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私が以前勤めていた会社を早期退職し、転職活動を始めた当時特に希望業種を決めてはいませんでした。

アラフィフという年齢的なものもありましたので、ぜいたくは言っていられないだろうというのが一番の理由です。
その中ではあるのですが「どうせなら今までと違う業界で働いてみたい」というのは少し思っていました。

それで、同じ業界を避けながらの転職活動の末、今の会社にお世話になりました。まあ、製造業というのは同じですが。

アラフィフ転職物語1(情報源は最大限に。)

元々技術職だった私ですが、これまで経験してきた技術的なノウハウは全く通用しない中で、なぜか管理職になってしまったという事もあり再就職後も四苦八苦しながらなんとかやって来ました。

経理などの事務系の経験なら活かせたのかもしれませんが、30年以上働いてきた私の経験っていうのはそれほど頼りにならないものです。

そういう感じでこれまで来ましたが、少し過去の経験が生きるときが来ました。

私が勤めている会社は製造業ですので、設備投資というものが必要になって来ます。結構な金額がかかるものですので当然ながら優先順位というものが発生してきます。
この設備投資に当たって承認や決済は「社長」ただ一人。中小企業ならではです。

一応設備投資に当たっては「稟議書」というもので投資するかどうかを諮るという建前ですが、実際には社長に直談判してある意味勢いで投資をゲットするという感じで皆さん進めているようです。

そうなると少し感情が入ってくるようで、社長のご機嫌次第では理不尽な裁定を下されることも結構ある様でした。

そんな状況を他人事と横目に見ていた私ですが、珍しく私の部署でも設備投資の案件が出てきました。

その設備は通常の生産では使うことは無く、あると製品開発に便利という設備です。
売上アップという目に見える成果がないこともあり、なかなか予算を割いてもらうのが難しいと考え、今までは先送りされていました。
金額にして約300万円、中小企業としては大金です。
おいそれとは出してもらえません。

当然社長にお願いするしかないのですが、社長への直談判するにも口頭説明だけで丸め込むうまく説明できる自信はありません。
直談判ではある意味「あー言えばこう言う」といった反射的に反論できるスキルが必要です。
それは私が最も苦手とするところ。

そこで、前に勤めていた会社の手法を使う事にしました。
正攻法の「稟議書+資料作戦」です。

前の会社では投資する予算を確保するには、稟議・承認が必要になります。
金額にもよりますが承認ルートは多段階になり

担当者(私) → 課長 → 部長 → 事業部長 → 経理 →担当役員

という感じです。課長や部長は私と利害が一致しますので承認を得ることは割と簡単ですが、それ以降は投資の正当性について納得いただかないといけません。勢いで乗り切ることは到底無理です。

そのときの経験を生かし、資料を作成することにしました。

①設備の概要・使用目的
②投資金額の正当性
③設備導入の効果(メリット)
④投資の回収計画

などなどを簡単にまとめていきます。
長々と書いても目を通してもらえませんので、簡略にまとめるのがコツと言えばコツです。
今回もA4用紙一枚にまとめました。

そしていよいよ社長との交渉です。
同僚たちからは交渉の難航が予想されましたので、色々と交渉術のアドバイスをいただきました。社長の性格を知り抜いた経験からのアドバイスですので心に刻み付けておきました。

交渉の結果は。。。5分で終了、承認されました。
私はほとんど話すこともなく、資料を一瞥した社長は「必要な設備だし何とか資金を準備しよう」と言いつつ承認欄にハンコを押してくれました。

これには私も意外でしたが、同僚たちも騒然となりました。

「何を言ったんですか?」
「そんなに機嫌が良かったんですか?」などなど質問を受けましたが、交渉のタイミングが良かったのかな?ぐらいしか。

ただ、口頭での交渉よりも書類を元にした交渉の方が説明もしやすいですし、相手も理解しやすいという事はあるのでしょう。
そこが今回の成功の要因だったように思います。

こうして、昔の経験を生かすことでちょっと無理かな?というような投資の承認を取り付けることが出来ました。
当時は普通にやっていたことですが、意外と武器になることが判り、前の会社に少し感謝です。

業種は違って四苦八苦していましたが、思わぬ経験が役立ったというこれまた新しい経験を得ることが出来ました。