とある両家の元旦物語1続き


552 :ぐちゅ玉:2010/01/21(木) 10:26:31 ID:1Jyng/Vs

御坂美琴は温かい水で顔を洗っては、冷たいタオルで目を冷やす、を繰り返している。
泣きすぎて目が腫れぼったくなってしまったため、血行を良くする応急処置だ。
当然スッピン状態に戻っている。
「美琴ちゃん、どれだけ泣いたのよこれ…絞ったら水したたりそう」
「うぅ・・・」
詩菜に借りたミニタオルは見事にぐしょぐしょだ。

「まあでもそれだけ泣いて、アタックも成功したし。完全に浄化されたわね♪」
「う、うるさい!」
未だに信じられない。
…いや、あの男は想像以上の肩透かしをしてくる。
油断はできない…けど。
(この部屋でたら、どんな顔したらいいの…アイツの前でどうしたら…!)
とりあえず考えないようにして、バシャバシャ顔を洗い続ける。


他の4人は部屋に戻っている。
案内係が昼食をセットしてくれている。『懐石おせち』というものらしい。

上条がもの珍しげに眺めていると、御坂旅掛が近寄ってきた。
「当麻くん、ちょっといいかな?」
「は、はい」
こ、殺される?
上条がまず思ったのはソレである。
娘があれだけ泣かされてキスまでされて、心安らかなはずがあろうか、いや、ありえない。

自分の両親をちらっと見たが危機感はないようだ。
(とりあえず、大丈夫なの、か…?)
促されて、またベランダから外に出る。

先手必勝。
「す、すみません。娘さんを泣かせてしまいまして。それに…」
「ああ、それはいい。俺は子供の世界には首を突っ込まないよ。正しいと思ったことをやればいいさ」
旅掛は事もなげに言う。
「ただ、君に聞きたいことがあってね。妻たちがいない今しか」
言うやいなや、旅掛は上条の両肩をガシッと掴む。上条は流石にビビる。
(な、なんだーー?)

「こうすれば、君の表情は読み取れるからね」
そう言って旅掛は、ゆっくりと上条に問う。
「私の娘は美琴ただ一人だ。…決して双子じゃないんだが、君はどう思う?」
言葉が浸透するのにコンマ何秒かかかったが、意味を理解すると。
(シスターズ…!)
思い浮かべてしまった。もとより、上条は感情で動く人間だ。表情を作るような器用な事はできない。
「ビンゴ、か。美琴は知っているのかな?」
上条は目をふせる。どう答えればいい?
「ふ、雄弁だな。そうか、あの子も知っているのか…分かった、ありがとう。」

上条が一言も喋れず固まっている。
旅掛は手を離した。
「いつか話してくれる事を願うよ。じゃあ戻ろうか…ああ、あの子には私が勘付いた事は内緒、な」
旅掛は戻りつつ、怒りをある男に向ける。
(許さんぞアレイスター!やはり娘を巻き込んでいたか!)


上条は呆然としていた。
一言も喋ってないのに、全部吸い上げられた。
あんな底知れぬ人が将来、義理の父親になる可能性があるというのか?
553 :ぐちゅ玉:2010/01/21(木) 10:26:51 ID:1Jyng/Vs

(あ、戻ってきたか)
上条が戻ろうとすると、化粧を直し終えたのか、美琴がベランダから庭へ降りてこようとしていた。
すれ違いに、旅掛に一言かけられ、頷いている。

まっすぐ上条に向かって歩いてきた。
目の腫れぼったさは完全回復といかなかったようだが、そこはアイシャドウとアイラインで目立たなくしている。
可愛らしさは完全復活していた。やや頬が赤いが、この寒さでは普通かもしれない。

美琴は、ある決意を秘めていた。


―――場面は先程の化粧室に戻る。
「さて、美琴ちゃん」
美鈴は美琴の化粧を手伝いながら、やさしく話しかける。
「な、なに?」
「当麻くんだけどね、さっきこっち戻ってくるとき、ベンチに座ってるの見たんだけど」
「うん」
「あの子、冷静になろうと努めてるように見えたのよね。」
「?」
美琴は美鈴の言いたいことが分からない。

「当麻くんってさ、相当ヤバイ橋わたってきてるんじゃない?」
「うん、しょっちゅう入院するようなケガしてるみたい…」
「でしょうね。だからいざという時、誤った判断をしないように、感情のコントロールをする術が身についてるんでしょう」
美琴は気づいた。
「え、じゃ、じゃあアイツは、冷静に…つまり考え直してる…っていうの!?」
「それは行き過ぎかな。逆に考えてごらんなさい。当麻くんが色々話してくれたんじゃない?
 その中に、美琴ちゃんの求愛へ応えることに対して引っかかりがあるのかもね」

…あの子か。
『ん、心配ないよ。とうまは必ず帰ってきてくれるもの』
あの子と初めて会った日、そんなこと言ってたっけ。自分の心が衝撃を受けたのを、覚えている。
私を受け入れれば、あの子はどうなる…?

「なんか思い当たることがあったかな?何にせよ…」
美鈴は一気に声のトーンをあげる。
「いい?美琴ちゃん。恋愛は冷静になってやるもんじゃない!一気に燃え上がらせないといけないの!
 この数時間が勝負よ?きっちり踏み込んで、あの子をしっかりキャッチするの!
 大丈夫、扉は開いたんだから!後のことを考えず、彼に飛び込みなさいな。」
美琴は飲まれたような表情をしていたが、やがてコクンと頷いた。


―――あの子の事はさておき、まず自分。

美琴は一気に上条の目の前まで歩を進め…そのまま上条の首に両手を巻きつけた!
あまりの至近距離に上条はたじろぎつつ、赤くなる。

「気づいてた?私、アンタのこと、苗字でも名前でも呼んだことなかった、って」
全ては、この時のため―――
「…私、当麻のこと大好きっ!」
そのままつま先立ちでしがみつき、口許を上条の耳に寄せる。

「私のこと、ゆっくりでいいから、好きになって…お願い」

555 :■■■■:2010/01/21(木) 10:55:32 ID:4qVRM2kE
いやっほおおおおおおお

556 :■■■■:2010/01/21(木) 12:38:20 ID:IRUBi04A
ぐおおおおおー!最後の一言で身悶えちまった

800 :ぐちゅ玉:2010/01/24(日) 12:15:38 ID:PA8pUKp.

上条は湧き上がる暖かい感情のまま、美琴を抱きしめる。
「ありがとな、―――美琴。お前は、分かってくれているんだな。」
初めて名前で呼んでもらった美琴は、それだけで満たされた気分になる。
「オデコにとはいえ、俺の記憶じゃ初めてのキスだからな?軽い気持ちじゃねえから、安心しろ。」

上条は美琴の腕をポンポンと叩き、
「じゃあ戻るか。親たち待たせすぎだしな」
「うん…」
名残惜しそうに美琴は抱擁を解くと、かわりに手をしっかり握ってきた。
「じゃ、戻ろ♪」

手をつなぎ、ベランダまで戻ると、美琴は手を離してホテル内に早足で駆け込み、
ご心配おかけしましたっ、もう大丈夫です!と親たちに挨拶していた。
上条も頭を掻きながら、親たちに会釈し、テーブルの前に座る。


美鈴が「コホン」と咳払いし、改めて仕切る体勢に入る。
「さて、擬似お見合いというテーマで始めたお食事会ですが、親たちの想像以上の展開になっております!
 まだまだ時間はありますし、食事しながら歓談と参りましょー♪」
パチパチパチ~、と皆が拍手する。
「じゃ、お屠蘇が用意してありますから、年長者の刀夜さん、年少者の美琴ちゃんに注いでもらえますか?」
「よしよし」

長方形の中テーブルだが、6人が余裕を持って座れている。
刀夜は身を乗り出して、美琴が差し出す杯に注ぐ。美琴はちょっと躊躇ったのちに、くいっと杯をあける。
「おー、いい飲みっぷりだ」
美琴は刀夜に褒められて「えへへ、ありがとうございます」と微笑みながら、代わりにお調子を受け取る。
「本来、あとは年少者から順繰りに年上の人に回して行くんだろうけど」
美鈴は上条にちらっと視線を飛ばし、
「ま、美琴ちゃんが他の人に注いでいった方が華があるし、あとは美琴ちゃんお願い」
「はーい」

美琴は上条にお調子の口を差し出す。
(参ったな、仕草の一つ一つが可愛らしい)と、上条はドギマギしつつ、杯を差し出す。
注がれたお酒を一息に飲み干すと、カッと喉が熱くなった。当然飲みなれてないが、強い酒に感じる。
美琴はにっこり微笑むと、席をたって美鈴と詩菜の側へ向かった。


(アイツ、様になってるなあ。こういう礼儀作法も常盤台中では学ばせてるんかね?)
今日のわずか数時間で、美琴の知らなかった姿がどんどん見えてくる。
今まではほんの一部しか見えていなかった、いや、知ろうともしてこなかったという事か。
わがままで、怒りっぽくて、人の話は聞かずに、何かあるとすぐにビリビリを放っている姿―――
そんな、本質でもない姿を『御坂美琴』だと認識してた自分を殴りたくなってくる。
注いで回っている美琴を眺めながら、上条はそんなことばかり考えていた。

『お屠蘇のひととき』が終わり、「懐石おせち」なる食事へと移った。
上条刀夜は海外営業、御坂旅掛はコンサルタントということで、やたらと話がうまく、
父親たちに話させておけば場は放っておいても盛り上がっていた。
美琴も振られると、いくらでも話すネタはあるらしく、上条との出会いの話など面白おかしく話している。
(これが初めて顔合わせる家族かね?親戚以上じゃねーかこれじゃ)と上条はこっそり思っていた。

801 :ぐちゅ玉:2010/01/24(日) 12:15:50 ID:PA8pUKp.

異変に気付いたのはほぼ皆同時だった。
刀夜が営業のノリなのか、合間合間でお調子を美琴に注ごうとし、美琴も特に嫌がる素振りもみせずに杯をあける。
5~6回目あたりから、どうも美琴の口調があやしくなりだした。
「そうしたらでしゅね、当麻しゃんが、私の前にしゅぱぱぱっと立ってでしゅね、盾になってくれたんでしゅよ!」
「ちょっ、ちょっと美琴ストップ!オマエ大丈夫か?酔っ払ってるだろ!」
上条が慌ててまわりこみ、美琴の両肩をつかんで軽く揺さぶる。

「私はLV5でしゅよ?酔っ払うわけないでしょっ?」
「訳わかんねーよ。」
「当麻くん、悪いけどちょっと外に連れてって、涼ませてあげて。水用意しとくわ。
 そんなに飲んだわけじゃないから、すぐ抜けると思う」
美鈴が上条に指示し、詩菜が案内係にペットボトルの水を手配させる。

支えてあげれば普通には歩けるらしく、あまり苦労もせずベンチまで美琴を連れてくることはできた。
美鈴がかけより、ペットボトルを上条に渡しつつ、「しっかり介抱してあげるのよ♪」とウィンクして去っていく。
あの親たち、こういう状況でも楽しんでやがるな…と思いつつ、目をトロンとさせている美琴の横に座る。
そこで、ハッと思い出した。
母親、御坂美鈴の酔っ払った姿を。あの『構って構って攻撃』を。
コイツもまさか…?


美琴はせっかく楽しく話していたのに、急に話の腰を折られて不満であった。
しかし、なんで不満になったのかを次の瞬間に忘れ、今度はどこかに連れて行かれるのを自覚した。
しかし、周りに誰もいなくなったので寂しくなった。でも何か、横に暖かい存在がある。
顔を向けてみると、大好きな人が心配そうに見つめている。
あれ、このひとに私、大好きって言ったっけ?言った!言ったはず!
じゃあもう隠すものはなにもない―――とりあえず…


美琴は暴れだした。

厳密には暴れると言うより、ポジションに不満があるようで、上条のまわりでどこに座るのがいいか悩んでいるようだ。
とりあえず上条は面食らいながらも、そのまま動かずにいた。
結局、美琴は上条のヒザの上に横座り、腕を上条の首に回すと…
まるでネコが顔をすりよせるように、上条の頬あたりに顔を押し付け始めた!

さすがの上条もこれには完全硬直する。
(コイツはネコ化するのか!これはやばい、耐えれるか俺!?)
とにかくすり寄せてくる。頬と頬がすり寄せられたとき、あまりの柔らかさに上条はトロけそうになる。
ちなみにこの状態は、ネコ化と言うよりも、罰ゲーム前などで白井黒子が目撃した、
朝方の『枕スリスリ状態』がリアルで出てしまったものである。

(いかんいかんいかん、シャレならんってー!)
聞き取れないが、何か呟いている。そのせいか吐息も耳にかかったりするため、上条の理性も暴発寸前だ。
しかし、だんだんと動きが鈍くなって来たかと思うと、急に脱力し、やがて眠りだした。
危なかった、本当に危なかった―――、と上条は安堵の思いとともに、美琴への愛しさが格段に増しているのを感じた。

このままじゃ風邪ひくなこりゃ、と、
上条は美琴をお姫様ダッコし、ホテル内に戻って、柔らかなソファーに優しく降ろした。
毛布を借り、膝枕の形で美琴を寝かせ、毛布を軽くかける。

すうすうと眠る美琴の頭をなでながら、上条は考えにふける。

802 :ぐちゅ玉:2010/01/24(日) 12:16:09 ID:PA8pUKp.

美琴は夢と現実の間でまどろんでいた。今、夢をみている状態だと自覚している、そんな状態。
人にはゼッタイ話せない、意中の人とイチャイチャする夢…
夢から覚めると、枕を抱きしめている現実。いつもの自分の部屋の風景。
ああ、今日も…嫌だなあ。でも、行かなきゃ…
夢の中でため息をつくと、勇気を出して目を開ける。

その人が、上から至近距離で見つめていた。


美琴の顔が真っ赤になっていく。
「な、ななな?」
「酔いは冷めてるみてえだな。ほら」
上条は美琴の体を起こし、ソファと平行に寝かせていた体勢から、普通に座らせた。
ペットボトルの口を開け、美琴の口あたりにペットボトルを差し出す。
美琴はまだ頭が整理できてないようだったが、ペットボトルを手に取り、水を口に含む。

「あれ…どこまでが夢なのかしら」
ぼんやりとした口調と共に、顔色も頬に朱が差した程度に戻ってきた。
上条は周りを見渡す。ここは離れであり、美琴が寝ている間ほとんど人は通らず、今も無人だ。
そして、美琴が寝てる間に、結論は出ていた。
「どこまでと聞かれても、俺にゃ分かんねーけど」


美琴は、今度はその瞬間の姿を見ることができた。
自分の唇に、そっと唇を重ねてきた上条を。


唇をゆっくり離すと、上条は改めてソファーに座り直す。美琴は固まったままだ。
「これは夢じゃなく現実、ってことだ。
 お前を意識しだして、1時間少々でこのザマですよ。今までよくスルーしてたもんだ…」
上条は美琴をじっと見つめ。
「改めて誓う。愛する御坂美琴と、その周りの世界を守る。―――これでどうかな」

美琴の瞳がみるみるうちに潤み出す。
「どうして…?どうして私にこんな幸せなことが起こるの?私神様に何かしたっ…け?」
かすかにうつむいて、首をふる。
「こわい、こわいよ当麻。こんなのありえないよお…」
「何言ってんだオマエは。『ありえない事をありえると信じた』からこそのLV5だろ。これもその一つってことさ」

「…も、もう1回。現実な…」
最後まで言おうとした言葉は、唇ごと上条に奪われた。

803 :ぐちゅ玉:2010/01/24(日) 12:16:33 ID:PA8pUKp.

「…う、嬉しいけど、全部不意打ちってどうなのよ…」
「バーカ、待ち構えた顔になんて、恥ずかしくてできねーよ」
そう言って、上条は両手を組んで、肘を膝に当てた体勢になる。
1時間前、美琴が思いのたけを上条にぶつけた、あの時の構図と同じだ。
美琴は、何か真剣な話をしたがっている?と思い、じっと上条の後頭部を見つめる。

「こうなると、分かって貰わなきゃいけないことが、ある…」
「例えば、あのシスター?」
「…ああ。アイツ、インデックスなんて変な名前だと思うだろ。実際本名かどうか知らねえけど…
 で、その名が示す通り、一度見聴きしたものは決して忘れない完全記憶能力って能力持ってんだよ」
「か、完全記憶?」
「ハッキリ言ってとんでもねえ能力だよな。…そして、その能力は俺から言わせると悪用され…
 『10万3000冊の魔道書』の内容を記憶させられている」
「まどうしょ?」
「まあ、禁断の書とでも思ってくれればいいさ。そのせいで、その内容を狙う追っ手が後を絶たない。」
「それでいつも、当麻は色々事件に巻き込まれてるってこと?」
「家に匿っているからな。事件そのものは俺のせいの時も多々あるけど」
上条は体勢を起こしてソファにもたれかけ、頭の後ろで腕を組む。

へえそうなの、と美琴は相槌を打とうとして、首をかしげる。
「匿うってどういうこと?」
「ハタから見れば同居とか同棲って言うんだろな…」
「えーと、毎日2人っきりで、一緒に、住んでる、ってこと?」
「そうなるな」
上条は、もうこれは美琴がどんな反応を取るかで話の仕方も変わってくるな、と考え、一旦黙りこむ。

美琴は何やら考えている風だったが、特に激昂するわけでもなく、普通に口を開いた。
「やっぱり確認はしたい…どこまでの仲?」
「夜はバスルームで鍵かけて寝てる、俺は。スキンシップは噛み付き程度、俺が一方的にやられ役だが。」
「ほかには?」
「炊事洗濯全部俺だし、アイツはほんとテレビ見てるか、ゴハン食べたい遊ぼう遊ぼうと言ってるだけだな」
「…それがホントなら、ただの子供じゃないの?」
「その通りなんだ。デカイ秘密を持ってるし、守ってあげなきゃとは思うが、今のところ癒し系としか、だな」
「うーん…」

上条はヒステリックな反応を想定していたが、美琴が黙りこんだので、話を続けることにした。
「あいつは、追っ手が入り込みにくい学園都市に逃げ込んできた。知り合いもないのに。
 そこで出会った俺、助けたらしい俺しか、頼る人がいねえんだ…。一人では生活能力もないしな。
 そんな子を追い出す訳にいかねえし、そんな気もない」
だから、と言葉を切る。
「美琴、お前がどう願おうとも、この生活だけは変えられない。これだけは申し訳ないが、譲れねえ」

美琴は即答だった。
「そんな事言わないわよ。事情があるんじゃしょうがないじゃない」
「…」
「要は上条当麻にはもれなくシスター付だけど、それでも愛せるか?って事でしょ」
「すごい事言われてる気がするが、まあ、そういうことです」
「じゃあ間に挟まれた当麻が苦労するだけでしょ。私はあの子さえ受け入れてくりゃ問題ないわ」
「…やたら物分り良すぎて、何かワナがないかとビクビクものなんですが…」

「…どの道、そんな生活なんて終わりが来るでしょ。嫌味じゃなくて、さ」
上条はギクリとする。
「きっとターニングポイントが来ると思う。その時一緒に考えましょうよ。」
ふふふ、と上条は笑うと、いきなり美琴の首に腕を回し、軽くヘッドロックを掛けた!

「な、なにすんのよ!」
「やっぱ俺の選択は間違ってなかった!美琴!いい子だいい子だ!」
「いたいー!やめてよセット崩れるじゃない」
腕を離すと、美琴はジト目で髪上を睨みつけてきた。そんな顔も可愛い。

「なんか色々考えてた時間が無駄だったな。美琴と話せば数分で済む話になっちまった」

804 :■■■■:2010/01/24(日) 12:41:16 ID:xGWglu3M
GJ!!!!
もう美琴が可愛すぎて生きてるのがつらいw


805 :■■■■:2010/01/24(日) 12:42:17 ID:j7popOtY
うわースーパーGJ!
美琴も可愛すぎるし上条さんもかっこよすぎるわ!


806 ■■■■:2010/01/24(日) 12:44:26 ID:zzMkvEuc
GJ!
酔っ払った美琴がかわいいw

808 ■■■■:2010/01/24(日) 13:38:01 ID:GfA06.K6
かわいいすー

811 :■■■■:2010/01/24(日) 14:40:17 ID:X3tl922w
GJ!!!
2828が止まりません!


116 :ぐちゅ玉:2010/02/08(月) 00:46:01 ID:ZIwE2iqQ

「あとは美琴が中学生じゃなけりゃなあ。歳の差はいいとして、倫理観として…うーん」
上条は食事部屋に戻りながらボヤく。
「そんな事言われたって。そもそも、その倫理観って何よ」
「中学生に手を出すロリコン扱い、というのはカミジョーさんは耐えられません」
「…あのね、中学生のファーストキス奪っておいて、何言ってんのよ」

上条の足がピタッと止まる。
「良く考えたら…俺、お前のファーストキス奪っちゃったのか」
「そうよ!こっちには一大イベントだってのに、あっさり終わらせてくれちゃって!」
美琴は真っ赤になって、そっぽを向く。
「それはそれは、勿体無いものを頂きまして…」
「極上の逸品よ!まったく!」
足の止まった上条を美琴が引っ張る。

「中学生との噂ってのは、もう事実なんだからあきらめなさいよ」
「そっちはしょうがないけどな。まあ一番の問題は…だな」
「え?」
「まあいわゆる…俺の理性が1年以上持つかな、という…」
「な、なに考えてんのよバカ!」
「…聞かなかった事にして下さい…」
純情な高校生と中学生は、真っ赤になりながら部屋に向かう。


部屋に入ると、4人の大人たちは酒盛りモードに入っていた。
「あらあら~、主役が帰ってきたわね~」
「なんだー当麻。美琴ちゃんとお楽しみか?若いモンはいいねえ~」
「美琴、当麻くんを手放すな!ソイツは重要人物だぞ、ハッハッハー」
なにかもう入り込めない雰囲気である。

美鈴がスッと近づいてくる。
「あれ、美鈴さんはあまり飲んで…ない?」
「ま、一応幹事だしね。詩菜さんもダンナ見てると酔うわけにはいかないと思ってるみたい。ところでアンタ達…」
2人をジロジロ見る。
「…やっちゃった?」

美琴の顔がボンッ!と赤くなる。
上条がかろうじて体勢を立て直し、「…何を?」
「ま、1時間あればできるわよね」
「…だから何を?」
「まあ親の前では言えないわね。中学生相手に奪っちゃったかー」
「そんなベタベタなネタに引っかかるかっ!絶対おしえねー」
「ちぇ。でも美琴ちゃんなら教えてくれるもーん。ハイ美琴ちゃんガッツポーズ!」

え?と上条は美琴の方を向くと。
美琴は可愛らしくガッツポーズをとり、そして人差し指を唇に指し示して、微笑んだ。
「なんだそのジェスチャーゲームは…」
この親娘、仲が良すぎる。
「なるほど、可愛い一人娘の唇は奪われたか。パパにどう報告しようかしら…」
「ごめんなさい、ユルシテクダサイ」

美鈴はクスッと笑うと、
「やっぱりヤルときゃヤルね、当麻くん。美琴ちゃんを改めて、よろしくね」

117 :ぐちゅ玉:2010/02/08(月) 00:46:20 ID:ZIwE2iqQ

「美琴ちゃん、パパさんの相手しといで。アンタいつでも会える当麻くんとばっかり居るじゃない」
「う…わかったわよ」
頬を赤くして、美琴は刀夜の隣に座り、2人のお酌をし始めた。

逆に上条は、ママさんズに捕まった。
「さてと、あらいざらい吐いて貰おうかナ。あれだけ素直じゃない子を、完全に落としちゃったとなるとね」
「あらあら~、どこでそんな女の子を凋落するテクニックを覚えたのか、母さん的にも聞いておかないとね~」
「何もしてねー!恥ずかしながら、女の子から告白させちまったし…」
「確認するけど、美琴ちゃんを公明正大に彼女と言い切れる状態まで行ってるのかしら?」
「それは言い切れます。美琴は俺の彼女であり、恋人です。」
「…母さん的には、あの銀髪のシスターちゃんが気になるんだけど」
美鈴も頷く。「あの子にも、言えるのかしら」

「…言います。でも俺はあの子も守る。俺がやるべきことだから。」

「あの懐き方からすると、ショックでしょうねえ…」
「宣言しておきますけど…、もし、美琴とインデックスが同時に窮地に立ったとしたら」
上条は、言葉を切って、はっきり言い切った。
「俺はインデックスを助けます。」
母親たちは息を飲んだ。

「美鈴さんだって、旅掛さんと美琴が、そういう状況になったらどちらを助けますか?」
「…なるほどね。美琴ちゃんだわね、その話だと。あの子は娘みたいなものなのね…」
「うまく言えませんが、そういうことです。」
「…オーケー。親としては納得しちゃいけないんだろうけど、…当麻くんが真剣に考えてることは分かったわ」
(ま、普通の高校生に、本来背負わす話じゃないわよね、コレ。)

「あらあら、ちょっと堅苦しい話になっちゃったわね。当麻さん的には、今後美琴さんとどうしていくつもりなのかしら?」
「どうしていくと言われてもな…まあ健全なお付き合いをさせて頂きますよ、としか」
「健全ねえ…。もうリミッター外れた美琴ちゃんは、どんどん色気づいていくわよ。私のコだもん」
「母親が煽ってどーする!まだ中学生ですよ!?」
「まだ孫は困るからね?どうしても、なら女の子よろしくね」
美鈴は品の無いニヤニヤ笑いを浮かべる。
「オイタはダメですよ?」
詩菜もにっこり微笑む。
「…だめだこの母親たち…」
上条は頭を抱えた。

興味が美琴に移ったのか、母親たちは父親たちのテーブルに移動した。
美琴からも情報を引き出すつもりだろう。
上条は少し離れたソファーに体を沈み込ませる。
(恋人…か)
母親たちの前で口に出して、改めて実感が湧いてきた。


――先刻。眠る美琴を見ながら、熟考の末、この少女と歩む道を選んだ。
それは、インデックスとの選択ではない。これからも一人で歩むか、との選択だ。
インデックスが仮に自分を好きだとしても、それは過去の自分に対してだ。
…その事実がある以上、偽りの道を歩む訳には、いかない。
一人で歩めば、一番平等な世界。誰をも平等に救える世界。

でも、自分が求めているものを、
他の誰もが持っておらず、美琴は持っているような気がした。
…そう考えた時、結論は出た。

118 :ぐちゅ玉:2010/02/08(月) 00:46:40 ID:ZIwE2iqQ

色々と考え込んでいると、美琴が戻ってきた。
「逃げてきた…詮索しつこいっ!」
「相手してやれよ…そうそう会えないんだからさ」
「いいのっ!私は当麻と話すのっ!」
どっかと美琴はソファーに座り込む。

「何考えてたの?」
「まあ色々とな。『一体何をやれば恋人っぽく見える訳?』なーんてやってたな、とかな」
「あの恋人ごっこかあ。現実になっちゃうなんて…」
「だなー。…ちなみにその頃、俺のこと、は?」
「んっと…もう意識はしてたわよ。当麻が『海原で何の問題があるんだ』的な事言ったとき、傷ついたもん」
「うっ…」
「ああ、私のこと何とも思ってないんだ、って」

「ぐ…じゃあ、ついでに。あの大覇星祭罰ゲーム、は、実のところ…?」
「ええ、私としてはデートそのもの。なのに、あの子がペンダント買って貰う展開とか、ありえないわよねー」
「俺、最悪じゃねえか…」
「でも結局は、私が素直じゃなかったから、だし。携帯番号ゲットのためにペア契約とか、ホント馬鹿よね、我ながら」
「…外であれだけビリビリしてて、携帯番号も聞けないとか!ツンデレにも程があるだろ!」
「だって番号聞いて、もし『なんで知る必要あんだよ』とか言われたらどうすんのよ…」
「どうすんのよ…って」
なんだこの可愛い生物は。


「まーたイチャイチャしてる!」
美鈴がニヤニヤしながらやってくる。手にはカメラ。
「そのままそのまま。写真とるわよー」
上条と美琴は慌てて自分をチェックする。
美琴は上条のネクタイが歪んでいるのを見つけ、直そうとする…
パシャッ!
「ん~、いい絵♪」
「もう!」

その後は、ソファーを舞台に父親たちも入り乱れて、再び撮影会となった。
さっきの外での撮影会とは違い、距離感のない両家の仲の良い姿が―――
特に美琴の、ぎごちなさが完全に消えた心からの笑顔が、総てのフィルムに、写っていた。

119 :ぐちゅ玉:2010/02/08(月) 00:47:01 ID:ZIwE2iqQ

午後三時。
上条刀夜と御坂旅掛はソファーで2人ともいい気分で寝ている。
「アンタたち、初詣行ってきたら?近くに神社あったでしょ」
「母さんたち行かないの?」
「ダンナ共がアレだからね…」

上条は美琴にどうする?と声をかける。
「うーん、行きたいけど、今日はちょっと知り合いに会いたくないなー、ってのもあるかなあ」
「お前目立つもんなあ。男連れて歩いてたら…」
「そ、そんなことないと思うけど。でも、ジャッジメントが警備していると思うとね…」
なるほど、白井か、と上条は思う。白井黒子が居たら、何が起こるか分からない。
「ま、明日明後日あたりで、いいとこ探して行くか。ちょっと色々ケリつけてから、だな」
「…うん、それがいいと思う」

「あらあら、何か複雑な理由があるのねえ」
「人間関係が色々と、ややこしいんでござんすよ」
上条は詩菜に苦笑いしながら答える。
「じゃあ…、コレに2人でいってきなさいな」
詩菜は旅館のパンフの一部を差して、美琴に差し出す。
「! こ、これは…!」
「上条の名前で昨日から取ってあるの。というか昨晩使わせて貰ったんですけどね~。うふふふ」
「ちょ、ちょっと詩菜さん!」
「チェックアウトの夕方5時まで予約は効いてるはずよ。どーんと行ってらっしゃいな」
「で、でもこれ…!」

何を泡食ってるんだと、上条は美琴の手に持ったパンフを覗き込む。
『プライベートバス<完全予約制> 眺望抜群の露天風呂をお楽しみ下さい! 限定3組』
「…何だこれ?」
「あらあら、当麻さんったら。家族用のお風呂じゃない。十分広いし、乳白色のお湯でね、気持ち良かったわよ~」
「…それは何か?風呂入ってこいと?…美琴と?」
「よし、嫁入り前だけど、許可するわ当麻くん!いってこーい!」
「待てーい!これは流石にやりすぎだろっ!」
「あらあら、こんなチャンス滅多にないわよ~。恥ずかしいのは分かるけど、これも思い出の一つ!」

こ、こんな母親たち有り得るのか?
上条は追い詰められた気分で、美琴を窺う。
美琴は予想通り真っ赤になっているが…上条を見て目をそらさない。
(その「意気地なし!」となじるような目はなんだーっ!まさか、行くと俺が言えば、行く気、か…?)
「よし、じゃあ詩菜さん、フロントに連絡して。使用する連絡とタオルセットの準備お願いしますね。
 こちらはもうお風呂から出たら、美琴ちゃん制服に着替えさせたいから、準備してくるわ」
「は~い、じゃあ2人はここで待っててね~」
「ま、待て…」

ぽつねんと2人残される。
「あの…」
「もう今日はね、夢だと思って何でもやっちゃえって気分なのよね」
「へ?」
上条は何か吹っ切れたような顔をしている美琴を見つめる。
「あまりにあり得ない事が続きすぎてさ…今当麻の右手で私を叩いたら、現実に戻るんじゃないかな、って」
「…やってみっか?」
「やめて!せめて夢なら最後まで見させてよ。ああでも、」
言葉を切って上条をいたずらっぽく睨む。
「美琴サンのハダカを安々とは拝めさせませんからね?」

120 :ぐちゅ玉:2010/02/08(月) 00:47:15 ID:ZIwE2iqQ

プライベートバスゆえに、更衣室も男女兼用である。
開き直った美琴も、まな板の鯉な上条も、タオルセットを持ちながら固まっている。
「…とりあえず、俺から着替えるから、外で待っててくれるか? ノックするから1分後に入ってくれ」
「うん…そうね。わかった」
そう言って美琴は一旦、入り口に戻って外に出た。

(しかし、えらい事になった…)
スーツを脱ぎつつ、半ば呆然としながら身軽になっていく。
(じょ、女子中学生と風呂とか…絶対に反動の不幸が来る。慎重に行動しねえと…)
タオル一枚で前を隠しつつ、戻って扉をノックする。「じゃあ1分後にな」
返事のようなものが聞こえたので、急いで浴場に向かう。

(ほー、結構思ったより大きい)
美琴は振袖から着替えるから、当分入ってこないだろう。
色々シミュレーションしてみるに…今のうちに頭と体を洗っておこうと決めた。
…最悪の場合、風呂から上がれない恥ずかしい状態が続く可能性がある。
浴室の入口から一番離れた場所で、体を石鹸で洗い始めた。目の前の鏡で、入り口は確認できる。

カラカラ…と扉の開く音がし、にゅっと、美琴が顔だけ出してきた。
(き、きた…)
鏡は湯気で曇りだしているが、姿はまだ確認できる。
美琴の美脚がそろそろと入って、…!
(ちょっと美琴さん!大胆すぎです!)
てっきり上条はバスタオルを巻いた、よくあるTVのレポーター状態をイメージしていたが。
巻きたくても巻けなかったのかもしれないが、バスタオルは胸と太股を隠すのみで、
背中から腰のライン、かわいいお尻は横からとはいえ丸見えだった。
(ぐああっ!煩悩退散!煩悩退散!)
すぐさま頭にシャワーをぶっかけ、見てませんよアピールをすると共に、頭をわしゃわしゃとシャンプーで洗う。
(やっぱヤベエってコレ!)


『……お湯にタオルは入れない!』
美琴は、あの銀髪碧眼シスターの声を思い浮かべていた。
(うーん…)
恥ずかしいが、バスタオルは前を隠すだけにしようと決め、そろそろと浴室を窺う。
上条は先に体を洗っているらしい。
(じゃあ先に浸かってよっと)
そそくさと乳白色の世界に向かう。
昼間とはいえ1月だ。まだまだ寒い。バスタオルを畳み、桶でお湯をすくって体にかける。やや熱いが適温のようだ。
湯船に足の先をつけ、ゆっくりと肩まで浸かると、そのまま奥の方へ移動する。
(うっわー、男の人が同じ世界にいる…)
背中を壁にもたれかかせ、上条を視界に入れながら、ふーっとため息をつく。
(キンチョーするけど、なんか、幸せ…)
まどろんでいたが、上条が動きそうな気配を感じ、慌てて後ろを向く。


上条の頭は、シャンプーごときでは倒されず、むしろ細かいツンツン頭、すなわちヤマアラシみたいになっている。
前を隠し、美琴の死角からそろそろと湯船につかり、そのまま動かない。タオルはヤマアラシ頭に乗せてある。
「…もういい?」
「ああ、浸かった」
2人の距離は7~8メートルといったところか。
「こっちきたら?話できないじゃない」
「…ハイ」
上条は、理性の鎖が解き放たれぬよう祈りつつ、美琴に近づいていった。

121 :ぐちゅ玉:2010/02/08(月) 00:47:37 ID:ZIwE2iqQ

美琴は肩まで浸かっていたので、上条としても視線は合わせやすかった。
50センチほどの間をあけて、隣に座る。
「なんか緊張するね」
「そりゃそうだ。お前今、…素っ裸だよな?」
「そうね。早速見たいのかしら?」
「じゃなくて!バスタオルとか巻かないのか?」
「お湯にタオルは入れない!といった師匠がいてですね」
「…立派な師匠です」

美琴は上条の頭をじっと見つめ、
「ちょっと触らせてね…うはー、固いのね」
手を伸ばしたがゆえに美琴の腋と胸のラインが微かに見えた上条は、落ち着きを失う。
「お前な、一挙手一投足気を使え!これじゃ生殺しだ!」
「なにそんなに意識してんのよー。えいっ!」
右足をざばっと斜め上に上げる。スラッとした美脚は濡れてキラキラと輝いている。
「お、お前…はー!」
「あははははは」
マズイ、完全にペースを握られている。何か、話題はないか、話題は…


「そうだ!そういや一番知りたいこと、お前に聞いてなかった」
「な、なによ」
「どうして俺の記憶喪失見破れたんだ?どっかでボロ出したか?俺」
「…ま、そういう意味じゃ、当麻ほんと凄いわ。よく隠しきれるもんだわ、って」
「親にすら見破られてねえのに…」
「! ちょっと待ってよ! あのご両親も知らないの!?」
「…知らねえはずだ。知ってたらもう少し態度も違うと思う。色々カマかけて試そうとするだろう」
「あっきれた…」
「だからこそ、何でお前が見破れたのか知りたいんですが…」
美琴はちょっと口元をお湯に沈め、ブクブクと泡を立てながら少し考え込んだ。

「見破ったんじゃなくて、知ったのよ」
美琴は上条がアビニョンから問い合わせてきたとき、携帯がずっとつながっていたことを話した。
「びっくりしたわよもう。急に黙り込んだと思ったら、激しい戦いの音の嵐で。気が気じゃ無かったわよ」
「あの状態で壊れてなかった…か」
「で、相手の記憶喪失の指摘に、当麻否定しないんだもん。」
「…そうか、それで。…サンキュ、わかった。」
「どうでもいいけど、ペア契約の無料通話で良かったわね。してなかったら、国際電話の長時間通話で、チーン」
上条は、美琴のペア契約大作戦を、心から感謝した。


「さてと、ちょっとのぼせそうだから、一旦体洗ってくるね」
「あいよ」
「…ちょっと!後ろ向いててよ!」
「さっき、あれだけからかっておいて…」
「いいわよ!じゃあじっくり見てなさい」
「…ゴメンナサイ」
上条は後ろを向く。ちょっと間をおいてちらっと後ろを見ると、ちょうど湯船から美琴が出ようとした所であり…
「こらーーーーっ!」
目が合って怒られ、慌てて後ろを向き直す上条の脳裏には、一糸まとわぬ美琴の後ろ姿が焼き付いていた。

122 :■■■■:2010/02/08(月) 00:52:45 ID:QMBApPEA
GJ! 萌え死んだ……。

127 :■■■■:2010/02/08(月) 01:28:46 ID:G0VlotZM
俺死亡確認

128 ■■■■:2010/02/08(月) 01:32:15 ID:.F6l/3KE
>「ちょっと触らせてね…うはー、固いのね」
前文読んでなかったら蒸発するところだった。
とにかくGJとしかいいようがない。


129 :■■■■:2010/02/08(月) 07:47:59 ID:YZ/z8hZc
ぐちゅ玉さんGJです


とある両家の元旦物語3続く