美琴「週末は アイツの部屋で しっぽりと」2続き
413 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 20:11:24.00 ID:Qg9WlRhFo
[06:24]
学園都市に静かな朝が訪れる。
6時を過ぎても夜の帳はまだ明けきらず、放射冷却現象によって冷え込んだ外気のためか
室内の吐息も白く染まるほどに寒い朝だった。
上条は、開ききらない瞼の先に見える栗色の髪からふんわりと漂う甘い匂いと、
湯たんぽのような温もりを生む存在を胸元に感じながら目を覚ました。
寝入る美琴は子供のように高い体温を保ちつつ、上条に寄り添って未だ眠っている。
起こさないようにそっと抱き寄せ、彼女の耳元で小さく呟いた。
「……これが幸せな目覚めってやつなのかなぁ」
「えへへ」
「!? 起きてたのかよ」
「うん、ちょっと前から」
「起こしちまったかと思って焦りましたよ」
「ほんの5分くらいよ。アンタの腕の中でじっとしてるのって幸せだもん」
「そっか。……おはよう、美琴」
「おはよ、当麻」
お互いを強く抱き寄せながら朝の挨拶を交わし、どちらともなく口付けた。
眠気から覚めきらない淡い意識を保ったまま、暖かい唇を重ね合わせ
融合するような一体感に身を委ねる。
永遠の一瞬。そんな幻想的な情緒が溢れる、至福のひと時だった。
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/26(水) 20:17:20.69 ID:npUN8IVK0
最後のゴムは一体何を壊すのか
415 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 20:17:00.17 ID:Qg9WlRhFo
「……今何時だ?」
「6時半くらい。あ、携帯取ってくれる?」
「よいしょっと」
上条は上半身をくねらせ、食卓に置いていた美琴の携帯電話を手に取るついでに
自分の携帯電話とエアコンのリモコンも一緒に手に収める。
彼の携帯には着信がなく、幸いにも平穏な一夜となったらしい。
エアコンの暖房を入れ、冷える今朝は暖かめの室温に設定した。
「あちゃー、夕べのメールが溜まってるわ」
「結構来てるのか?」
「送り主は三人だけだけどね。佐天さんと初春さん、あとは全部黒子」
「お前がいつも仲良くしてる三人組だっけか」
「うん。……ねえ、私達の関係の事、この三人には話してもいいかな?」
「俺は構わねえけど、白井は大丈夫なのかなあ」
「問題ないわ、ちゃんと真剣に話せば分かってくれる子だから」
上条はどうにも白井の恐ろしい反応を予期してならない。
容赦なく蹴り飛ばされた事が幾度もあるので、美琴はクスクスと笑いながら
さもありなんといった様子で彼を宥めつつ、受信メールを次々と開いていく。
417 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 20:21:13.48 ID:Qg9WlRhFo
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【From】kuroko-shirai@tokiwadai-jh.ed.jp
【Sub】 お恨みいたしますの
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首が……痛いですの……
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【From】ruiko-saten@sakugawa-jh.ed.jp
【Sub】 バレちゃいました><
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ごめんなさい御坂さん、お泊りの事
白井さんにアリバイがバレちゃいましたっ!
それはそれとして……明日はぜひとも
詳~しく聞かせてくださいね!
今夜は彼氏さんとごゆっくり~(^^)/
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【From】kuroko-shirai@tokiwadai-jh.ed.jp
【Sub】 本当にお泊まりのつもりですの!?
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おねぇぇさまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
ぁぁぁぁ!!!!!!!!
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418 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 20:26:37.48 ID:Qg9WlRhFo
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【From】kazari-uiharu@sakugawa-jh.ed.jp
【Sub】 明日の件です
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こんばんは、夜分遅くすみません。
明日の合流時間の件、三人で話し合って
午後一時に会おうって決まったんですが、
その時間まで来られそうですか?
ところで、白井さんが妙にピリピリして
佐天さんがニヤニヤとしてたんですけど
二人と一体なにがあったんでしょうか?
あっ、お返事は明日でもいいですよ~!
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【From】kuroko-shirai@tokiwadai-jh.ed.jp
【Sub】 ウケケケケケケ
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類人猿め、もしお姉様の操に手を出したら
コロスコロスコロスコロシタル……
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(黒子が相当ヤバいわね……)
変わり者である事は重々承知しているが、精神的に半壊していく様子が
まざまざと伝わってくる一連の流れは中々怖い。
ここは上条に一言断りを入れて、ひとまず返信を返しておく事にした。
上条は美琴がメールに熱中している間に背後から彼女を抱きすくめて
首筋の甘い匂いに陶酔し始めた。彼も大概甘え好きらしい。
419 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 20:31:15.80 ID:Qg9WlRhFo
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【To】ruiko-saten@sakugawa-jh.ed.jp
【Sub】 おはよう
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昨日は連絡できなくてごめんなさい。
それと黒子の件、無理言ったのは私だし
佐天さんが謝らなくてもいいの!
今日はなんでも奢るから許してね。
どこまで話せるかはわからないけど、
聞かれた事には正直に答えるわ。
……でもお手柔らかにお願いね^^;
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【To】kazari-uiharu@sakugawa-jh.ed.jp
【Sub】 おはよう
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連絡ありがとう。
一時にセブンスミスト前でいいのかな?
その時間に間に合うように向かいます。
黒子の発作はいつものことだから…(^_^;
佐天さんには色々と聞かれそうだけど、
とにかく明日はよろしくね!
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【To】kuroko-shirai@tokiwadai-jh.ed.jp
【Sub】 おはよう黒子
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昨日は色々無茶を言ってごめんなさい。
今日はあなたに大切な話があります。
佐天さんと初春さんとセブンスミストで
合流してから、四人で話しましょう。
午前は確か風紀委員当番よね、頑張って。
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420 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 20:37:36.95 ID:Qg9WlRhFo
返信を打ち終えて枕元に携帯を転がすと、再び上条の身体に抱き付いて体温を重ね合う。
起床予定は8時と決め、今はただ惰眠をむさぼりながら最高の居場所に酔いしれる。
「ふにゃあ~……幸せぇ~♪」
(気の抜けた声出しやがってまぁ)
普段は聞けない、しかし昨日今日は幾度となく聞いた美琴の甘ったるい裏声は
男の朝の生理現象をいっそう力強くさせる魔性の響きを持っていた。
しかし居心地の良さに緩みきっている美琴に対しては、右手を添えていないと
布団の中がたちまち発電所に変貌する可能性をも孕んでいる。
美琴本人に悪意は欠片ほどもないのだが、故に難儀な体質だ。
「ねぇ」
「なんだ?」
「お腹にナニか硬いのが当たってるんだけど」
「こ、これは男の朝の生理現象なんです!」
「ふうん……」
「ですから別に朝からサカってる訳ではなくてですね……」
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/26(水) 20:39:12.06 ID:iNzdVOwMo
こ、こいつら…朝っぱらからおっ始める気か…ゴクリ
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/26(水) 20:42:11.52 ID:Y9UuOD03o
朝からやるとか大学生かよ
俺にはそんな大学生活無かったけど
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/26(水) 20:41:39.41 ID:CH6x2odT0
黒子がゴム使うまでもなく壊れている・・・。
424 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 20:42:25.80 ID:Qg9WlRhFo
「……ただの生理現象だから、仕方のないことだって言いたいの?」
「そ、そうなんですハイ」
「…………。ふんっ」
「……えーと」
不機嫌な沈黙が二人の間に漂い始める。
どうやら期待と違う返事をしてしまったらしいと上条は直感した。
「……」
「あ、朝から言うのもなんだが……本当は、美琴が、欲しいんだ」
「ホントかしら」
「マジだって」
「ふふっ、もうしょうがないんだから、当麻は」
嘘から咄嗟に出た言葉ではない。一応本心ではある。
それはそれで即物的な一面を露呈してしまう事になるのだが。
ところがこんな返事にも美琴は上機嫌な笑みを返してくるのだから
事態というものはどう転ぶかわかったものではない。
425 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 20:49:00.70 ID:Qg9WlRhFo
「確か、あと一枚余ってたのよね」
「あ、そうだったっけな」
スキンの残数だ。美琴は昨日枕の下から一枚奪った時に知ったらしく、
上条自身も一夜経って忘れかけていた事を把握していた。
就寝時には尽き果てていた上条の精力も幾分か回復していたため、
箱入りで買っておかなかったのは幸か不幸か判断の難しい部分だ。
「ねぇ……また咥えてあげよっか」
「ああ、して欲しい。俺もしてあげてえけどな」
「交代でするの?」
「同時にだよ」
「どうやって?」
美琴はその名称も体位もまだ知らないが、お互いに性器を口で愛撫しあえる
シックスナインという便利な体勢がある。
上条は掛け布団の中に潜ると、美琴の花柄のパジャマに手を掛け
そのまま膝上までスルリと脱がせる。
薄暗い布団の中で、上条は寝汗で湿ったカエル柄のショーツに遭遇した。
「これまたカワイイの穿いてんだな」
「やっ、こ、これは寝る時用のだから!」
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/26(水) 20:56:14.27 ID:iNzdVOwMo
69か…にゃるほど!
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/26(水) 20:53:17.46 ID:nyhgCb0mo
ふぅ・・・
427 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 20:56:04.64 ID:Qg9WlRhFo
「別になに穿いててもお前はお前だよ……すぅぅ」
「優しい言葉吐きながらクンクンすんなぁぁ!」
湿ったショーツの上から鼻腔を押し付け、下着ごと美琴の下腹部を愛撫すると
かすかな寝汗の匂いと、少女らしからぬ雌の芳しい匂いが肺を満たす。
緩やかな前戯でも少女の内側から欲情をたぎらせるには十分だった。
「っこのっ、私も反撃してやるんだから!」
二人はベッドに寝そべりながら自然とシックスナインの体勢を取っていた。
奉仕欲の強い美琴は対抗心を燃えあがらせて、上条のジャージに手を掛ける。
突き出る下腹部に難儀しながら下着ごと脱がすと、張り詰めたペニスが姿を現した。
「朝から元気なんだからもう……ちゅ」
挨拶代わりに先端部へ口づけすると、ゆっくりと口の中に飲み込んでいく。
激しいディープスロートはまだできないが、暖かい口に含んでいる感触だけでも
上条は言いしれぬ快楽を得られていた。
(うああ……美琴のやつ、口の中まで飲み込んでくれてるのかよ。あったけぇ)
(当麻の息が掛かってこそばゆい……なんか中からジワッと来るぅ……)
429 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 21:00:55.82 ID:Qg9WlRhFo
膣内のように暖かく軟らかい美琴の咥内に包まれて、上条は深い溜め息を吐いた。
腰を振りたい衝動を堪えつつ、ショーツの上から陰核らしき部分を吸い上げると
睾丸部に熱い鼻息を感じる。美琴も同じように発情めいているのだ。
(とうまの精が……欲しいよぅ……)
昨日の時点で要領を掴んでいるため、上下逆の体勢でもそれほど労苦は感じない。
たっぷりと口に含んだ唾液でペニスを濡らすと、ツヤツヤと光り輝きはじめた
亀頭の海綿体が小さな伸縮を繰り返し、尿道口から珠粒の粘液が溢れ出す。
餓えを満たすかのように、美琴はその粘液を舌で舐め取る。
舌に力を入れすぎないよう意識しながら、撫で回すように先端部を舐め転がすと
上条の腰がヒクヒクと震えだした。
その敏感な反応に満足気な笑みを浮かべながら、ペニスの根元を手で押さえて唇で扱き上げる。
「ちゅっ…ぢゅぽっ…ぢゅぽ…ちぅ…ぢゅる、れろっ…ぺちゅ、ちぅっ…ぢゅぽ…」
(くぅうっ、美琴さんってばフェラが上手になりすぎですよ……)
「んっ…ちゅ、ぢゅぽ…ちゅるっ…ぬぽっ…ぷぁ…だいすきぃ…ぢゅぽっ、ちゅぅ…」
(このままだとすぐイカされちまう……俺もしてやりたいってのに)
430 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 21:06:41.74 ID:Qg9WlRhFo
しかし雰囲気を中断したくない上条は、ショーツを脱がす機をとうに逸していた。
仕方なしに秘部を覆っている布部分だけを強引に横にずらすと、
既に濡れ滴っている秘裂にしゃぶりつき、舌の腹で小さな陰核をねぶり上げる。
口周りをベトベトに濡らしながら、上条は美琴の感じそうな部分を手当たり次第に
唇と舌でこねくり回し、彼女のウィークポイントを探求した。
「ふうっ……んく…あっ……んあっ、それ…集中できなくなるぅ…うあぁっ!」
フェラを疎かにするほど大きな声をあげたのは、膣に舌を突き入れた時だった。
陰核でも感じる反応はするのだが、美琴は入り口で特に感じるタイプらしい。
両手で臀部の肉を掴み上げ、歯が当たらないように気を遣いながら
上条は舌を使って膣穴の周辺に何度も弧を描いた。
「んふ……ふぁ、ふぁぁっ…んく…やぁぁ…とーまぁ…ひぃ、んーっ…ああぁ…」
(トロトロの液体が湧いてくる……)
酸味の強い愛液が上条の喉を潤し、咥内を雌の匂いで満たしていく。
さえずるように鳴く美琴の嬌声に気を良くしたものの、
舌を伸ばして舐め続けるのは顎筋への負担が大きい。
ぬくい布団の中で穏やかな前戯に没頭するのは大変魅力的なのだが、
カーテンの隙間から朝日の光が差し込み始めた事を考えるとそう時間は取れない。
まさに口惜しい事だが、上条は口での愛撫を自ら止めて、布団から顔を出した。
431 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 21:10:47.88 ID:Qg9WlRhFo
「……そろそろ、いいか?」
「うん……大丈夫」
美琴は頭を置いていた枕の下に手を伸ばし、ややあって最後のスキンを見つけ出すと
ベッドに膝立ちしている上条のいきり立ったペニスに手早く装着した。
スキンを自ら身に着ける事によって、ネクタイを締めるかのように姿勢を正すはずが
これでは衣服を着せられた幼児のような気分になってしまい、どうも落ち着かない。
「このくらい俺が自分でするっての」
「私がしてあげたいの」
「尽くしすぎだよお前は」
「え……ダメ、かな?」
「別に悪いって訳じゃないから、うるうるとした上目遣いはよせよ」
「だって……」
(ああもう可愛いなこいつ)
かねてから抱いていた、負けん気が強いワガママ電撃姫のイメージは
付き合いだしてから緩やかに崩壊していった。
実際のところは純粋で乙女チックな一面を持った少女である。
ツンデレという言葉があるが、人間関係に臆病な人物の行動パターンの一つに過ぎない。
こう見えて誰よりもナイーブで、それなのに自己犠牲的に人を救おうとするから
上条はとにかく気掛かりなのだ。
昨日、言い忘れた一言がこういう時に役立つかもしれないと考える。
432 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 21:17:36.74 ID:Qg9WlRhFo
「それじゃ、入れるぞ」
「うん、来て……」
美琴はベッドに寝そべると、そっと目を閉じて相手に身を委ねる。
上条は美琴の寝間着を下着ごと脱がせると、そのまま両足首を持って股を開いた。
美琴は瞼を閉じる力をギュッと強めたものの、抵抗のそぶりは示さない。
挿入直前のこの瞬間に二人の動悸は最も激しくなる。
「最初はゆっくりと入れるからな」
「うん」
「それとな、美琴」
「なに? くっ…ふぁぁ…」
赤く熟した下腹部にそっとペニスをあてがうと、少しずつ先端を挿入していく。
熱くきゅうきゅうと締めてくる膣の入り口に、息を吐きながら立ち向かうと
美琴は待ちわびていた上条との結合に身を震わせながら、圧迫感を受け入れていく。
「奥まで全部入れたら、身も心も全部俺の物になってくれよな」
「もうとっくに、なってるわよ……」
「それでも、身体の芯まで刻み付けたいんだよ。お前はもう、俺の女だってことをさ」
いざ大言を吐いてしまってから、自分らしからぬ気障な台詞だと思い直した。
相手次第では失笑物の失言になりかねず、盛り上がった愛欲も冷めかねない。
433 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 21:20:07.58 ID:Qg9WlRhFo
ところがそれを聴いた美琴は目を見開き、顔を赤く染めて惚けた表情をしている。
どうにも正確に心理のツボを突いてしまったようだ。
「うん、私を当麻の女にして」
美琴とて、他人の所有物になる発言など彼以外には絶対に許せるはずがない。
しかし、懸命に追いかけても無意識に受け流されていた頃を思い返せば、
上条が自分に夢中になってくれている今はどれほど幸せな事か。
台詞としてそれが彼の口から聞けると冥利に尽きるのだ。
「ふぁっ…先っちょが、ちょっとずつ…はぁっ、はぁっ…入ってきてるぅ……」
「美琴……辛くねえか?」
「だいじょうぶ……あぁっ……私の中が当麻で満たされていくこの瞬間が、好き……」
「俺もだ」
美琴はヒクヒクと身体を震わせながら、静かに侵入してくるペニスの感触に高ぶっていた。
上条はその反応が心地よく感じて、先端部だけを出し入れする感触を堪能している。
待ちきれない美琴は裏返った声でねだりだした。
434 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 21:26:41.99 ID:Qg9WlRhFo
「やっ、やぁっ……焦らしちゃやぁ……」
「でもこれ、気持ちいいんだよ」
「早くぅ、私を当麻で一杯にしてよぉ……」
「こうか?」
「くふ……あはあっ!!」
言われるや否や、上条は腰を前に突き出す。
膣の奥に届いた感触に震え上がり、美琴はいっそう高い声で鳴いた。
「あー、あはぁぁ……ッ! とうまが、届いたぁ…っ…!」
「奥まで、入ったぞ。すげえ締め付けてくる」
「んっ……今ちょっとイッちゃったぁ」
「なんだ、俺を置いてもうイッちまったのか」
「ごっ、ごめん!」
「ウソウソ、全然責めてねえよ。好きなようにイッていいからな」
「当麻も一緒がいい……」
「最後は一緒にイこうぜ。ゴム付きだけど、中で出すからさ」
「うん」
435 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 21:31:13.50 ID:Qg9WlRhFo
身も心も満たされ、緩いエクスタシーに突き上げられた美琴の瞳は恍惚としていた。
一方の上条は、うねるようにして締め付けてくる熱い膣の感触によって
今にも射精に導かれそうな自分を懸命に堪えている。
しかし誘惑に捕らえられて前後に動く腰の動きは抑えようもなかった。
両足の膝を肩の上に持ちあげ、折り曲げられた美琴の身体に深い注挿を繰り返す。
(とうまの……熱くて、堅くて、おっきくて、ビクビクしてて、ぬるぬるで…気持ちいい…ッ!)
(美琴の中……あったかくて、軟らかくて、キツキツ締まって、ぬるぬるで…気持ちいい…ッ!)
「あっ、あはっ、やぁん、あんっ、くふっ、あっあっあっ、ひぁっはぁ、んあっ…」
「美琴っ……好きだ……!」
「んあっ、あっ、はあっ、あっ、ああっ奥ぅ、くるぅ、はあはっ、ふっ、ふっ…」
「美琴っ……はぁっ……みことっ……!」
「ふぁっ! あはっ! あっぁっあ! とうまの、おちんちんっ、おくにあたるぅ! はぁっ…はあっ!」
「みことぉ……っ!」
「ふぁっはっ! とうまぁ! あーはっ、ふぁっ、はあっ、あーっ! はァ、ひぃッ!」
436 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 21:38:00.13 ID:Qg9WlRhFo
女は快楽のために声を抑えきれず、男は我慢のために声を押さえがちになる。
上条が美琴の名前を連呼するのは、彼女自身の要望という事もあるが
そうしていないと無言で腰を振り続ける単調作業に陥りそうだったからだ。
自慰ではなく性交なのだから、美琴あっての行為なのだからと己に言い聞かせるように
上条は荒い息と美琴の名前だけを交互に吐き出し続けている。
「あっ、はあっ、あーはぁ、いっ、あっ、あはっ、ふぁっ、はあっ…は、ふぁっ!」
「……姿勢、変えてもいいか?」
「ん……いいよぉ」
両足首を握っていた手を右に下ろして離し、性器を結合したまま美琴の左側に寝そべると
右手を下腹部に伸ばして陰核を指の腹で触り、左腕を美琴の枕にする。
美琴は快楽に喘ぎながらも、背中に回った上条の意図を読み取り、枕から首を上げる。
二人は行為を重ねるごとに、お互いの感じる動作や求める行為を
無意識に汲み取りあえるようになっていた。
「んうッ、んああッ、あはっ、くふ、くあっ、あッ、とうまぁ、ひッ、ふぁあっ!」
「美琴……すげえ、気持ちいい……ッ」
「とうまのが、おくに……いいよぉ! でもっ、入り口で焦らすのも、好きぃッ!」
「どっちも沢山するからな」
「してぇ、いっぱいしてぇッ!」
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/26(水) 21:43:54.85 ID:npUN8IVK0
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
438 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 21:45:09.80 ID:Qg9WlRhFo
上条は恥骨を美琴の臀部に押しつけながら、次の体勢を考えはじめていた。
四十八には遠く及ばないが、知っている限りの性交体位を連想する。
正常位は初回に、対面座位と立後背位は昨日実践している。側位は今実践中だ。
あとは騎乗位と後背位、名前は知らないが座位のような体勢が幾つか、
冊子には絵図でしか載っていなかったため名前が浮かばないのもある。
むやみに体位変更を繰り返すと女性に負担が大きく、精神的にも冷めやすいため
三つ四つ迄に絞るのが良いとも記載してあった。
(騎乗位は見てみてえ、でも主導権を任せると昨日みたいになりそうな気がする……
後背位は今と大差ないし、美琴の顔が見えねえから最後にはしたくないな。
キスもしてえし……やっぱり上になってもらおう)
昨日は前戯に掛ける時間を数字で意識し、今日は体位を意識することで
上条はセックス全体のバランスコントロールを図れるようになっていた。
ただ我欲のまま腰を振るのではなく、美琴の様子をよく観察して
彼女の望む行為を行い、望む言葉を紡ぎ、望む結末へと導く。
それが愛あるセックスなのだと確信している。
「んっ、あんっ、くふっ、んっんっんっ…ひぁ、あっあっ、んくっ、ああんっ!」
「声も可愛いぞ美琴っ、もっと聞きてえ」
「んんっ…ほんとぉ?」
演技ではなく演出。それを強く意識せずとも、美琴は無意識に喘ぎ声が出てしまう。
無理に封殺できなくもないが、こうして上条が喜んでくれるなら止める理由がない。
美琴自身、リズミカルに飛び出てくる自分の嬌声を楽しみつつもあった。
439 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 21:51:28.48 ID:Qg9WlRhFo
「ああ。俺の動くペース、しんどくないか?」
「優しいね、当麻は。大丈夫だよ」
「じゃあ今度は美琴のペースで動いてみてくれよ」
「わ、私のって……ひゃぃん!」
「くはぅっ!」
上条が体勢を変えようとした際に、ペニスを膣から引き抜く瞬間のニュルリとした感触が
予想外に気持ちよく、二人は揃って間の抜けた声を出した。
上条は、セックスの快楽はペニスを「挿し込む」動作で感じるものとばかり思っていたが、
「引き抜く」動作も意識すればよいのだと思い至る。
少しずつ性の知恵が付いていく事が、学校の勉強よりかは数段魅力的だった。
「上に乗っかってくれるか?」
「そ、それって……乗馬スタイルってこと?」
「そうそう」
「私が動くの?」
「そういう体勢だぜ。俺が突き上げてもいいけど」
「じゃ、じゃあ私が動いてみる。あんまり気持ちよくなかったらゴメンね……」
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/26(水) 21:57:11.94 ID:nyhgCb0mo
ふぅ・・・
ふぅ・・・
443 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 21:59:46.57 ID:Qg9WlRhFo
その愛らしい断り文句も男心をくすぐるのだが、ここはあえて黙った。
美琴の中で不安に思っているからこそ出てくる発言には、身を以て答えを示したい。
二人は姿勢を入れ替え、美琴は恥じらいながら上条に跨って馬乗りになった。
へそまで反り上がったペニスを手で誘導するが、美琴の愛液で濡れ光るそれは
秘裂に沿ってツルリと滑ってしまう。
「すごいヌルヌルになってる……」
「お前のなんだぜ、それ」
「私そんなに濡れてるの?」
「それだけ感じてくれてるんだろ」
「うん……私、当麻とするセックスが大好き」
年頃の少女にとっては壮大なカミングアウトだ。
ただ快楽を貪るための行為ではなく、二人がお互いに労わりあいながら
お互いを知っていこうとする共同作業だから愛おしいと思い、口にできる。
上条もそれに同意し、美琴が挿入しやすいように下で姿勢を調整する。
しっかりと揉み解された膣穴に、今度はたやすく侵入した。
(うわ……繋がってるところが丸見えだ。この姿勢もかなりエロいな)
「ひぁ…ぅん!」
「く……全部入ったぞ。あったけぇ……」
「い、いきなり奥まで届いたぁ……ッ!」
444 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 22:06:11.45 ID:Qg9WlRhFo
「美琴の動きたいように動いてみてくれよ」
「そうしてみる……」
恐る恐る腰を上げ、全身を使って上下運動するが、すぐに無理がある事に気付く。
腰だけを動かす動作には縁がないためか、いまひとつコツがわからない。
「ど、どうしよう」
「うーん……一旦腰を落としてさ、股を俺に擦り付けるみたいに動いてみろよ。
上下じゃなくてこう、前後に動くんだ」
「やぁ、そんなやらしそうなこと……」
言葉とは裏腹に、美琴は実に楽しそうにはにかんだ。
未知の行為を上条に手ほどきしてもらうのが嬉しい。
指南する彼も特段詳しいわけではないのだが、二人で模索するのもまた一興だ。
「手、どこか押さえてないと不安定だぞ」
「ど、どこを押さえたらいいの?」
「後ろに手をつくか、前なら俺の肩とか手を持てばいいんじゃねえかな」
「じゃあ当麻の手がいい」
446 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 22:11:14.20 ID:Qg9WlRhFo
美琴は恋人繋ぎで手を握り合うのが好きで、外出デート時には常に握り合っている。
抱きしめあうのもキスも性交も好きだが、結びつきを感じられる行為としては
これが最も手軽で長く続けやすい。無論上条にとっても同じだ。
「ぎゅっ、てしてて……」
「ああ」
両掌をしっかり握り合うと、美琴は陰核を上条の腹に擦り付けるように
腰を前後に動かし始めた。
体重の掛け方が反対になり、自分のペースで動ける事に最初は戸惑ったが
美琴はすぐにコツを掴み、腰を動かす間隔と緩急を自在に操りだす。
上条は最初こそ動かずに済む体勢に楽を覚えたが、それがすぐ誤りである事に気付いた。
「ふふ、段々わかってきたわ。なんか覚えてくると楽しいかも」
(やべえ、自分のペースで動けないからすぐ出ちまいそうになる)
「ねえ当麻……その、気持ちよくなれてるかな?」
「ああ、すげえよ。身悶えしちまいそうなくらい」
「じゃあもっと頑張って動くね」
言ったが後の祭り、その言葉に美琴はますます奮起して、妖艶なグラインドを始めた。
上条は慌てて歯を食いしばり、美琴のキツい締め付けと絶妙な腰使いのために
襲い来る射精感と戦い始める羽目になった。
447 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 22:17:37.98 ID:Qg9WlRhFo
「とうまぁ、これ気持ちイイ、いいよぉ!」
(やっぱりこいつに主導権渡すと半端ないな……!)
「んっ…あん、あっあッ、あはっ、あん、うんっ、んっんっんっ、ア、あはっ!」
「うああ……すげえクる、キてる!」
「んっ、ンッ、ッんっ、ふぅン、んっ、あはっ、あんっ、あっ、あ、とうまぁ!」
「みこと、みことぉ……」
「んぅ、あッ、あはッ、あんっ、あん、んっ、んぅううっ、っはっ、はぁっ!」
激しい動作で熱を帯びた額から汗が滴り落ちていく。
小さな胸がパジャマの中で、激しい動きに合わせてぷるんぷるんと小刻みに揺れる。
体熱にたまりかねた二人はそれぞれ上着を脱ぎ捨て、汗ばんだ身体を触れ合わせた。
「ははっ、お前の身体めちゃくちゃ熱いな」
「当麻こそすっごい汗よ」
「終わったら一緒にシャワー浴びようぜ」
「うん、また身体洗ってあげる。……その前にキスしたい」
「ああ」
448 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 22:24:26.05 ID:Qg9WlRhFo
二人は目を閉じて口付けあうと激しく舌を絡め合い、お互いの唾液を貪りあった。
ペニスの先端部分で美琴の入り口を引っかくように、浅い位置で絶妙に動かす。
美琴の習得の早さは舌を巻く程だったが、その舌すらも彼女に吸い上げられていた。
限りなく貪欲な美琴の本性は、上条の愛を渇望し追い求める強さに裏打ちされている。
その事に気付いた自分は、気付けた自分は幸せなのだと上条は思う。
大小様々な不幸に嘆いていても、一番の幸せだけは逃さずに済んだのだ。
(やっぱり俺にはこいつしかいねえ。美琴に出会えてよかった)
(私、当麻を好きになってよかった。当麻と一緒でよかった)
「みこと、みことっ、美琴、みこと……ッ!」
「とうま、とうまっ、当麻、とうま……ァ!」
「イくぞ、イっちまうぞ、このまま美琴の奥に全部出すぞっ!」
「出して、出していいよ、私の中に全部出してっ! 私を奪ってェ!」
「ううっ……うあぁ―――ッ!」
「イく、イくっ、私、わたし、イッ、イく、イクッ、ぁあ、あ―――ッッ!!」
449 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 22:30:08.57 ID:Qg9WlRhFo
「う…うぅ…出てる……美琴の中にびゅるびゅる出てる……!」
「ふぁ―――っ! はぁ―――ッ、ぁあーっ、はぁ…ッ! はっ、はぁっ……!!」
「あ、ああっ、まだまだ出る……う、く…ッ…!」
「ぁ、あぁ…ッ! あっ、あは…っ…!」
上条は美琴を抱きすくめながら、腰を震わせて精を吹き出し、
美琴は上条にしがみ付きながら腰をくねらせ、絶頂に上り詰めた。
男女が同時に達する事は性交の中でも最も難しく、運も絡み合う要素なのだが、
お互いを深く求め合う二人には至る事ができたようだ。
ただ技巧による成果だけではなく、根底の部分で二人は一心同体なのだと実感していた。
「はぁ……あー、たくさん出た……」
「はぁ…はぁ…はぁっ…!」
「美琴……辛そうだな、ゆっくり呼吸しろよ」
「はぁ…うん……大丈夫……んッ! んんっ! んーっ……!」
(ま、まだイキ続けてるのか?)
450 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 22:36:00.04 ID:Qg9WlRhFo
男の瞬間的なオーガズムと違い、女のそれは数分から数十分続く事もある。
美琴の場合は一気に上り詰めてからのち緩やかに下降していく。
その合間に上条に優しい言葉を掛けられ、頭を撫でられるだけでも
美琴は暖かいエクスタシーを感じ続けられた。
「んーっ……あぁ……ん…っ…はぁ……」
「美琴、ありがとな」
「うん……私、当麻の女に、なっちゃったぁ……幸せぇ……」
幸福感で満たされた言葉が、美琴からさも当たり前のように出てくる。
それが嬉しくて上条も精神的に満たされていく。
幸せになろうと願うのなら、こうして彼女の傍にいるだけでいい。
それが上条の辿り着いた結論だった。
「落ち着いたなら……抜くぞ」
「うん……んっ」
射精を果たしたペニスを引き抜くと、精液の溜まったスキンが力なく腹にしなだれた。
美琴は上条からそっと手を離すと、愛液の滑りに苦心しながらスキンを取り外す。
上条は恋人の面倒見が良すぎて、自分が怠惰になりそうな気がしてきた。
452 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 22:41:18.14 ID:Qg9WlRhFo
「こんなに薄いのに頑丈なのね」
「そりゃまぁ、万一破けたら一大事だからなぁ」
「もしそうなったら私の中に、当麻の赤ちゃんができちゃうんだ……」
「お、おいおい!」
「今はまだ考えられない事だけど、ずっとこうしていられたら、いつかそんな日も来るのかな」
「先の事は分からねえ。でも、ずっと一緒にいられたらいいなって思うよ」
「うん、そうありたい。……これってこのまま縛って捨てたらいいの?」
「だから、そーゆーのは俺がするっての」
「自分でできるの?」
「できるに決まって……ふぁぁ!」
美琴はスキンの口を縛ると唐突に、精液と愛液でテカテカと光り輝く
上条のペニスに咥えついた。
そのまま半立ちのペニスを唇でしごき上げ、舌で亀頭を舐めまわす。
不意を突かれた上条はまたしてもみっともない裏声を出してしまう。
射精後の敏感なペニスをしゃぶりあげる行為、いわゆるお掃除フェラが
上条の好みだという事は昨日の時点でバレきっている。
453 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 22:45:28.09 ID:Qg9WlRhFo
「う、くぁぁ!」
「ぺろ…ちゅぱ、ぢゅぽっ、ぢゅぷ…ちゅっ……ねぇ、これ自分でできるの?」
「いや、そっちじゃなくてだな……くぁッ!」
「こーやって、イッた直後に口で掃除してもらうのが好きなのよね、当麻は」
「ああ、メチャクチャ快感なんだぞコレ」
「そのまま口の中に出してもいいよっ」
「そーゆー魅力的な事言うなよ……そうしたくなっちまうだろ」
「していいんだってば。私、当麻のせーえき飲んであげるからさ」
「うっ……!」
甘美な言葉理性を打ちのめしてくる美琴の誘惑に、すっかり耐性が落ちていた。
第一、これほど丁寧に舐め弄られている状況で断れる理性などあるはずがない。
ただ精神的に満たされる一方で、苦い精を飲ませる事には申し訳なさも募る。
455 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 22:50:18.65 ID:Qg9WlRhFo
「ちろちろ、ちゅ、れろっ、れろれろっ…ちゅぷ、ちゅっ、ぢゅる…ぺろっ」
「く、ぁぁあ……!」
「ぢゅるっ、ちゅぽっ、じゅぷ、じゅっぷ、んぷっ、ぺろっ、ちゅっ、ぢゅぷ…」
「美琴……俺、頭の中でなにかが焼ききれそうになる」
「つ、つらいの!? 止めた方がいいかな!?」
「いや、大丈夫だ。気持ちよすぎるだけだよ」
「良かったぁ。じゃあ続けるね」
「……お前だって優しいじゃねーか……」
上条はこういう時に美琴に強いシンパシーを感じる。
美琴も上条に尽くしている間、彼がずっと頭を撫でてくれるのが嬉しくて
どんな願いでも叶えたくなってしまう。
相手の喜ぶ笑顔が見たい。相手の幸せな表情が見たい。それが一番の原動力だった。
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/26(水) 23:15:20.62 ID:iNzdVOwMo
同人もだけどセックス描写よりフェラ描写の方が興奮してしまうなぁ
美琴が胸のコンプレックスあるからアレだけど本当はパイズリもやって欲しいくらいだw
やっぱり小さい胸で一生懸命やるっていうね
456 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 22:55:31.71 ID:Qg9WlRhFo
「ぢゅぱ、ちゅっ、ぺろ、れろ…ちぅ、ちゅ、ちゅぽっ…じゅぽっ…」
「はぁぁ……ふぁ……っ」
「んふ、とうまってば可愛い声なのね」
「つい変な裏声が出ちまうんだよ……」
「ちゅっ、ちゅぱっ…ちゅぱっ…じゅぷ…れろっ、んっ…ぷぁ」
「んくぅ……なんか込み上げて来たっ」
「出していいよ……全部、私の中に……ぴちゃ…ぺちゃ…れろっ、れろぉ…」
「みことぉ、ちょっとすげぇよその舌使い……」
「ごぽっ、ぐぽ、ごぷっ…ふー…じゅぽっ、ぐぽっ、じゅぷ、じゅぶっ…ふー…」
「うああ……奥まで……喉に当たってる」
「ぺろっ…くぽっ、ちぅ、ちゅっ、ちゅっ、ぢゅる…れろぉ…れろっれろっ」
「うあぁあ……みこ、と……出る…ぅ…!」
「ぢゅぽっ、じゅぽ、ぢゅぽっ、ちゅぱ、ぢゅぽっ、ぢゅる、ちぅっ…」
「みことっ、みことぉ!」
458 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 23:00:57.48 ID:Qg9WlRhFo
警告の意を込めて、上条は射精直前に美琴の名前を連呼したが
美琴はひたすら激しいストロークに没頭し、口内射精を強く促してくる。
恋人を労わる気持ちの狭間にほんの一瞬だけ凶悪な欲情が顔を出し、
鈴口をストローのように吸い上げる美琴の動作にあわせて、上条は全ての感覚を開放した。
「うぁ―――ぁあっ!」
(出てる……あったかくて苦いせーえきがいっぱい出てくる……)
「どびゅーっ、どびゅっ、びゅるっ、びゅく、びゅーっ、びゅる、びゅっ、びゅ…
ん……ごくっ…んぷ…ごくん…、ふぁ、ちゅっ…ごくっ…」
美琴は精を吸い上げながら、小意地悪な上目遣いで上条の表情を伺う。
目が合うと二人してゾクゾクと鳥肌を立たせ、精神的なエクスタシーを生み出している。
美琴が精液を嚥下している間、上条は一度も目を逸らさずに美琴を見つめ続けた。
「ふぁぁ……かなり出たぁ」
「ん…ふ……っ」
二度の放出で上条はすっかり疲れ果て、ヘロヘロとベッドに崩れ落ちる。
美琴は口内の精液を満足気な笑顔で飲みつくすと、汗だくの上条に抱き寄り
耳に息を吹きかけるようにして囁いた。
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/26(水) 23:42:49.06 ID:sou4+OoAO
ふぅ………
上条さんまじ絶倫だな
459 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 23:05:10.69 ID:Qg9WlRhFo
「よ、よかった、かな……?」
「ああ、すっげえ良かった。本気で昇天ってやつが垣間見えたよ」
「良かった……」
美琴は必ず、行為の後に上条に感想をねだる。
それは冊子の中では勧められない行為の一つに数えられていたのだが、
美琴は自分がどれほど彼の求めに応じられたのかを確認せずにはいられない。
上条もそこは左程気に掛けず、無意識に上目遣いで見つめてくる美琴の
弱弱しい表情を見ていると、満足の笑顔を向けて彼女を癒す。
「ほんの一日でテクニック上達しすぎだぞ、美琴~」
「飲み込みの早さと応用力の高さがレベル5の秘密なの。……なんちゃってね」
「あれを感じた後だと、ちょっと信じてしまいそうになりますよ」
「当麻が幸せなら、私も幸せなの」
「ああ、幸せだ。美琴の、おかげだ」
「嬉しい……」
二人は感極まって口付けを重ねたが、上条自身に生臭い味が伝わってきたのは彼の誤算だった。
しかし御褒美を求めてペットのようにじゃれ付いてきた美琴が可愛くて仕方がなく、
美琴の舌を弄りつくすようにしてキスを続ける。
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/26(水) 23:10:22.76 ID:Y9UuOD03o
>生臭い味が伝わってきたのは彼の誤算だった。
フェラはこれがあるんだよな・・・
460 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 23:10:05.22 ID:Qg9WlRhFo
「ん……またちょっと大きくなってきた」
「いや、流石にもう俺は満足しきってるぞ!?」
「でももしかしたら、この先に新境地が見えてくるかもよ?」
「ま、待てっ美琴っ、朝からいきなり三連発はさすがに……」
「ふふっ、でも当麻のココはこんなになっちゃってるけど?
もうスキンがないんだから、口で受け止めるしかないじゃない。ねっ」
「さてはお前が飲みたいだけですか!」
「うん。なんかこの味癖になってきたかも」
「や、それはそれで嬉しいが……くぁぁ!」
「ふふーん、実は弱ったアンタをいじめるのが楽しいの」
「今度覚えとけよーお前っ……んぅ!」
(今度なにされちゃうのかな、私……わくわくしちゃう)
---
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/26(水) 23:11:40.88 ID:bu5t7hwIO
永久機関でね。わかります。
463 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 23:15:13.04 ID:Qg9WlRhFo
[08:03]
性に貪欲な男子学生にとって、前戯やセックスについての知識は
放っておいても膨大に入ってくるものだが、こと後戯の知名度は低い。
男は総じて射精をセックスの終点と考えるが、女にとってはそうではない。
冊子が最後に役立ったのは、この後戯についての記載も網羅していた点だった。
『男性は射精を終えると性欲が急速に減退し、女性に対して冷たく接しがちになります。
行為の直後にタバコを吸ったり、反対側を向いて寝込んだり、部屋を追い出すような
冷たい一面をつい覗かせてしまうもの。
しかし彼女を本当に愛しているならば、後戯こそが最も大切だと心掛けましょう。
後戯に決まった方法はありません。ただ心のまま、相手に触れてあげてください』
そこで上条は美琴を布団の中に引き込み、後ろから彼女を抱きすくめると
行為中に触る事が叶わなかった胸を優しく掌で包み込み、緩慢に揉みしだいた。
ツンと突き上がった乳首を時折優しく擦り上げると、美琴はひぃと小さく鳴く。
気を良くして今度は右耳の中に舌を差し入れると、ビクビクと全身が震えだす。
上条は自分が主導権を持っている方が安心できるのか、余裕を見せだした。
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/26(水) 23:20:27.03 ID:7T+ptCwm0
うんまさしく一部性描写で内容ノーマルだな
466 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 23:21:09.86 ID:Qg9WlRhFo
「んッ……んぁぁっ、とうまぁ、やぁー……あっ、はァ…やんっ…!」
「美琴たんは右耳と左乳首が特に弱いんだよなー」
「ねぇっ、そっ、それイィッ、んあっ、あっ、ま、またしたいのぉ!?」
「これはお掃除してくれたお返しだよ。でももう8時だし、そろそろやめなきゃだよな」
「だって……やぁんッ! こんな事続けられたら私、また当麻が欲しくなっちゃう……」
「すげえ魅力的な申し出だけど、それはまた次の機会まで我慢しなきゃだろ」
「だ、だよね……ううっ」
「あとさ、あのゴム使い勝手良さそうだから、今度は箱で買ってきてもいいか?」
「うん、あれだと当麻の温かさがお腹の中に伝わってくるから、あれでいい」
「わかった」
美琴からスキンの買い込みに承諾を頂き、上条は心に刻み込まれていた
極薄の二文字をかき消さずに済んだと安堵する。
しかも極薄どころか、もう二ヶ月ほど待てば"無"の境地にまで至れるわけだが、
それを意識すると下腹部が臨戦体勢になりかねなかったので、かろうじて押し留まった。
467 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 23:25:48.98 ID:Qg9WlRhFo
「ねぇ当麻、他になにか私としてみたい事とかある?」
「お前、このタイミングでそーゆー事聞くかよ」
「今答えてくれたら必ずしてあげてもいいけどなー」
「く、くぅぅ……しかしですね美琴さん」
「ひょっとして、ド激しいSMプレイとかご所望じゃないでしょうね!?」
「そこまでキチクじゃねーよ!
ただちょっと……制服姿のまましてみてえな、とかは、思わないでも、ない……」
「ふっ、アンタって実はそっち側の人だったんだ」
「ち、違うっ、鼻で笑うな!」
「へーんたーい、ろーりこーん、こーすぷーれおーたくーっ」
「ぐ……ぐっ! やっぱ言わなきゃよかった……」
「で、他には?」
「しかも即却下されてるし……」
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/26(水) 23:29:12.40 ID:EvI6/zuzo
やったそばから次のプレイの話とかこいつら底無しかww
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/26(水) 23:29:58.62 ID:Y9UuOD03o
着衣プレイ最高じゃないか
制服以外にもメイド服とかスク水とか体操服とか
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/26(水) 23:30:43.93 ID:o99mNukzo
ああ最高だな
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/26(水) 23:31:55.61 ID:8ugrcH79o
常盤台の冬服があれば1000発行ける
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/26(水) 23:30:40.30 ID:npUN8IVK0
盛る一組の男女に加えて一枚もゴムがないこの状況…
まさか…アナry)
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/26(水) 23:32:52.73 ID:Tc86+xQao
>>470
マジレスすると衛生的にそっちの方がゴム必須だぞ
474 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 23:33:27.20 ID:Qg9WlRhFo
「ん? 制服の事なら全然OKよ」
「うええ!?」
「……で、他には?」
「く、うう……! お前は俺の理性を破壊する威力もレベル5なのでせうか」
上条はコスプレフェチではない。ただ美琴を多様に愛したい思いの表れだ。
くだらない事に妄想力を費やしながらも、白状を余儀なくされてしまう。
天使のような悪魔の笑顔とでも言うべきか、美琴はにこやかに微笑みかけながら
上条の性癖を暴き、あざ笑い、そして優しく受け入れていく。
「あとは、その……ローションを使ったりとか、目隠しとか、おもちゃ使ったりとか」
「アンタ……実は結構な量の妄想がたまってたのね……」
「ああそうだよ、可愛い恋人ができてから上条さんの欲望は溜まりっ放しです!
自制心なんてものはお前と洗いっこした時にブッ壊されちまってるんだよ!」
(そーゆー嬉しい事をサラッと言うから、聞き届けてあげたくなるのよ)
「んっ、なんだって?」
「にゃ、にゃんでもにゃいっ!」
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 00:30:52.01 ID:dwD5nWXGo
おもちゃプレイもいいけど、
「とうまのじゃないと、いやぁ……」と嫌がる美琴も可愛いわけで
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 00:38:15.95 ID:satMBuzyo
この二人放置しておいたら
SMとか露出プレイとかスカトロとか際限なくどこまでも突き進んでしまいそうで怖い
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 01:24:19.45 ID:Rv4WGPqyo
尽くし美琴たんによるソーププレイとか
475 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 23:40:13.44 ID:Qg9WlRhFo
「つーか、そう言う美琴はどうなんだよ。なにか俺がしてあげられる事ってあるか?」
「わ、私はそういう具体的なイメージはないんだけど……昨日話した事くらいかな」
「あっ、ああ……あれな」
スキンなしでのセックス。高い満足感を得られると同時にリスクを孕む行為だ。
もちろん美琴は十分な準備を行ったうえ、計画的に考えた上で申し出ている。
上条にとっても先の待ち遠しい話だったが、外面(そとづら)は控えめに喜ぶのみだ。
「じゃあ当麻のお願いは、次に泊まりに来た時に少しずつ叶えてあげよっかな~」
「マジですか!」
「だから、楽しみに待っててね」
「ああ。だけど……」
「だけど?」
「そういう事抜きにしても、お前が傍にいてくれるってだけで俺は嬉しいんだからな。
相手に求めすぎないように、自然と一緒にいられるような関係でいようぜ」
「わかってる。当麻のそういうところ、信頼してるもの」
「そっか……ならいいんだけどな」
478 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/26(水) 23:45:32.77 ID:Qg9WlRhFo
「私は次に来るまでに、なにか新メニューを身に付けてみよっかな」
「ははっ、そいつは楽しみだ」
性的な言動に関してはメリハリがある方が望ましいと相互に思っている。
献立を思い悩むチャームな表情も美琴の魅力の一つ。
平日はこういう姿を沢山見ていたいと上条は思う。
「じゃあ、シャワーは一緒に浴びちまおっか」
「うん。それが終わったら……」
「ああ。気持ちを切り替えて、いつもの二人に戻ろうぜ」
「そうね。……ありがとうね当麻、とても幸せな一夜だった」
「俺も感謝してる。また次の機会にも、こんな風にして過ごそうな」
「うん」
感謝と慈愛の気持ちを込めて、二人は優しく触れるように口付けを交わす。
その後二人で一緒にシャワーを浴びたが、お互いの洗い合いに興じすぎて
湯上りの時間が予定より大幅に遅れてしまったのは余談である。
---
497 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 19:28:46.66 ID:yAKAx0+xo
[09:35]
湯上りに手早く朝食を済ませると、二人は揃って家事に取り掛かった。
上条はまずベランダの戸を開き、濃厚な愛欲にまみれた室内を換気すると
掃除機を使って部屋中を掃除しはじめ、ホコリの溜まった掃除機用紙パックと共に、
くず籠の中身をゴミ袋に投げ入れる。
肝心要なのは使用済みスキンと冊子を同居人の目に触れないよう捨てる事であり、
他のゴミは全て巧妙なカモフラージュに過ぎない。
一方、食器洗いと洗濯を担当する美琴は、お嬢様学校の寮生活の便利さに慣れてしまい、
上条宅に乾燥機が設置されていない事をいささか不便に思っていた。
仕方がないので、シーツとタオルと上条の衣類だけは肌寒いベランダに干していき、
自分の分は濡れたままビニールに包んで持ち帰る。
いっそ二人分の洗濯物を全てコインランドリーに任せてしまう妙手もあるのだが、
それでは上条宅で家事をしている実感が湧いてこない。
洗濯槽の中で、上条と自分の衣服が一緒に洗われている様子を眺めるのが好きなのだ。
10時を過ぎて家事が一段落した後は、毎週恒例の勉強タイムとなる。
上条にとっては一番気が重く、それでいて美琴と共同作業できるという
妙ちきりんなジレンマが膨れ上がる一時だ。
「ほらほら、この問題は先週もやったじゃないの。
ここの定理を当てはめたら簡単に解けるじゃないのよー」
「えっと……先週の問題ってなんだっけか」
498 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 19:35:36.18 ID:yAKAx0+xo
「ちょっとぉ、そんな事じゃ勉強の意味がないじゃない!
もうじき期末試験だってのに、アンタの頭には記憶力ってもんがないの!?」
「うう……上条さんのバカは今に始まったことではありません」
「開き直らないの! キチンとやらないとホントに落第しちゃうわよ!
それともいっそ二度落第して、同級生になってあげましょっか!?」
「くぅぅ、美琴センセーのお怒りが日に日に強くなっていく~」
「当たり前よクソバカ! こんな基礎問題でいちいちずっこけてんじゃないわよ!
いーい、ここはこの定理をここに当てはめて、αの二乗をβで割って……」
「……なるほど、さっぱりわからん」
「アンタって人はー!!」
辛辣な言葉を浴びせながらも、美琴は辛抱強く上条に教え導いていく。
しかし制服姿に着替えた美琴が、女の香りを仄かに漂わせながら寄り添ってくるので
上条はどうにも煩悩を揺さぶられて勉学に身が入らない。
その体たらくが益々美琴の怒りを誘い、課題を一問解く事すら一苦労していた。
「まったくもう、全然はかどらないんだから」
「いつになく顔が険しいですよ、美琴センセー」
「当然でしょ! 私がいられるのは昼迄なんだから早く終わらせないと!」
「……抱いてる時はあんなに可愛かったのにな」
「ば、ばっ、ばっ……ばかぁぁ!! もう元に戻るって言ったでしょうが!!」
「ははっ、耳まで赤くなってるぜ」
赤面しながら狼狽する美琴の態度が面白くて、上条はついからかってしまう。
淫靡な女の姿はすっかり身を隠し、無垢な一面を取り戻した彼女も愛おしい。
美琴も弄られている事は百も承知なのだが、彼の口から可愛いという言葉を聞くと
どうにも喜ばしくなって照れ隠しに怒鳴ってしまう。
500 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 19:41:04.73 ID:yAKAx0+xo
ピンポーン♪
訪問者の来訪を告げるチャイム音がリビングに鳴り響く。
それは二人だけの蜜月が終わった事を示す、刻限の鐘でもあった。
「……インデックスのヤツが帰ってきたのかな」
「た、多分そうなんじゃない?」
上条はペンを卓上に放り出し、立ち上がって玄関に向かった。
美琴は上条の向かい側に座り直すと、落ち着かなさそうに前髪を弄りだす。
後ろめたさがあるのか、銀髪シスターと顔を合わせるとなるといつも落ち着かないのだ。
「よお、おかえり」
「おかえりじゃないんだよ、こんな寒い日に一人でとぼとぼ帰ってこさせるだなんて!」
玄関の扉を開くと、修道服の上に厚手のコートを身に着けたインデックスが
機嫌の悪そうな面持ちで上条に食ってかかった。
その合間にコートの下からするりと走り降りたスフィンクスが、先にトコトコと
室内に入っていくが、いち早く美琴の電磁波に気付いて微妙に距離を置く。
「わりいわりい、遅くなるようだったら迎えに行っても良かったんだけどさ」
「ふんだ、一人で勉強に集中したいとか殊勝な事言いながら、とうまは薄情なんだよ!
大体今日だって……やっぱり今日もいたんだね、短髪」
「アンタねぇ、いい加減あだ名で呼ぶの止めなさいよ」
「私の事だって名前で呼んでくれたことないかも!」
501 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 19:45:38.89 ID:yAKAx0+xo
コートを脱ぎながらリビングに踏み込んでくると、早速美琴の存在に気付き
眉間に皺を寄せながら不信感に満ちた視線を向ける。
美琴も悪態に負けじと睨み返しながら、インデックスの後ろで
オロオロとしている上条を指差しながら呼び名の是正を求めた。
一触即発の雰囲気を察してか、上条は慌てて二人の合間に割り込む。
「だぁあ、もうお前らぁ! なんだってそう仲が悪いんだ!
しょうがないだろ、俺の知り合いじゃ御坂が一番教え上手なんだよ!
俺の勉学レベルを上げるための最適な手段はこれなんだっての!」
「勉強を年下に教わってるだなんて事、あまり胸を張って言うことじゃないかも」
「すみませんでした……」
苦しい言い訳をにべもなく蹴られた上条は、大仰にしょげてみせる。
すかさず美琴は彼に助け舟を出し、インデックスとの対決姿勢を鮮明にした。
「アンタも、コイツが進級を掛けた大事な時期だってことくらいは知ってるでしょ?
そうやってキャンキャン怒鳴ってないで静かにしてあげなさいよ。
私だって自分の勉強があるのに、仕方なくコイツの勉強見てやってるんだから……」
「短髪の言い訳はもっと苦しいんだよ」
「なにが!?」
「理由はどうあれ、短髪はとうまの傍にいると嬉しそうにしてるのが見え見えなんだよ」
「ばっ、バカじゃないのアンタ! なんで私がコイツなんかと……!」
502 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 19:52:03.93 ID:yAKAx0+xo
第三者の前では、美琴は普段どおりツンケンとした自分を見せるようにしている。
しかしインデックスにはそれも偽装的に思えるらしく追求を緩めない。
上条宅は早くも女の修羅場と化していた。
「私はね、とうまの勉強の役には立ててないかも知れないけど、
洞察力と記憶力は人並み以上にあるつもりなんだよ。
私が短髪を好きになれないのは、そうやっていつもウソばっかり言うからかも!」
「私のどこがウソばっかりだってのよ!」
「あの、二人ともその辺でどうか……」
「キッ!」
インデックスは上条を見上げてきつく睨み、彼の手ぬるい仲裁を制止すると
美琴に向かって指を指し、かねてから心に抱えていた本音をぶちまけた。
「私はね、短髪に最初に会った時、一目でわかったもん!
短髪はとうまが大好きで大好きで仕方ないってことくらい、お見通しのバレバレなんだよ!」
「なっ、なななな……!」
「なのにいつもいつも、私はコイツなんかに興味ないって口では言うんだよ!
私今まで色んな人に出会ってきたけど、こんなにもウソつく人はいなかったかも!」
「なっ…なっ…なにを言ってんのよアンタ!? ちょっと黙りなさいよね!」
「ほらそうやって、本音がバレそうになると無理やり怒鳴る!
短髪は人とのコミュニケーションが下手すぎるんだよ!」
「う、そ、それは……!」
504 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 19:55:11.92 ID:yAKAx0+xo
「短髪みたいな人を『ツンデレ』って言うんでしょ? すごくめんどくさい人種かも」
「う……ぐっ……!」
ツンデレの妙を理解できないインデックスにとって、普段の美琴の態度は業腹だった。
美琴は図星を突かれて慌てふためき、舌鋒鋭い指摘に反論できないでいる。
場の空気をかき乱す詰問はまだまだ止まりそうにない。
「……とうまも最近はウソが増えたよね。短髪を好きなことごまかそうとしてる。
前はそんな様子なかったのに、最近は目に見えてわざとらしくなったんだよ。
とうまはずっととうまだと思ってたけど……そういう変化は見たくなかったかも」
「インデックス、お前……」
「改めて聞くけど、短髪はとうまのガールフレンドなの?」
ガールフレンドという言葉の意味は、三者とも少しずつ異なって認識している。
しかしこの状況においてインデックスが追求してくる言葉の意味を
ありのまま受け止めた美琴は、はっきりと首を横に振った。
「……違うわ」
「お、おい御坂!?」
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 20:12:11.37 ID:n4pgaiXBo
めんどくさい人種ワロタwwww
505 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 20:05:25.02 ID:yAKAx0+xo
「ガールフレンドじゃなくて、ステディになったの」
「ステディ?」
三者の誰もが誤解を挟まない、適切な一言だった。
言葉の意味するところは理解できているが、インデックスはその言葉を
噛み砕いて受け入れるまでに若干の間を要してしまう。
「アンタはブリティッシュらしいから、デーティングとかの方が伝わる?」
「どっちでも言いたいことはわかるんだよ。つまり二人は恋仲になったんだね」
「そういうこと。誤解ないように言っとくけど、この事を第三者に言ったのはアンタが初めて。
だけど二人で話し合って決めたの。もう隠さないでいようって。
コイツはアンタの事を一番気掛かりにしてたみたいだから」
「とうま、本当なの?」
「あ、ああ、そうだ。みさ……美琴と付き合うことになったんだ」
「ふぅん。よーやく認めたんだね二人とも」
意外にもインデックスは驚いたり騒ぎ立てたりする様子を一切見せない。
むしろ、今更何をと呆れ返った表情で二人を見比べていた。
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 20:07:57.42 ID:SrXKCB1u0
きれいなインなんとかさんだと・・・。
507 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 20:10:44.35 ID:yAKAx0+xo
「ようやくって……ひょっとして気付いてたのか?」
「鈍感ニブチンなとうまと一緒にしないで欲しいんだよ!
クリスマスミサの直前頃から、二人の距離感がおかしいのには気付いてたもん!」
「はいはい、その通りよ。付き合うことになったのは12月からだもの」
「ふふ~ん、でしょっ!
とうまは隠し通してるつもりだったかも知れないけど、そんな目論見は
クリームパフェにハニーシロップと練乳ぶっ掛けたくらい甘いかも!」
「そこは胸を張って勝ち誇るとこなのでせうか……意味がわからん」
話の論点は美琴と上条の関係性から、巧妙に仲を隠していた事を暴いた点にシフトしていた。
なにか救われた気がして溜息を吐いた上条だったが、事態の解決にはまだ至っていない。
美琴もここで吐露した以上は、話の折り合いを付けておかねばと考えている。
(ねぇ、この子にはどこまで打ち明けちゃっていいの?)
(インデックスは性的な事には疎いから、そこは言わなくていいと思う)
(言うわけないでしょバカ! 私が心配してるのは、今度のお泊まりの事よ)
(で、ですよねー)
510 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 20:15:53.28 ID:yAKAx0+xo
「……なにをこそこそと話してるのかな? また隠し事する気なの?」
「そういうわけじゃないわよ、頭からちゃんと話すから。
あのね、二人で付き合い出してから、私はコイツの勉強と家事の面倒を見るために
こうして毎週日曜に来てるわけだけどさ、その……今度からは……」
「日曜じゃなくて土曜だよね? やっぱりまたウソをつくんだね。
こっちはこもえにそれとなくお願いして、毎週毎週気を遣ってたっていうのに!」
「あ、う……そこまでバレてたの?」
「私はとうまと違って空気をちゃんと読めるんだよ」
「読むついでにお腹一杯食べられたらもっといいのにな」
「とうま、今は真面目な話の最中なんだよ……
あとで噛み付きの刑執行するから覚えておくといいかも!」
「うええ!?」
真面目な話を横から茶化してくる上条に刑罰を宣告すると、苦悶の表情で
転がりはじめた彼をスフィンクスが気だるそうに慰めていた。
そんな上条を捨て置き、インデックスは再び美琴に向き直る。
「つまり短髪はここ最近ずっと、とうまと土日一晩過ごしてたんでしょ?
それがどういう事を意味するかくらい、私にだってわかってるんだから!」
「そ、そこまでわかってるなら言ってやるわよ! わ、私はコイツと……!」
512 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 20:21:21.85 ID:yAKAx0+xo
「ずるいずるいずるい!! 私だって沢山食べたかったんだもん!」
「……は?」
「それで! 昨日の夕食は何を食べたのかな? 今朝の朝食は!?
常盤台のお嬢様は一食4万円もする食事をいつも食べてるんだよね!?
二人で合計16万だよ! とうまの数ヶ月分の食費を一晩で平らげたんだよね!?」
「……はぁ?」
「昨日の晩にステーキ肉で喜んでいた私がまるでバカみたいなんだよ!
私知ってるもん。今のとうまみたいな人を『ヒモ』って呼ぶんだよ!」
「どうしてそんな見当違いな単語を繰り出してくるんですかインデックスさん!?」
「アンタねぇ……それで憤慨してたのかい、アホくさ」
会話が完全に勘合しなくなり、話題から振り落とされてしまった美琴は
呆れ果てて肩を落としたが、考えようによっては今が説得の好機だった。
虚言は大抵見抜かれてしまうため、あくまで本当の事だけを抜粋して説明する方が
この少女には効果があるだろうと睨む。
513 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 20:26:06.96 ID:yAKAx0+xo
「そんな訳ないでしょ。どこの情報か知らないけど、
常盤台だってそこまでエンゲル係数を度外視した食事はそうそう食べないわ。
昨日二人で食べたのはシチューだし、ステーキ肉に比べたら些細なもんでしょ」
「本当なのかな?」
「ホントだって。シチューはまだ沢山残ってるからアンタも食べる?」
「もちろん食べるんだよ!」
「す、素直ね……」
インデックスの大食漢ぶりは知っていたが、元来から根の素直な少女が
我欲に忠実に生きている様には、どこか惹かれるものを感じる。
兎にも角にも話の論点がボヤけてきたため、美琴は立て直しを図った。
「だから別にアンタを差し置いて、二人だけで贅沢な食事してたわけじゃないわよ。
たまには二人でゆっくり話もしたいし、勉強しなちゃならないのも確かだもの」
「それにしても、一つ屋根の下で未婚の男女が一晩二人きりだなんて……教義に反するんだよ」
「それを言ったらアンタなんて、週7でコイツと一つ屋根の下で暮らしてるじゃない!」
「私は特別だからいいんだもん!」
「なによそれ、子供の言い訳か!」
かしましい喧嘩の方向性が更に乱れ始めたため、上条もようやく説得に腰を上げ、
そっと二人の間に割り込むとインデックスの双眸を見つめた。
514 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 20:30:11.10 ID:yAKAx0+xo
「なぁインデックス……週7が週6になったら、嫌か?」
「少し嫌なんだよ。でもこもえも優しくしてくれるし、
あいさやあわきと一緒にご飯を食べるのも好きだから、
週に一日くらいなら我慢できなくもないかも」
(あわき……結標淡希(むすじめ あわき)のこと? ……まさかね)
「じゃあ決まりだな。これからしばらくは今のペースで過ごそうぜ」
「それはこもえ次第かも。私としては受け入れないでもないんだよ」
現状の生活を維持する事を望むインデックスとしても、
横車を押して事態の全てを壊したいと思う程の抵抗心はない。
上条の真剣な表情と、彼の様子を不安げに見守る美琴を見比べつつ、妥協を受け入れた。
「そーだな……小萌先生には今度、菓子折り持ってお願いに行くか。
色々無理を聞いてもらってて、すっかり頭が上がらないんだよなぁ」
「それ私も付いて行こっか?」
「いや、ここは俺がやるよ。俺のしなきゃならないことだからな」
「わかったわ」
「……確かに前よりは仲が良くなってるんだよ」
インデックスの記憶において、上条と美琴の会話はもっぱら美琴が喧嘩腰だったが、
こうして交際の事実が露わになって見るに、良い変化らしき物は感じとれた。
幼い嫉妬心もあるのだが、うまく折り合いを付けようとする上条の態度を見ていると、
居候の自分も過度の文句は言えない立場なのだと顧みる。
515 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 20:35:47.31 ID:yAKAx0+xo
「とうま。あと一つ尋ねたいんだけど……どうして短髪を選んだの?
素直で優しい子なら、他にもとうまの周りに沢山いると思うけど」
美琴はそれが最も辛辣な言葉だと感じた。
自分より女性として優れている存在が幾人も彼の近くにいる事は理解している。
目の前の少女とてそうだ。悩みだすと自我が揺らぎそうになる。
「『選んだ』んじゃねえよ。俺と美琴は表裏一体みたいなもんなんだ。
それにこう見えてこいつ、すごく素直で優しいし一途だぞ」
(あ、当麻がフォローしてくれてる。嬉しい……)
「私、別に惚気までは聞いてないかも。私にとっては嘘つきの子だからよくわかんない」
「ウソが多いってのは、まぁ……俺達が付き合うことになるまで俺が
こいつの気持ちに気付いてやれなかった反動みたいなもんだ。これからは減るさ」
「うん……これからはもう少し素直になるようにするから、許してね」
「本当なんだね? 私はもうお邪魔虫扱いは懲り懲りなんだよ、二人とも」
「ああ、すまなかったな」
上条はインデックスの寛容な一面をよく知っている。
口では文句を言いながらも、みんなが笑顔でいられるための方法を
正しく理解し、受け入れてくれている彼女もまた愛おしいと思う。
感謝の意を込めて、左手でインデックスの頭を撫でた。
517 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 20:40:19.75 ID:yAKAx0+xo
「とうまって、私のこと左手で触ることが多いよね。短髪はいつも必ず右手なのに」
「いや、それは特に意識してないが……なんとなく無意識に左手でって思っちまうんだ」
「初めて会った時に私の霊装を壊したことを、まだ気にしてるのかな?」
「そ、そんな事もあったっけか。あったな、あったあった、ハ、ハハ……!」
「おかしなとうま」
インデックスに記憶喪失であることを遂に打ち明けた事は、上条にとって
一大決心の一つだったのだが、それでなくした記憶そのものが戻る訳ではない。
しかし絶対記憶能力を持つ彼女が思うのは、彼の本質は
記憶の有無くらいでどうこうなるような脆弱な物ではないということだ。
「基本的に右手はサッと動かせるように空けておいてるんだよ。
けど美琴には、能力を打ち消す右手で触れてないとって考えちまうんだよなぁ」
「一応辻褄は合ってるけど、果たしてそれだけなのかな?
とうまはその右手で短髪を、左手で私を繋ぎとめておくつもりなの?」
518 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 20:45:19.82 ID:yAKAx0+xo
「ん……まぁ、そういう風に言わちまうと不順な動機に思われちまいそうだけど、
お前達をそれぞれ比べてどうとか思ってるわけじゃない。
俺にとってはもう、どちらも手放せない大切な手なんだ」
「とうま、それって……」
「……もしお前から手放されるってんなら、その時は無理に握り返したりはしねえ。
だけど俺からは絶対に離さないから、お前はずっとここに居てくれよ。
俺がお前の居場所を、美琴と一緒に全力で守る。俺にとってはそれだけが願いだ」
「今更そんな言い方はないんだよ! 私はなにがあってもとうまと一緒にいたいもん!
でも短髪もとうまと一緒にいたいなら……少し悔しいけど、私は片手だけでもいいよ。
とうまがまたどっか遠くに行っちゃう位なら、ここで二人の手をずっと握って動かないで!」
「ああ……俺はここにいるよ」
この二人にも複雑な事情があって、離れられない理由がある。
美琴は割り込めない世界に割り入ってしまった肩身の狭さを感じながらも、
二人が自分の居場所を作ってくれている事に深い感謝の意を覚えた。
519 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 20:52:06.58 ID:yAKAx0+xo
「よし、これでこの話は終わりにしようぜ」
「そうね。色々揉めちゃったけど、受け入れてもらって嬉しいわ」
「あー……なら今更だけど、ちゃんとお互い自己紹介しておいたらどうだ、お前ら?」
「本当に今更なんだよ。初めて会ってから半年は経ってるのに」
「まぁまぁ、お互い呼び方が『アンタ』と『短髪』のままじゃ仲良くなれないだろよ」
「それも一理あるわね、じゃあ改めて……こほん。
私の名前は御坂美琴(みさか みこと)よ。この街じゃ超電磁砲《レールガン》って呼ばれてるわ」
「私の名前は禁書目録(Index-Librorum-Prohibitorum)って言うんだよ。
インデックスって呼んでくれると嬉しいな!」
上条に促され、二人は自己紹介を交わし握手を交わす。
上条は柔らかい笑みと共にそれを見守っていたが、やがてインデックスが自分を向いて
鬼の形相へと変わっていく様子に、恐怖で顔が引きつった。
「それはそれとしてとうま! いよいよ刑の執行なんだよ!」
「お、覚えてたんデスカそれ!」
「私が一度覚えたことを忘れるわけがないんだよ! ガブヴヴゥ―――ッッ!!」
「あぎゃーーーっ、ふこーーーだぁーーー!!」
「ふふっ、ちょっと久しぶりに聞いたかも、この口癖」
---
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 20:52:09.75 ID:satMBuzyo
上条さん罪な男だぜ
521 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 20:55:45.29 ID:yAKAx0+xo
[11:57]
「ところで話は変わるんだけどさ、インデックス」
「なにかな、みこと?」
美琴は台所で三人分の配膳を行いながら、インデックスに話し掛けた。
食事にありつける直前の彼女は上機嫌に返事する。
全身に歯型を付けた上条は、美琴の電磁波避けも兼ねて
右手を使ってスフィンクスと興じていた。
「コイツの誕生日がもうじき来る事は知ってるわよね?」
「えっ、そうなの!?」
「えっ、ちょっとアンタ同居してるのにそんな事も知らなかったわけ?」
「だってとうまは誕生日なんて一言も触れた事ないんだよ!」
「そういえば言ってなかったかもなー」
渦中の上条は至って無頓着だった。
美琴とインデックスは揃って溜息をつき、彼の鈍感ぶりを嘆く。
親密な少年の生誕を祝いたいと願う乙女心は難儀なものだ。
そんな二人の苦悩は意に介さず、上条はスフィンクスをじゃらすのに熱中している。
522 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 21:00:26.90 ID:yAKAx0+xo
「言ってなかったかもなー、じゃないんだよ! とても大事な情報なんだよ!」
「ったってなぁ、自分から積極的に言うような話でもないだろ」
「人にパスポートの事どうこう言ってた割に、自分の情報開示には疎いよね!」
「はいはい、そこで揉めないの。ホラ、アンタの分」
「いただきますなんだよ~!」
追求を即座に投げ出し、三人分はあろうかという大盛り皿のシチューを
掻き込む食べっぷりの良さに、美琴はつい関心を誘われる。
「相変わらずすごい食欲ねぇ」
「みことの作る食事は上品でふんわりしてて美味しいんだよ!」
「あ、ありがと」
奇遇にも上条と同じ褒め言葉を受けて、美琴は素直に照れた。
次に上条、最後に自分の分の皿に盛り付け、ようやく三人で食事にありつく。
「それで、来週の日曜日にコイツの誕生パーティーをやりたいんだけどさ」
「ふんふん」
523 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 21:06:05.65 ID:yAKAx0+xo
「コイツが呼びかけて誕生会に来てくれそうな面子って、どのくらいいるの?」
「とうまと親密な人って事?」
「有り体に言えばそうね」
「えーとね……」
インデックスは一旦食事の手を止めて、指折り数え始める。
美琴は自分の知らない面々を知るインデックスが、何を口走るかと
不安を抱えながらもおくびに出さず数え方を待った。
「かおり、いつわ、あいさ、こもえ、せいり、まいか、ひょうか……
オルソラ、レッサー、アニェーゼ、ルチア、アンジェレネ……」
「お前さぁ、手当たり次第に顔見知りの子の名前挙げてんじゃねーよ」
(……別に手当たり次第じゃないかも)
(コイツ一体何人とフラグ立ててるのよ! なんか聞いたことあるような名前もいるし!
レッサーってまさかあの時の子じゃ……世間はそこまで狭くはないわよね?)
「あ、ステイルと天草式の人も声を掛けたら来るかも」
「ステイルと建宮は無理だろ……大体にして人の誕生日を祝うってガラかあいつらが」
(男少なっ、しかも人柄悪っ)
「あ、あとはアクセラレ……」
「あいつはもっとダメだ!」
「アイツはもっとダメよ!」
「二人して怒鳴る事ないんだよ……あ、おかわり欲しいんだよ!」
「はいはい」
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 21:14:55.63 ID:TOtpqXhC0
せいりwwwwww
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 21:15:41.23 ID:satMBuzyo
アクセラさんは「なンで俺がこンなくだらねェ会に…」とか言いながら
プレゼントとか滅茶苦茶吟味して買ってくるタイプ
524 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 21:10:11.70 ID:yAKAx0+xo
上条の対人関係の一端を垣間見て、美琴は激しい焦燥感を抱いた。
確立したはずの立場がグラグラと音を立てて揺れ動いている気がしてならない。
「つーか今名前を挙げた連中はほとんど海外にいるだろ……」
「そ、そうなんだ。現実的に、ここに来れそうなメンバーはどのくらいなの?」
来させないでとも言えず、美琴はなるべく穏便に先を促すしかなかった。
第一この家はそれだけの人数を収容するキャパシティを持ち得ず、
主催者としてもそこまで大げさなイベントにしたいわけではない。
「うーん、あいさは確実に来てくれると思う。まいかは忙しいから予定次第かも。
ひょうかにも会えればいいんだけど、いま連絡先がわからないし……
せいりは気難しいし、こもえは担任の立場上厳しいかもだし、あとはみんな海外なんだよ」
(あ、案外と絞れるのね)
美琴にとって舞夏は友人の一人であり、姫神秋沙(ひめがみ あいさ)という名前は
巫女服姿の大人しいクラスメートとしてよく承知している。
この二人なら客人として許容できそうだと踏んだ。
525 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 21:12:57.29 ID:yAKAx0+xo
「男子はいないの?」
「いつも一緒にいる二人を呼べばいいかも」
「青髪と土御門か、あの二人なら来てくれるんじゃねえかな」
「う~、土御門のお兄さんの方はちょっと苦手なんだけどな、私」
「私もあの青い人はちょっと……なんだよ」
(女の人望ねえなぁ、あの二人)
「あ、おかわりなんだよ!」
「よく食べるわねぇアンタ」
美琴は当初、女性はなるべく呼んで欲しくないとも思っていたが、
男友達の様子を聞くに女だらけの方が幾分マシではないかとも思ってしまう。
インデックスも概ね同じ気分だった。
527 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 21:15:05.91 ID:yAKAx0+xo
「みことは誰かを呼ぶ予定なの?」
「うーん、私とコイツの共通の知り合いって、黒子と妹くらいしかいないのよ。
黒子はTPOの分からない子じゃないんだけど、とにかくコイツのこと
目の敵にしてるから……空気乱しても困るし、今回はやめとくわ」
「じゃあ御坂妹にだけでも声掛けようぜ。みんなにはお前の双子の妹だって言えばいい」
「そうね。これで8人ってとこか、ケーキを分けるには丁度良い人数になるわね」
「インデックスは別枠だろ~」
「むっ、そんな無粋な真似しないんだよ。ケーキはちゃんとみんなと同じ分食べるもん」
「アナタ様のお腹はそれで足りるんですかぁ?」
「とうま、いちいちニヤニヤしないで欲しいんだよ。
いいもん、ケーキとは別の物でお腹を満たすんだから」
「そこでさ、食事は冬らしく鍋にしようと思ってるんだけど、どうかな」
「ジャパニーズお鍋! それならみんなで食べられて楽しいかも!」
「よしよし、インデックスの分はちゃんと一鍋別に用意してやるからな」
「とうまぁっ、いい加減にするんだよ! ガブゥ―――ッ!!」
「あいでででででででで!! い、インデックスサァン!?」
「賑やかねえアンタ達って」
529 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 21:18:20.56 ID:yAKAx0+xo
インデックスはまたしても上条の腕に噛み付いて折檻する。
その親密な接し方に妬く気持ちがないのかと問われれば嘘になるだろうが、
兄妹のように絶妙な関係を育む二人の様子につい笑みを誘われてしまう。
「あがががが……」
「……ふぅ。でもみことだって時々似たような事してるかも」
「わ、私は電撃ぶつけるのは控えるようにしてるわよ」
「どうだか。一人でブツブツ妄想しながら電気を漏らしてたりするんじゃないのかな?」
「ギク……そ、それはたまにある」
「みことも結構な変人さんだよね」
「アンタが言うかぁ!」
(ははっ、仲良くなってきたな)
仲良きことは美しき哉。上条は歯形だらけの凄惨な姿になりながら暢気にも、
二人の距離感を限りなく良い方向に解釈していた。
「みこと、おかわり!」
「流石にもう無くなったわよ……また今度作ってあげるから」
「ぶーぶー!」
---
530 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 21:21:09.30 ID:yAKAx0+xo
[12:28]
食後に食器を洗い終えると、美琴はいそいそと帰り支度を始めた。
インデックスとしても、長らくいがみ合っていた少女とやっと仲良くなれたのに、
慌てて帰宅するさまを見ると寂しく思ってしまう。
「もう帰っちゃうの、みこと?」
「うん、私1時から黒子達と遊ぶ予定があんのよ。
ホントはもう少しコイツの勉強見ていきたかったんだけどさ」
「俺はなんとかやっとくって。お前は白井達と楽しんでこいよ」
「そうするわ。じゃあねインデックス、誕生会の声掛けは頼んだわよ」
「任しとくんだよ!」
美琴以上に控えめな胸を張りながら、インデックスは快諾の返事を返した。
上条や月詠の家に篭っている事の多い彼女は、多人数でのパーティーに
大きな期待を抱いている。
1Kの上条宅に8人もの仲間が集まるのは壮観な光景になるだろう。
「とうま、見送らないの?」
「あ、いいわよいいわよ、外は寒いし」
531 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 21:24:54.98 ID:yAKAx0+xo
「じゃあせめて玄関までは送るぞ」
(……ギロッ)
「むぅ」
「どうした?」
「なんでもなーい」
上条が玄関先で美琴を見送ろうとするとインデックスは何か予感が働いたらしく、
リビングに座ったまま上条の様子を凝視している。
見送りのキスを期待していた美琴は、その視線をインデックスの牽制と理解し、
存外したたかな少女だと悔しがった。
あえて見せつけたろかコラとも考えたが、時間に追われて急いでいる今
状況をこじらせるのは悪手だろうと思い直す。
そんな考え事をしながら、右手の指で無意識に唇を触っていた美琴はピンと閃いた。
「じゃあまた来週来るわ。誕生会の件はあとで相談のメールするからさ」
「ああ、よろしくな」
「インデックスもまたねー」
「ばいばいなんだよー」
玄関扉を開いて外に出ようとした刹那、美琴は右手で上条の顔に触れると
人差し指でそっと彼の唇を撫ぜた。
532 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 21:28:04.71 ID:yAKAx0+xo
「またね」
「あ、ああ」
後ろを振り返ろうともせず、美琴は駆け出して帰って行った。
アダルティックな行為の意味がまるで掴めず、上条は呆然と玄関に取り残される。
中途半端な余韻を残した別れ方に、漠然とした寂しさを募らせていた。
「なんだったんだ、今の……」
「あ!」
美琴の隠密な配慮も虚しく、行為の意味に先に気付いたのはインデックスの方だった。
憤怒に燃えて立ち上がると上条に強く詰め寄り、彼を激しく狼狽させる。
「とうまのバカ!」
「な、なんだ、どうしたってんだインデックス!?」
「今のに気付かないのは、さすがにみことが可哀想かも」
「は?」
「今のみこと、私にバレないようにこっそりとうまに間接キスしたんだよ」
「あ、そ、そうだったのか……!」
「それを肝心のとうまが気付かなくて、私にあっさり気付かれててどうするのかな!?
そうやって乙女心をぼんやりスルーする性格はホントひどいんだよ。
これから一生懸命、みことにフラれないように気を配るといいかも!」
「ああ、気をつけるさ……」
まだまだ美琴の全てを理解するには、時間も触れ合いも足りないらしい。
上条は右手で虚空を掴み、己の鈍感を嘆きながらも
これから沢山の時間を掛けて彼女と触れ合いたいと願った。
---
533 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 21:32:05.85 ID:yAKAx0+xo
[12:57]
昼食後、インデックスは数人分の食事が収まった腹をさすりながら、
ベッドですやすやと寝息を立てて眠りに落ちていた。
上条は、はかどりだした宿題に一段落ついたところで、陽の当たるベランダに出て頭を休ませる。
美琴が干していった洗濯物やシーツが風に棚引くのを見ていると、
名残惜しさと肌恋しさがぶり返してしまう。
だが姦淫に堕落する自分達は想像したくないので、週1ペースを維持しなければと考える。
ふと右横に視線を向けると、隣人の土御門元春がベランダに姿を現していた。
「おっ、カミやんじゃないか」
「よう土御門。お前は宿題終わったか?」
「オレは昨日のうちに終わらせたぜい……騒音のせいでなかなか集中できなかったけど」
「ふうん、大変だなお互い」
「ふうんじゃないぜよ。誰のせいで集中できなかったと思ってるのかにゃ~?」
「なんだ、お前また舞夏となにかやらかしたのか?」
「お前だッ! 明るいうちから一晩中、常盤台のお嬢さんとイチャイチャしやがって!」
534 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 21:36:39.53 ID:yAKAx0+xo
上条の呆けた態度に苛立ったのか、土御門は感情を露わにしつつ
上条に指を突きつけ、彼が主犯である事を明示してみせる。
「な、なにィ!? お前昨日は出かけてたんじゃなかったのか!」
「昼間はにゃあ。夕方には自宅に帰ってきて、筋トレにハッスルしてたぜい。
そうしたら隣の部屋から別のハッスルが聞こえてきて……
いやー、あんな絶叫が聞こえてきたらナニしてるかなんてバレバレですたい」
「おっ、お前まさかアレを聞いて……! メールの返事はそういうことか!」
「オレも間諜の仕事は色々やってきたけど、あんなヤらしい絶叫を聞いたのは初めてだぜい。
カミやんに対する羨ましさと憎しみのあまり、血ヘドを吐いて死にそうだったにゃあ。
しかもカミやんの声まで聞こえてきて、それがまた
『美琴……愛してる!』なぁ~んてきたもんだにゃぁあ~!
いやはや、ばーっちり聞かせて貰ったぜい、カミやんの一世一代の大告白!」
してやられた、と上条は力強く頭を抱えた。
最もバレてはならない秘密を、最も聞かれてまずい男に聞かれてしまっていた。
あらゆる混乱を内包して、上条の血相が赤から青に、蒼白に、
そしてまた赤にと目まぐるしく変色する。
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 21:38:29.76 ID:eP3+WzTAO
やはりなwwww
536 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 21:41:38.23 ID:yAKAx0+xo
「わっっ、忘れろぉぉぉっ!! それだけは絶対口外するんじゃねえええぇぇ!!」
「ん~、それは今後のカミやんの心掛け次第ですたい」
「お、脅す気かよオマエ、そうですかそうなんですかそうなんですね!
くそう、その気になればこっちだってお前の秘密の一つや二つ……!」
「カミや~ん、オレの魔法名知ってるよにゃあ?
そんな事したら『背中刺す刃』でブスリだぜい。
情報戦でオレに勝てるとでも思ってるのかい?」
「う……っ!」
とかく交渉や腹芸となると、上条はこの男に張り合える器量など持ち得ていない。
いつも言葉巧みに言い含められ、体よく利用されてしまうのだ。
「まぁそれは冗談として、まさかあのカミやんが大人の階段を登ったとはにゃあ」
「だから忘れろっつーの」
「これがねーちんや五和、姫神あたりなら応援の一つもできたんだが……
なんでよりにもよって、渦中の超電磁砲《レールガン》なんぞを選ぶのかねぇ」
537 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 21:45:33.22 ID:yAKAx0+xo
「……どういう意味だ?」
「カミやん……今自分がどれだけの負担を抱えているのか、理解しているのか?」
いつの間にか土御門の声色が変わり、狡猾な間諜としての表情を現している。
魔術界のプロを自称し、市井に生きる上条を不安に陥れる顔つきだ。
「カミやん、この世界にはな……
禁書目録の知識を利用して、世界の勢力図を塗り替えようと画策する『魔術界の女狐』がいる。
超電磁砲のDNAを利用して魔術を滅ぼすために、科学の神を気取る『逆さ吊りの奴』がいる。
二人はカミやんの力すらも利用して、己に都合のいい理想ばかり夢見ている真っ最中だ。
オレはそんな二人の思惑が交差しないよう今の立場に納まっているが、それも限界が近い」
土御門は街中のビル群に視線を向け、諦観の表情を浮かべながら語っている。
彼がそんな表情を浮かべるのは、凡人が直視できない
裏の世界の話をしているからだろうと上条は推察していた。
538 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 21:50:14.60 ID:yAKAx0+xo
「いずれあの二人は正面からぶつかり合う運命にあるんだろうよ。
……カミやん、これはオレから友人としてのよしみで言っておく、大事な忠告だ。
悪い事は言わん、その激突が訪れる前に
禁書目録と超電磁砲のどちらか片方だけでも手放した方がいい。
さもなければカミやんはあの二人を同時に敵に回す事になる。
両方共とまでは言わない。オレとしては、より負担の大きい超電磁砲を手放す方を薦めるがな」
「荷物のやりとりみたいに言うんじゃねえ。お前は美琴になんの恨みがあるんだ」
「個人的な恨みはない。妹の友人だし、そのベランダの洗濯物を見れば
甲斐甲斐しくて可愛い子だとも思うぜい。
……が、なまじ超能力者《レベル5》になった事があの子の不幸なのさ」
「おまえっ、その一言だけは取り消せ! 今すぐだ!!
美琴に向かって不幸だなんて言うヤツは、俺が相手になってやる!」
上条が最も過敏になるであろう言葉を、土御門はあっさりと使ってのける。
土御門は、こうして挑発にたやすく揺り動かされてしまう激情家の上条が
いつまでも素人っ気の抜けない愚者である事を改めて認識していた。
「そう熱くなるな。わかったわかった、不幸と言ったのは取り消す。
だがな……彼女の悪夢はまだ終わったわけじゃない。解放するのは至難の業だぞ」
「なんでお前がそれを知ってるかは聞かないが、至難だろうとなんだろうと、
今のうちから『多分辛そうだからやめます』だなんてみっともねえ事は言わねえよ!
俺は負担を背負ったつもりはない。美琴と一緒に戦っていくと決めたんだ」
539 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 21:55:39.87 ID:yAKAx0+xo
「超電磁砲自身がそれを望んだのか……。
彼女は超能力者だが、魔術の世界すら知らないただの一般人だぞ」
「俺だって少し前までそうだったさ。今だって魔術の世界に染まったつもりはない。
俺達はただ、みんなに笑ってて欲しいだけだ。その幸せを壊すヤツが許せない、それだけだ」
その言葉を語る少年は、もはや男の表情だった。
しかしその向こう見ずな姿勢が土御門の癪に障るのか、彼の言葉も徐々に気色ばんでいく。
「目を覚ませカミやん! 今は好きな女を抱いて気が大きくなっているんだろうが、
この世界を二分して支配する化け物達を前にして、そんな威勢張れる訳がない!」
「同じ事を二度言わせるなよ土御門。
見えもしない不安に負けて、立ち向かう前から大切な人を見放すようなマネができるか!
たとえ誰が相手だろうと俺は泣き言言うつもりはねえ。
守ると誓った以上はなんとしても守るぞ、俺は!」
「それは勇気なんかじゃないぜい。無謀という、バカの考え方だ」
「……お前も俺の夢を笑うクチかよ。
ああそうさ、俺の周りはみんな現実をちゃんと見つめてる賢い連中ばかりだよ。
できる事には限度がある、できない事には関わらない……それが普通だよな。
でも美琴は違う。あいつは俺の夢を大真面目に信じてる、お前の言うところのバカだ。
それがどうしようもなく嬉しくて、俺はあいつと一緒にいたいんだよ」
540 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 22:00:00.29 ID:yAKAx0+xo
「なるほど、それが超電磁砲を選んだ理由か」
「土御門、お前だって信じるもの、守りたいものがあるんだろ?
そのためなら魔法名の通り、必要とあらば俺の背中だって平気で刺すんだろうな。
だけどお前が背中刺す刃なら、俺はあいつの背中を守る拳なんだよ。
俺と美琴は二人で信じる夢のために、お互いを信じて、背中合わせで戦えるんだ」
「カミやん……」
上条の信念は揺るぎない。
熟慮も後退も知らない愚者ではあるが、その愚直さが最大の武器でもある。
土御門は、己が絶対に持ち得ないものを持っているという点においては
上条に一目置いているが、同時に交じり合えない存在だとも痛感する。
「インデックスと美琴を利用しようとするヤツ等が何者かは知らない……
だがそいつのふざけた幻想(ゆめ)は、俺がこの右手で必ずぶち殺してやる!!」
「ふはっ、カミやんならそう言うと思ったんだぜい、この身の程知らずが」
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 22:03:11.83 ID:4c0MpltDo
上条さんマジ神条さん
543 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 22:05:00.54 ID:yAKAx0+xo
土御門の嘲罵にも上条は耳を貸さない。
どれほど険しい現実を突きつけられても、自分の夢を信じる強さを与えてくれた美琴を
危機に挑む前から見捨てる事などありえなかった。
「なぁ、話を少し戻すけど、お前はその『二人』の事をどれだけ知ってるんだ?」
「片方についてはある程度腹の内は知っているが、今のカミやんにはまだ言えないぜい。
コミュニケーション不調を狙って、ふざけた日本語を教えてやった程度の仲だ」
「なんだそりゃ」
「もう片方は……オレもまだ命が惜しいとしか言えないな。
滞空回線《アンダーライン》―――奴はこの学園都市内の事象を全て掌握している。
これ以上奴の存在について口走れば、オレもカミやんもただでは済まない。
カミやんと超電磁砲が立ち向かう事になる相手は、そういう神の如き超越者だ」
「上等だ、俺は神様には嫌われ慣れてる。
神様が相手だろうと、俺は二人と掴んだ両手を絶対に手放さねえ、絶対にな」
「これほど説いてもわからんかよ……頭に来るほど不器用な男だにゃあ。
まぁそのクソ熱いところがカミやんらしさなんだろうけどな。ちょっと安心もしたぜい」
「土御門、お前……」
「できる限りサポートはするが、期待はしすぎるなよ」
「ああ、助かる」
「こんなおバカでも大事な友人だからにゃあ、死なれたら香典代が勿体無いぜよ」
「てめえなぁ!」
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 22:03:40.25 ID:vB6zeVWIO
つちみーかっけえ
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 22:05:30.88 ID:km+ov6nk0
ずっと読んでるけど、凄い引き込まれるな
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 22:07:43.99 ID:n4pgaiXBo
ちょい前にも見たけど、上琴だと土御門とシリアス話すること多いよな
546 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 22:10:00.61 ID:yAKAx0+xo
土御門元春にとって上条当麻は、任務上の『監視対象』である。
だが彼は、友人という立場を全くの擬態に収めるつもりもなかった。
彼に言わせれば魔術界も科学界も、誰もが見えない繰り糸に縛られている人形舞台だ。
もしもこの、隷属を強いられた状況を打破する事ができる者がいるとすれば、
常識から突き抜けたこういうバカなのかも知れないという淡い期待も寄せている。
バカが二人に増えたと喜ぶ上条の言葉を、真に受けてみようと土御門は考えた。
「だから絶対に死ぬなよ、カミやん」
「ああ。制服姿の美琴を抱くまで俺は死ねねえよ、なんつってな」
「おぉっ、遂にカミやんもこっちの世界に来たにゃあ! いやはや大歓迎ですたい」
「うるせえ! 義妹とのロリメイドプレイしか興味がないお前や、
無節操な青髪と一緒にされるのは心外だ! 俺は美琴が好きなだけだっ!」
「大差ないぜい、あがくなよロリコン高校生」
「てんめえ~!」
「にゃっはははは……!」
「あはははは……!」
547 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 22:15:01.21 ID:yAKAx0+xo
気を置けない友人とのふざけた会話の隅で、上条当麻はふと思う。
仲間思いの友人と、頼れる戦友と、愛らしい同居人と、いとしい恋人と、
こうしてただ楽しく笑って過ごすだけの毎日が、ずっと続いて欲しいと。
その日々を壊そうとする者には、たとえ何者であろうと勇ましく立ち向かってみせる。
その覚悟をくれた恋人と二人で信じる夢は、きっと素敵な未来を切り開くと信じていた。
クリスマスでも誕生日でもバレンタインでもない、とある平和な冬の一夜。
上条当麻はこの日、心の中に息づく大切な伴侶(たからもの)を手に入れた。
―――その恋人の名は、御坂美琴という。
- Fin -
549 :◆nE9GxKLSVQ:2011/01/27(木) 22:16:50.28 ID:yAKAx0+xo
投下完了です
お読みいただいた方ありがとうございました
「避妊」「ポリネシアンセックス」「後戯」「後処理」といった、
他の人の手垢が付いてない点にフォーカスしてみました
同人誌やSSではそんな部分いちいち書かないよって部分ばかりですが
この二人ならきっとこうなるだろうと考えるのが楽しかったです
あと上条さんから美琴に告白した理由を色々考えたけど、難しいですね
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 22:16:35.25 ID:L/Mklx4+o
お疲れええええええええええええええ
かなり面白かった!!
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 22:17:02.61 ID:TOtpqXhC0
えんだあああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああ
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 22:18:32.79 ID:0wQ8hGF4o
終わったああああああああああああああ
乙でした!
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 22:20:24.15 ID:YDZSAvUIO
ブラボー! おお、ブラボー!!
ところで、finの前に「序章」が抜けてるのですが
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 22:20:25.66 ID:vB6zeVWIO
おおおおおおおおおおおおおおおつううううううううううう
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 22:24:14.77 ID:km+ov6nk0
内容的にも文章的にもエロ的にも…何より作品に対する愛に感動しました。
これだから上琴はやめられない。
このSS読んで苦手だったインデックスが好きになりました。
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 22:33:25.77 ID:Z8lgylxDO
乙っす!素晴らしい作品を有難う!
この作品読んでいる最中は心地好過ぎてどうにかなりそうだったんだよ!
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 22:42:28.30 ID:eP3+WzTAO
ついに終わってしまったか…
超乙ゥァァァァ!
続きは…ないですか?
>>560
本編としてはあくまで終わりですが
この後黒子・佐天・初春らに質問攻めに遭う美琴のサイドストーリーを作ってます
け、決して誤爆とかしてないよ!
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 23:01:36.78 ID:So1t2VPc0
えんだああああああああああああああああああああああああああああああああああ
いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああ
乙すぎて何もいえねえ!!!
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 23:01:57.93 ID:LgZ9M3lP0
おっつ
すげぇよかった!
愛とエロが両立した作品ってこんなに面白いんだな
いいもの読ませてもらった
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 23:17:28.53 ID:AbBVPv3AO
まじで乙!
わざわざ完結するまで読むの待ったSS久しぶりだった。
SSとかのセクロス苦手だったけど、これは良かった
すごい楽しかったよ!!
サイドストーリー期待
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 23:23:50.45 ID:kHbS0/wHo
超おつです。すばらしきらぶとろせっくるでしたの
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 23:26:19.47 ID:Gf1j6nKxo
お疲れえええええええ!!!!
エロ抜きにしてもいい話だった
いつか上条さんから美琴に告白した軽易を番外編で見てみたい
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/27(木) 23:32:45.21 ID:gFDTXWfQo
乙!
>洗濯槽の中で、上条と自分の衣服が一緒に洗われている様子を眺めるのが好きなのだ。
とか生活感ある感じが凄く良かった。
エロ(で)抜くにしてもいい話だった
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/28(金) 00:11:39.73 ID:UguOiOgMP
乙。
こんなにクオリティの高いエロは初めて読んだかも。
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/28(金) 00:44:04.95 ID:VXINCkAY0
超乙です!
あふれ出るような文才と、極めて丁寧な心理描写にただただ感服してます。
ここ一週間ほどは、これを読むのが生きる糧でした。
ピルが効き始めた後の、ゴム無しでする話も読んでみたいです……。
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/28(金) 01:47:14.87 ID:QUSixKk50
乙ですー
いやはやとてもいいSSでした
幸せになった
ありがとうございました
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/28(金) 02:38:15.04 ID:c/JPsmmK0
乙! やはり上琴は素晴らしい
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/28(金) 06:32:28.01 ID:/K/w8zi+0
エロ関係ない日常描写も品があって上手いのがグッド!
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/29(土) 09:37:38.44 ID:jrJ9mNWq0
>イン「私が短髪を好きになれないのは、そうやっていつもウソばっかり言うからかも!」
これ、目からウロコだった
確かに真っ直ぐに感情を表すインデックスからしてみれば
恥ずかしくて反対の事言っちゃう美琴は嘘つきだww
二人がいがみあう理由に納得だわ
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/28(金) 15:16:57.17 ID:m6taShEB0
乙でした!!
なんという描写力!上条さんと美琴の愛情も、
インデックスの優しさも真直ぐ心に入ってきた
土御門はああいう風に言ったけど、
上条さんの大切なものが美琴やインデックスや仲間たちあって
自分の身の安全自体ではない以上、上条さんは止められないな。
てか黒と金のツンツン頭の二人はどうしてここまでかっこいいんだろ……
美琴サイドの話楽しみにしてます!!
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/01/28(金) 17:16:56.84 ID:2QzbPGYNo
現時点での二人の原作設定を活かしきった最高の上琴だな・・・
新約以降でまた色々と覆されるかもしれないけどそういう細かい事はどうでもいい
読んだ後の満足感というか幸福感というかが半端ないわ
本当にお疲れ様でした!
美琴「週末は アイツの部屋で しっぽりと」番外編続く