映画「it」を見て、そのままアニメのゴジラを見ようと思っていたのだけれど、そもそも驚かし系のホラーが途方もなく苦手だったことを実体験で思い出させられてしまい、ノミの心臓が疲弊しきってしまったので諦めた。スティーブン・キングは子供の死体というものにいったいなにを見ているんだろう。少年たちは、自分にとっての「死」や「恐怖」の対象に打ち勝ってすこしたくましくなるのだけれど、私はとっくに大人のはずなのになんだかそれが切なくて。好きな人がたくさんいる。わたしがきみのこと好きなんて、きみは一生知らなくていいよ。と素直に笑えるくらい、いろんな種類の諦めを超えた先でも好きと言えるほど、好きな人たちが。できればずっとルーザーズ・クラブでいたいんだ。私は負け犬だけれど、きみは私のことそう見えないって言う。だから、一緒にいてよ、と思う。そんな日々を生きている。

あなたには怖いものはありますか?私は今でも怖いものだらけで、大人になりそこなったまま、強くなることを未だ恥ずかしいことだとどこかで思ったまま、仕事で何度身体を重ねても未経験の子供みたいなのがずっと胸のうちにいて、仕事以外では大人みたいなことぜんぜん言えないままでいる。
怖いものの正体を暴いて、得体の知れたものに書き換える作業を続けていったら、いつか何もこわくなくなるのかな。だけど、私は弟の死がどうしても受け入れられなかった痛々しいビルのことをとても親しく感じていた。これは自分の人生からなくなってはいけないものだ、と信じていたものが消えてなくなることだって、あるのが現実というもので。あなたにもし、そんな受け入れられない恐怖があるのなら、その恐怖がなくなってしまうことすら怖いのなら、一緒にいつまでも震えていてあげるよ、と思う。まあ、誰に対してもなるべく安らかでいてほしいとは思うけど、何かを怖がるのも何かが悲しいのも、忘れたいと願うのも忘れたくないと祈るのも、全部あなたの心がまだやわらかい部分を残していて、素直で純粋だからです。なにも怖くなくなって、一人で生きていけるようになるよりも、一緒ならぎりぎり超えられるくらいの恐怖にたまには出会おうね。そのときは心の中で呼んでくださいと思う。私にも、困った時に心で呼べるような優しい記憶が増えていて、それをとても嬉しいと思う。

先週はなんだか、気圧のせいか誰かに何か言われたのか忘れたけれど少し落ち込み気味の月曜日から始まった。あんまり優しい時間が日常に増えすぎると、本当の自分の立ち位置や、等身大の自分の姿を見失う。だから、少し自分に幻滅しているくらいでちょうど良かったりもするわけで。そのためとは言えないけれど、自尊心みたいなものがなぜかみじん切りにされたような目覚めだった。焦燥と自己嫌悪の中ぎりぎり生春巻きを食べて、夜にすこし2nd写真集の剪定をしに福島さんの事務所に行き、メンフィスでの写真を見たらそんな気分がぜんぜん元気に治ってしまって、拍子抜けして笑ってしまった。大げさだって、自意識過剰だって、べつに笑われてもいいし、調子に乗ってるとか、身の程知らずとか、きっと見えないところでどれだけこき下ろされているのか意外とちゃんと想像していて、何をしても嫌いになる人がいるのもわかっていて、それでも写真には愛が写っているので、こういうものを信じるのがわたしの人生で唯一意味のあることだと心から思うので、いろいろ、まあいいか。と思う。

翌日は東スポ裏通りでのインタビュー連載の特別回ということで、としまえんへ。わたしがデビューしたときに広報として担当してくれただいすきなお姉さんがゲストで来てくれて、一緒に空中ブランコやカルーセルに乗った。髪の色がちょうど同じくらいの赤色で、きょうだいみたいで嬉しかった。雨の遊園地はいくら子供がいてもどこか廃墟感があって、夢を見終わった後みたいな危うさがあって好きだと思った。
そのまた翌日は写真展の会場の下見をして(こぎれいで居心地のいい場所だった)夜は里咲りさちゃん、姫乃たまちゃん、安田理央さんを迎えてトークイベント。りっちゃんは明るくおちゃめで愛くるしいのにとてもしっかりしていて、いつ会っても飾ることないすてきな女の子。サービス精神が旺盛なひとって結局誰よりも優しいんだと思う。私も、デビューから1年半、もはやなにも嘘なんかつけなくなってしまった自分で、本当の気持ちをばらし続けるようにここにいられて嬉しい。やさしいあなたが懲りないでいてくれるなら、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

Japan Adult Expoは二年目の参加。たくさんの、第一線で活躍するAV女優さんが一堂に会する場で、集団行動にいつまでも慣れない私は終始びびりながら、それでももっとガチガチだった去年よりはずっと居心地がいいことに安堵する。二日とも、ヘアメイクさんがお祭りらしい可愛くてふざけた髪型にしてくれたのが嬉しかった。個人的にもとてもとても素晴らしい出来事があり(色恋沙汰とかではないです)ちょっと、夢見たいな時間だった。心につよくつよく光り続けるお守りをいただくような。
光り続ける、といえば、ミスiD2018を受賞して、審査員の方々にいただいたコメントの数々があまりに光の言葉でした。思いやりにもそれ相応の尊さがあるのだけれど、全肯定のために探し出された言葉にはそれだけで本人の意思とも関係なく永遠に光り続けるような性質があります。私も死ぬまでに一つでも多く、自分の魂のなかから光の言葉を探し出したい。
応援してくれているみなさんからいただいた中にも私はいくつも見つけてきたから、きみも私を照らすストロボのようです。思うよりも暗い道を来たんだよ、でもきみがいるからもう平気なんだよ。

阿部遥さんという女性がつくった「あおみのゆいごん」という舞台を、友達の中尾有伽ちゃんが出演しているので鑑賞。忘れられていくということ、忘れていくということ、「忘れないよ」と願うこと事態が永遠というものの不在を知ってしまっていること、「忘れるはずがないだろう」と思ってしまった一瞬のことを本当は「永遠」と呼ぶこと。
赤子のように泣く鈴ちゃんと、それを見守る美しい心の友人たち、そして終演後に泣き顔のままご挨拶をされた主催の遥さんがほんとうにきれいで。舞台というよりは、遠く遠くの愛しい時間をうつした写真を、スライドで一枚一枚水色の窓に投影していくようで、とても好きだった。通路を通っていく人たちの中であなたは過去になってしまうのかもしれないけれど、私も通路だから、すずちゃんのこと生まれる前から愛してるし時間の概念もない世界で一緒に生きているよ、これからも、ずっと寂しいままでいてね。

そのあと祖師谷から東中野に移動して、閉館後のポレポレでKAI-YOUコラムの写真撮影。飯田えりかさんと、編集の長谷川さんと、マネージャーさんと、ポレポレの小原さんと、そして縷縷夢兎のかなえちゃん。好きな人たちと内緒話をして、映画館を秘密基地にして、たぶんちゃんと光も影もあって、話が初めにもどるけど「ルーザーズ・クラブ」のようだった。そう思っているのが私だけでもいいな。ミスiDフェスで着させてもらった、大森靖子ちゃんも着ていた黒い縷縷夢兎。



オフショットを見ていると、なんかシン・ゴジラのようだな。と思う。そして、とても好きなメイクさんがわたしのシン・ゴジラの感想ブログを読んだあと、「ゴジラのほうに共感しちゃってるじゃん。」と言ったのを同時に思い出す。そうなんだよ、実は、そうなんだけど、そんなへんなこと誰にも気付かれなくていいと思っていたから、「そうだよ。」と言えることが嬉しかった。
あのブログ、あらためてどなたかが広めてくださったようで、たくさんの方に見ていただけてよかったです。

JKシンガーソングライターのシバノソウさんの定期イベントにお呼ばれして、ゲスト出演。AV女優がJKのイベントに出ていいのか…?という疑問は私も抱いているのだけど、もちろん内容的にR18な要素はないのでご安心を。シバノさん、人間何回目だろう、と思うほどしっかりしていて、強さと可憐さとユーモアを併せ持ち、そしてソングライティングも歌もしゃべりまでもが才能に溢れてる。神様に、何事かを為すべく祝福された子なんだろうな、と思い、釘付けになる。
へたくそながら、思いを込めて「マジックミラー(大森靖子)」と「丸の内サディスティック(椎名林檎)」を歌わせていただいた。シバノさんのギターは当たり前にうまく、声はセクシーでとことん敵わない。いい歌だなと思う歌を歌うと泣きそうになっていつもしかめ面になってしまう。マジックミラーはそういう歌。

話したいことがたくさんたくさんあった気がするけれど、日々のこまめなメモをのがすとこんなふうになってしまう。映画はあまり見れていないけど、たくさんの好きな人たちに会えた幸福な一週間でした。昨日はSODstarの撮影で、やっと本業。楽しい。
ちゃんとチューニングを合わせて、ぜんぶわかってそれから笑っていよう、それから君と出会おう、と思う。トークイベントでも言ったけど、いらいらだかムラムラだかしているところの、下半身まるだしの格好つかないきみに、わたしもかっこうつかない姿で、画面越しに会えるのが嬉しいです。本当にそう思う。えへへ。

思ったよりしんどいことも、思ったより素敵なことも、思った通り難しいことも、思っても見ないほどの驚きも、毎日いろいろあるけれど、今日までおつかれさまです。明日からもまたよろしくね。毎日を祝福していたい。さて、コラムの続きに戻ります。



おやすみなさい。