行ってきました。
この映画は、上映する映画館が少ないです。
愛知県では名古屋の名演小劇場でしかやってません。
映画のために少し遠くまで足を運ぶ必要がありました。
前回の記事では、見に行く宣言までさせてもらいました。
いや~、最近すっかりズボラで、休みとなったら、だらだら近場でまったりしてしまいそうだったんで・・・。
とは言え、代休をもぎ取って行って来たんで、私としてはこの映画を見たい意気込みが、やはり他とは違ってましたね。
思った通り、素晴らしい映画でした。
これからジェット・リーの代表作にはこれを挙げよう。
泣かされそうな映画であることはわかってました。
だから、泣かねーぞ!なんて気分で見てました。
でもね、冒頭から来ますよ。
これから心中しようとしてるのに、無邪気な大福。
深刻な表情の父、心誠(ジェット・リー)。
この対比だけでグッと来ました。
自閉症の子って、こうなんですよね。
でも、この程度じゃ泣けないな。
末期癌で余命いくばくもないと知った王心誠は、自分亡き後、自閉症の息子、大福が幸せに暮らせるよう心を折ります。
大福の仕草のひとつひとつが、息子とダブって、とてもかわいく思えました。
文章(大福)の演技も秀逸です。
ほんとの自閉さんみたい。
大福が問題を起こすところなんて“あるある”って気分です。
なかなか出来ない事に、怒り爆発してしまう事も“あるある”って気分です。
そして怒った自分に反省するとこも・・・。
いちいち私の琴線に触れてきます。
大福と楽しそうに笑いながらも、脇腹に手を当てる心誠。
痛みも酷いのでしょう。
ジェットの地味な演技も新鮮でした。
しかしまあ、ジェット・リーなのに泳げねーぞ、この父ちゃん!
父子で慎ましやかに暮らしてるのも、なんだか素敵だなと思わせてくれます。
水族館など、絵葉書のようなシーンが多いのも印象的でした。
サーカス団員の女性、鈴鈴に大福が恋心を抱いていそうなとこも印象的でした。
自閉症の子の恋。
息子にもそんな思いがあるんだろうか?
あと、鈴鈴の生い立ちだけで、うるっと来るのは年のせいだろか。
亡き妻に対する思いにも、頷けるものがありました。
息子が自閉症で、そのことで妻を攻めた事はないのに・・・。
母親って、なぜか負い目に感じてしまうようですね。
親切な隣人の柴との恋もよかったです。
お互い好意を持っているのがわかります。
もうすぐ死んでしまう身としては、手を握るのがせいいっぱい。
本当は抱きしめたいところであろうことがよく伝わりました。
アクションなしでも、充分なジェットの演技でした。
心誠が大福の事を相談するシーンで、実は劇中でも大したシーンじゃないんですが、
「親孝行して欲しいとは思わない、あの子がいてくれるだけでいい」
(こんな感じのセリフだったかな?)
このセリフに堤防を突き崩されました。
私も日頃思ってることで、これにはやられた~って気分です。
アクションシーンなしでも充分ジェットはカッコよかったです。
まじめな水族館職員で、優しい父親のジェット・リーが素敵でした。
きっと、大福は周りの人達に見守られながら、幸せに暮らしているでしょう。
この映画にジェットが出てくれたことに感謝です。
ぜひ多くの人に見て欲しい作品です。