写真集「The Light always says.」が発売されました。そして、それに連動した写真展が無事に終了しました。
気にかけてくださった皆さん、お手に取ってくださったみなさん、足を運んでくださった皆さん、言葉や涙や眼差しをくださったみなさん、本当に、ありがとうございました。

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いきさつも物語も思いの丈も、今私にとって一番大事だと思えることも、すべて写真集とその中に映る瞳と添えた文章に記してあるので、ご自身にとって、今だと思うときにゆっくり見ていただけると嬉しいです。

渋谷のルデコを撤収している時、なんてことをしてしまっているんだろう、と思いました。ここは本当の幸せの場所だったのに、なくなってしまうなんて、と。
そう感じたのは、なにも自分が写っている写真がたくさんあってそれをみんなが見にきてくれて気持ちがいいから、なんてつまらない理由ではなく、ただそこに、守るべき愛が存在していたからでした。
レタッチもしなくていい、NG写真もない、どれだって使っていい、どの写真をどれだけ拡大して持ち帰ってくれてもいいと言えたのは、それがすべて愛をもって撮られたものだったからでした。愛を持って歩いた道の途中の景色だったからでした。
弱さも、未熟さも、ダサさも、愚かさも、愛を探して彷徨っています。
不自然なまでに漂白した綺麗さを、美として提示するのなら、画面を挟んであなたとわたしは別の世界の生き物になります。まあ、わたしの姿や心なんていくら漂白したってどこかほつれているのでしょうが、それでも、私、あなたと同じ世界に生きていたいです、できるだけ、ずっと。

もともと「親しみやすい」って言われることが長所みたいな、どこにでもいそうな見た目をしている私がこれをやるのは、すこしずるいことなのかもしれませんが、それでも、この時代に、敢えて、ずっと言い続けたいです。
特殊な職業をしているとか、人前に出る仕事をしているとか、自分自身を商品として扱っているとか、そんなことは、あなたとわたしが断絶される理由にはなりません。私は、生きていて、ここにいて、あなたの声を聴くことができて、触れることもできて、あなたが会いに来てくれた回数や話してくれた言葉や見せてくれた笑顔に応じてあなたを愛していくひとりの生き物です。システムで管理されているわけじゃないから、平等なんてありえず、あるのは、ただ、この世のひとりひとりと紡いでいくそれぞれ1対1の物語だけです。そういう写真展で、そういう写真集でした。出会ってくれてありがとう、ほんとうにあなたのためのものだよ。ほんとうにあなたと旅をしたんだよ。忘れてもいいけれど、写真の中の私がちゃんと「ふたり」だったこと、覚えているよ。そういう気持ちが、届いていたらいいな、と、思います。顔も名前も知らないあなたにだって、そう思っているんだよ。



たくさんの方がご来場くださり、始める前の不安もどこかに飛んでいってしまうほど、毎日賑やかな空間になりました。
私の手元にやってきた、ご来場者のみなさんの感想ノートには、どれだけみなさんが純粋な眼差しで写真と向き合ってくれたのか、まばゆいほどに滲み出ていました。
久しぶりに会えた人。初めて会えた人。毎日来て笑わせてくれた人。閉館時間に滑り込んでくれた人。遠くから何時間もかけてきてくれた人。涙を流してくれた人。抱きしめてくれた人。
自分の写真展に対してこんなこと言うのも変なのかもしれないけれど、この世界にはこんなに心の美しいひとたちがまだこんなに隠れていたんだな、全然大丈夫だな、自分を折らないまま生きていってもいいんだな、と思えた時間でした。
私、こんな人たちのために、これからずっと、愛してるって言い続ける人生がいいな。って、嘘みたいなこと、本気で思っていたんです。



アメリカでのロケから写真展の開催、写真集の発売まで続いた奇跡のような愛の時間は、今確かにこの手で触れる希望になって、きっと次の景色まで歩いていくための力になります。お守りです。大雪の降った渋谷で、一枚一枚場所を考えて写真を貼っていってくれたこと。次の日は晴れて雪も溶けてしまったこと。それでもすごく寒い冬だったこと。あんなに雪が積もって嬉しかったのは、またいつか東京が真っ白になった時、前にこんな景色を見た頃のこと、思い出してくれるような気がしたから。とても寒い冬だった、あなたの笑顔を見てすぐに暖かくなったから。

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こうして私たちは未来を回想します。あなたが見てくれた写真集は、いつかあなたが未来で今を思い出すための装置です。少なくとも私はあなたが好きで、なんでも見せられると思ったから、この仕事をしていて、こんな本を作って、これからも見せようと思っている。これが、私から、私のことを知っていてくれて愛をもって見つめてくれている人たち全員への本気の私信です。勘違いしていいよ。これからも、いろんな景色を見られますように。


「The Light always says.」のお話は、今週末2/10に大阪で開催するトークイベントにも続きます。


カメラマン・福島裕二さんとともにまだまだたくさんお話しさせていただきます。
うまくいけば、新柄の缶バッチガチャガチャと新しいセレクトでのA4サイズのミニ写真集が出るのでそちらも楽しみにしていて下さい。


まだまだたくさんの方に見ていただけますように。

The Light always says.




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