているだろうなと思い残念です。
何もできませんが「微力は無力ではない」の言葉を励みにしています。
万博が決まったときの感想は「同感」です

みなみさっこさま
ありがとうございます!
ものすごくものすごく励まされます!
それにいつも製品を買っていただき感謝!
今日もお仕事、頑張ってくださいね

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