なんとなく自分の本分が本格的に始まるような音が聞き取れないまま、にわかに幸福にぼんやりとしたまま送る日々の中で、それでも目覚ましのように鳴るたくさんのベル。

SODアワードという、とても華やかな、誰かを元気付けるために灯された火をキャンプファイヤーにして踊ったような、根っこの優しい素敵な式典を終えた昨日もそんな、「ああ私はここにいるんだな、上を向いていなきゃいけないな、さあ手を動かし体を動かし頭も動かしひとつひとつちゃんとやっていこう」と、あらためて思いなおすような日でした。 



季節の早送り巻き戻しを繰り返して、年度の節目も飛び交う花粉もいつのまにか目の前にある。最近家族と仲がいいとか、友達が増えたとか、思わぬところに理解者がいたとか、そんな毎日手を握ってもらえる幸福の中で、幸福に慣れない私は何をこれからしていこうか、今日も斜め上を見ながら考える。

「生きているだけでいいんだよ」なんて究極の想いはつねに持っていても、それでもその向こう側で、自分を抱きしめる以上に、目の前のあなたに手を伸ばすこと、それを本当の生きる意味とする。人の人生には二つの段階があると思う。まずひとつは、ひとりぼっちで生まれた私たちが生き残ること。誰かの手に初めて触れるまでのこと。そしてその先が、「自分一人の世界」ではなくその皮膚の向こう側の世界を含めた、あなたの新しい人生の構築作業の始まりなのだと思う。 


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いろいろな変化が訪れやすいこの季節の変り目、わたしもこのお仕事のために初めて面接や撮影をしてから丸二年が経ち、あなたもきっと、変わらない笑顔の中でいろいろなことが変わったのだろうな、なんて勝手に想像しながら。

スケジュールアプリに予定されなかった喜びを、SNSに記し零された憂いを、人の形に固められたのが私というもので、あなたの、私に見せてくれない部分を本当は見るための日々なのだと思う。だから、指の間から溢れていった時間が、具体的な何かを残すために使われなかったとしても、なんとなく生きてきた今のあなたがとてもいいよ。と言える今日を、愛することができる。 



数年ぶりに復活したと言われているSODアワードでは、シンプルに売り上げを上げたものから誰かの想いや愛着など形ないものをベースにつくられた賞、作品賞から監督賞、女優賞まで、約五時間にわたってほとんどの時間がただただたくさんのトロフィーを渡していくことに費やされていた。

最優秀女優賞をはじめ全部で6冠を獲得した紗倉まなさんも似た意味のことをスピーチで言っていたけれど、ただ単にビジネスとして、商品として割り切って人を扱っていたら、こんな式典にはならなかったと思う。

正しさとか、美しさとか、それこそ努力の仕方や結果の出し方だって、ほんとうにひとりひとりに対して定規をカスタマイズしなければ、測ることはできない。

正しさなんて、人がこの世にいる数だけあって当たり前で、「最高」は、たくさんあったほうがいいに決まってる。

あなたも最高、あなたも最高、あなたも最高、あなたも最高。それをただ繰り返し繰り返しひとりひとりに言い続けていくような、とても器用とは言えないけれどただただ優しさとユーモアがとめどなく湧き続けているような、かけがえのない場所を見たのだと思った。


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いいことばかりの場所なんてないし、いいことばかりの人生もない。なにもかもすべてがうまくいくような日だってほとんどないし、いつも、いつでも本当に正しく効率のいい頑張り方なんてわからない。

どこかの世界で1番になれる日なんて一生来ない可能性の方がずうっと高い。煌びやかなことには縁がない。業界に対する風当たりだってきっと完全に冷たさを失うことは夢の向こうの出来事なんだろうな、と思う。

それでも、たとえから元気でも、ただ最高なあなたに、あなたはほんとうに素敵だね、あなたが頑張っているのを知っているよ、本当にありがとう。と、言う行為の、なんて優しいことだろう。

わたしたちは本当にいいね、きっとどこまでもいけるんだよ。と、笑顔で言い合うことの、本当の意味を、これから未来に作っていくのだと思う。そういうわたしでいたいと思う。


嵐のなかを泳いでいく日も、頭の中は夢を見ようよ。土砂降りの日、ビニール傘越しの街明かりがあんなにきれいだったこと、思い出したら、それがそのままあなたの瞳のきれいさを教えてくれるというもので。


あらためて、いい一日だな。と、思えた3月9日でした。


自分だけが最高だと称えられたい、なんてそんなチープな気持ちはとっくの昔に失ったから、とにかく最高をなるべくたくさん増やしていくことだけだと思う。私にできることは。そして、この世で誰にも見つけてもらえない人が、一人でも減っていくように、ひとつひとつ、新しい最高を探していこうね。見つけて愛していこうね。私も、こんなにわかりにくく揺らぎやすい私の「良さ」を、一般社会ではきっと「厄介さ」に変換されて淘汰されてしまうであろう個性を、周りにいるひとたちや、これを見ているあなたに、まさに、見つけてもらったから。


だから、あなたが個性をかたくなに隠す世界より、あなたの個性が素晴らしいという前提で始まる未来がはやく、はじまったらいいと思う。

この前見た「グレイテスト・ショーマン」もそういうお話だった。自分のこと、ちゃんと最高だって思えた瞬間、あなたは内側から湧き出るように光り輝いて、人はほんとうにあなたのために感動をするんだよ。


たくさんのお手紙をもらう。イベントでたくさんの人に会う。たくさんの人からコメントやリプライをもらう。

あなたが、会えた時、SNS上で、そして手紙で、ゆびを迷わせながら、真夜中の窓の向こうに思考をずいぶん泳がせながら、本当の言葉を探してくれたこと。

そういうひとつひとつが、なにかチャーミングな生き物のようになって、頭の中のサーカステントのあたらしい仲間になります。元気が出るショーを、悲しい夜にはいつもしてくれる。そうやって、あなたのおかげで生きています。


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DMMアワードの投票ももうすぐ始まることだし、なによりみなさんにもっと気軽に言葉でお話しすることができるコンテンツが欲しいので、近々webラジオをはじめたいと計画しています。

こんなことやったらいいと思う、というご意見やアイデア等ありましたら、このコメント欄でもツイッターでも、教えてください。面白いものでも真面目なものでも、なんでも。



心でもっとなかよくしようね。

明日のアキバイベントも、とっても楽しみです。参加される方、よろしくお願いします。

それでは今晩あなたがいい夢を見られますように。