1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 02:54:16.57 ID:GK7WIL570

女「むぐっ! うぅ、ふぐっ!」ジタバタ

男3「てめ、このっ、暴れるんじゃねえよ」ギシ

男2「こんな細っこい体でよくあんな長物を振り回せるよな」

男1「ひひ、俺たちの棒もあの調子で振り回してくれよな」

男3「ばーか、俺らがマワす側だろ」

男2「はは、違えねえや」

女「ううぅっ!」キッ

男3「こっわー、睨まれちゃったよ」ヒュー

男1「武道やってるだけあって気が強いね。でも、その虚勢がいつまでもつかな?」

上条「…………な、なんなんだよ、この映像は」アゼン
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 03:05:45.00 ID:GK7WIL570

――回想

――ジュワー

上条「ぃよっ、ほっと」トントーン

――ポーン

スフィンクス「フシュー!」ピョーン

上条(なにゆえオムレツが宙に浮くたびにおまえまで飛び跳ねるのか)

上条「にしても、インデックスのやつ本当に大丈夫かなぁ。イギリスに帰省とか」

上条「飯はオルソラが用意してくれるだろうから問題ねぇけど」

上条「肝心の必要悪の教会(ネセサリウス)が信用ならねえしなぁ」

上条「まぁ、ステイルや神裂もついてるから滅多なことは・・・」

上条「いやいや、油断は禁物だ。あの二人でも『首輪』の仕掛けは見抜けなかったわけだし」

――カタン

上条「ん? 今の音、郵便受けか?」チラ

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 03:06:56.63 ID:GK7WIL570

上条「ほれ、できたぞ」コトン

スフィンクス「はぐはぐ♪」

上条「さてと、ケースの中身は・・・DVD?」

上条「大手通販のタグつきか。おっかしいな、こんなもん買った覚えはねえぞ?」

上条「むしろ貧乏で趣味の物買う余裕もないんだけどな、はっはー」

上条「・・・虚しくなるから自虐ネタはやめるとして、だ」クル

上条(宛先は確かに俺ん家になってるな)

上条(ただまぁ、差出人欄に何も書かれてねえのがとてつもなく怪しい)

上条(上条さんの不幸センサーが反応してやがんなぁ・・・どうも厄介ごとの臭いが)

上条(いっそ、このまま捨てちまうか? ・・・それとも)

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 03:09:37.61 ID:GK7WIL570

――現状

上条(……あれ、でも、この顔どっかで)

上条(そうだ、天草式のあの娘! 口にガムテープ張られてるが間違いねえ)

男2「ガキの癖していい乳してやがんなぁ。どれどれ」グイ

――プルンッ

五和「んうっ、う~~~っっ!!///」

男1「へぇ、リボン付きかぁ。可愛い下着だねー」

男2「ガキのくせに発育いいじゃねえか、へへへ」スゥ

五和「ぐっ、ふっ、ふぅううん!」ジタバタ

――ガッ

男2「ぐっ、このっ!」グイ

男2「ってえだろうがっ」ドボォ

五和「ぐっ!?」ビクン

五和「――う゛ぅっ、んう゛っぁっ!」ビクビク

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 03:16:35.61 ID:GK7WIL570

上条「こ、こいつら……女の子になんて真似しやがる!」ギリ

上条(つうか、おかしいぞ? 五和の力ならこんなチャラそうなやつら一蹴できるはずじゃ)

男1「ばかかおまえ、いきなり腹とか。加減しろっつうの」

男2「しるかよ、いきなり蹴りいれてきやがるのが悪ぃんだよ」

男3「はは、そりゃ必死にもなるさ。魔術は封じられてるし」

男1「そうそう、なんてったって乙女の貞操のピンチだからなぁ」

五和「うっう……ぐす……うぅ」ジワ

男3「あーあー、涙浮かべちゃって、そんなに痛かった?」

男2「可哀そうにねぇ。はーい、いい子だから今度こそ大人しくあんよ開こうねぇ」ガッ

五和「……っ! うぁ、んむぅっ!」ガバッ

17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 03:24:55.45 ID:GK7WIL570

男1「不憫だなぁ、これからもっと可哀そうで怖ーい目に遭うんだからよ」ヘラヘラ

五和「……うっ、うぅっ、ぐむっ、……ふぁみほう……ふぁう」ボロボロ

男1「あん、なんか言ってるぜ?」

男3「どーせ男の名前かなんかじゃねえの? ほれ、ちゃんと腕固定してろよ」

男1「わかってるって」ギシッ

五和「ぐ……ぅ……。ふぁみほうふぁん……ふぁみほ――」

男2「いいねいいねぇ、かえってそそっちまうわ」ビリィ

五和「っっ!! んん~~~~~っっっ!!」ブンブン

男1「いえーい、彼氏くん見てるー?」ピースピース

男2「今からあんたの女俺たちの玩具にすっから、どんなことされっか――」

――ブツン

上条「…………っざけやがって」ハァハァ

上条(……こ、こんなのたちの悪い冗談だ。そうに決まってる)フルフル

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 03:33:56.50 ID:GK7WIL570

スフィンクス「…………」ブルブル

上条「あー、ワリ、スフィンクス。おまえをびびらせる気は……」

上条(そ、そうだよな。冷静に考えてありえねえだろ)

上条(オルソラ救出の時には何倍もの魔術師に立ち向かっていった五和が)

上条(こんなやつらなんかに負けるはずねえじゃねえか)

上条(他人の空似だ、そうに決まって……)

上条(でも、あいつらの一人が魔術を封じたとかぬかしてたし……それに)

上条(布を噛まされてたからはっきりとは聞き取れなかったけど)

上条(俺の名前を呼んだように聞こえなくもなかった)

上条(……だめだ、あの映像の子が本物の五和だなんて、想像したくもねぇ)

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 03:41:32.57 ID:GK7WIL570

上条(でも、そうじゃなきゃ、俺んちのポストにこんなもんが入れられたりは)

上条(いや、待てよ? それにしても不可解な点がありすぎる)

上条(いったい誰が、何の目的で俺にこの映像を送りつけたんだ?)

上条(これから金銭的な脅迫でもしてくるつもりか? 貧乏学生相手にそれはねえよな)

上条(俺だって、五和とは別にそこまで親しい付き合いをしてたわけじゃないし)

上条(だとすると、ただの偶然? このビデオはもう普通に流通しちまってるのか?)

上条(くそっ、どうしても悪い方の可能性を考えちまう)

上条(……直接会いに行くしかねえか)

上条(だけど、万一これが全部本当だったとして、俺にいったいなにができるってんだ)

上条(……やっぱり、見るべきじゃなかったな)ハァ

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 03:49:51.56 ID:GK7WIL570

――天草式支部

建宮「おぅ、待たせたな。遠路はるばる大変だったろ」トントン

上条「いや、んなこたねえよ」

上条(結局、来ちまったな……)

上条(まぁ、しょうがない。一度気になっちまうと何も手につかねえし)

建宮「……どっこらしょっと」ドサ

上条(気のせいか? 建宮のやつ、なんか覇気がないっていうか)

建宮「……薄々察しはついてっけど、念のために確認なのよな」

建宮「おまえさんの用件ってなぁなんだ?」

上条「い、いや、用件というほど大層なことじゃないんだ」

上条「たまたま近くの知り合いと会っててさ。ついでにみんなの顔を見にきたってところさ」

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 03:54:59.41 ID:GK7WIL570

建宮「みんな、か。全体的に見れば、まぁぼちぼちやってる」

上条「全体的にってことは、誰か怪我でも?」

建宮「…………」ジィ

建宮「回りくどいのは、好きじゃないのよな」キッパリ

上条(……!)

上条(……この顔、確定、か)

上条「……五和は、どうしてる?」

建宮「……あいつは、つうかおまえさん、それを訊いてどうする気なのよ?」

上条「いいから答えてくれ。何事もなけりゃそれでいい」

建宮「……何かあると思ったから、わざわざここに出向いた。違うか?」

上条「…………」グッ

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 04:09:21.35 ID:GK7WIL570

浦上「あそこが離れです。五和さんは手前から二番目の部屋に」

上条「……ああ」

牛深「……ここからはあんた一人で行ってくれ」

上条「え、でも、それはまずくねえか?」

香焼「……五和さん、男の人が近づくだけで、もうダメなんだ。……俺たちでも」

上条「……っ」

浦上『……本当にひどい状態でした。二日間、寝る間も与えられずに」

浦上「……屈辱の時間が終わる瞬間をひたすら祈っていたんでしょう」

牛深「……教皇代理に助け出されたときには、ショックで口もきけない状態だったと聞いている」

香焼「最近になって、ようやく少しずつよくなってきたんだ」

上条「お、男がだめなら俺だって同じことじゃ」

香焼「同じだったら、こんなこと頼まない。俺たちだって、歯がゆい思いをしてるんだ」

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 04:20:58.28 ID:GK7WIL570

上条「……本当に、みんな館の方に戻っちまった」

上条(……もう、部屋は目の前……このまま一人で会うのか?)ゴクリ

上条(なんて声をかけてやりゃいい?)ブル

上条「震え? ……はは、俺、怯えてるのか」

上条(この恐怖、以前にも覚えがある)

上条(ステイルにインデックスの記憶を殺すと宣言された時だったか……)

上条(それとも、御坂の妹達の最悪なプロジェクトを知っちまったときだったか……)

上条(事態が深刻すぎて何もしてやれないかもしれない)

上条(無力を否応にも突きつけられる瞬間。それが、たまらなく怖いんだ)ガクガク

上条(五和……俺は、上条当麻は、本当におまえの助けになれるのか?)

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 04:26:59.64 ID:GK7WIL570

上条「……五和、そこにいるのか?」

五和「…………え」

上条「いる、みたいだな」

五和「……その声、……まさか」

上条「ああ、上条当麻だ。すごいな、声だけで気づいたのか?」

五和「……う、嘘、でしょ。……どうしてここに」

上条「たまたま近くまで来たもんだから――――いや、今のはなし」

上条「おまえと話がしたかった。もしそっちがよければ、だけど」

五和「…………っ」

上条「……五和?」

五和「なんで……襖を閉じたままなんですか? なんで部屋に入ってこないんですか?」

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 04:32:20.00 ID:GK7WIL570

上条「……でも、その、入って大丈夫なのか?」

五和「……やっぱり、全部知ってるんですね」

上条「いや、正直に言うけど、そこまで詳しい事情は知らない」

五和「詳しくは知らないのに、なんで来たんですか」

上条「……そ、それは」

五和「わたし、そんなにかわいそうですか? 惨めな女ですか?」

上条「……い、五和。そんなことは」

五和「気休めを言わないでください! 自分でよくわかってるんです」

五和「あんな連中にいいようにされて、悔しさを押し殺して涙ながらに許しを乞うて」

五和「それでも結局純潔まで散らされる。……最低、ですよね。魔術師としても、女としても」

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 04:39:11.67 ID:GK7WIL570

――回想

建宮『あいつには、世界的に名高い魔術師にも肩を並べられる素質がある』

建宮『だから、己の実力にはある程度の自負があったはずだし』

建宮『荒事依頼でも俺の期待に違わぬ活躍をしてきた』

建宮『そいつがまさか、力を完全に封じられてなんの抵抗もできないまま』

建宮『あんな三下どもにいいように嬲られちまうなんて、夢にも思ってなかっただろう』

建宮『あの映像を触りだけでも見たんなら、おまえさんにだって想像がつくだろ?』

建宮『彼女がどれほどの恐怖に晒されたのか』

建宮『そして、どれほどの絶望と暴力に侵されたのか』

建宮『あの事件からしばらく経つが、今でも男が近寄るだけで拒絶反応を起こしちまう』

建宮『疲れて寝ている時だろうが関係ない、悲鳴を上げながら飛び起きるなんてこともざらだ』

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 04:45:53.01 ID:GK7WIL570

建宮『あいつほどの達人が、夜中の一人歩きもできなくなっちまったなんて信じられるか?』

建宮『それだけ深く傷ついてんだ。体の傷は癒えても、心の傷は』

建宮『下手をすっと一生治らなくたって不思議じゃねえのよな』

建宮『だから、もしおまえさんが誠心誠意、心から彼女の支えになってやりたいと思えないようなら』

建宮『悪いことは言わん、すぐに帰ってくれ。下手に同情を寄せる方が彼女にとって酷だ』

建宮『あまり会う機会のないおまえさんが顔を見せただけでも、
    諸々の事情を知ってるだろうことを悟られちまう』

建宮『朴念仁のあんたは気づいちゃいないかもしれんが』

建宮『五和はおまえさんを心底慕ってる』

建宮『それだけに生半な気持ちで首を突っ込まれたら』

建宮『一番傷つくのは彼女なんだ。わかるだろ?』

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 04:52:12.47 ID:GK7WIL570

上条「……よせよ、そんな風に自分を貶めるのは」

上条(……わかってるさ。どんな反発があったって構わねえ)

上条(目の前で女の子が苦しんでるってのに、見て見ぬふりしてほっとけるかよ)ギリ

上条「おまえは最低なんかじゃねえ。それは俺がよく知って」

五和「――もう、いいんです。もう」

上条「……よくねえだろ」

五和「好きな人に想いも、打ち明けられない、まま……こんな」グス

五和「こんなのって、ない、ないよぉ」グスグス

五和「わた……しに……もう少し勇気があれば、初めてだけは、奪われずに……済んだのに」

五和「上……さ……に……あげ、れたのに……ぃ」ボロボロ

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 05:07:32.60 ID:GK7WIL570

――ガラッ

五和「――! か、かみじょ……さ」

上条「――五和」ザッ

五和「……っ、あっあっ、やぁっ!」ガクガク

上条(拒否反応……か)ピタ

上条「……部屋の隅っこの方なら、平気か?」スッ

五和「あ……ぁ……」ブルブル

上条「……悪い、五和」ザッ

上条「俺、経験がまったくねえから、こんな時なんて声をかけてやったらいいのかわかんねえんだ」

上条「肝心な時に限って……なんでこう、ろくな言葉が思い浮かばねえんだろうな」ガツ

上条「……ごめん、本当、何しに来たんだろうな、俺」

五和「……か、上条……さん」ピタ

64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 05:23:06.75 ID:GK7WIL570

上条(……震えが、治まってる)

上条(そうだ。今の俺にできることは、これくらいしか)

上条「五和、辛かったな」スッ

五和「……あ……あぁ」フラ

上条(溜まりに溜まった感情を、胸を貸して受け止めるくらいしか)

五和「上条……さん……う……ぅっ」ブワ

五和「うわあああぁぁぁっっぁぁぁぁっっ!!」ガシ

上条「……ずっと誰にも言えずに、耐えてたんだな」ポンポン

五和「あああぁぁっ! 悔し、いぃっ、わた、し、悔しい、よおぉっ!」ボロボロ

上条(胸が涙で熱い……両腕に五和の温もりを感じる)ギュウ

建宮(……よかった、うまくいったみたいだな)フッ

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 05:29:10.78 ID:GK7WIL570

五和「…………」スン

上条「少しは、落ち着いたか?」

五和「……ええ、いっぱい泣いたらなんだか、すっきりしちゃいました」エヘヘ

上条「別に無理しなくていいんだぞ。そんなにすぐ忘れられるもんじゃねえだろうし」

五和「……はい。あの、すみません、お恥ずかしいところをお見せして///」

上条「いいさ。俺にできることがあったらなんでも言ってくれよ。いつでも力になるから」

五和「……なんでも、ですか?」ジィ

上条(な、涙目で上目遣いは、破壊力が)クラ

上条「ね、念を押されると弱いな。俺にできることなんてたかが知れてるし」ポリポリ

上条「五和とまともに戦ったら、俺なんて速攻でのされちまうからな」

五和「も、もぅ。上条さんたら」プゥ

68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 05:33:49.37 ID:GK7WIL570

上条「実際そうだろ? 俺なんて能力者相手じゃなきゃ一介の高校生に過ぎねえんだからよ」

五和「そんなこと、ありません」フルフル

上条「……そうか?」

五和「はい……その、嬉しかったです」

五和「……実を言えば、事件の後、あなたに会うのはすごく怖かったんですよ」

五和「わたしが慰み物にされたと知って、上条さんがいったいどんな反応をされるのか」

五和「未練がましい、ですよね。それがどんなに些細な繋がりでも、断たれてしまうのが怖かった」

上条「俺が愛想を尽かすと思ったのか? その、未経験じゃなくなったから?」

五和「……ごめんなさい。一時とはいえ、そう思い込んでいたのは、確かで」ギュ

五和「今振り返ってみると、どんなにバカバカしい考えか、自分で呆れてしまいます」

五和「強くて格好良くて、それ以上に一本筋が通っている人だって、
    わたしが一番よく知ってるはずなのに」

上条「い、いくらなんでも褒めすぎだろ///」

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 05:39:24.32 ID:GK7WIL570

五和「少なくともわたしの目には、上条さんは、そう映ってるんです」

五和「だから、やっぱりあなたに会いたいと強く望んでいる自分もいて」

五和「頭がぐちゃぐちゃになって、あなたの顔とあの日の悪夢が交互に押し寄せてきて」

五和「一旦その思いに囚われると、何日も眠れなくて」

五和「本当についさっきまで、とにかく辛くて、苦しくて、もうこの世から消えちゃいたいって」

五和「そう、思っていたのに」ジワ

上条「……五和」

五和「い、いけないですね、わたしったらまた」ゴシゴシ

上条「……いいんだよ。そう簡単に吹っ切れることじゃないさ」ギュウ

五和「あ……ま、また……///」

五和「ふふ、上条さんの腕の中、暖かいです。心臓の音が聞こえます」ピト

上条「もう、怖くないか?」ナデナデ

五和「全然平気です。……多分、あなただから」ギュウ

72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 05:51:50.56 ID:GK7WIL570

五和「上条さん、ありがとうございました。五和はもう大丈夫です」

上条「……そっか、それなら嬉しいけど」

五和「ホントですよ? あぁ、早まった真似をしなくてよかったなって、心から思えているんですから」

五和「本当、よかった。上条さんが、こんなわたしでも嫌わずにいてくれて」

上条「ばかいえ、嫌うはずがないだろ? 五和みたいないい娘をさ」

五和「いい娘、ですか? ……ふふ、真に受けちゃいますよ?」

上条「構わねえよ。……なぁ、頭撫でても、いいか?」

五和「あ……え///」

五和「……えーと……上条さんさえよろしければ、いつまででも///」

上条「はは、よしよし」ナデナデ

五和「……えへへ、上条さんにこうされていると、なんだかすごく安心します」ホワンホワン

上条(知らなかったな。五和って、こんなに健気な子だったんだな)

上条「……なぁ。もしおまえさえよければだけど」

五和「あ、はい」

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 06:04:05.54 ID:GK7WIL570

建宮「学園都市に引っ越さないかと誘われたって?」

五和「は、はい。上条さんの二つ隣の部屋が空き部屋だそうで」モジモジ

五和「管理人に掛け合えばおそらく大丈夫だと。もちろん部屋代は払う必要がありますけど」

建宮「おお、ついにやったじゃねえかよ。これでおまえとあいつの距離もかなり縮まったってもんよ」

五和「そ、それはそうなんですけど」ツンツン

建宮「ん、歯切れ悪いな。願ったりかなったりじゃなかったのかよ?」

五和「もちろん、そうなんですけど」

五和「なんといいますか、その」

五和「……ここにきて罪悪感が、胸をチクチクと、ですね」ズキズキ

建宮「生半な方法では、上条の隣の席を奪取するのは不可能だぞ?」ニヤ

81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 06:16:16.00 ID:GK7WIL570

――二か月前

五和「はぁ、どうしてわたしってこうも間が悪いんでしょうか」

五和「上条さんの隣には、常にわたし以外の誰かがいる」

五和「一介の魔術師に過ぎないわたしが付け入る余地なんて、どこにも」

建宮「そうでもないのよな」

五和「……教皇代理? もしかして、お絞り作戦の他にも良策が?」

建宮「まさに、大精霊チラメイドコスチュームを着て上条宅に侵入――ぐふぉあ!」メキィ

五和「あ、あんな下着をチラ見せするためだけに技術の粋を費やしました的な服、誰が着ますか!」

五和「そ、それに色香で惑わしたって関係は長続きしません!」

建宮「だ、段々拳が鋭くなりつつあるのよな」

83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 06:20:53.22 ID:GK7WIL570

五和「わたしは真剣に悩んでるんですから茶化さないでください」

建宮「まぁまぁ、俺の見たところ、おまえさんが禁書目録や学園都市の電撃姫と比べて」

建宮「そこまで女としての要素が負けているとは思わん。いや、むしろ勝っている」

五和「」ピク

建宮「容姿、スタイルともに十分。 
    その上家庭的で料理上手。(例外を除いて)温和な性格も高ポイントなのよな」

五和「な、ならなんで! なんで、こんな決定的な差がついてしまっているんですか」

建宮「そう、今までは俺もそれが不思議でならなかった」

建宮「その謎が、つい最近になってようやくわかったのよな」

五和「ほ、ほんとですか!?」

建宮「そう、上条当麻が惹かれる女子のステータスとは」

五和「……ス、ステータスとは」ゴクリ

建宮「ずばり、ハッコウドにあるのよな」

141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 11:59:58.43 ID:GK7WIL570

五和(ハッコウ、発光、は絶対違う。……発酵度?)

五和「イースト菌といったい何の関連性が」ゴクリ

建宮「違う違う、その発酵じゃなくて。軽薄のハクに幸せのコウ、幸薄いの薄幸だ」

五和「……あぁ、薄幸ですか。つまり、要約すると」

五和「わたしは他の人たちに比べて幸せだから、上条さんの目に留まらないと?」

五和(上条さんの目に留まらない時点で、五和的にはものすごく不幸なんですけど)ヨヨヨ

建宮「というより、相対的に見て彼の周りには不幸な娘が多いのよな」

建宮「たとえば、石垣の上でのんびり日向ぼっこしてる猫と、段ボール箱に入れられたずぶ濡れの猫」

建宮「どちらも同じ捨て猫だとして、おまえさんならどちらにぐっとくる?」チラ

五和「……そういう、ことですか。なんとなく呑みこめてきました」

143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 12:08:26.86 ID:GK7WIL570

建宮「禁書目録はイギリス清教のネセサリウスに記憶を一年おきに消され続けていたし」

建宮「電撃姫の方は彼女のDNAマップが学園都市によって軍用クローンの実験に悪用され」

建宮「秘密裏に大量生産された自らのクローンを殺害されていたという壮絶な過去があるそうなのよな」

建宮「これは上条氏ならずとも相当ショッキングな出来事に違いないのよな」

建宮「ただでさえ同情に値する禁書目録や電撃姫の不幸な境遇に対し」

建宮「元々不幸体質である上条氏の根源的ななにかが揺り動かされる」

建宮「ひいては、情愛にも似た共感を呼んでいるのでは、というのが俺の考察なのよな」

五和(なんという洞察力、さすがは教皇代理ですね)

五和「共感……確かに、親密になるには必須ともいえるキーワード」

建宮「もちろん、自らの同胞に処刑されるところだったオルソラもそれに当てはまるだろうし」

建宮「とある消息筋では、故郷の住民を能力の発動によって
    皆殺しにしてしまった姫神秋沙という少女も云々」

五和(……ラ、ライバルが多すぎる)タラ

145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 12:16:22.02 ID:GK7WIL570

五和「……諦めるしか、ないんでしょうか」ショボン

五和「そんな厨ニ病じみた超絶設定に、平凡な一戦闘員に過ぎないわたしが勝てるはず」

建宮「と、考えるのが普通よな?」

五和「……含みを持たせるということは、なにか打開策があるんですね?」

建宮「……五和はどこに出しても恥ずかしくない薄幸の少女である。そう認識させることができれば」

建宮「上条氏の思いが、あるいはおまえさんに向く可能性もあるのよな」

五和(ちょ、ちょっと嫌かも)

建宮「だが、問題は、おまえさんにその覚悟があるかどうか」チラ

五和(けど……けど、そこにしか活路を見い出せないのなら)

五和「………………っ、やります」グ

建宮「五和、これは辛い試練だぞ?」

五和「……構いません。あの人の心を掴むためなら、わたしは、泥の中だって這いずって見せます!」

建宮「……うむ、その意気やよし!」コクリ

151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 12:28:48.27 ID:GK7WIL570

男3「へへ、出すぞ! 出すぞぉぉぉ!」シャカシャカ

五和「んんっっ! んうっ、ふぉねふぁい! ふぁふぇふぇっ!」ジタバタ

五和「い――あぐ! いやぁっ! か、上条さああぁぁんっっっ!!!」ビクンビクン

――カッ

建宮「はい、オッケーッ!」

一同『お疲れ様でーっす!!』

五和「…………ほぅっ」ドキドキ

男3「す、すみません五和さん! すぐどきますんで!///」バッ

五和「い、いえ、大丈夫ですから」アタフタ

団員男1「あのー、最後のところ猿轡取れちゃいましたけど。音声とか台本と」

建宮「今ので構わん。ああいう小さなアクシデントは、残した方が返ってリアリティが出るのよな」

団員男1(……そ、そこまでこだわる必要あるのかな)

156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 12:34:13.49 ID:GK7WIL570

団員女1「サンプルは十分。これでなんとかまとまりますかね」

団員女2「これ替えの服です。男どもの目の毒ですから、ちゃっちゃと着ちゃってくださいね」

五和「ふふ、ありがとうございます」ファサ

団員女2「みんなも喉乾いたでしょ。ペットボトルここに置いとくからねー」

男2「先生、お腹を殴った手が痛いんですけど」ジンジン

五和「腹筋だけ筋力強化してましたから」フフ

男2「あぁ、だから思いきりやっていいって」

五和「それでも、手加減してくれてましたよね」ニコ

男2「そ、そりゃ、五和さん相手じゃ本気でなんて」ポリポリ

団員女3「それにしても、プロ顔負けの演技でしたよね」

建宮「あぁ、これなら上条氏もグッとくるはずだ」フフン

団員女3「……目的、はき違えてません?」

159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 12:44:29.44 ID:GK7WIL570

団員男1「俺、カメラを持ちながらムラムラしちゃいましたよ」ポリポリ

五和「欲情するのは自由ですけど、わたしに手を出したらただじゃあ済みませんよ」グビグビ

男1「約一名を除いて、でしょう?」ニヤ

五和「う゛ぐっ」ゲホッ

団員女1「ほんと、どこまでも一途ですよねー」

男2「羨ましいよなー。天草式のアイドル、五和さんの心を独り占めできるなんて」

五和「な、なんですかそれ。からかってると承知しませんよ!///」

団員女2「あはっ、照れてる照れてる」

男3「これでお絞りの日々からも解放されるといいですね」

五和「もぅ! みんなして! 本当に怒りますよ!」

162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 12:48:57.10 ID:GK7WIL570

建宮「よく頑張ったな。少し声しわがれてるけど、喉は大丈夫か」

五和「声の出しすぎで正直痛いです。……あの」

建宮「うん?」

五和「下着までしか見せなくて、大丈夫だったんでしょうか?」

建宮「おいおい、おまえさんだって上条氏以外に裸を見せたいとは思わないだろう?」

五和「そ、それはもちろんですけど、あ、いえっ、そのっ!」アタフタ

五和(…………///)プシュー

建宮「ま、何とかなるだろ。幸い学園都市の動画編集ソフトもあることだしな」

建宮「決定的な場面はうまくぼかしを入れて加工するさ」

五和「……隠した方がかえって想像力を働かせる、ですか?」

建宮「中高男子の妄想、もとい想像力を利用しない手はないのよな」ビッ

五和「もぅ、絶対に楽しんでるでしょ」プイ

165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 12:51:10.59 ID:GK7WIL570

建宮「足の指のうねり、背筋が反り返る一瞬、飛び散る汗、愛する男を求める声――」

五和「や、やめてください! 口に出されるとすっごく恥ずかしいんですけど///」

建宮「いやいや、撮っているこっちもなかなかこそばゆかったのよな」ニヤニヤ

五和「……ぐ、ぐぬぬ」

建宮「これを見れば、上条氏も言葉を失うだろうな。――今の心境はどうだ?」

五和「それは……この一週間大変でしたけど、充足感に満たされています。やれることはやれたかなと」

建宮「あぁ、自信を持っていい。このビデオは間違いなくバカ売れ――」キラーン

――ズガッ――ドゴ――メキィ――グシャッ

五和「もぅ、教皇代理ったら。上条さん以外の人にこんなもの見せられるわけがないでしょう?」

五和「そうだ。念のためコピープロテクトもかけとかなきゃ」クルッ

建宮「」チーン

168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 12:56:30.80 ID:GK7WIL570

――学生寮

上条「おい、どうしたんだ五和。ぼーっとしちまって」

五和「はっ――あ、え……と……」

上条「……また、例のこと思い出しちまったのか?」

五和「い、いえ! そんなことは――きゃっ」グイ

――ギュッ

五和「んっ、上条、さん。ちょっと、痛い、です」キュ

上条「安心してくれ。俺の傍にいる限り、誰にも五和に手出しなんてさせねえ」ギュウ

五和「あっ……はぅぅ……///」ゾクゾク

五和(し、信じられない。互いの吐息がかかる距離に、上条さんが)

五和(な、なんでだろう。骨が軋むくらい強く抱きしめられてるのに)ギュウ

五和(このタイトさが、とても心地よい……病み付きになってしまいそう///)

231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 19:18:51.40 ID:GK7WIL570

上条(い、いかん。冷静になってみると、ちょっと密着しすぎっつうか)ムニ

――ポヨポヨヨ~ン

上条(なんて弾力だ。い、五和って結構、あるんだな)ゴクリ

上条(まずい、いい加減離れないと理性が……て、あれ)ガチ

上条(だ、だめだ! 五和の腕が背中に回って、うぁ、や、柔らけー)ムニュ

上条(あーくっそ! 正気か俺は! 五和は傷ついて不安がってるんだぞ!)ブンブン

五和「…………」モジモジ

上条(……っ! ほれみろ、まだ微かに震えてるじゃねえか)

上条「さ、さぁ、蚊に刺されちまうから、早く部屋まで運んじまおう」ス

五和「……あ、はい」コクン

235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 19:21:03.61 ID:GK7WIL570

――ドサッ

上条「よし、荷物はこれで全部だな?」

五和「ええ、しばらくは天草式とこちらを行き来することになると思いますけど」

上条「そうだな、その辺はおいおい慣れていけばいいさ」

五和「すみません、何から何まで。ありがとうございました」ペコ

上条「とんでもねえ。これからはご近所同士なんだから、遠慮しないでなんでも相談してくれよな」

五和「……はいっ」ニコ

上条「」ドキン

上条(……な、なんだ。この気持ちは)トクントクン

五和「あ、あの、せめてものお礼に、と言ってはなんですけど」

上条「あ、あぁ、なんだ?」

五和「きょ、きょきょ今日っ! よろしければ、そちらに夕飯を作りに行っても構いませんかっ」

237 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 19:30:03.53 ID:GK7WIL570

五和「ふんふーん♪ ふふふーん♪」

上条「な、なぁ、五和」

五和「はい、なんですか?」ルン

上条「その、スーパーの人ごみの中とか、大丈夫なのか? かなり混んでるけど」オズオズ

五和「え…………? あ、あーっ、そ、そうですよね! す、少しは怖いです、けど」アタフタ

五和「その、上条さんが、傍にいてくれれば平気かな、なんて」

上条「そ、そっか」ホッ

上条(よかった、思ったより元気そうだな。まぁ、タフじゃなきゃ魔術結社なんかで働けねえか)

五和「そ、それより、ここって色々な食材がありますね。メ、メインは何にしようかなー」キョロキョロ

上条(でも、やっぱりどこか無理してるっていうか、空元気みたいな節もあるんだよな。早合点は禁物だ)

五和「上条さんってなにか好き嫌いとかあります?」

上条「いや、特には。五和の作ってくれる物ならなんだって美味しいと思うし」

五和「そ、そうですか? えへへ、作り甲斐がありますね」パン

上条(……か、かわいい)ポー

239 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 19:37:14.31 ID:GK7WIL570

五和「あの、いくらなんでも全部は重くないですか? よかったら片方持ちますけど」

上条「大丈夫大丈夫。これくらい軽いもんだぜ」ムン

上条(お、男として、ここは弱みを見せられねえだろ)ズッシリ

五和「あ、あっちに試食コーナーがありますよ。何が置いてあるんでしょう」

上条「今の時間帯に精肉売り場の前だと、プルコギかな」

五和「すご……時間帯でわかるんですか」

上条「折角だから一口つまんでこいよ。結構いけるぜ?」

五和「ええと、ですけど、上条さんは?」

上条「俺は、この通り両手が塞がってるからさ」

五和「それなら、まったく問題ないじゃないですか」タッタッ

上条「って、おい五和」

五和「二人分もらって来ますから、上条さんはそこで待っててください」フリフリ

243 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 19:41:27.33 ID:GK7WIL570

五和「さぁ、どうぞお口を開けてください」

上条(もしやとは思ってたけど)チラ

上条「い、五和、ここじゃあ人目が――ぁむっ!」シャッ

五和「こうすれば、そんなに恥ずかしくないですよね」ビッビッ

上条(……て、手の動きが、まるで見えなかった)ムグムグ

上条(俺の知るアーンとはまったく次元が違うな。まぁ、でも、これはこれで)ゴックン

五和「じゃあ、わたしも一口」ハム

五和「……うん! 柔らかいですね、このお肉」

上条「あ、ああ、そうだな」

上条(……なんかいいよな。こういう、ささやかな日常イベントって)

上条(これぞ長年憧れていた、平和でのどかな学生ライフってやつなんだろうな)ジーン

246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 19:48:12.26 ID:GK7WIL570

――上条宅

――トントントン

上条(台所から聞こえてくる包丁のリズム、か)

上条(すげえ、インデックスさんとの共同生活じゃ100%あり得ねえ光景ですよ)ヒク

上条(今まで意識してなかったけど、五和って実はかなりレベル高いよな)チラ

五和「……ん、おダシは申し分なしですね」コク

上条(可愛いし、気立てもいいし、強さと脆さのギャップが男心をくすぐるっつうか)

上条(あんな儚げな姿を見せつけられると、どうしたって守ってやりたくなっちまう)

上条(あいつ、少しくらいは俺を意識してるのかな。
    建宮はああ言っていたけど、どこまで信じていいのか)

上条(うん、少なくとも、嫌われてはいないよな。
    じゃなきゃ、飯を自分から作るなんて言い出したりは……)

上条(ま、その辺の心情はおいおい御坂あたりにでも聞いてみっかな)フゥ

252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 20:10:35.25 ID:GK7WIL570

――ピィィィィ

五和「上条さぁん、今ちょっと手が離せないので、ヤカンの火止めてもらっていいですかー?」カシャカシャ

上条「ああ、すぐ行く」スクッ

――カチ

五和「ありがとうございます。あの、これ、お食事前のお絞りです」スッ

上条「ああ、さんきゅ」ギュ

上条(うーん、エプロン姿がほんとよく似合うなぁ)

上条(あんな辛い目にあったっていうのに、気丈に振る舞うって、大変なことだよな)

上条(ま、俺としてはその方が助かるか。弱みにつけこむなんてことはしたくねえし)

上条(……こんなこと考えてる時点で、俺、あいつにまいっちまってるのかもな)

253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 20:14:40.17 ID:GK7WIL570

上条(大根と挽肉の煮物、オクラとヤマイモのツナサラダ)

上条(アサリの味噌汁。そして極めつけは、イカの塩辛と熱々のご飯)

上条(ラインナップとしては平凡。どこにでもあるような日本の食卓)

上条(だけど、手をつけるまでもねえ。絶対にうまいに決まってる)ゴクリ

五和「ありきたりのメニューですけど、腕によりをかけて作りました」チョコン

上条「相変わらずすごいな。こうして眺めてるだけで食欲がわいてくる」

五和「ふふ、ありがとうございます。それでは、冷めないうちにいただきましょうか」

上条「ああ、それじゃあ――」

上条&五和『いただきますっ』パン

255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 20:30:43.34 ID:GK7WIL570

上条「最高だ。こんなにウマい飯はいつ振りだろうな」

五和「おかわりもまだありますからね」ニコ

上条「ありがとう。五和、その端のドレッシング取ってくれ」

五和「はい、これですね――よっと」スッ

――たゆん

上条「う゛っ」

上条(腕を伸ばした反動で、胸が)

五和「あの、どうかしましたか?」マジ

上条「い、いや、なんでもねえ」

五和「???」コテン

上条(い、いかん、目のやり場に困るぞ。インデックスじゃ気にする必要もなかったのに)

260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 20:49:21.12 ID:GK7WIL570

五和「あ、上条さん。ほっぺたにご飯粒、ついてますよ」

上条「え、あ、どこだ?」アセアセ

五和「わたしが取ってあげますから。じっとしててください」ズイ

――プルン

上条「…………っ」

上条(い、意識しちゃ駄目だ、意識しちゃ駄目だ!)

五和「あ、ちょっと、仰け反らないでください。これじゃ手が届かな――っ」ズル

五和「わっ、きゃあっ!」

上条「五和っ!」ガタッ

――ドサッ

上条「……いつつ、だ、大丈夫だったか」

五和「は、はい、なんとか……、っ」

上条(……あれ……右手に、柔らかいものが乗っかって)ムニュ

五和「っっん゛ぅっ!///」ビクン

266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 21:06:57.84 ID:GK7WIL570

上条「うわっ、ご、ごめん、五和! わざとじゃ」バッ

五和「…………あ、い、いえっ!」バッ

五和「こちらこそまともに覆い被さってしまい、すみませんでした」アセアセ

上条「……お、怒ってない、のか?」

五和「わたしが食卓に頭を打ち付けないよう庇ってくださった上での、事故ですから」

五和「気にしないでください。ただ、ちょっとびっくりしただけです」

五和「あ、醤油さしの醤油が全部食卓に零れてますね。タオルは……」

上条「ああ、いい。俺が持ってくるから」タッタ

五和「……な、なんでわたし。あんなはしたない声を///)カァ

五和(胸を鷲掴みされた瞬間……全身がビリって……)トクン

269 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 21:16:52.84 ID:GK7WIL570

上条「ぷっはー、食った食った、大満足~」

五和「よ、喜んでいただけたのなら、張りきった甲斐がありました」カチャカチャ

上条「この出来栄えなら、あの舞夏とも張り合えるかもな。おまえを嫁さんにもらえるやつはマジ幸せだよ」

五和「え……」

上条「ん……? あ、いやっ、決して深い意味があったわけじゃなくて」

五和「……くすっ、別に慌てることないじゃないですか」

五和「わたしが上条さんと釣り合わないってことくらい、ちゃんと自覚して」

上条「ばっ、んなわけあるかよ! 俺の方こそ、五和みたいな子はとても高望みで」

五和「と、とんでもない! わたしは上条さんと一緒になれる人が羨まし――」

五和「い、いえっ! 今のは、そのっ……」シュタ

上条「……えと」ゴホン

上条「……なんか、ごめん///」

五和「……こ、こちらこそ///」

274 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 21:28:44.36 ID:GK7WIL570

TV『こうして動物たちは恋の時期を終え、また新たな命の営みを育んでいくのです』

上条「…………」ズズ

五和「…………」ハァ

五和「あの、上条さん。……わたし、そろそろお暇を」

上条「あ、ああ。早いな、もうこんな時間だったのか」

五和「わたしも、久しぶりに時間の流れを忘れられました」スク

上条「今日は楽しかったよ。五和さえ暇なら、いつでも歓迎すっから」スク

五和「本当ですか? じゃあ、近いうちにまたお邪魔しちゃおうかな」テクテク

上条「へへ、是非そうしてくれ」テクテク

五和「ありがとうございます。―――では上条さん、おやすみなさい」ペコ

上条「あぁおやすみ、いい夢をな」

――ガチャ

291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 21:50:30.79 ID:GK7WIL570

――五和宅

建宮『……なるほど。距離は大分、縮まったみたいよな』

五和「はい、やっぱりご近所さんというのは強いですね。一緒にいる時間が――」

建宮『それで、他には?』

五和「え……他にって、何かありましたっけ」

建宮『はぁ、おまえさん、上条氏が持ってる例のDVDのこと、頭からすっぽり抜けてるのよな』

五和「……あ!」ガビン

建宮『いい雰囲気にまで持ち込んだ努力は褒めてやる。が、詰めが甘かったのは否めない』

建宮『もしおまえさんが本当に傷ついているのなら』

建宮『あのDVDのことをいの一番に気にしなければならなかったはずなのよ』ドドン

299 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 22:07:08.76 ID:GK7WIL570

五和「……し、失念していました。今からでも行ってきます!」

建宮『いや、今日はもうやめておけ』

五和「え、でも……」

建宮『別れを一旦告げてしまった以上、時期は逸している。それはすでに最善の策ではないのよな』

五和「……じゃあ、今日の所は様子見ですか」

建宮『おまえさんに立ち直るきっかけを与えたという点では、上条氏も決して悪く思ってないだろう』

建宮『もちろん、遅くとも数日以内にはきっちりと話さなくてはならんのよな』

建宮『その際、処分するか秘蔵の品として取って置くかは、二人で決めることだ』

五和「秘蔵になんてされたら困りますってば!///」

建宮『それはそれとして、だ。もし追及されても、言い逃れるだけならさほど苦労しないだろう』

建宮『人の記憶力の曖昧さ。フラッシュバック。言い出せる雰囲気じゃなかった、etcetc』

建宮『その辺りの理由を盾にしつつ、DVDをダシにして上条氏の関心をおまえさんに向けるのよ』

建宮『と、仕事の着信が入った。今夜はここまでにしておくのよな』プツン

309 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 22:30:55.78 ID:GK7WIL570

五和「まったく、言いたい放題なんだから……」ピッ

――ピンポーン

五和「あら、インターフォン? 誰かしら」

五和(って、上条さんに決まってるか。ここに引っ越したことはほとんど誰も知らないはずだし)イソイソ

五和(部屋に忘れ物でもしちゃったのかな。それとも、何か別の)ソワソワ

五和「はーい、今出まーす」カチャカチャ

五和(って、あれ? このチェーンて外すときはどういう……)チャリ

――ガチャッガチャッ!

五和(……! 上条さんじゃない!?)ジッ

五和「あなた、何者なの! すぐに警備員を――」

319 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 22:37:41.27 ID:GK7WIL570

――バンッ!

五和「……っ」ビクッ

――タッタッタッタ

五和「…………」ジ

五和「ふぅ、逃げ去ったみたいね」

五和(……助かった。チェーン同士がぶつかる音で開いたと錯覚したのね)

五和(……もしチェーンをすんなり開けてしまっていたら、完全に油断していたし)

五和(それこそ、あのDVDのような有様になっていても)ゾク

――ピンポーン

五和「」ビクン

五和(ちょ、ちょっと……またなの?)

322 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 22:43:01.39 ID:GK7WIL570

五和「……ドアスコープから……そうっと」ゴクリ

上条「五和ー、起きてっか? 変な物音がしたから確かめに――」

――バン!

上条「おわっ!」

五和(…………)

上条「い、いきなり脅かすなよおまえ」ドックンドックン

五和「……か、上条さん」

上条「ん、どうしたんだ?」

五和「わたし、無理かも」フルフル

上条「え、やっぱり何かあったの?」

333 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 22:56:47.10 ID:GK7WIL570

五和「……は、配達員ですか? ○日新聞社の?」

上条「ああ、十中八九な。鍵を開けさせた瞬間にドア開けて足を滑り込ませやがんだ」

上条「隣の土御門んちで一度お目にかかったことあっけど、ありゃ職人芸の域だぜ」

上条「ほら、おまえは新入居者だから、
    競争相手がこないうちに契約をせしめようと思ったんじゃねえの?」

五和「そ、そうだったんですね、納得」ヘナヘナ

五和(あ、あんな強引な勧誘があるなんて、知らなかったです)

上条「その様子だと、相当びっくりしたみたいだな」

五和「はい。てっきり、十字教かどっかの魔術結社のアサシンかなにかかと」

上条「ま、無理もないか。俺も先に注意しとくべきだったな」

五和「いえ。……あの、上条さん。ひとつだけ、お願いしたいことがあるんですけど」マジ

上条「ああ、じゃあそうしようか」

五和「そうしよう、って。内容を訊かなくていいんですか?」

上条「そんな顔した五和の頼みを、断れるわけがないからな」

五和「…………えへへ。じゃあ、お言葉に甘えさえてもらっちゃいますね」

372 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 23:51:10.60 ID:GK7WIL570

――シャアアアア

五和「……はぁ、気持ちいい」

上条『五和、バスタオル外においとくからな』

五和「あ、はいっ、ありがとうございます」キュ

上条『うちってその時々によって温度結構変わるから、熱すぎたら水でうめてくれ』ジャッ

五和「わかりましたー。……さてと」

五和「……ちゃんと綺麗にしておかないと、念入りに」ゴシゴシ

五和「ふ、深い意味はないけど」ゴシゴシゴシ

五和「そうです。いざという時は、いつでも起こりうるんです」シャワー

五和「だから、いつでも準備しておかないと。体も、心も」キュッキュ

379 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/18(火) 23:57:50.55 ID:GK7WIL570

五和「…………///」ポシュー

五和(し、敷布団が一枚、掛布団も、枕もです)カチカチ

五和(……だ、大丈夫。上条さんなら、むしろどんとこいです)ドントコーイ

上条「ああ、風呂出てたのか」ポン

五和「ひゃいっ!」

上条「……あ、いきなり後ろからはまずかったかな」ポリ

五和「い、いえ、緊張しているだけですから」ドッキドッキ

五和(調子が狂っていますね。
    フリとはいえあんな場面を経験したせいか、神経過敏になってる気が)グルグル

五和(それでも、離れで上条さんに伝えた気持ちには、偽りないから)グルグル

五和(天草式の面々は戦いに身を置いてるんだから、最悪の事態を考えておかないと)グルグル

上条「ふあぁ、んじゃあ俺は浴室で寝るから……」

五和(…………はい?)クルーリ

385 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 00:14:21.28 ID:v+/siVVJ0

上条「そ、そんなわけにいくかよ!」

五和「駄目です。浴室で寝るなんて今まで一言も仰ってなかったじゃないですか」

五和「だいたい、わたしが入った後じゃ水滴だっていっぱいですし、
    濡れて風邪でもひいたらどうするんですか」

上条「別に、そんくらい慣れてるから」

五和「そういう問題じゃないです。
    どうしても同じ布団じゃ嫌だとおっしゃるなら、わたしが浴室で寝ます」

上条「ばか、お客さんを相手にそういうわけにいかないだろ」

五和「迷惑をかけてるのはこちらなんです。何より、わたしの気が済みません」

上条「だ、だからって、一つ屋根の下で一つの布団の中で二人の男女がって、色々問題あるだろが」

五和「わ、わたしだってっ、恥ずかしくないわけじゃないです!
    それなりに葛藤した上で言ってるんです!」

上条「お、俺だって年頃の男子なんだぞ!
    五和みたいな可愛い子と同じ布団の中で我慢しきれる自信はねえよ」

五和「だ、だったら我慢しなきゃいいじゃないですか!」

上条「なっ、お、おまえっ! 自分で何言ってるのかわかってるのか?」

397 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 00:37:38.51 ID:v+/siVVJ0

五和「わかってます。上条さんが風邪を引くよりは、一緒に寝ることを選びます」

五和「それに、上条さんに限って言えば、わたしは襲われても平気ですから。……元々、穢れてますし」

上条「おまえ、自分を卑下するような言い方はっ」

五和「……冗談です。上条さんはわたしが本気で嫌がれば、絶対にしない人だと信じてますから」

上条「……まぁ、そんくらいの倫理観は持ってるつもりだけど……おまえって案外強情なんだな」

五和「そう、かもしれませんね」

上条「はぁ、わかったよ。俺の負け」

五和「……よかった」

上条「……それで、あの狭い布団にどうやって二人で寝るんだ?」

五和「冬山で遭難したと思えば、解決するんじゃないですか?」

573 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 20:27:42.73 ID:v+/siVVJ0

五和「さ、どうぞ。遠慮なく入ってください」ファサ

上条「お、おう」

上条(自分の布団に入るだけで、こんなに緊張したことはなかったな)ゴソゴソ

上条(ま、まさか、五和と添い寝することになるなんて)

――トクン

上条(背中合わせとはいえ、温もりや息遣いは伝わってくるわけで)

上条「じゃ、じゃあ、電気消すぞ?」ス

五和「……はい」

――パチン

上条(……暗くなったせいか、微かな息遣いがよりはっきりと)ソワソワ

上条(こんな状態で寝れるのかよ、俺……)モゾ

578 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 20:34:01.38 ID:v+/siVVJ0

上条(一回帰った後でうちに来たいって言い出したのは)

上条(新聞勧誘であのことを思い出しちまったからだよな、多分)

上条(成り行きとはいえ、男と一枚の布団で寝るってのには、抵抗があるはずなんだけど)

上条(とはいえ、自暴自棄になってるって感じでもないんだよな。すると、やっぱり――)

五和「……上条さん、起きてますか」

上条「ん、どうした?」

五和「さっきは、なかなか言い出せなかったんですけど」

上条「お、おぅ、なんだ」

五和「例の、DVDのことなんですが」

上条(ってぇ、この状況でそんな話をしやがりますか!?)

579 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 20:39:56.04 ID:v+/siVVJ0

五和「上条さんの家には、届いたんですよね」

上条「あ、ああ。なんでかはよくわからないんだけど」

上条(れ、連想するな、上条当麻。意識を宙に飛ばすんだ)

五和「上条さんは、その、……あのDVDを、どこまで」

上条(だめだ、映像が頭に割り込んでくる。なんとか話題を変えないと――)

上条「そ、そうだ。それで思い出した」

五和「え、あ、え? な、なにをですか」

上条「その、DVDのコピーは、もう市場に流通しちまってるのか?」

五和「い、いえ。天草式のみんなが協力してくれたので、なんとか出回るのだけは阻止できたそうです」

上条「そ、そうなのか。だとすると、俺の家の郵便受けに入っていた理由が釈然としないんだが」

五和「えっ、ええと? そ、それは、その」

上条(……あれ、動揺してる?)

586 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 20:44:13.49 ID:v+/siVVJ0

五和「わ、わたしを襲った男たちは、ローマ正教の過激派が雇ったみたいで」

上条「ロ、ローマ正教が!?」

五和「ほ、ほら、わたしも含めて天草式は、連中と何度となく渡り合ってますし」

上条「……恨みを買っていてもおかしくなかったってわけか」

五和「そうです。わたしが襲われた時、つい上条さんの名前を出してしまったせいで」

五和「その、ご心配とご迷惑をおかけしてしまうことに」

上条「知り合いにビデオを見せつけることで、心の傷に塩を塗り込もうとしやがったわけだな」ググ

五和「か、上条さん……?」ゾ

上条「悪辣な真似しやがって、……絶対に許さねえ」ギリ

五和(ほ、本気で怒ってくれてるんだ。わたしのために、わたしだけのために……)ウットリ

五和(――って、この流れは、いくらなんでもまずいのでは)サー

589 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 20:48:57.66 ID:v+/siVVJ0

五和「あ、で、でも! 彼らに対してはきっちりと報復しましたから。……建宮さんたちが」

上条「そうか、さすがは教皇代理だな。落とし前はつけたってわけだ」

五和「え、ええ、ですから、もういいんです」

五和「わたしの油断が原因ですし、自分の中では決着がついてますから」

上条「……そっか、おまえがそういうなら」

五和(辻褄は、合ってますよね。後で建宮さんと口裏を合わせて置かなきゃ)

五和(うぅ、段々自分で何を言っているのかわからなくなってきちゃった)

五和(でも、ここで怯むわけにはいかない。協力してくれたみんなのためにも、そして――)

建宮『カット、カーットだ! いい加減躊躇いを捨てろ!』

建宮『おまえさんはまた、延々とお絞りを渡し続ける日々に戻りたいのか!』

五和(先の見えないお絞り地獄を、繰り返さないためにも)グ

593 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 20:54:31.28 ID:v+/siVVJ0

――回想

――いつからか、その背中を目で追っていた

五和『よろしければ、お絞りどうぞ』

上条『あ、ども』

――それから来る日も来る日も

五和『よかったら使ってください』

上条『あ、すんません』

――熱いお絞りを用意し、手渡してきた

五和『熱々の絞りたてですよー』

上条『し、絞りたて?』

――上条さんに少しでも、近づくために

五和『はいこれ、上条さんの分です』

上条『ああ、悪いな、五和』

597 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 20:59:54.79 ID:v+/siVVJ0

五和(ふふ、初めて名前を呼ばれた時は、嬉しかったな)

五和(でも、あれ以来これといった進展はない)

五和(一方で、彼の周りにいる女性(ひと)たちは、気安く彼とスキンシップを交わしていて)

五和(もしかしたら、お絞り作戦ではこれ以上の効果が望めないのかもしれない)

五和(そんな不安を押し殺して、わたしは濡れタオルを一枚巻き、二枚巻き巻き)

五和(唇を噛みしめながら保温器に入れてきた)

五和(もしここまでして、彼の心を掴めなければ)

五和(上条さんにぎゅーってしてもらったり、なでなでしてもらったりできなくなる)

五和(嫌だ、考えただけでぞっとする。もう依存症にまでなりかけてるのに――)

五和(だったら――ありったけの勇気を、振り絞らなきゃ)クル

――トントン

上条「……ん、五和、どうした?」クル

五和「上条さん、わたしが眠れるまででいいんです、ほんの少しの間だけ」ゴクリ

五和「だ、抱きしめて、いただけませんか///」ポショ

600 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 21:11:49.50 ID:v+/siVVJ0

上条(うーん、室内は結構蒸してるよな)

上条(抱き合って寝るのは、温室効果的によろしくない)

上条(そうだな、由々しき地球環境の問題を考慮すれば、自ずと答えが――)

五和「駄目……ですか?」コテン

上条「……い、いやぁ、そんなこたぁ」

上条(だ、駄目だぁ! 精一杯の現実逃避も、
    五和の上目遣いの破壊力にはとても太刀打ちできねえ)ウズウズ

上条(もうこの子は俺を寝かさない気ですか! 生体安眠妨害装置ですか!)

五和「じゃあ、おーけーですか?」ジ

上条「ほ、本当にそれで眠れるのか? 俺だって男なわけで、怖くないのかよ」

五和「は、はい。上条さんならわたしが嫌がることは何もしないって信じてますし」

五和「よ、よく考えてみると、上条さんにされて嫌なことなんて、ひとつもないかなって///」

上条「」ズキューン

604 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 21:23:44.22 ID:v+/siVVJ0

上条「こ、これくらいで、大丈夫かな」ス

五和「……はい、無理言ってすみません」

上条「い、いや。……窮屈じゃないか?」

五和「平気です。これなら、よく眠れそうです」モゾ

上条(ゆ、湯上りのシャンプーの香りが)クン

五和『上条さんにされて嫌なことなんて、ひとつもないかなって』

上条(だー、勘違いするな! だからといって何してもいいってわけじゃねえ!)

上条(これは、あくまで五和の安眠のための行為なんだ。あくまで紳士的に)

上条(目を開けないで、眠ることに集中するんだ)

五和「……上条さんの胸板、大きいんですね」ピト

――トクン、トクン

五和「……耳を当てると、はっきりと聞こえます。あなたの鼓動」

605 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 21:30:38.44 ID:v+/siVVJ0

上条(……今、何時だ。……マジ寝れねえぞ)グッタリ

五和「んん……上条、さん……」

上条「ん、呼んだか? 五和」チラ

五和「……すう……すう」

上条「ふぅ、やっと寝てくれたか。今のうちに……へ」

上条(い、いつの間に腕と足が絡んでやがる! おいおい、俺は抱き枕じゃねえぞ)シッカリ

五和「……ん……ふぁ」ゴロン

上条(――! ね、寝間着の裾から、谷間が)ゴク

上条(き、着やせするタイプっつうか、もはや隠れ巨乳っつうか)

上条(まじい、このままじゃ、股間が元気になっちまう……)モジモジ

606 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 21:33:54.20 ID:v+/siVVJ0

五和「……んっ……ふぅんっ」ビクン

上条「そ、そんな切なげな声出すなって」ボソ

上条(じょ、状況だけ考えれば天国っつうか健常な男子学生の夢なんだが)

上条(理性的に手を出せないのは究極のおあずけ状態であって)

上条(悪夢にうなされてたってんなら、ろくに寝れてない可能性もあるし)

上条(できることなら起こしたくねえからな、下手に動くわけにもいかねえか)

五和「上条……さん…………好き……」

上条(……! 今、確かに……好きって)

上条(……俺だって、五和みたいないい子と付き合えるんだったら)

――ズキン

上条「本当に、いいのか? 俺なんかが、誰かを好きになっちまっても」

609 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 21:40:32.38 ID:v+/siVVJ0

刀夜『おまえが、大人たちになんて呼ばれていたか覚えているか?』

刀夜『疫病神、だよ』

上条(……エンジェルフォールの時、父さんはそう話してくれた)

上条(オカルトのない学園都市であれば、おまえも健全に集団生活ができるかもしれない)

上条(藁にもすがる思いで、学園都市に送り出したんだって)

上条(言い換えれば、学園都市に来る前の俺が)

上条(いや、俺たち家族の生活がどんなに悲惨なものだったかってのは容易に想像がつく)

上条(陰湿な虐め。誹謗中傷、脅迫まがいのことだってされたんだろう)

上条(それが原因で嫌われるのは、まだ我慢できる。でも)

上条「そう、だよな。……受け入れてくれた相手に辛い思いをさせちまうくらいだったら」

五和「……くぅ………………くぅ」

615 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 21:59:00.43 ID:v+/siVVJ0

上条「……すぴー……すぴー」

五和「…………」ムク

五和「……なんてバカだったんだろう、わたし」ポツ

五和(上条さんは、決して鈍感な人じゃない。ただ、鈍感を装ってただけなんだ)

五和(親密になった人を、自分の不幸に巻き込むのを、きっと無意識に恐れてたんだ)ジワ

五和(わたしは、頑張っているつもりで、ただ自分のことしか考えてなかった)ポタポタ

五和(大好きな人の隣に居座るために、ただそれだけしか)

五和「上条、さん」チラ

上条「……ん、ううん」ゴロ

五和(……今のままじゃだめ。上条さんのため、いえ、当麻さんのために)

五和(彼の口癖を、全部奪っちゃうくらい幸せにしてみせる!)ガッツ

622 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 22:12:39.77 ID:v+/siVVJ0

――チュン、チュチュチュン

上条「ん、んん、もう朝か」

上条「ふぁーーーあ」ググ

上条「……あれ、五和は? ……トイレか?」

上条(ん、食卓に何か)

上条(……置き手紙か)カサ

手紙『昨日は本当にありがとうございました』

手紙『わたし、当麻さんが好きです。いえ、前にも増して好きになってしまいました』

上条「……へ///」

627 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 22:27:20.20 ID:v+/siVVJ0

手紙『わたしは先に部屋に戻りますが、一つだけお伝えしたいことがあります』

手紙『当麻さんは親しい人を不幸に巻き込みたくないと思っているようですが』

上条「……!」

手紙『わたし自身は、そんな考え方はして欲しくありません』

上条(……あの呟き……聞かれてたのか)

手紙『ですから、もし仮にわたしをあなたの彼女として選んでくださったなら』

手紙『上条さんの口癖を一生出させないくらい、心も体も使って、尽くしてみせますから』

手紙『決して、余計な気を回さないようにしてくださいね』

手紙『大好きな当麻さんへ、五和より』

手紙『追伸:例のDVDはこちらで処分させていただきます』

上条「……はは、まいったな、俺の方が気遣われちまってるじゃねえか」

上条(……ほんと、ありがとな、五和。喉のつかえがとれたぜ)

641 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 22:36:45.41 ID:v+/siVVJ0

五和「シュレッダー完了。これで、最大の憂いは絶てましたね」

五和「……ふふ、ついに告白しちゃいました」

五和「最後の一歩を踏み出させてくれたのは、結局当麻さんでしたけど」

五和「引っ込み思案のわたしにしては、上出来ですよね」

五和(残る問題は、奪われてない処女をどうするかということですけど)

五和(……当麻さん以外の誰かにあげるというのは……さすがに嫌ですし)ムム

五和(……あれ、留守電が入ってる?)ピ

――留守番電話は、2件です

建宮『五和か。実は、例のDVDを使ったすごい作戦を思いついたのよな』

五和「……はぁ、覚悟を決めた直後に聞くと興ざめですね」

660 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 22:54:23.87 ID:v+/siVVJ0

建宮『まずは例のDVDを出してもらう。問題はその後だ』

五和「……その後って、一緒に壊すくらいしか」

建宮『一緒に、見て欲しいんです。
    自分が穢された場所を隈なく、上条さんので清めて欲しいんです!(裏声)』

五和「ばっ、そんな恥ずかしいことを言えるはずがないでしょう!///」

建宮『そんなことを言われたら、鈍感でならした上条氏も耐えられまい』

建宮『よくわかった。それで五和の恐怖が拭い去れると言うなら、
    まずはその体にぶっかける!(ダミ声)』

建宮『とまぁ、こんな風になるのよな』

五和「ちっ、違います! 当麻さんはそんな人じゃありませんっ!///」

五和(って、落ち着かなきゃ。これはあくまで留守録なんだから……)スーハースーハー

建宮『もしここまでやれれば、おまえは明日、いや、今夜から上条氏の恋人になれるのよな』

五和「こ、恋人……」ドキン

五和(って、いちいち反応してどうするんですかぁ!)

663 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 23:02:29.86 ID:v+/siVVJ0

建宮『恋愛とは苛烈な諜報戦。おまえさんの感じている後ろめたさは、百害あって一利なしなのよな』

建宮『上条当麻が二度と「不幸だ」と言えなくなるような慈愛と献身をぶつけてやればいいのよな』

五和「慈愛と、献身。……その点に関しては、私の出した結論とさほど変わらないですね」

建宮『そうすれば、いずれおまえさんも若奥さん、と呼ばれる日が』

五和「若奥さん!? って、だめだめ、乗せられては」

建宮『そしたら、おまえの名前も上条五和になるのよな』

五和「上条五和! いい、すごくいい感じです!」

建宮『そして極めつけは――」

――ザザ

建宮『……極めつけ……は……』

五和「あれ、どうかしたの――」

神裂『……おや、続きはどうしました? ……建宮、斎字』

五和「」

664 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 23:03:11.26 ID:P5oOCrw+0

うわああああああああああああああああああああああああ

666 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 23:04:10.75 ID:TSOYxD9a0

いやああああああああああああああああああああああ

680 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 23:21:29.38 ID:v+/siVVJ0

――留守録2件目

神裂『五和、あなたは人として真っ当な心の持ち主だと見込んでいましたが』

五和「」グサ

神裂『わたしの目が曇っていたのでしょうね。人の心を弄ぶような真似を、よくも恥も外聞もなく』

五和「」グサグサ

神裂『……本来ならわたし自らの手で折檻したいところですが、わたしは既に教皇職を離れている身』

神裂『ならば、当事者にして被害者である上条当麻に伺いを立てるのが必然でしょう』

五和「…………」

神裂『あなたもよくご存じでしょうが、彼はこういう卑劣な真似をもっとも毛嫌いしています』

神裂『因果応報。己の不実を恥じ、骨髄に入るまで説教してもらいなさい。いいですね』ガチャ

五和「……お、終わった」ガク

690 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 23:28:22.31 ID:v+/siVVJ0

――上条宅

上条「おおよその話は全部神裂から聞いた。そこ、座れ」ビッ

五和「……はい」チョコン

上条「…………」

五和「…………」

――30分経過

上条「…………」

五和「…………」

――1時間経過

上条「…………」

五和「…………ぅ」

――2時間経過

上条「…………」

五和(お、怒ってすらもらえない)ダー

699 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 23:40:36.65 ID:v+/siVVJ0

上条「…………」

五和(……重い。怒鳴られた方が、よっぽどマシです)

五和(言葉も出ないくらい、怒ってるんだ。……自分が心底嫌になる)

五和(……ごめんなさい。本当にごめんなさい、当麻さん)ギュウ

上条「……なぁ……おまえさぁ」

五和「……は、はい」

上条「俺のこと好きって言ってたよな。あれも嘘か?」

五和「そ、そんなことないです! 誓って本当です!」

上条「だったらさ、もし仮に、その、そういう関係になってたとしてだ」ポリポリ

五和「……は、はい」

上条「その、男女の営みの最中に、だな。わかっちまうだろうが」

五和「…………あ」

五和(……か、考えてなかったかも)

上条「そん時に初めて気づいたとしたら、俺はいったいどんな顔をすりゃよかったと思う?」

708 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/19(水) 23:58:00.03 ID:v+/siVVJ0

五和「……返す言葉も、ないです」

上条「反省してるんですかー?」ホジホジ

五和「……はい、考えなしでした。当麻さんの気持ちも考えずに」

上条「……そうか、だったら」グイ

五和「……えっ」ドサ

――チュ

五和「//////!?!?」ビクン

上条「ん、んん」レロ

五和(し、舌が……唇を押しのけて……こっちまで……///)レロ

上条「ぷぅ……、散々挑発してくれた責任を、取ってくれるんだろな?」ジロ

五和「……は」

上条「答えは?」

五和「……はい。……どうぞ」バッ

fin

751 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/20(木) 01:02:25.36 ID:KpcAJmaw0

五和「んっ――しょ」ガバ

――プルルン

上条「……やっぱ大きいな、五和の胸。一枚脱ぐのもつかえて大変そうだ」

五和「お、大きいのは好みじゃないですか?」

上条「好きだよ。五和のならなおさら」

五和「よかった。……嬉しいです」

上条「下着の感触は、へぇ、すべすべしてるな」ツツツ

五和「は……ん、く、くすぐったい、当麻、さん」

上条「パンツの方も、ボタン外すぞ」パチパチ

五和「……は、はい」

――ストン

五和「……あ、あぁ///」カァ

上条「鍛えてるだけあって綺麗な脚線美だな」マジ

五和「あ、あまりじろじろ見ないでください。は、恥ずかしいです」モジモジ

754 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/20(木) 01:06:07.69 ID:KpcAJmaw0

上条「じゃあ、体ほぐしてくから」

五和「あ、あの、初めてなのでよくわからないのですが」

上条「ん?」

五和「下着はつけたままで、いいんですか?」

上条「まだ脱がしたらもったいないだろ?」

五和「そ、そういうものなのですか」

上条「そうそう、焦らない焦らない」ムニ

五和「やぁっ! んっ、あっ、ちょ、痛っぁっ」

上条「あ、ごめん、まだ少し強かったか。じゃあ指が埋もれない程度に」

五和「んっ……はぁ、そ、それだと、ぎゃくにもどかしくて」ゾクゾク

756 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/20(木) 01:11:16.24 ID:KpcAJmaw0

上条「注文が多いなぁ、五和は。――こっちはどうか、な」キュリ

五和「あっ、そ、そこは……あ゛、あ゛ぁっ!」

上条(下を弄った途端、声が大きく――お)

上条「下着、もうじっとり湿ってる。そんなに期待させちゃったか?」

五和「ち、違います! さっき怒られるかもと思って、冷や汗をかいて」

上条「冷や汗って、こんなに糸引くのか?」ヌラア

五和「あ、あう///////」

上条「五和ってとってもエッチな娘だったんだな」

五和「そ、そんなことはあり……あっ、あっああっ!」

上条「ちゃんと最後まで言いきらなきゃ、何言ってるかわからないぞ?」クリクリ

766 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/20(木) 01:20:09.77 ID:KpcAJmaw0

五和「はぁ、あっ、ふぅ、当麻……さぁん」

上条「さっきより声が甘くなってきたな」

上条「だんだんわかってきたぞ、脇とうなじが弱いとか」ペロ

五和「んんっ! あ、あまり意地悪しないでくださ」ゾク

上条「おっぱいの下を撫でると」

五和「ひゃぁん!」ゾワッ

上条(俺の拙い愛撫で感じてくれてるのか。ほんと、可愛いなぁ)チュ

五和「んっ――い、今キスしちゃ、やらぁ――あむ――んっ!」ビクビク

上条「お仕置きも兼ねてんだから、徹底的にやらなきゃな」スル

――クチュリ

五和「~~~~っっ!」バッ

上条「口押さえなきゃまずいくらい気持ちよかったか?」

五和「//////」ブンブン

上条(すごいな。下着の下に指すべり込ませた途端、一段と愛液が)ポタポタ

770 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/20(木) 01:31:02.08 ID:KpcAJmaw0

五和(だ、だめ……こんなの)

上条「ほら、下着の上からでもわかるくらい乳首がたってきてる」クリクリ

五和「し、知りませ――んんんっ!」ビク

上条「だいぶ汗かいてきてるな。いい匂い」ヒクヒク

五和「や、やぁぁ、嗅がないでください! 当麻さんひどいで――ひぅぅっ!?」

上条「へへ、喋ってる余裕があるのか?」クリクリ

五和「ゆ、指が、わたしのあそこ! 入って、あっ、あんっ!」ゾク

上条「胸は口でしてやるよ。――ん」チュウ

五和「あっ、やっ、吸わないでくださ――ああっ!」

五和(し、下も上も責められちゃってる。あ、頭が、混乱して)

五和(こ、このままじゃ、本当に、何も、考えられなく――?)

上条「よし、少し休憩するか」

五和「……え、で、でも」ウズ

771 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/20(木) 01:39:38.38 ID:KpcAJmaw0

上条「どうした、五和?」

五和「…………」

五和(……絶対わかってる、この顔)プゥ

上条「……ぷ、……くっくっく」

五和「な、なにがおかしいんですか!」

上条「いや、悪い。あれだけの演技をしたおまえが、あんまり無防備だからさ」

五和「……もぅ、からかわないでください!」

上条「わかった、んじゃ、どうして欲しい?」

五和「…………っ」

上条「……ん?」

五和「……も、もっと、わたしを、き」

上条「え? はっきり言ってくれないと、こっちだって聞こえねえぞ?」

五和(~~~~くっうう)

五和「わっ、わたしを当麻さんので、もっと気持ちよくしてくださいっ!///」

774 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/20(木) 01:46:22.71 ID:KpcAJmaw0

上条「ばっ、おまえ、そんなでかい声で!」

五和「もう、死なばもろともです」

上条「……土御門がいないことを祈るぜ」

五和「……して、くれるんですよね」

上条「濡れ方は、十分そうだな」ウンウン

五和「してっ、くれるんですよねっ!///」

上条「た、頼むから、静かにしてくれ」ジィィ

――グン

五和「……こ、これが上条さんの」

五和(は、入るの? こんな、大きいの)

上条「五和、もうちょっとだけ、足開いてくれるか?」

777 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/20(木) 01:54:05.36 ID:KpcAJmaw0

上条「……下着、ずらすぞ」

――グイ

五和「…………う」

五和(い、息が直接、当たって)ゾワ

上条「綺麗な色だな、小刻みにひくひく動いて、よだれ垂らしてエロい」

五和「解説してないで、早くしてください!///」

上条「あ、ああ、悪い悪い」

上条「さっき指もぎりぎり二本まで入ったから、まぁどうにかなるだろ」

五和「な、ならないとこっちが困るんですけど」

上条「少しずつ進めてくから、なるべく力抜いてくれ。じゃないとかえって痛いらしいから」

五和「が、頑張ります」

780 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/20(木) 02:01:09.14 ID:KpcAJmaw0

上条「腕は、俺の腰に、よし、これで姿勢はいいな」

五和「……か、上条さんのと、わたしのが、キスしてます」

上条「は、恥ずいこと言うな。……じゃ、体重かけてくぞ」

五和「は、はい」ブルブル

上条(……やっぱ、初めては怖いよな)

上条(でも、五和の初めてが、俺でよかった、本当)ニ

――ググ――グ

五和「……い゛……ぐぅ」

上条「ぐう――くっ」

上条(狭い、な。こんなきついのは、俺も初めてだ)ググ

五和「う゛ぁ……あ゛……あ゛あ゛っ」ピクピク

782 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/20(木) 02:07:25.78 ID:KpcAJmaw0

上条「……止まった、この抵抗」フゥ

五和「……つぅ……う……わ、わたしの、純潔の証、なんですね」ハァハァ

上条「……きつそうだな、本当に大丈夫か?」

五和「これくらい、訓練で慣れてます、と言いたいところ、ですが」

五和「経験したことのない辛さ、ですね。お腹の中に、杭を打ち込まれてる、みたいです」

上条(ま、ある意味正しいんだろうな)

上条「呼吸が整ったら、押し切るぞ」

五和「……わかりました」

上条「……耐えられなかったら言えよ?」

五和「もう平気です。――――どうぞ」グ

784 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/20(木) 02:15:36.88 ID:KpcAJmaw0

上条「く……う……」ミチィ

五和「ん、んんーーー!」ギリ

上条「もう……ちょい……っ」ミチミチ

――ブツン

五和「ん゛ん゛っっ!! ―――はっ、はぁっ」ジワ

上条「だ、大丈夫か、五和」

五和「……大丈夫、です。これでわたし、当麻さんと……繋がったんですね」ニコ

上条「……ああ、そうだな。五和はもう、俺のものだ」

五和「そして、あなたは、わたしのものですね」ニコ

上条「はは……少し痛みが引くまで、この体勢のままじっとしてよう」

五和「わ、わかりました。その間、あなたの形と熱とを、しっかり感じておきます」

上条「ば、ばか言うな!///」

786 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/20(木) 02:30:18.24 ID:KpcAJmaw0

――ズン、ズジュ、ズリュ

五和「んっ、ふっ、んっ、んんっ!」

上条「血が潤滑油代わりになったせいか、スムーズに抽出できるな」

――ユサ、ユサ、プルン

上条「胸があちこちに揺れて、すごく卑猥だぞ」

五和「そ、そんなこと! 当麻さんが、激しくするから」

上条「もうちょい、深くいくぞ」グイ

――ズンッ

五和「あ゛はぁっ!!?」ビクビク

上条「うぉ……締め付けが一段と」

五和(な、なんなの、今の。スタンガンを押し付けられたみたいに、体が強張って)ハァハァ

上条「くっ、もういっちょ」グイ

――ズパン

五和「っっぅ!!」ビクン

787 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/20(木) 02:36:36.59 ID:KpcAJmaw0

――パン、パン、パン

五和「あっ、あっ、ああっ!」

上条(すごい、吸盤で吸いつかれてるみてえだ)

上条(最奥のちょい手前を突くと)

五和「ひぁっ!」

上条(刺激が強いんだろうな。声が一段と大きく……つうか)

上条「い、五和、そろそろ限界が、近い」

五和「あっ、はいっ、きょ、今日は危険、なので……その」

上条「し、心配するな。弁えてるから」

五和「わ、わたしの胸に、お願いします」

上条「い、いいのかよ。顔もよごれちまうぞ」

五和「はい、当麻さんの子種で、五和をいっぱい愛してください」

上条(く、そんな健気な台詞を吐かれたら、盛り上がっちまうだろうが!)

788 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/20(木) 02:53:28.92 ID:KpcAJmaw0

――パンパンパン

五和「はぁ、はぁ、あっ、あはぁっ」

上条「……これで、フィニッシュだ!」

――ズン、ズドンッ

五和「ふぁっやぁっ、――――くぅうんっ!!!」

――プルルン

上条(おっ、おっぱいが勢いよく跳ね上がって)

上条「……て、抜けね! 早くしないと――つうっ」バッ

――ビュルル――ビュルルル

上条(……あ、あぶね、間に合った)

上条(五和のおっぱいを、白く汚して)

上条(だ、だめだ。見てたらまたムラムラしちまう)

五和「ん……ん……す、すご、……まだ出るんですね」

上条「張り切りすぎちまったかな、拭くの手伝うよ」

791 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/20(木) 03:08:12.67 ID:KpcAJmaw0

五和「ありがとうございます。もう平気ですから」キュ

上条「え、いや、残りがまだ」

五和「何事も経験ですよね。――んっ」

――ゴクン

上条「」

五和「……うえぇ。苦いんですね、これ」

上条「……はぁ、本当に五和と、やっちまったんだな」

五和「後悔してるんですか?」

上条「まさか、二人して幸せになるんだろ?」

五和「……はいっ」

上条「でもさ、嫌気が差したらいつでも言ってくれよな。絶対に恨んだりしないって誓うからさ」

五和「そんな誓い、無駄ですよ」

上条「無駄?」

五和「些細な不幸なんて気にならなくなるくらい、
    当麻さんを五和に首ったけにする予定ですからね♡」

お わ り

793 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/20(木) 03:12:59.10 ID:l+OoIKt00


794 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/20(木) 03:14:23.89 ID:mzgTPOno0


795 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/20(木) 03:27:39.28 ID:HKCZ+zKr0


796 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/20(木) 03:28:01.04 ID:6HySAVkD0


797 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/20(木) 03:29:17.30 ID:Mh2YwTyIO
乙乙